令和2年度 食文化栄養学実習

衛藤久美ゼミ■国際協力学研究室


和菓子と暮らす
―食育カレンダーで和菓子の魅力を伝えたい!―


 若者の和菓子離れが進む現代、学校や家庭で和菓子を学ぶ機会がほとんどないことに気付いた。そこで、一人で調理や買い物をするなど、時間の使い方を自分で決められるようになる中学・高校生を対象に、「日本の伝統と和菓子文化を身近に感じてもらう」ことを目的とした食育カレンダーを作成することにした。今回は、和菓子の実態調査の結果と、作成した和菓子の食育カレンダーについて発表する。
 実習1では、食文化栄養学科の学生を対象に、中学・高校時代の和菓子との関わり方の実態調査をWeb アンケートにより実施した。その結果、中学・高校時代に洋菓子を週3 回以上食べていたのは59%だったが、和菓子を週3 回以上食べていたのは13%で、和菓子より洋菓子の方が喫食頻度が高かった。さらに、和菓子の中でもせんべいやだんごのようにスーパーやコンビニで買える和菓子は喫食率が高いが、正月の花びら餅などのように和菓子屋でないと買えないものは喫食率が低いことがわかった。
 実習2では、文献調査や実習1 のアンケートの結果をふまえて、和菓子に苦手意識がある人でも食べたくなり、家庭で手軽に作れる和菓子の食育カレンダーを作成した。12ヶ月分15種類の和菓子を作り、ひと月ごとに季節の和菓子の写真を載せ、裏面にはレシピや和菓子のコラムを記載した。レシピは中学・高校生でも作りやすいように工夫した。また、カレンダー用の写真撮影では、見た目が可愛らしく、食べたくなるような写真になるよう意識した。
 実習を通して、和菓子の種類や作る材料について知っている人があまり多くないと感じた。私自身、今回のカレンダー作成で和菓子の魅力をさらに知ることができた。この食育カレンダーを見た中学・高校生が和菓子と日本文化の繋がりや奥深さを感じ、和菓子により親しみを持ってくれることを願っている。