令和2年度 食文化栄養学実習

高島美和ゼミ■英語圏文化研究室


ある可能性の話


 今から一つの可能性の話をしましょう。私たちは日々勉強をしています。それは学校で習う学問に限らず、職場での体験や人と接する中で得る感情などのことです。皆さんはそれらが自分のものになるのはいつだと思いますか?「勉強した、教えてもらったその瞬間でしょ」って?本当にそうですか?学校で食品自給率の授業を受けた時、自給率だけでなく、その背景が頭に残りますか?試験のためにパーセントの数字だけが頭に残ると思います。もし、習ったものをその場限りの情報にせず、今後の生活に反映できるようになれば将来の夢や今やりたいことが見つかる、つまり自分の人生が変わると思いませんか?
 では、どうすれば実現できるでしょうか。私は映画や本の物語りにその適性があると考えます。ただ勉強するだけでは他人事だったことが、映画や本だと身近に感じられ、その後も頭に残り続けた経験はありませんか?勉強するものが物語りや登場人物に反映されることで感情移入ができるため他人事と捉えず、共感が得られます。この共感が “ 情報” から“ 自分のもの” へ変化させ、今後の生活に反映できると考えます。そして、ゲームは映画や本の物語り以上に適性があると私は思います。ゲームは本や映画とは違いその世界の住人として自らが選択し、行動します。つまり、その世界の疑似体験ができるため、映画や本と比べてより登場人物と世界について共感が得られると考えるからです。
 私は食品ロス問題でこの経験をしました。経験後、日常のあらゆる場面で食品ロス問題を考えるようになりました。食のように日常に馴染みすぎてその大切さが忘れられがちのものにこそ、この考え方が必要だと思います。だから、食にスポットをあててこの研究を進めています。