令和2年度 食文化栄養学実習

駒場千佳子ゼミ■調理学研究室


お菓子×○○×写真
古民家でそれを食べたい


 私の祖父母の住む家は、築100年の古民家である。土間や縁側があり、風通しもいいため、夏のクーラーはいらないほど。だがその分、冬はとても寒い。そんな古民家に、もしカフェがあったならこんなお菓子を作りたい、まわりには緑に畑、田んぼ。そんなロケーションでこんなお菓子を食べたい、楽しみたいという思いをきっかけに、この実習を始めた。祖父母は農家で野菜や果物を作っているので、お菓子にはそんな要素を加えて、暮らしや自然が感じられるものを作りたいと思っている。
 中間報告では、写真撮影の際の自分なりのポイント(自然光・角度・皿)とあまりお菓子に馴染みのない野菜を使ったレシピを見つけ、それらを作った結果についてまとめた。これをもとに後期ではさらにお菓子を作り、写真を撮った。
 まず野菜や果物というと、おいしい旬の時期が一番!ということで四季に分けて食材からお菓子を考えた。夏のはじめに祖母から大量にもらう枝豆。塩で食べるのももちろんおいしいけれど、きな粉の香る生地と枝豆のクリームで作るロールケーキは、素朴な甘さでまたおいしい。秋を感じる時期になったら、甘いりんごとこの古民家のある千葉県の名産品、ピーナッツと合わせ、こっくり色づくパウンドケーキに。
 またテーマにある“写真”は、インスタ映えを狙ったものではなく、自然に囲まれた民家というロケーションなので自然光を大切に撮影。自然光を意識したことで感じたのは、1日の中でも朝と昼、夕では写真に入り込む光の印象や柔らかさが違うこと。また、写真には入り込まずとも、朝の静かな澄んだ空気の中で、撮ったものはどこかそんな雰囲気の仕上がりになったり、肌寒い雨の日の夕方に撮ったものは、薄暗さの中に少しの温かさが感じられるような写真になったりし、面白く、奥が深いことを体験できた。