令和2年度 食文化栄養学実習

浅尾貴子ゼミ■フードマーケティング研究室


*レモンであっさり女子カフェごはん*
オリジナリティ必須の商品開発で求められること


 カフェ・カンパニーが運営する「WIRED KITCHEN 川越アトレマルヒロ店」で、商品開発を担当しました。ボリューム感のあるカフェメニューは女性からの人気も高いですが、濃い味付けや肉メインの料理を好む女性ばかりではないのではと考え、さっぱりイメージの柑橘をメニュー考案の柱に決めました。
 開発するにあたり、類似の食材や調理法のメニューを探して調査し、参考になる点を提案に活かすことにしました。季節感や非日常感の演出に苦労しましたが、副食材に旬のものを組み合わせることや、盛り付けを工夫することで、難題を乗り切りました。春と秋に季節素材を組み合わせたパスタを商品化し、冬は旬の野菜と柚子を取り入れたドリアを開発することができました。
 小売企業への商品開発も2回経験しました。店舗調査をし、既存の商品の課題やお客様の利用動機を探り、求められている商品は何かを考えるというのが企画作成の手順です。一貫性があり理屈の通った資料を作ることや、限られた時間の中で計画的に準備を進める必要があることも実感しました。
 今年の4月頃からは、コロナウイルスの影響による担当店舗の休業や、夏の新メニュー導入中止など、想定外の事態に戸惑いました。オンラインゼミでは、ゼミ生が出すお題を軸に各々の実習テーマを関連させた料理を考え、各自創るという経験をしました。秋・冬メニュー提案は、店舗の現状をこまめに確認するよう意識し、新規導入食材や作業負担を最低限に抑える工夫をしました。
 オリジナリティが求められるカフェ企業の商品開発では、定番と創作のバランスを取ることが重要だと実感しました。奇抜な味になりすぎると商品になりません。その分、盛り付けやネーミング、販促物などで工夫をすることも、個性を演出するひとつの方法だと分かりました。