令和2年度 食文化栄養学実習

駒場千佳子ゼミ■調理学研究室


皿は口ほどにものをいう。
性格診断自己紹介スイーツプレートの提案


 友人と星座の性格診断の話をしていたとき、「あなたってこういう人らしいよ 笑。」なんて言って会話が盛り上がった記憶がある。メディアには星座や血液型と性格の関係について記載したものが溢れている。扱われるコンテンツの多さから、日本人は性格診断が好きだということがわかる。そんな経験から私は、性格診断というツールがコミュニケーションのきっかけになるのではないかと感じた。さらに星座や血液型ごとの性格を自分の得意なスイーツで表現し、お皿に盛り付ければそれは“その人”を紹介するスイーツプレートになるのではないかと考えた。誰かと食べることでお互いを知る会話のきっかけになるスイーツプレートをつくりたい。
 そこで各星座の性格をそれぞれまとめ、そこからインスピレーションを受けた星座ごとの性格をモチーフとしたスイーツを考えた。元々あるお菓子がその星座の性格にピッタリで、そのまま当てはめたものもあれば、性格にあわせてレシピにアレンジを加えたものもある。さらに血液型ごとの性格をモチーフにしたアイスも同じように作成した。こちらはそれぞれ由来となった民族から連想される材料でアイスを作り、性格は盛り付けの部分で表現した。また、スイーツプレートをたべる“その日”が特別になるようにタロットカードをモチーフにしたノンアルコールカクテルとのペアリングも提案する。お菓子、アイス、ドリンクがワンセットになってはじめて、“今日のあなた”を表すスイーツプレートの完成となる。
 星座や血液型での性格診断を信じるも信じないも個人の自由。それでも、私のスイーツプレートをきっかけに、信じるあの人も信じないあの子にも、誰かとの楽しい時間を過ごしててほしい。



お菓子×○○×写真
古民家でそれを食べたい


 私の祖父母の住む家は、築100年の古民家である。土間や縁側があり、風通しもいいため、夏のクーラーはいらないほど。だがその分、冬はとても寒い。そんな古民家に、もしカフェがあったならこんなお菓子を作りたい、まわりには緑に畑、田んぼ。そんなロケーションでこんなお菓子を食べたい、楽しみたいという思いをきっかけに、この実習を始めた。祖父母は農家で野菜や果物を作っているので、お菓子にはそんな要素を加えて、暮らしや自然が感じられるものを作りたいと思っている。
 中間報告では、写真撮影の際の自分なりのポイント(自然光・角度・皿)とあまりお菓子に馴染みのない野菜を使ったレシピを見つけ、それらを作った結果についてまとめた。これをもとに後期ではさらにお菓子を作り、写真を撮った。
 まず野菜や果物というと、おいしい旬の時期が一番!ということで四季に分けて食材からお菓子を考えた。夏のはじめに祖母から大量にもらう枝豆。塩で食べるのももちろんおいしいけれど、きな粉の香る生地と枝豆のクリームで作るロールケーキは、素朴な甘さでまたおいしい。秋を感じる時期になったら、甘いりんごとこの古民家のある千葉県の名産品、ピーナッツと合わせ、こっくり色づくパウンドケーキに。
 またテーマにある“写真”は、インスタ映えを狙ったものではなく、自然に囲まれた民家というロケーションなので自然光を大切に撮影。自然光を意識したことで感じたのは、1日の中でも朝と昼、夕では写真に入り込む光の印象や柔らかさが違うこと。また、写真には入り込まずとも、朝の静かな澄んだ空気の中で、撮ったものはどこかそんな雰囲気の仕上がりになったり、肌寒い雨の日の夕方に撮ったものは、薄暗さの中に少しの温かさが感じられるような写真になったりし、面白く、奥が深いことを体験できた。