令和2年度 食文化栄養学実習

竹内由紀子ゼミ■食文化研究室


日本の食文化を日本に広めたい


 私は様々な「食」について学んできたがその中でもいちばん日本の「食」が好きだ。日本の食文化は他にはない独自な文化が展開しており、季節・旬を生かした素材選択や調理方法など世界に誇るべき日本の食文化を衰退させてはいけないと考えている。しかし海外向けのPR が多く、日本の国内では十分に行われていないように感じていた。そこで、日本の食文化を日本に広めたいと考えた。
 現在まで四つのことについて調べてきた。一つ目は、日本の食文化をPR している機関・組織にはどのようなものがありどのような活動をしているのかについてだ。日本の食文化をPR している組織として「一般社団法人和食文化国民会議」や「NPO 法人日本食育協会」などが挙げられる。二つ目は、私たちが教育制度の中で日本の食文化を学ぶ機会にはどのようなものがあるのかを確認した。保育所、幼稚園、小学校から高校まで日常生活や授業などを通して食文化の教育を行っていることがわかった。三つ目は、国が日本の食文化に対してどのような政策を実施しているのかについて調べた。文化庁では食文化担当の参事官の新設や「日本博」(日本の文化を国内外に情報発信し次世代に伝えていく展示や体験などが行われる。)の運営を行っていた。農林水産省では郷土料理を紹介する「うちの郷土料理」のHP 運営を行っていた。文部科学省では「食に関する指導の手引き」の作成を行っている。四つ目は、日本人が食文化についてどう思っているか様々な報告書を確認した。こうした報告書からは食について関心を持っている人が多く、日本の食文化を次の世代に伝えていきたいと思っている人が多いことがわかった。しかし、実際に伝えている人は多くないということもわかった。この研究を通して、日本の食文化のPR は国内向けにもされていることがわかった。しかし認知度が低いため知ってもらうことから始めるのが良いと考えた。