令和2年度 食文化栄養学実習

高橋勝美ゼミ■地域食産業学研究室


ダサキャン
ソロキャンプ旅と手抜きめし


 昨年の夏の末、1人自由気ままに旅をしたいと、ふと思い立った。時間や身の回りの様々な関係性にとらわれることなく、移動も、食事も、料理も、行動の全てを自分の思うままにできたらどんなにいいか。思考を巡らせる中で、一番自由なバイクを移動手段に、旅に出たいと思った。積載量は限られるものの、その不自由さも魅力に感じた。憧れを胸に勢いのまま教習所に行き、バイク旅に向けての準備を進めていた。その後実習のテーマがキャンプ・アウトドアクッキングに決まり、春頃には都市近郊のキャンプ場を何軒か訪れ、夏には北海道をキャンプしながらまわる予定で、免許を取ってバイクやキャンプ用品を購入し、キャンプやアウトドアクッキングについて調べてきた。
 準備が整い、出発が目前になったところで、新型コロナウイルス感染拡大による全国的な自粛ムードの広がりにより、バイクによる長距離移動は断念せざるをえなかった。キャンプにはしばらく行けないと諦めていた中で、ベランピングという言葉を聞き、実際に家でやってみることにした。立地の問題で、野外で火を起こして料理をすることはできないため、自宅のキッチンで軽食を作り、庭で食事をした。当初考えていたような野外での調理や、キャンプの醍醐味である大自然を味わうことはできなかったが、風と陽の光を感じながらのんびりと食事を楽しむことはできた。
 その後新型コロナウイルスの感染状況を見ながら、実際にキャンプに行くことができたが、状況と安全性を考え、バイクでのキャンプは断念し車で行くことになった。今回の発表会では、自身の体験を通し、限られた道具、材料、環境等諸条件の中で料理をすることや、自然を感じながら食事をとることの楽しさ、素晴らしさを伝えたいと考えている。