ゼミ別 発表要旨
*テーマ / サブテーマ
【カテゴリー】
発表要旨
秋野 晃司ゼミ
飽食と飢餓 / ─今考えなくてどうする?─
【5.情報発信と表現 / 6.生産者と消費者をつなぐ / 11.食の問題】
毎日、「おいしいね」「楽しいね」って食べる食事はいつまで続くでしょうか。大好きなおにぎり、嫌いな野菜、いつか食べたいと思っていたあの店のパンケーキ。
そこにあって当たり前、おいしくて当たり前。しかし、突然それらが食べられなくなったらどうしますか?
あなたはその時、何を後悔するでしょうか。飽食の時代、日本。いつでも好きなものを好きなだけ食べられるというあたり前の日常があたり前でなくなる前に「今」考えてほしいこと。
日本では、まだ食べられる食べ物を大量に廃棄しています。その棄ててしまった食べ物で何人の人間、何頭の動物の命が助かっていたのでしょうか。今、一人ひとりが変えるべき消費者意識、努力すべき行動を提案します。
▼飽食と飢餓の間にあるもの ~食品ロス~
飢餓問題を解決すべく、飽食の時代のわたしたちにできることと言えば、一番身近で行動しやすい食品ロスを削減することだと考えます。まずは現状を知ることです。世界の食品ロスは13億t。これは世界の生産量の1/3にあたります。一方、日本の食品ロスは642万t。うち、企業から出るものは331万t、家庭から出るものは311万t。すなわち、食品ロスの半分は家庭から出ています。多くのものは、賞味期限の接近や包装の不具合、季節商品、規格外商品などです。第一回発表会ではセカンドハーベストジャパンの活動を取り上げましたが、近年では食品ロスを未然に防ぐ企業の努力や新たな事業の展開も見られます。フィールドワークを通して分かった問題解決への道筋を軸に、現在の食品ロス問題について追及します。
▼できることから始めてみよう
期限の近い商品から購入する、フードレスキューシールのついた商品を購入する、フードドライブに参加する、3010運動の実施、サルベージパーティーに参加してみるなど。あなたにできることはたくさんあります。また、あなたにしかできないこともあります。棄てられていく食べ物たちを見て見ぬふりをするのではなく、食べものに困る前に、できることから始めてみませんか。
オキナワールド / ─沖縄の魅力を求めて─
【1.日本の食 / 10.食材の可能性】
みなさんは沖縄県に行ったことがありますか?または、行ってみたいと思いますか?私が沖縄に家族で行った際、青い海や沖縄料理、音楽に惹かれ、今では沖縄県が大好きになりました。沖縄県は国内だけでなく、国外からも沢山の人が訪れる観光地です。
「建物」「食文化」「音楽」「景観」など、他の県にはない異文化を持つところが多くの観光客を惹きつけているのではないでしょうか。私は色々な角度で沖縄の魅力を再発見し、研究することで沖縄の観光の活性化に繋げていきたいと思っています。
▼研究内容
主に文献調査とフィールドワークを中心に行いました。文献調査では、沖縄で日頃から食されている沖縄料理や食材を調べました。また、時代の流れによって変化してきた沖縄の食文化を学びました。亜熱帯気候を活かして育ったゴーヤーやヘチマなどの特産品を料理に使用していること、島豆腐は沖縄料理に欠かせない食材であることなどがわかりました。フィールドワークでは沖縄県に実際に足を運び、沖縄県でしか味わうことのできない魅力を調査しました。また、東京都にある沖縄料理屋店や物産展にも足を運び、どのような料理や食材が受け入れられているのか調査を行いました。
▼概要
沖縄県全体の人口は約571,769人、県庁所在地でもある那覇市は137,886人です。那覇市は沖縄県の中で人口が多く、沖縄本島の南西海岸に位置します。古くから東南アジアや中国の各都市を結ぶ交通の拠点であったため、アジア諸国との交易拠点として発展しました。そのため、島外からさまざまな食材を受容し、時代状況に合わせて食文化を形成したのです。
今回の発表では、沖縄県の現地調査・物産展・沖縄料理屋店のフィールドワークから感じた沖縄の魅力を紹介し、考察を発表します。この発表を機に沖縄県に行ってみたい!こんな魅力があったんだ!と思っていただきたいです。
浅尾 貴子ゼミ
健康レシピ&商品開発の手法の違いを比較! / ─それぞれの開発に求められる要素とは!?─
【8.商品開発 / 9.メニュー提案 / 17.健康・美容】
食品メーカー2社で健康レシピの開発を担当し、情報提供と商品販売の手法の違い・調理の複雑さ・開発頻度と時期・顧客に求められる要素などを比較しつつ、市場の反応を考察しました。
スパイスなどを取り扱う「エスビー食品株式会社」では、季節ごとの家庭用減塩メニューと業務用減塩献立のレシピ提案を行い、店頭の顧客やスーパーなどの小売業のバイヤー向けリーフレットを作成しました。また、スーパーやコンビニ等に向け調理麺を製造している「株式会社クリタエイムデリカ」では、低糖質麺を使用し、健康を付加価値とした調理麺商品の開発を行いました。
■目的
健康メニューは美味しくない、というイメージを持たれることが多いです。減塩と低糖質が課題であることから、これまでのマイナスイメージを払拭するため、美味しさを維持したレシピ提案と商品開発を目標としました。考案を通して、販促物の重要性とレシピ・商品開発の手法のポイントをまとめます。また食品メーカー比較として、材料と完成品、調理をする顧客と完成品を購入する顧客という2者の違いによる特性についても検証します。
レシピ提案では、わかりやすい調理方法、食材、表現にすることと、スパイスの揮発性を考慮して量や手順を決定するのに苦戦しました。調理麺商品の開発では、コストや使用可能な食材などの制限が多い中で考えなければならなかったことに加え、容器に盛り付け表示シールを貼った後の見た目の考慮とともに、周りの商品との差別化を図ることが難しかったです。
■まとめ
販促物としてのリーフレットに掲載するレシピはわかりやすく、簡略化されたものが望ましいとわかりました。惣菜では、複雑な作りや目に見える食材により商品価値がアップするため、ボリューム感や値頃感の考慮が必要です。”健康”を打ち出したレシピや商品はいかに抵抗感なく、自然な仕上がりで美味しそうに仕上げることが求められます。整理すると3つです。1.ベースには人気のある定番メニューを選定する。2.色味や盛り付けなど見栄えに気をつける。3.通常商品に比べて物足りなさを感じやすい為、香ばしさや歯応えをプラスできるナッツや胡麻、香りのあるきのこや香味野菜や香辛料を活用する。
魅力たっぷり!サーモン×人気の健康系新食材 / 美を意識した女性向けメニュー開発に必要な要素の考察
【8.商品開発 / 10.食材の可能性 / 17.健康・美容】
新宿マルイ本館の「クックコープカフェ」で女性向けメニューを開発しています。抗酸化作用が強いとされるサーモンを軸とし、美容やファッションに関心のある女性客に受け入れてもらえる食材や料理を追求しました。
食材の組み合わせ、料理ジャンルや内容、トレンド感、野菜量や食材数など、多方面から分析し、その要素をまとめることを目的としました。
▼開発背景
商品を考案するために、美や健康をコンセプトとしたお店へ実際に足を運び、惹かれるメニューのポイントを調べました。その結果、ボリューム感やインパクトに欠けるものは印象に残らないと感じました。ボリューム感は量、食材数、盛り付け方法が関係し、インパクトは彩り、トレンド、手作り感であると分析しています。また、開発にあたり、私は2つのポイントに力を入れ、取り組みました。
1、美を意識した女性向けメニューに必要な要素の考察
料理や食材の他に上記で述べたボリューム感、価格、野菜量や食材数などいくつかあります。今回はそれぞれの項目に対して分析し、要素をまとめました。
2、目新しい健康食材はアクセントに使用し、根強い人気食材を主に使用する
今話題のキヌア、チアシードといった健康系新食材はメインではなくアクセント程度に使用し、女性からの人気食材であるサーモンをメインとした料理を様々考えました。お肉ブームがある中、魚をメインとした料理提案は簡単ではありません。夏、秋、冬メニューでは「エスニックブームやカレーブーム」など美容トレンド以外にも女性が惹かれるワードにアンテナを張り、メニューを考案しました。
商品開発をするにあたって大切なことは数えきれないほどあります。その中でも一番大切なことは常にアンテナを張り、仮説を持ち、自分の目と舌で納得するまで、それらを検証する姿勢だと思います。ただ行くだけ、食べるだけではなく価格、料理説明やサービスなどの面も見ます。私は市場調査を1週間に2軒以上を日課にしており、ゼミ活動中の1年間半で150軒ほど行いました。今回は発表会に合わせて30軒のオリジナルブック本も作成しようと考えています。ぜひ私の発表を聞きに来てください。
カフェで楽しむ物語の世界♪ / 「シンデレラ&白雪姫」の演出方法
【8.商品開発 / 9.メニュー提案 / 13.料理を伝えるカタチ】
「美味しいって、楽しい!」がコンセプトの「COOKCOOP CAFEルミネ大宮店」で実習を行っています。見た目からも楽しめるよう、童話の世界感やモチーフを料理上で表現し、料理にワクワク感をプラスしたメニュー開発を行いました。
▼表現の工夫
物語を表現するためには、お話の内容や登場人物、情景やシーンなどの理解を深めることが大切です。書籍やインターネットで調べ、常に表現の工夫やアイデアを収集。人気のあるコンセプトカフェにも市場調査に行き、店舗で実際に再現できる演出方法の可能性や、食材・食器の選び方なども学びました。料理だけでは表現しきれない部分は販促物や手書きの絵本を料理に添え、お客様が物語を理解しながら食事を楽しめる工夫もしました。
▼商品企画について
自分が作りたいもの、ではなくお客様目線になって企画を考えます。実習開始前に店舗に何度か来店し、客層やお客様の過ごし方などを観察し、課題と理想、ターゲット、コンセプトを決めました。それらをもとに商品提案・試作をゼミ内で繰り返し、意見を交換しながら、商品をより良いものにします。また、アルバイトとしても働きながら業務を学び、ブレのないオペレーションや仕込み方を考えました。店長や店舗スタッフとコミュニケーションをとりながら、意見を取り入れることも重視しました。
▼難しかったこと
お客様がパッと見て、物語が連想できる盛り付けにすることに苦労しました。野菜の切り方をくるくるさせることでシンデレラの魔法を表現したり、全体をダークな色調にして、白雪姫の毒リンゴの毒々しさを表現したり、細部にまで料理の工夫が必要でした。そのアイデアに行き着くまでにとても苦労し、企業の方々やゼミ生・先生の協力のお陰で商品として完成させることができました。
発表では1年間学んだ開発の流れ、表現の工夫で重要なポイント、販売実績などをまとめて発表します。
川越野菜+郷土料理のカフェメニュー / 外食企業での地域限定商品開発のポイント
【1.日本の食 / 4.地域振興 / 8.商品開発】
カフェカンパニーグループが展開する「WIRED KITCHIN川越アトレマルヒロ店」でメニュー開発を行っています。
≪概要≫
川越という立地で近隣住民が顧客のメインであることから、埼玉県の郷土料理の要素を取り入れ、地元農家の野菜を使った、地域に根差したメニューの商品開発に取り組んでいます。春は、東松山市の「焼きトン」と秩父市の「かてめし」を掛け合わせた丼に、生で食べておいしい「かぶ」・夏は、川島町の「すったて」をレモン風味にアレンジし、みずみずしい「きゅうり」・秋は、川越市の「さつまいも料理」をモンブランにし、ホクホクした食感と甘さが特徴の「さつまいも」を使用し、商品を開発しました。
≪目的≫
1:埼玉県の郷土料理をアレンジすること
市役所等のHPや書籍での調査や、実際に訪問し市場調査を行いました。
2:川越産の野菜を使用すること
農家へ直接出向き、野菜や仕入れの話し合いを行いました。
≪開発について≫
どのような人が来店するのか、どのようなものを求めているのか等、実際に店舗にてアルバイトを行いながら学んできました。ターゲットを20歳の学生と46歳の主婦二人に設定し、「川越を楽しんでもらおう!地元の魅力を再発見!」をコンセプトとしました。同時に市場調査も行いながら商品を考案し、企業の方へ商品提案をしました。そして試作を繰り返しながら、実際に商品の販売へつながりました。
≪まとめ≫
実際に商品開発を体験してみて、お客様の目線に立ち、求めているものは何かを考える事が一番難しく、重要であることが分かりました。そしてまた、農家さんとのコミュニケーションや、実際に郷土料理を食べに行き話を聞くなどを実際にすることで、より良い商品開発につながると感じました。発表では、商品開発の考案から販売までの過程や、地域限定商品のポイント、苦労した点などお話ししたいと思います。
メニュー開発の裏側 カフェVSファミレス / ─外食チェーン店の商品ができるまでを比較する─
【8.商品開発 / 9.メニュー提案】
カフェ&バーチェーン店「PRONTO」とファミリーステーキレストラン「フォルクス」の商品開発部の仕事に参加しながらメニュー開発について学びました。
■目的■
外食企業の商品開発部の仕事に参加し、新メニュー完成までの過程を経験し、業態の異なる2つを比較することと、店舗作業等を通じて開発の制約条件を明らかにし、メニュー開発の難しさをまとめることを目的としました。
■新メニュー完成までの過程■
1.前年度の売上の振り返り、次期の目標と戦略を練り、メニュー概要を提案
2.試作、試食を繰り返しながら、原価の調整、食材調達先の選定
3.レシピ確定後、メニュー提案をし、最終的に決定となる
4.メニュー撮影、マニュアル作成、オペレーション指導し、新メニュー販売
両社ともこのような流れで開発を行いますが、開発期間、開発に関わる人数、メニュー改廃の頻度、導入メニュー数等、両社で違いがあります。
■開発の制約条件■
開発する際には店舗のキッチンスペース、調理器具、調理人数、食材、原価等を考えながら開発します。カフェチェーンとファミリーレストランではそれぞれ開発における制約条件があります。共通するのは、どちらもアルバイトの人が作っても同じ仕上がりになるよう設計する必要があるということ。異なるのは、カフェチェーンではキッチンも狭く、お客様に提供するまでの時間も短いため、簡略的な調理工程であることが必須条件になるのに対し、ファミリーレストランでは、キッチンも広く、調理器も揃っているため、メニュー提案の幅は広がります。
■まとめ■
この実習を通して2つの企業にお世話になり、多くの学びがありました。発表会ではこれら2つの企業の新メニュー完成までの過程や制約条件の違いについて私なりに分析を加えて、さらに詳しくお話しします。
"SNS映え"の創りかた / テーマレストランのメニュー開発で求められること
【8.商品開発 / 14.食と空間・食シーン】
株式会社ダイヤモンドダイニングの「古城の国のアリス(池袋)」と「ヴァンパイアカフェ(銀座)」の2店でメニュー開発を行いました。
食を通じたエンターテイメントが企業理念ということもあり、美味しいだけでなく、その料理を見ただけでわくわくするような時間を創れるようなメニュー開発が求められますそうした中で、SNS映えがブームになっていることもあり、お客様が感動してつい写真を撮ってくれるようになるには、どんなポイントをおさえれば良いのかということを、私自身のテーマとしました。
■企画の立案からプレゼンテーションまで
例えばハロウィンの時期は、遊び心に溢れた商品が町中に並びます。「誰も見たことのないもの」「インパクトのあるもの」また「イベントを満喫した気分になれるもの」とは、具体的にどんなものかを考案するのに苦労しました。最もメニュー開発のヒントになったのは、人気飲食店やパティスリーを訪れ、お客の1人として自分が体験してワクワクする経験でした。実習をきっかけに市場調査を多くするようになり、視野を広げることができました。また、料理の試作では、美味しいだけでなく、オーダーする前から期待を得られ、運んで来て歓声が上がり、食べる前に写真を撮ってもらうことが目標でした。素材の選び方や色合いの組み合わせ、食器の使い方、メニュー名や提供時のサービストークなど、工夫が必要な要点は多くありました。行き詰ったときに、コンセプトを表現するプロであるお店の方から、言葉の表現の仕方や、食材の意外な使い方などを教えていただき、とても参考になりました。
■まとめ
SNS映えする商品とは、ぱっと目を引くような「色彩感」と、ストーリーやテーマが一目見ただけでわかるような「関連性」、インパクトやギャップをもつ「意外性」を抑えていることがポイントであるとわかりました。また、アイディアを具現化する過程で、自分の想いだけでなく、客観的な視点の重要性を知りました。2店は「おどろおどろしさ」と「ポップさ」のまったく違ったコンセプトですが、多くの方から意見やアドバイスをいただき、つい写真に撮りたくなるようなそれぞれのハロウィンを提案できたと思います。
五感で楽しむアレンジだし / カフェメニューにおけるエンターテインメント性の追求
【8.商品開発 / 9.メニュー提案 / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
だし汁は味噌汁や煮物料理を作るときのわき役だ。
そう考える人は少なくないでしょう。しかし、だしをメインに使用することで目、香り、風味など五感を使って料理を楽しむことができるのです。
かつおだし、昆布だし、合わせだし、椎茸だし、煮干だしの基本の5つを組み合わせたり、何か他の食材を加えることによってうまみの相乗効果がうまれ、おいしさは飛躍的にUPします。だしは、アレンジ次第でさまざまな味や香りを表現することができるのです。私は、このだし汁の可能性をなんとかカフェメニューに取り入れることで、わくわく感をプラスしたメニューの開発ができないかと思い、今回、春・夏・秋でアレンジだしをメインとしたランチメニューの開発を行いました。
池袋サンシャインシティ内にある「株式会社ダイヤモンドダイニング」の「CAFÉ NOISE」にて実習を行っています。商品開発はまずはじめに、店舗の分析から始まります。オフィス街に店舗があることから、客層は20~40代の会社員が多く、周辺には洋食の店舗が多いなどの分析から、和食において欠かせない「だし」をテーマに和風テイストの創作料理としました。
石焼の器を使用したり、トマト出汁や、ゆず風味きのこ出汁などを考案し、味に変化をつける工夫をしました。運営企業の理念であるエンターテインメント性を取り入れ、視覚や音、香りからも料理にわくわくや驚きを感じられるメニューにすることで、他店舗との差別化を図りました。運営企業の他のコンセプトカフェとは異なり、日常的な利用が多い店舗なので、エンターテインメント性を追求することは難しく、店舗の客層が求めているわくわく感とは何なのか、店舗分析や複数の市場調査を重ねることで搾り出していきました。
外食メニューの開発は家庭料理とは異なり、作業工程や盛り付けに工夫が必要です。発表では、想像以上に苦戦したメニュー提案までの流れや、料理を商品に仕上げるとはどういうことなのか、商品開発を通して身についた力等についてお話します。
オンリーワンのお土産菓子の創り方! / 埼玉のこだわり素材を使用した商品開発と売れる仕掛け
【4.地域振興 / 8.商品開発】
私は毛呂山町の桂木ゆず、日高市の高麗川マロンといった、地域のこだわり素材を使ったお土産菓子の開発をしました。
■背景
近年、農業者の高齢化等の影響により、「ゆず」や「栗」といった特産品を生産する農家でも離農や規模縮小が見られます。生産者のモチベーションをアップできるよう、特産品である「桂木ゆず」・「高麗川マロン」のブランド化、また市のPRを目指しました。
■目的
1.お土産菓子を通じて地域を活性化させること。2.お土産菓子として売れる商品の条件を整理すること。3.製造の可能性を考えつつも食べた人が笑顔になれる菓子・パッケージ・ネーミングの考案。以上の3点を目的としました。
■開発の流れ
商品考案の際には、価格や大きさなど売れる仕掛けを考える必要があります。また、工場の製造上の制約や賞味期限や原価など、考慮する点も多くあります。実習では、農家・直売所・工場・市役所を見学し、現状を学びました。また、お土産屋などの市場を調査し、顧客の嗜好や行動を踏まえた商品の条件を整理しました。ネーミングを考案する際にはまず、関連のあるキーワードを書き出します。その上で商品をイメージしやすく、覚えていただきやすいインパクトのあるものを選びます。パッケージを考案する際にも、商品をイメージしやすい色や箱に詰めた時のバランスも考えます。いずれも地域や素材、商品に関連のあるものを中心に決定しました。商品を考案し創り上げたところでお客様に知ってもらわないと意味がありません。その為、特産品のブランド化・こだわり素材のお菓子をPRするために実際に記者会見・お祭りでの販売をすることで、お土産菓子のアピールを行いました。
売れるお土産菓子を開発する為には、マーケティングを行い実際に存在するターゲット設定、コンセプトや商品の特徴を明確に設定すること。そして、妥協をしない商品創りが大切です。発表では、商品・ネーミング・パッケージの開発の流れ、農家での収穫体験の他にお土産菓子ならではのポイントをお話します。
磯田 厚子ゼミ
シネマ de キッチン / 〜世界のキッチンと食シーン〜
【2.世界の食 / 3.食の歴史をひもとく / 14.食と空間・食シーン】
【目的】
キッチンはどのような変遷を遂げたのか、国ごとの構造の違いとその要因を明らかにする。また、映画のキッチンや食シーンを鑑賞、比較することで日々の食卓作りの参考にできると考えた。世界各国の様々な時代のキッチンと食卓を紹介していく。
【実習内容】
1. 歴史:調理をする場が確認できるのは石器時代にまで遡り、土のかまどが使われていた。日本の場合、キッチンのルーツは竪穴式住居で、その中心で使われていた炉で炊事をしていた。現代に続くキッチンの変化が起こったのは、大正時代であった。世界では、キッチンの原型が生まれたのはローマ帝国時代である。現代のシステムキッチンの原型となったのは、作業の効率化のためオーストリアの女性建築家が1926年に設計したものであった。
2. キッチンの違いの要因:世界を北緯40°で南北を二分させ、キッチンを比較した。キッチンを形づくる要素として、火・水・煙をあげることができる。それらを左右するものとして、気候と食物が大きく関係していた。それにより、国や地域によってキッチンの構造や機能なども異なる。
3. 映画とキッチンと食卓:ドイツ映画『マーサの幸せレシピ』とそのリメイク版でアメリカ映画の『幸せのレシピ』がある。ストーリーもほぼ変わらない2つの作品であるが、キッチンや食シーンにおいて、ドイツ版はシックで繊細であるのに対し、アメリカ版はポップでダイナミックであり、国風がよく表現されている。『ジュリー&ジュリア』では調理器具により、2つの時代のキッチンの違いとその進化を見ることができる。他にも多くの作品を鑑賞し、映画に登場するキッチンは地域や時代を反映していることがわかった。
【まとめ】
どんなに文明が発展しようと、調理をする場所“キッチン”は消えることはないだろう。キッチンの構造は国と地域によって異なるが、いまある形を変えられなくとも映画に登場するキッチンツールや色合い、デザインや雰囲気を取り入れることはできる。紹介した映画が毎日使うキッチンや食卓づくりのヒントになればと思う。
人間 食べたい
【11.食の問題 / 18.人間・生活・環境】
【目的】
私たちは普段肉や魚・野菜・果物といった動物などを食べているが、人間を食べようとはしない。もし人が人を食べる世界と化したらどうなるだろう。捕食される対象を「人」として考え、食の意味すること、食から学べることとは何かを探る。
【実習内容および実習方法】
1. なぜ食べるのか
食べる基本は生命維持や栄養補給だが、それ以外にも多くの意味合いがある。
〇人が動物を食べる場合
a宗教:神との意志疎通を図ることと誠実を示すため。
b神話:自然界や人間界の現象を十分に理解できない場合の理由付け。
〇動物が動物を食べる場合
a共食い:繁殖といった子孫繁栄のため。
2. 人間に食べられている動物の気持ちを考える
生物学的にみて脊椎動物と無脊椎動物では、痛みの知覚に違いがあると考えられる。人間が食べる上で不要な痛みを与えているとしたら倫理的な問題になる。
3. 人が人を食べる
なぜ人は人を食べないのか。食べる側と食べられる対象になる側の両方を『人』で考察した。現在大ヒットしているアニメ「進撃の巨人」および「東京喰種」の2作品を用いた。両作品とも人が人を食べる世界をモチーフに描かれている。主人公に着眼点をおくと、『人を食べる人』と『人に食べられる人』の2つの立場を疑似体験できるように描かれている。それぞれの視点から見えたものは、食べられる恐怖と食べる側の葛藤や生きるためには食べることが必須であることが見えてきた。
【まとめ】
動物が同種の肉を食べる行動をカニバリズムと言う。人間のカニバリズムを題材としているこの2作品のアニメは、単にグロテスクや空想世界で片付けられる話ではないだろう。人が人を食べる世界には、宗教や神話とはまた違った食べる理由があった。それは、葛藤や恐怖によって誰しもが食べる側になり得るという不条理や、人間社会の差別や紛争によるものだった。
ラオスの「豊かさ」と「貧しさ」の間 / ~国際協力を考える~
【2.世界の食 / 4.地域振興 / 11.食の問題】
<目的>
みなさんは国際協力を考えたことはありますか?イメージが湧きにくい、自分には遠いものだと感じる人も少なくないはずです。今回ラオスという国に焦点を当て知るとともに、国際協力について調べ考え、自分なりに感じたことを伝えます。
<実習方法>
文献調査をもとに、ラオスでのフィールドワーク、AFEA(アジア認定NPO法人アジア教育友好協会)、ALC(特活ラオスの子ども)での活動を行ってきました。
<実習内容>
1.ラオスについて;東南アジアに位置し、人口は約620万人です。首都ビエンチャンには歴史ある建物が立ち並び、また国内を流れるメコン川、少し車を走らせると山々も見え自然を感じられます。地方に行くと山頂、山の中腹、山の麓で民族が生活を営んでおり、今でも色濃く残る衣食住における文化や伝統があります。
2.ラオスの食;ラオスで料理に使われる食材は豊富で、肉、川魚、卵から野菜、香草類、果物などを市場や自給自足、山などから得られます。基本的に生食はせず、焼く、炒める、蒸すなどの調理がされてから食卓にあがります。日本人も好みそうな味付けの料理が多く、また近隣国のタイやベトナム、以前の植民地化によるフランスの食文化も感じます。
3.ラオスが抱える課題;それらを経済産業分野、森林伐採や気候変動を含む自然環境分野、識字率や就学率の低さを含む教育分野、栄養素不足や公衆衛生問題を含む健康分野の4つに大きく分類しました。比較的短時間で解決できるものもあれば、長い年月、多額費用を要するもの、また1国だけでは解決が難しいものもあります。
4.ラオスにおける支援活動;現在世界、また日本からも学校建設や森林保護などの様々な支援を受けています。今回フィールドワークを行い直にラオスの文化や環境に触れ、国際協力にはまず相手の文化を知り尊重すること、そして現地の人々の考え方、生活、文化を守りながら行うことが大切だと感じました。
<まとめ>
実習を通してラオスの多くの魅力に触れました。これからも彼らが大切にしているものを失わず、より豊かな生活が送れるようラオスらしく発展してほしいです。
薬草に秘めた力 / 北タイから学ぶ
【2.世界の食 / 9.メニュー提案】
[目的]
北タイとはタイ北部の地域で、山岳民族が多く暮らしており、タイの人口約6千万人のうち95万人(約1.5%)を占めている。約10つの山岳民族が生活しそれぞれ独自の文化を持っている。彼らは医療機関が少ない中で、薬草治療を行い自然と共に生きている姿に感銘を受けた。薬草の様々な活用法を伝える。
[実習内容]
1. 伝統文化や抱える問題:山岳民族には様々な意味が込められた伝統衣装、豊作や健康長寿のための祭りなど豊かな文化がある。しかし、彼らは、無国籍や人身売買、麻薬、エイズ感染など深刻な問題を抱えている。
2. 北タイフィールドワーク:村には薬草治療者がいる。体調が悪い人や怪我をした人は薬草治療者の家に行き、治療をしてもらう。骨折治療ではアカ族は数種類の薬草を使い、バナナの葉で包み患部に巻く。ラフ族では茶色の木を炒って患部に当てる。他には疲れを癒す治療や虫刺され、に効く薬草もある。料理ではドクダミやのどに効く薬草や鶏肉と糖尿病に効く薬草の炒め物、スープなど様々ある。
3. 日本での薬草の使い道:七草粥や菖蒲湯、柚子湯など日本独特の活用法があり、その他に衣服の染料や化粧品にも使われている。またタンポポやオオバコなど身近な草にも薬効があり、煎じてお茶やコーヒーにしたり、天ぷらやお浸しにして食べたりする。しかし、毒草や1日の使用量を超えると腹痛や頭痛の症状が生じる場合があるので最初は少量から使用するのが良い。
4. 食べやすい薬草レシピ:独特な匂いで食べづらいが多数の効能があるドクダミを普段の食事に取り入れた食べやすいレシピを考案する。家の庭で生えているものを使用した。ドクダミだけでなくノビルやオオバコなど他の薬草の苗はネット通販でも売っている。
[まとめ]
薬草は使用量や使い方、場所を誤ると毒草として機能することがあるので十分に警戒して扱うべきだ。今でも北タイの山岳民族は薬草治療を行っていて、隣の村からも求めてやってくる人がいる。このように山岳民族の体を支えていて、薬草の知識を次世代に残していく必要があると感じた。
Filipinos love to eat!! / 食から捉えるフィリピンという国
【2.世界の食 / 18.人間・生活・環境】
【目的】東南アジアの国々について書かれた本、そこにはフィリピン共和国についての記載がない。フィリピン料理とは?直ぐに思い浮かぶだろか。「食」というテーマを切り口に、この国のリゾート地として以外の魅力を追及する。
【実習内容】
(1)3か国の文化が混合
7107つもの島々から成るフィリピン共和国は、昔から中国、スペイン、アメリカの影響を強く受けてきた。これらの影響は食や建築物などに見ることができる。土着料理にはシニガンやキニラウ、スペインからはパエリヤやアドボ、中国からはパンシットやルンピアが入ってきた。フィリピンの有名なデザートにハロハロがある。これは「ごちゃまぜ」という意味なのだが、まさにフィリピンの文化もハロハロだ。
(2)アメリカからの影響~ファストフード~
フィリピンではアメリカ同様にファストフードの文化があるのだが、ファストフード市場のトップを走るのはマクドナルドではなく、Jollibeeを運営するJollibee Foodsだ。マクドナルドよりも価格が安いだけでなく、フィリピン発祥のブランドであることから、甘めの味付けやライスとのセットメニューなど、フィリピンの食文化に基づいたテイストの料理提供が彼らの心を掴んでいる。
(3)食事はみんなで一緒に
フィリピンのファストフード店を見てみると、一人がけ用の席が数少なく、家族連れなど複数人で来ている客ばかり。また、机にバナナの葉を敷き、その上に直接料理を並べ、皆で囲み食べる食事様式、ブ―ドルファイト。お祝いのときに用いられる様式なのだが、日本の銘々膳とは違い、一つの料理を皆で囲んで食べる。このような形式から見てとれるように、フィリピンでは食事の時間がとても大切にされている。
【まとめ】フィリピン料理が日本でマイナーな理由は、3カ国の料理がベースとなっており、そのベースとなった料理自体が日本で定着しているからだ。一方であまり定着していないからこそ、足を運ぶたびに新しい発見がある。ぜひフィリピンで食旅をしてほしい。
Dear tourist / ~谷根千の美味しいお店教えます~
【1.日本の食 / 5.情報発信と表現】
【目的】
近年、訪日外国人数は増加の一途を辿っている。注目されている谷中・根津・千駄木(通称「谷根千」)地域にスポットを当て、グルメの魅力を発見し外国人観光客に伝えたいと考えた。
外国人に分かりやすいガイドブックとはどのようなものかを明らかにし、自分が調査し考えたものを実際に形にし、提案したい。
【方法】
文献調査のほかに、谷根千の飲食店に対して、外国語メニュー、Wi-Fi、クレジットカード利用の有無、おすすめメニュー等について店舗ごとに聞き取りを行い、また訪れている外国人観光客に訪問目的や飲食店の印象等の質問紙調査を行った。
【実習内容】
1.外国人観光客の動向
2011年東日本大震災の影響で一旦は落ち込むが、翌年以降は増加の一途をたどり、2016年は2千万を超えた。谷根千がある台東区でも増加し、2014年観光統計調査では526万人である。しかし、地域差があり同じ台東区内にある有名な観光スポットの上野や浅草と比べ、10万人と少なく、まだまだ知らない観光客が多い。
2.谷根千について
谷根千は、珍しく戦災を余り受けなかったため、ひと昔前の懐かしい下町の雰囲気が残っている。歴史的名所や博物館も多く、夏目漱石など多くの文豪が住居を構えていた。猫が多く、道行く人を和ませる。地元密着の活気ある商店街や、和菓子や和小物の専門店が多い。グルメは、地域ならではの食材等はないが、様々なジャンルの店が点在しており、カフェや食べ歩きグルメが多く、外国人も楽しめる。
3.ガイドブックの日本と外国の相違点
日本の観光ガイドは、写真や地図が多いが、海外では文字が多い点が異なる。
最寄駅にあるチラシやパンフを調べたが、外国人用グルメガイドはなかった。
4.グルメ冊子の作成
駅に置いてあるような、気軽に手に取り読める冊子形式のものを作成する。また、日本人と外国人では味覚が違うため、外国人観光客にアンケート調査をもとに口コミや日本の食事マナーや箸の持ち方、お店で使える簡単な日本語も紹介する。
優しいひととき / ホットするミルクティー
【9.メニュー提案 / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
目的:優しい色と味わいのミルクティーは茶葉、ミルク、甘味、スパイスで様々な楽しみ方ができる。家で飲むミルクティーをちょっとしたアレンジで、贅沢に、美味しく飲んでもらうためのメニュー提案をしたい。
方法:ミルクティーの情報収集。アンケートで人気のレシピを考案、試作、提案。
実習内容:
1.紅茶について:紅茶には酸化酵素が含まれており、完全発酵茶である。ウーロン茶、緑茶とは発酵の度合いは違うが、3つ全て同じ木から作られている。紅茶の特徴とフードの最高の組み合わせをベストペアリングといい、アッサム×チョコレート、ディンブラ×ドーナツなどがある。
2.美味しいミルクティーのためのポイント:ポイントは3つあり、茶葉を多めに入れること、必ずお湯の中で十分に蒸らすこと、ミルクは高温になるまで温めないこと。
3.ミルクティーに合うミルク:条件は、入れた時に紅茶そのものの風味を消さないこと。色が綺麗なクリームブラウンになること。牛乳、低温殺菌牛乳、低脂肪乳・無脂肪乳、加工乳、エバミルクが合う。
4.ミルクティーに合う茶葉:条件は、ミルクに負けない力のある茶葉。色が濃く出る、しっかりとした風味のもの。アッサム、ルフナ、ウバ、ディンブラ、キーマン、フレーバーティーなどが合う。
5.紅茶、ミルクティーについてのアンケート調査:調査対象は、保健栄養学科、食文化栄養学科の1年生(172人)。好きだと答えた割合は紅茶が74%、ミルクティーが66%であった。飲んでみたいと思ったアレンジミルクティーは、チョコレートミルクティー、ほうじ茶のミルクティー、寒い時期に体を温めたい時のミルクティーが多かった。これらのミルクティーのレシピを提案する。
まとめ:紅茶にひと手間加えるミルクティー。その日の気分やTPO、食べ物との相性に合わせて茶葉、ミルク、甘味などを変えて自分なりの楽しみ方ができる。ミルクティーにはたくさんの魅力があり、それを活かして多くの人に、自分にとっての素敵な一杯が見つかると良いなと思う。
ライスペーパーの可能性 / 余ったら有効活用
【9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
<目的>
私は生春巻きが好きで家でよく作るのだが、ライスペーパーだけが残ってしまうことが多い。そこで、ライスペーパーは元々米が原料であるから色々な物と合わせやすく使い方や工夫次第で様々な形にできるのではないかと考えた。
<実習内容>
1. 作成したレシピ:和洋中別に、主食、主菜、副菜、デザートなど合計24品を提案し、一部はゼミで試食した。前回の発表でアレンジ料理「紫蘇の肉巻き」「海老のすり身のお吸い物」「ライスペーパーチップス」「苺大福風和菓子」「鮭のフライ」「ティラミス」(右ページ参照)を紹介した。発表後、実際に作り、食べてもらい他者の意見が欲しいという理由でホームパーティーを行うことにした。「全体的にあまり難しいものはなかった」「ものによっては技術が少しいるものもあった」「お弁当のおかずにも使えそう」などの意見、アドバイスを頂いた。今後の新しいアレンジ料理の提案や改善のヒントになった。
2. 変わった種類のライスペーパーに挑戦:えびとごま入りのライスペーパーを使った「おこげ風あんかけ」ごま入りのライスペーパーを使った「ぜんざい」のアレンジ料理にも挑戦した。えびやごまなどの具材の入ったライスペーパーは分厚く、扱いにくく結果として「揚げる」調理方法が1番向いているとわかった。そして更に料理のレパートリーを増やすことに成功した。
3. 作ったレシピを発信する:インターネットサイト「クックパッド」に掲載されているライスペーパーのレシピは生春巻きや揚げ春巻きがほとんどであった。そこで、自分のアレンジ料理を掲載することにした。いくつか掲載したうち「もやしとニラの卵スープ」に対して「忙しい妻の代わりに作りました、美味しかったです」と、つくれぽをもらった。そして周りの評価、感想などを得て更に料理の改善へと繋げる。
<まとめ>
生春巻きなどで余りがちなライスペーパーを捨てずに様々な調理方法でアレンジ料理ができるとわかった。しかし、「蒸す」「茹でる」調理方法には向いていないとわかった。また、その料理をもとに会話も弾みより食卓が豊かになると思った。
お手軽なマクロビオティック / ~スイーツで整える陰陽バランス~
【3.食の歴史をひもとく / 9.メニュー提案 / 17.健康・美容】
【目的】
近年、市販菓子やグルメフェスなどでよく目にするようになったマクロビオティック。体のバランスを整えたり、気持ちをリフレッシュできる食事法として女性を中心に支持を得ている。実習では、女性にマクロビオティックスイーツを身近に楽しめ、体の陰陽バランスを整えられることを目的としたスイーツを提案したい。
【実習内容】
1.マクロビオティックとベジタリアンの違いを知る
双方を比較するとベジタリアンの方が歴史が深く、宗教色が濃いことが分かった。一方マクロビオティックは食の禁忌度が低く、自由度が高いため気軽に実践しやすいことが明らかになった。また、共通点は、料理の展開方法が似ていること、代替食品が豊富なことであり、日本においてのベジタリアンの位置づけは、健康志向や興味、流行への意識などが挙げられた。また、問題点として、鉄分や脂肪酸、ビタミンB12類が不足しやすく、効率のよい食べ合わせや陰と陽を意識して摂取することが重要である。
2.フィールドワークでの調査
双方の飲食店を比較すると、動物性食品を使用しない点、野菜や豆類を多用する点など共通点がみられ、料理メニューでは大きな違いが見られなかった。ベジタリアンフェスでは、全ての出店に原材料の食品表示が大々的に公表され、食に対する意識の高さや重要性が伺えた。また、ベジタリアンスイーツの出店では売り切れや長蛇の列が見られ、スイーツはどの食事法においてもあらゆる年代の人に求められているものだと感じた。
3.マクロビスイーツの提案
フィールドワークでの経験を踏まえ、マクロビオティックのスイーツを提案する。ターゲットは20代女性とし、陰陽バランスが偏りがちな時に手軽に作れ、何を食べればよいか一目で理解できるようなチェックシートを作成する。
【まとめ】 マクロビオティック、ベジタリアンにはそれぞれ思想が伴っており、食に対する意識の高さや重要性が高いと感じた。女性の活躍が期待される今、マクロビスイーツを有効的に取り入れ、常に自分の健康を保てられればと思う。
衛藤 久美ゼミ
ピクトグラムで伝える日本食 / ~Welcome to JAPAN~
【1.日本の食 / 2.世界の食 / 5.情報発信と表現】
◆動機・目的
日本食には、調味料や出汁など目には見えない食材が多く含まれている。そのため、宗教による食の禁忌や菜食主義など食に関する制限を持つ外国人観光客は、日本での食事選択の際に不安を感じるのではないかと考えた。そこで、ピクトグラムを用い、外国人観光客が日本で食事をする際に活用できる情報を発信することを目的とした。
◆ピクトグラムとは
ピクトグラムとは、言語の代わりに用いる図形の総称で、絵記号や絵文字とも呼ばれる。地図記号や道路標識や非常口のマークなど、私たちの生活の中に多く登場している。直感的に意味がわかることや誰でも使いこなすことができるなど、ユニバーサルデザインの要素が特徴である。
◆実習内容
第1回発表会後から、まずピクトグラムとして情報発信する食材を検討した。アレルゲン食品、宗教(イスラム教・ヒンドゥー教)の禁忌とされる食材、菜食主義者が食べられない食材、の3つの視点で食材を整理した。その結果、36品目を決定した。さらに、見えない形で日本食に多く含まれる調味料6品についても、ピクトグラムを用いて示すことにした。
次に、外国人が日本での食事で困った経験等を把握するために、在留者及び訪日・在留経験のある外国人を対象に、インターネット法及び留置法による質問紙調査を行った。在留者30人、訪日・在留経験者20人の計50人から回答を得た。その結果、約半数の人が日本での食事で困った経験があると回答した。具体的には、どんな食材が料理に含まれているかわからないことや、日本語がわからずメニューが読めないことなどが挙がった。また、あったら助かる情報として、料理に含まれている食材や、それがどのような料理かという説明が挙がった。
以上の検討を踏まえ、「日本語がわからなくても見ただけで日本食について理解し、食べたくなる」をコンセプトに、ピクトグラムを用いたリーフレットを作成した。さらに、飲食店で料理に含まれている食材を店員に尋ねる際に役立つコミュニケーションカードも作成した。
Enjoy 東京 / 韓国人女性のための食事ガイドブック
【1.日本の食 / 5.情報発信と表現】
◆動機・目的
訪日韓国人数は年々増加傾向にある。私は韓国に行く機会が多いが、飲食店を探す際に、記載されているのは住所と地図だけなので道に迷うことが多い。旅行で日本を訪れた韓国人も同じ経験をしているのではないかと考え、そういった人に役立つ情報提供をしたいと考えた。そこで東京を訪れた韓国人女性に、東京での食事を楽しんでもらうことを目的としたガイドブックを作成することにした。
◆実習内容
1.フィールドワーク
表参道・お台場・パンケーキの3つのテーマで、韓国人女性が興味を持ちそうな店を3店舗ずつ決め、2017年7月~9月にフィールドワークを行った。店舗までの道のり、メニュー、価格、英語のメニューの有無を調査した。
2.食事ガイドブック作成
フィールドワークを基に、1店舗につき4ページの情報をガイドブックに載せることにした。1ページ目は住所や営業時間など店舗の基本情報、2ページ目はメニューとおすすめの料理、3ページ目は駅から店舗までを記したマップ、4ページ目は行き方とした。行き方は、それを見ただけでお店にたどり着けるように、写真も載せて分かりやすくした。また文章はすべて韓国語と日本語を併記し、道に迷ったとしても周りの日本人に尋ねられるようにした。
食事ガイドブック第一案はまず1店舗4ページ分を作成し、2017年10月に実際に3組の韓国人女性に見てもらい、質問紙を用いて意見をもらった。質問内容は、1)このガイドブックを実際に使ってみたいか、2)言葉遣いなどおかしな部分はないか、3)他にあったら良い情報はあるか、の3項目とした。その結果、1)3組とも使いたい、2)2組から文章が正しくない箇所がある、3)簡単な日本語や注意事項などの記載がほしい、との意見をもらった。これらの意見より、店舗情報以外に、注文する際に活用できる日本語を巻末に掲載することとした。以上をふまえ、食事ガイドブック第二案を作成し、さらに韓国人女性から意見をもらい、最終案を作成した。
奥嶋 佐知子ゼミ
目で食を楽しもう / ~Happiness Cooking~
【12.食育 / 13.料理を伝えるカタチ / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
大学で学んだ知識や技術を生かしたゼミ活動がしたい、その中でも小学生を対象とした料理教室の運営に携わる奥嶋ゼミに入る事で、こども達にも食に関わる楽しさや、皆で食事をする楽しさを伝えたい!と考え、奥嶋ゼミに入りました。昨年の秋頃から先輩方が運営する料理教室に参加する中で、こども達は動物の顔をイメージしたカレーなど一工夫した可愛らしい盛り付けの時はいつも以上に料理教室を楽しんでいる様子が見られました。
このことから、私自身もこども達が楽しんでくれるような盛り付けに興味を持つようになりました。また、ゼミの先輩方の発表を通して、食事を楽しむためには視覚が大きく関係していること、盛り付けに工夫をすることでこども達の食への興味を高められることなどを知りました。そして改めて、こども達に調理の楽しさや自分で作った料理を食べる嬉しさだけではなく、五感、特に視覚を通して食を楽しんでほしいと感じ、盛り付けに着目して取り組んできました。
今年度4月の料理教室から、先輩方の取り組みを参考にして、こども達が喜びそうな盛り付けに着目してメニュー提案を行っています。しかしその一方で、凝った盛り付けを一品取り入れると、こども達はその一品の盛り付けの時間は多く取るものの、その他の、例えば副菜などの盛り付けにはこだわらず、ただ盛るだけの単純な作業となってしまっている事に気が付きました。また、こども達は主菜や副菜の基本的な盛り付け方を知っているのだろうか?と考えるようになりました。もちろん可愛らしい盛り付けは楽しく調理するために大切だと思います。しかし、「基本的な盛り付け方でもおいしそうに見せることが出来る」、という事を伝えることも、こども達の大切な食経験になるのではないでしょうか。そこで、5月の料理教室からは、主に一汁三菜の配膳、副菜や汁物、主菜、主食の盛り付けに着目して実習し、冊子でも紹介するとともに、実際に一緒に盛り付けて伝えてきました。一緒に盛り付けてみると、「本当だ、おいしそうにみえるね!」「きれいにできたよ!」と喜んでくれていました。発表ではメニューや冊子の内容やこども達へのおいしそうに見せる盛り付けの伝え方、盛り付けているときのこども達の様子などをご紹介します。
「味わって」食べよう! / ~Happiness Cooking~
【12.食育 / 14.食と空間・食シーン / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
自分で作った料理を食べる楽しさを子どもたちに伝えるだけでなく、「味わう」感覚を大事にしてもらいたいという思いを持って、小学生を対象にした料理教室を運営しています。食べ物を食べたときに、自分自身の感覚としっかりと向き合うことなく「おいしい!」と一言で片づけてしまうことは、「味わっている」とは言えず、とても残念なことのように感じます。
もっと日々の食事を大切に思う気持ちを重要視できるように、料理を作って終わりではなく、子どもたちの素直な感想を聞くことをし、子どもたちが、どのように感受性豊かに表現することが出来るのか、その様子を見ていきたいと思い“「味わって」食べよう!”をテーマにしました。
子どもたちが「味わって」食べることが出来るように、作った料理を調理中や食べている中で、視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚から感じたこと、発見できたことを振り返りながら書ける感想シートを作成しました。家に持ち帰る宿題にはせず、料理教室当日に書いてもらうため、子どもたちの素直な声、また、どのように味わうことが出来たのかを知ることが出来ます。
子どもたち一人一人で様々な表現があり、一つの料理でも、人それぞれでとらえ方が違い、みんなで意見を出し合いますが、答え合わせはしません。そうすることで、自由に自分の感じたことを書くことが出来、徐々に子どもたちにも変化が見られてきました。はじめは、「おいしい」「楽しい」などの一言の感想がほとんどでした。回を追うごとに少しずつ自分の感覚と向き合って、しっかりと感想を書いてくれる子が増えてきました。例えば、きゅうりの「こりこり」を「カリカリ」「ゴリゴリ」「ボリボリ」と考えて様々な言葉で表現するようになり、月を追って表現が豊かになる子どももいました。
私自身も子どもたちの豊かな表現方法を見て、新しい発見もありました。初めて食べた感覚、苦手なものを食べられた感覚、今では滅多に味わうことが出来なくなってしまった感覚を子どもたちの率直な感想を聞きくことが出来ました。ぜひ発表を聞きに来てください。
何からできているの? / ~Happiness Cooking~
【1.日本の食 / 10.食材の可能性 / 12.食育】
料理を作ることは楽しい!自分で作るといつもとは一味違う特別な味がする!友達と料理を作り、食べることで充実した気持ちになれる。料理が持つそんな力を大学生活4年間を通じて感じる場面が多くありました。様々な経験をする中でこども達にもこのような料理の魅力を自分の身をもって感じて欲しいと思っています。
スーパーなどの店頭には便利な加工品がたくさん陳列され、家庭ではその加工品を利用して作られた料理が食卓に並べられます。しかし実際にこの食品が「何からできているのか」を知らないで食べているものがたくさんあるという事に私自身気がつき、料理教室に来ているこども達に正しい食の知識を伝えていきたいと思いました。
例えば、タピオカはキャッサバという芋の一種から加工されますが、有毒成分であるシアン化合物が含まれているということを知りました。毒抜きが不可欠であり、加工後に輸入可能になるなど、原料について学ぶことも大切だと感じました。また、カレーやシチューなど家庭では市販されているルウから調理が始まることが多い料理について、めんつゆやポン酢や醤油など調理をする上でよく利用される調味料は自分で作れるものもあるということを伝えていきたいと思いました。食に対して幅広く正しい知識を伝えることを目標にしています。
料理教室の献立テーマに合った料理に使用する食品を取り上げ、「何からできているか」というページを毎月子供たちに配布しています。料理教室でのこの取り組みが、積極的に家庭内で料理の手伝いをすることに繋がり、「今月はこんなことを習ったよ!」と親子のコミュニケーションをとる機会が増えるひとつのきっかけになれば良いと思います。
第2回の発表会では、料理教室を通じてこども達に教えたこと、まだ料理をすることに慣れておらず消極的だったこども達が、自ら積極的に料理に関心を持ち、料理教室を楽しんでいる様子、また反対にこの活動を通してこどもらしい物事の着眼点など私たちが学んだことを発表します。
おいしい!楽しい!安全!こども料理教室 / ~Happiness Cooking~
【12.食育 / 13.料理を伝えるカタチ】
私たちは小学生を対象に子供料理教室を運営しています。子供たちに料理をもっと好きになってもらいたい、知識を増やしてほしいという思いでゼミ活動をしています。そのためにも、より良い環境、運営状態にすることが大切だと感じました。
そこで、より良い料理教室を運営するための「ルールブックの作成」をテーマとしました。子供向けの料理教室においては、調理上に多くの注意点があることを実感していました。一つ一つ見直すことで、子供たちにとってより良い料理教室運営ができると考えています。注意点と一言に言っても衛生面や安全面、時間配分などたくさんあります。例えば安全面に関しては、調理中に走り回ることや、火や刃物を扱う際は危険が伴い、大きな怪我にも繋がりかねません。したがって、子供たちのことを注意深く見守ることも大切な仕事です。衛生面については、調理前はもちろん、調理中に食材を扱った後には必ず手を洗うなど注意を促しています。そして、班分けや調理担当の振り分けにも注意を払う必要があります。毎月の料理教室後に感想を聞いているのですが、初回では「デザートを調理できなかった」「毎回野菜ばかり切っている」などの意見がありました。5・6月は班ごとに担当する料理を振り分けていましたが、意見を受けてからひと班で全ての料理を作れるように流れを見直しました。改善後は「いろいろな料理に携われて良かった」など満足度の高い意見が増えました。一方で、品数が増えてしまうとコンロの台数不足のため調理時間が大幅に延びてしまいます。そのため、コンロの使用時間を細かく整理し、調理順を調整することも効率よく運営するために重要となります。もちろん子供たちの家庭での調理経験の有無は調理時間に大きく影響するため一人一人のスキルを把握し、経験者・未経験者を平等に振り分けることにも配慮しています。
第2回の発表会ではこのような、快適で楽しい料理教室を運営するためのルールブックを実際に皆さんにお見せします!このルールブックが今年度だけでなく、後輩へと受け継がれていくものになることを願っています。また、料理教室での子供たちが料理している姿や実際に製作したメニュー、料理教室から学んだことなども公開します。是非見に来てください!
Men’s Cooking / 旬の野菜がたくさん!私の『野菜ブック!』
【9.メニュー提案 / 10.食材の可能性 / 13.料理を伝えるカタチ】
「この間、家で作ったよ」や「家族が喜んでくれたよ」などそんな言葉が飛び交う料理教室を目指し、ゼミ生4人で日々試行錯誤しながら料理教室を運営してきました。
中高年男性を対象とした料理教室を運営する中で、受講者のみなさんが「野菜は意識して食べているけれど、たっぷり食べるのは大変」という声が上がるとともに、野菜の旬や食べ時、旬の野菜の調理法、保存方法などを知りたい方々が多くいることがわかりました。そこで受講者の方々に1食で沢山の野菜を食べてもらいたい!その季節に合った旬の食材を沢山知ってもらいたい!野菜の選び方や食べ時などを紹介して、普段の生活に活かしてもらいたい!と考え、オリジナルの私の『野菜Book』を料理教室内で提案することにしました。
みなさんは普段、野菜を食べますか?春夏秋冬の旬の野菜はご存知ですか?私はこの大学に入るまでは旬の野菜を意識して食べることなどはあまりありませんでした。1人暮らしを始めてから、野菜を食べることが増えるとともにスーパーに行く機会が多くなり、野菜の保存方法や選び方、旬について知っていたらもっと野菜を美味しく食べることができるのではないかと感じるようになりました。自分なりに野菜について調べてまとめていくうちに、普段の生活に役に立つようになった経験があります。このことから、男性受講者の方々にもこれらを知ってもらおうとテーマにすることにしました。
私の『野菜Book』には、買い物をする際に活かしてもらうために料理教室で使用した旬の野菜を紹介し、普段あまり知ることのないその野菜の豆知識や保存方法、選び方、エネルギーや塩分を意識したメニューなどを載せました。私の『野菜Book』を見て数人の受講者の方々から「今はこの野菜が旬なんだね」「これを参考に野菜を選んだり保存したよ」などと言って頂けました。
また、10月末の料理教室内でアンケートを実施予定です。「私の『野菜Book』は見ましたか」また、「利用しましたか」など利用状況を聞き、役に立ったという答えが多くなることを期待したいです。是非聞きにきてください。
Men’s Cooking / お手軽!気どらず作れるもてなし料理
【5.情報発信と表現 / 13.料理を伝えるカタチ】
昨年の12月から月に一度池袋で男性料理教室を、又単発ですが川越市主催の男性料理教室を運営しています。受講者である中高年男性が自宅で料理を振る舞う機会があることを聞き、手間をかけたご馳走ではなく、気どらずに作れ、自宅でもう一度作ろうと思える“もてなし料理”を取り入れて活動を行ってきました。
そこで普段食べている料理に一手間かけた料理、手間のかかる料理を少し簡単にした料理などを提案してきました。
料理教室を円滑に運営するためには、和やかなムード作りが大切です。私はコミュニケーションを取ることがあまり得意ではないため、当初はその点を心配していました。しかし、積極的に自分のテーマに関することを質問するように心がけることで、回数を重ねるにつれ多くの人とコミュニケーションが取れるようになり、現在わいわいと賑やかな料理教室になっています。
教室では、食材の選択や切り方などを工夫し、“もてなし料理”にふさわしい料理にする過程を紹介しました。また、“もてなし料理”というテーマだけでなく、器と盛りつけで料理の印象が変わり美味しそうに見える、見え方が変わってくるということも合わせて伝えてきました。しかし、教室となる施設にある食器では、器や盛り付けについて十分に伝えることができないため、試作では数種類の異なるお皿に盛り、器や盛り付けの大切さを伝えられるよう考えてきました。
受講生から、料理教室で習った料理を自宅でも作ったとの報告が以前よりも多くなり、とても嬉しく感じました。今後も自宅で料理を振る舞う際のメニューの一つとして取り入れていただけることを願っています。
取り入れた料理
あんかけかた焼きそば、青じその春巻き、春野菜のボンゴレペンネ、さくらのシフォンケーキ、夏野菜のドライカレー、オレンジゼリー、イワシの青じそ巻き、そうめん、秋刀魚と野菜の焼き浸し、イカスミリゾット、かぼちゃクッキー
Men’s Cooking / 目指せ!使い分け上手
【10.食材の可能性 / 13.料理を伝えるカタチ】
月に一回中高年男性を対象に料理教室の運営を行っています。昨年秋から料理教室の運営に携わり、気がついた点があります。それは、調味料や加工品を揃えても余ってしまうという理由から、教室で実習した料理を自宅で作ることが少ない男性が多いこと、普段家庭で使用する頻度の高い市販の複合調味料は、塩分が高いためとりすぎてしまうということです。
そこで、料理教室では、使用した複合調味料や加工食品の紹介とその調味料を手作りした塩分等の情報を伝えています。「だし」などは手作りと「市販の顆粒だし」の違いを理解してもらい、使い分けを知ってもらうことで料理に取り入れてもらえば良いと思い、「目指せ!使い分け上手」をテーマとしました。
教室では、レシピとは別にこのテーマについて記載したページを作成し配布しています。まずは、中華だしをとりあげ手作りと市販品を紹介し、毎日だしをとることが困難な方向けに、だし入り味噌について紹介しました。途中でよく使う調味料についてアンケートを実施したところ、「めんつゆ」を使用している人が多いことが分かり、「めんつゆ」を使った献立の提案をするとともに、市販のめんつゆと手作りの塩分について紹介しました。また複合調味料だけでなく、利用の幅が広いトマトの加工食品である「トマト缶」を使用した献立を提案し、さらに、ケチャップやトマトピューレなど他の加工品も紹介しました。
複合調味料や加工食品の原材料や塩分量、使いきり方などを受講者の方々に理解してもらえたのではないか、紹介した調味料の知識は役に立ったのか、また実際に料理を作ってみたのかなどを確認し、発表します。
紹介した食品
中華だし、鶏ガラ、コーンスターチ、片栗粉、タルタルソース、だし入り味噌、オリーブオイル、コンソメ、カレー粉、だしパック、めんつゆ、醤油、塩麹、だしパック、トマト缶。
Men’s Cooking / 簡単に!おいしく!健康おつまみ
【13.料理を伝えるカタチ / 17.健康・美容】
みなさん、お酒やおつまみはお好きですか?お酒もおつまみも大好き!という方もいれば、お酒は飲めないけどおつまみは好き!という方も多いのではないでしょうか。そんなおつまみに着目し、お酒のお供になるだけではなく、日常の献立にも加えられる「おつまみレシピ」を考えています
。
みなさんがおつまみを食べる上で、気になることはなんですか?おそらくエネルギーや塩分のとりすぎが気になる方が多いと思います。「おつまみレシピ」ではみなさんが気になるエネルギーや塩分だけではなく、気になる栄養素を調べるなど、健康的な側面でアプローチしました。私たちは、中高年男性を対象とした料理教室「Men’s Cooking」を運営しているので、中高年男性の方でも作っていただけるような「簡単」に作れて、「おいしく」食べられるおつまみレシピを提案します。
私の目的は、中高年男性の方々に、家でも実践したくなるようなレシピを考え、自宅でも料理を楽しみ、食材についての知識を少しでも覚えてもらうことです。料理教室を通して受講者の方々と交流を深めていくと、お酒が好きな男性が多いことに気がつき、おつまみに着目しました。そこで塩分やエネルギーを考慮したレシピだけではなく、おつまみレシピを通して、一人ではなかなか調べないちょっとした食材の健康的な一面を知ってもらいたいです。
前半は、主に献立の全体テーマに合ったおつまみレシピを提案していましたが、5月以降は「普段お酒を飲みますか。」「お酒を飲むときにおつまみは食べますか。」「よく食べるおつまみを教えてください。」「今まで提案したおつまみレシピのなかで料理教室後に自宅で作ったものは何ですか。」というアンケート結果をもとにレシピを提案しました。ぜひ発表を聞きに来てください。
!提案したおつまみと健康情報
豆苗のおつまみサラダ~なたね和え風~:豆苗の栄養素について
野菜ディップソース:バーニャカウダの市販品と手作りソースの比較
揚げない!チキン南蛮:揚げるVS揚げない
マンゴーの生ハム巻き:生ハムに含まれる塩分について
かぼナッツサラダ:ナッツのエネルギーと塩分 など…
高城 孝助ゼミ
アニマルウェルフェアフード / Eat less meat Better meat
【6.生産者と消費者をつなぐ / 10.食材の可能性 / 11.食の問題】
「アニマルウェルフェアフード」という言葉を聞いたことがありますか?日本ではまだ、聞きなれない言葉ではないでしょうか。アニマルウェルフェアとは、直訳すると「家畜福祉」という意味で、私たちが普段食べている、鶏・牛・豚などの家畜を、ストレスなく過ごせる環境で飼育することをいいます。
そのような環境のなかで、健康に、自由に、育てられたお肉や卵を「アニマルウェルフェアフード」と呼んでいます。
最近、食品の偽造や食の安全が問題となっており、消費者の食に対する意識も高くなってきています。しかし、このような考え方が広くひろまってきている欧米諸国に比べて、日本では食肉や家畜に対するきちんとした知識を持っている人が少ないような気がします。そこで、わたしが調べてきた、アニマルウェルフェアの考え方をまとめ、発表することで、まずは多くの人にこの考え方を知ってもらいたいと思っています。また、あまり知る機会のない日本の畜産の現状や、問題点もまとめて発表します。今回の発表を聞いて、「わたしたちの食」について深く考えるきっかけになればと考えています。
第二回の発表では、まず、アニマルウェルフェアの基本的な考え方である、家畜動物に与える5つの自由を紹介します。そして、今、私たちが食べているお肉はどのように育てられてきたのか?何を食べて育てられてきたのか?について調査した、日本の畜産の現状の問題点や考察を発表したいと思います。そして、実際に取材した放牧場の飼育方法や、アニマルウェルフェアを実践している畜産農家の方を紹介したいと思っています。
普段、何気なくわたしたちが食べている食材について、今回の発表を聞いて、少しでも考えるきっかけになればと思います。
地域の特産品で町おこし
【4.地域振興 / 8.商品開発】
みなさんは、様々な地域の特産品をどのくらい知っていますか?自分の住んでいる地域や有名な地域の特産品なら知っているものも多くあると思います。例えば、埼玉県には、特産品は、特にないと思っていませんか?香川県には、うどんしか名産品がないと思っていませんか?
埼玉県の白岡市という地域には、「白岡の太陽」という名のついたトマトや「白岡美人」という名の梨があり、香川県には、アスパラなどの野菜、いちごなどの果物、さらに魚や肉など、幅広い特産品があります。
たくさんのおいしい特産品があるのに、知られていないものが多いのはとてももったいない、これらの特産品を使用した商品があればその特産品を知ってもらうことができ、さらにその地域の町おこしにもつながるのではないかと考えました。
私は、現在、埼玉県白岡市の市役所の方々と香川県のJAの方々に協力していただきながら、埼玉県では、トマトや金ごま、香川県では、イチゴを使用した商品開発を行っています。どんな商品だったらその地域の特産品を活かすことができ、どんな商品を考えたら地域の町おこしに少しでもつなげることができるのかを試行錯誤し、実際に現地の埼玉県や香川県に足を運び、その地域がどのようなところなのか自分の目で実際に見て、地域の方に特産品や地域のお話を聞き、自分が考えた商品を何回も何回も試作を繰り返し、失敗もしつつ、自分が考えた商品のレシピを突き詰めながら、商品開発に取り組んでいます。
前回の発表会では、埼玉県白岡市や香川県とはどんな地域なのか、どんな特産品があるのか、自分がどの特産品を使用し、どんな商品を考えたのかを発表させていただきました。
今回の発表会では、自分が考えた商品がその後どうなったのか、実際に地域の方々にご協力いただいて商品開発を行ってみて学んだことを発表したいと思います。
特産物で商品開発! / ~食で地域を盛り上げよう~
【4.地域振興 / 8.商品開発】
▼概要
地域の特産物を使用した商品の開発をする2つのプロジェクトに参加しました。埼玉県白岡市のプロジェクトではトマトを使用した商品を、JA香川県のプロジェクトではいちごを使用した商品をそれぞれ提案しました。
開発した商品を通じて多くの人に地域や特産物などの良さを知ってもらうことで、地域活性化に繋げます。
▼動機・目的
私は以前から商品開発に興味があり、今まで学んできたことを活かして自分のアイデアを形にしてみたいと思っていました。プロジェクトの参加を通じて、実際に商品ができるまでの流れについて知り、商品開発と地域振興の関係性について考えます。
▼特産物について
埼玉県白岡市の特産物には、梨・トマト・長ねぎ・ゴマ・米などがあります。特に白岡美人という梨や白岡の太陽というトマトは、白岡市を代表する特産物です。
香川県の特産物には、野菜・果物・肉・魚など様々なものがあります。5月に香川県へ訪れた際には、いちご・アスパラ・びわ・ブロッコリー・ミニトマトの農家を視察しました。小さな県だからこそ手間暇かけてこだわりの強いものを作っており、一度に大量に作ることができない為、あまり知られていないものも多いです。
▼発表内容
前回の発表会では、主に白岡プロジェクトの開発検討会議の様子や商品提案・試作の内容について発表し、香川プロジェクトの1回目の香川県視察の様子についても発表しました。
今回の発表会では、香川プロジェクトについてこれまで実施してきたことを詳しく発表します。1回目の香川県訪問後に実施してきた、商品のベースとなるレシピの作成と試作の流れや、JA香川県の方々との試作会の様子についてお話します。また、2回目の香川県視察とJA香川県主催のイベントに参加した感想についても、お話ししたいと思います。ぜひ香川県を感じてみてください。
運動する人の食事摂取の仕方
【8.商品開発 / 9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
●研究動機・目的●
運動する人にとって最高のパフォーマンスを発揮するには食事や食べるタイミングも重要な要素です。私は12年間バスケットボールを続けていて高校時代、バスケットボール部でインターハイに出場しました。今までの運動経験から食と運動の関連性や重要性を身をもって学んだことがテーマを選んだきっかけです。
自分の経験をいかし、運動をする人の食事についてどれだけ大切かを伝えたいと思い「運動する人の食事摂取の仕方」というテーマに取り組みました。
●栄養素の役割●
私たちの体は食べ物によってつくられています。運動をする人にとってバランスの取れた食事はとても大切に関わってきます。そこで栄養素の役割は、エネルギーになるもの・体をつくるもの・体の調子を整えるものの3つに分かれています。エネルギーになるものは糖質、脂質です。体をつくるものはたんぱく質やミネラルです。体の調子を整えるものはビタミン・ミネラルです。運動をする時は、糖質・脂質・たんぱく質と言われる【3大栄養素】の他にビタミン・ミネラルの2つの栄養素を加えた【5大栄養素】、さらに水を加えた栄養素が必要になります。
●発表内容●
今回の発表では、まず運動とスポーツの違いや運動前後の食事について食事摂取の仕方について発表します。“運動する何時間前に何を食べたらよいのか”“運動した後には何を食べたらよいのか”など運動前後の食事のあり方を調査しました。食事と運動は大切ですが、ストレッチもケガをしないためにも大切なのです。なので、運動後のケア(ストレッチ)なども紹介したいと思っています。また、体の仕組みや栄養素の役割も調べ運動している人にお勧めのお店を紹介したいと思っています。この発表を通して運動している人や興味のある人が、運動と食の関係の大切さを理解していただければ幸いです。
ペットの食事
【9.メニュー提案 / 18.人間・生活・環境】
最近ではペットを飼っている人が多くいます。その中でも特に多く飼われているペットは犬や猫です。ペットは飼い主から与えられたものしか食べられません。そのため飼い主には大きな責任が伴います。ペットも人間と同様に適切な食事をする必要があります。そこで、犬や猫に必要な栄養素、好き嫌い、与えることをさけたいものを研究し、市販のペットフードや猫カフェ・ドッグカフェで売られているメニューについて調査しました。
それを踏まえた上でペットが健康に過ごし、共に楽しく食事ができるような簡単に作れる手作りペットフードを提案していきたいと思います。
●必須栄養素
犬や猫の必須栄養素は人間と同じく炭水化物、脂質、タンパク質、ミネラル、ビタミンです。但し、ミネラルの過剰摂取は結石や膀胱炎などの尿路疾患の原因にもなります。猫は、タウリンやビタミンAを体内で作れないため、タウリンも必須とされています。不足すると目の障害や心臓疾患を引き起こす可能性がります。
●好きな食べ物
犬…肉 魚肉 乳製品 たまご 果物 甘いもの 塩辛いもの
猫…魚肉 肉 鰹節 海苔 柔らかいもの 形状の小さいもの
●嫌いな食べ物
犬…かんきつ類 においの強い葉物野菜 酸味の強いもの
猫…かんきつ類 酸味のつよいもの
▼発表内容
今回の発表では、はじめにペットの飼育状況(近年のペット事情)、ペットフードの原材料と種類、犬や猫の必要な栄養素について発表し、市販のペットフードのメリット・デメリットを考えた上で手作りペットフードのレシピを紹介します。また、猫カフェ・ドッグカフェを訪問し、実際に売られているメニューについて調査しました。この発表を通して、ペットを飼っている人は大好きなペットに喜んでもらい、少しでも楽しい時間を過ごしていただければ幸いです。
韓国のカフェ文化
【2.世界の食 / 5.情報発信と表現 / 14.食と空間・食シーン】
●研究動機
みなさん、海外旅行は好きですか?外国を訪ねると、日本とは異なった文化に驚く事がありませんか。私は、外国の中でも日本に最も近い「韓国」にスポットを当てました。韓国と聞くとみなさんはどんなイメージをお持ちでしょうか。
「美容の国」と言われると、納得する方も多いのではないでしょうか。そんな美容の国、韓国の若い女性はどんなカフェに行き、どのような飲食をしているのかを知りたくないですか。私は、自分と同世代の韓国女性がどのようなカフェを、どのような目的で利用し、どのような飲食をしているのかを調べたいと思い、実際に、何度か韓国に足を運び調査を行ないました。
●市場調査したソウルのカフェ
韓国の中でも、観光やグルメにショッピング、エステまでありとあらゆるものが揃っているソウルを今回調査します。韓国の総人口の約4分の1が住んでいる国際的な大都市。ソウルの中央を漢江(ハンガン)という大河が横切り、川の北側に明洞(ミョンドン)や東大門(トンデムン)などの繁華街や、史跡名所が集まっています。また、江南(カンナム)と呼ばれる川の南側は新しく開発されたエリアです。
カフェを市場調査するにあたり、ソウルの中でも様々にエリアにスポットをあて発表します。
●今回の発表
今回の発表では、実際に韓国のカフェを利用しているお客さんや、店員さんにインタビューして色々な意見をいただいた内容について発表します。インタビューの内容は、どのような理由でこのカフェを選んだのか。そのカフェを知ったきっかけ(SNS・テレビ・友人や知人の紹介)。韓国で今人気のカフェはどのような店か。店のオーナーさんには、なぜこのようなカフェを作ろうと考えたのか。韓国にはなんでこんなにカフェが多いのかをインタビューで伺いました。これらのインタビューで聞いたことをまとめ、韓国スタイルのカフェを日本に出店するための研究を行います。
食&色
【14.食と空間・食シーン / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
みなさん、想像してみてください。青い人参に緑の肉、紫のりんごや灰色のカレー・・・。色以外の特徴は変わっていないとしても、日頃親しんだ食べ物がこのような色になってしまっただけで、食欲は無くなってしまうと思います。また、色鮮やかなサラダや補色を利用した盛り付け等、彩りによっても料理のおいしさの感じ方が異なります。
食べ物の色を見ておいしそうに感じたり、不味そうに感じたりするということは、誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。
そこで、私は食の印象を左右する色の重要性や表現の可能性に注目し、よりおいしく、楽しめる色の組み合わせについて研究・紹介をしていこうと考えました。
前回6月の発表では、色のもつ特徴や色ごとの食品の例など、色に関する大まかな知識を中心にまとめました。その中で、おいしさを感じる色の特徴が暖色であることに触れたことで、「色について詳しく知れたのが良かった」「商品開発にも使えそう」「食欲と結びつきにくい青色の活用方法はないのか」「実際に料理に取り入れるポイントが知りたい」といった、実生活での色の組み合わせ方法を知りたいと思っている人が多いことがわかりました。
また、授業でも習うことですが、五味五色の観点から、栄養と食品の味と色との関係性・重要性を多くの人が感じていることもわかりました。
これらを踏まえ、今回の発表では、おすすめの色の組み合わせや寒色の活用方法に加え、実際の企業での色の使い方を看板やロゴの事例を通して紹介していきたいと思います。色の活用は、食材だけでなく、お皿やランチョンマット・照明など幅広い対象が考えられます。こうした色の活用方法を学び、実際の食生活に取り入れることで、毎日の食事をよりおいしく、健康に彩ることができます。
難しいことは一つもありません。カフェやレストランの料理がおいしそう見えるのも、商品パッケージが魅力的なのも、色の使い方を知ることで解決するといってもいいと思います。そして、料理の例とともにどれほどの効果・差があるのかを、この発表を通して多くの人に感じてもらえたらと思います。
カフェの新スタイル提案
【7.お店の企画・運営 / 14.食と空間・食シーン】
●研究動機
カフェ巡りが好きで、友人と新しく出来たお店や人気店によく行きます。カフェ巡りをする中で、お風呂と融合したカフェ、お花屋さんと融合したカフェなどの新スタイルのカフェを多く見かけるようになりました。
私は、料理を食べたり、友人とおしゃべりをするという目的だけでカフェを利用していましたが、そのような新スタイルのカフェには、それ以外の目的と魅力があるように感じ、興味をもちました。また、カフェのジャンルについて調べてみると、飲料系カフェ、スイーツ系カフェ、ベーカリー系カフェ、テーマカフェ、複合型カフェ等の様々なジャンルのカフェがあることを知りました。そのような様々なジャンルのカフェを、若者だけでなく、もっと多くの人に利用してほしいと思い、研究を始めました。
●新スタイルのカフェについて
一般的なカフェは、カフェ飯、デザート、ドリンク等を飲食しながら、友人との会話を楽しんだり、1人でくつろいでいる方が多いと思います。一方で、花屋やお風呂等とカフェが融合したものや、カフェで犬や猫などの動物と触れ合える空間を提供しているのが、新スタイルのカフェです。皆さんも、新スタイルのカフェが増える中で、1度はそのようなカフェを訪れたことがあるのではないでしょうか。
●発表内要
今回の発表では、まず、第2回発表会に向けて新たに市場調査を行なった、新スタイルのカフェを紹介します。具体的には、探偵カフェ、不動産カフェ、プラネタリウムカフェ、ハンモックカフェ等です。その市場調査の結果を踏まえ、新スタイルのカフェの目的や魅力を発表したいと思います。そして、現代の新スタイルのカフェは若い女性に人気ですが、提供価値を加え、幅広い年代の方が楽しめる新スタイルのカフェを提案します。この発表を聞いて、少しでも新スタイルのカフェに興味をもっていただけたら幸いです。
サラダの可能性 / 日本人の野菜摂取量を増やすための提案
【9.メニュー提案 / 11.食の問題 / 17.健康・美容】
■研究動機
皆さん、今日の朝食で野菜はどのくらい摂りましたか?野菜を最も効率よく摂取できる方法としてサラダが思いつく方が多いと思いますが、野菜は高いし、味気が無いしドレッシングに頼りっぱなし…と体に良いが自ら進んでは食べないという方が多いのではないでしょうか。
私自身も、大学に入るまでは野菜の必要性をそこまで考えていませんでした。中高時代はテニス部に所属しており、1日5食食べる生活が続いていました。もちろんその中で野菜が占める割合はせいぜい2割程度でした。しかし大学の授業で今までの自分の食生活の乱れを痛感させられました。そして野菜を多く摂取できるよう気をつけるようにした結果、健康状態が良くなるのを日々実感していきました。
こうした中で、野菜・サラダについて興味が沸き、野菜の効用やサラダのレシピ、サラダ専門店、海外の野菜摂取の現状やサラダについて調べようと思いました。
■野菜摂取量の現状
日本人に1日に必要な野菜の量は350g。そのうち緑黄色野菜を120g、その他の野菜は230gとされていますが、国民栄養調査結果を見てみると、実際には270gしか摂れていません。
世界で一番野菜を摂取している国はなんとジャンクフードのイメージが強いアメリカなのです!医療保障制度のない国なので日々の食生活からいかに健康を意識しているかがわかります。2位はカナダ、3位はフランスになっています。日本は11位という残念な結果になっています。世代別に見てみると、残念なことに、20代の摂取量が一番少ないという結果になっています。
■今回の発表では
第一回の発表会では、野菜摂取量の現状やサラダ専門店の紹介を行いました。今回は皆様からのコメントを参考に人気の野菜や不人気の野菜をピックアップして効果を調べ、自宅で作れるレシピの提案をしたいと考えています。
オリーブオイルを食べる / ~日本と地中海~
【2.世界の食 / 9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
私たちの食卓の名脇役である調味料は様々なものがあります。その中でも私はオリーブオイルがとても好きなので、これを研究テーマに選びました。国内でのオリーブオイルはほとんどが具材を炒めるなど、「油」として使用されています。
しかしイタリアなどの地中海料理では煮たりかけたりそのまま飲んだり、スキンケアに用いられたりと、様々な用途で使用されているのです。国内外でのオリーブオイルの使用方法の違いや、用途や効能を追求していくことが目的です。
前回の発表ではオリーブオイルの成分や効能、国内でのオリーブオイルの歴史や、オリーブオイル国内生産量1位を誇る香川県で行った市場調査の内容、世界各国でのオイルの使用方法の違いなどを報告しました。
今回の発表では、前回に引き続いてオリーブオイルの成分や代表的な効能、世界各国でのオリーブオイルの使用方法の違いや特徴、そして新たにオリーブオイルを用いたレシピ提案をしていきます。新たにレシピ提案をしようと思ったきっかけは、自分のアルバイト先であるイタリアンレストランでスパゲッティやピラフ、サラダやスープなど様々な料理にオリーブオイルを使用しており、知らず知らずのうちにオイルを口にする機会が多いことに気付いたからです。オリーブオイルを使用した料理というと、アヒージョやペペロンチーノなどしか思い浮かばない、という人も多いと思います。そこで今回はアヒージョやペペロンチーノといった料理以外の、オリーブオイルを新しい形で口にできるようなレシピを提案していきます。自宅で簡単にでき、尚且つ美味しい。そんなレシピ提案をして、油というだけでなんとなく敬遠されがちなオリーブオイルに、私たちの食卓でもっと活躍してほしいと思っています。
フェイク食品について
【1.日本の食 / 2.世界の食 / 10.食材の可能性】
皆様はフェイク食品と言われてどのようなものを思い浮かべるでしょうか。この発表で扱うフェイク食品とは、ある一定の食品に似せて作られた食品のことを指します。見た目を似せて作られたものや、食感を似せて作られたものです。
私がフェイク食品をテーマに選んだのは、精進料理にある「もどき料理」をみて興味を持ったからです。日本ではなじみのあるフェイク食品がどのように発展してきたのか、海外にはどのようなフェイク食品があるのか、気になったことが研究動機です。古くからなじみのあるフェイク食品ですが、今後どのような発展を遂げるのか予測し、フェイク食品を通じて世界に共通する食コミュニケーションの可能性について考察することが目的です。
前回の発表では、フェイク食品の日本での歴史を紐解き、具体的にどのような食品 が存在するのかを挙げ、特徴をまとめました。また、肉食の禁忌から、精進料理としてフェイク食品が発展してきたことを踏まえ、ベジタリアンの多い台湾にもフェイク食品があるのではないかと考え、調べました。同様に具体的な食品を挙げ、特徴をまとめました。発表後に「作り方を知りたい」「海外のフェイク食品について知りたい」という意見をいただきました。フェイク食品という存在を気にしたことがない人が多いように感じました。
今回の発表では、簡単に作れるフェイク食品のレシピの提案、そしてヨーロッパのフェイク食品について紹介します。どのように発展を遂げてきたのか、またアジア圏との食材の違いがあるのか、特徴をまとめます。様々な国で発展してきたフェイク食品ですが、相違点や類似点についてまとめ、今後の発展を予測し、食コミュニケーションの可能性について考察します。
この発表を通じてフェイク食品の面白さを伝えられたらいいなと思います。
スパイス・ハーブがもたらす食生活
【2.世界の食 / 9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
●目的
スパイス・ハーブと聞いて皆さんはどのようなイメージを持ちますか?辛い、香りが強い、使い方が分からない、カレーライスに入っているなどという印象を持つ人が多いのではないでしょうか。
スパイス・ハーブには数多くの効果があることが報告されています。例えば、脂肪燃焼、消臭、鎮痛作用といった健康に関わることから日々の生活を向上させる機能など様々な効能があるといわれています。海外ではスパイス・ハーブを活用したレシピが馴染んでいますが、日本ではまだあまりポピュラーではありません。昨今では「パクチーブーム」によって日本でもスパイス・ハーブは認知されつつありますが、まだまだ他にも数多くの種類があり知られていな魅力がたくさんあります。もっと身近にスパイス・ハーブを感じて頂けるよう研究に取り組んでまいりました。また、日々の料理にスパイス・ハーブを加えることで美味しく健康になるためのメニューを考案致しましたので今後、料理を作る際に参考にしてみてください。
●日本のスパイス・ハーブの歴史
日本では「香辛料」と訳されて通用しています。1970年代半ばまでは馴染みが薄く家庭はおろか、商品も店頭にはあまり並んでいませんでした。古くからスパイスを使いこなしてきたヨーロッパやインドなどとは事情が異なり日本では、湿潤で豊かな自然に囲まれ、新鮮な海の幸や山の幸を比較的容易に入手することができました。そのため、必ずしも保存や強い香り付け、消臭効果を求める必要がなく、素材本来の持ち味をそのまま活かすような調理法が主流でした。従って日本料理では、スパイスは新鮮で味が比較的淡泊な素材にアクセントをつける程度に少量を添えるような使い方、「薬味」的な使われ方が主流でした。このため日本のスパイス・ハーブは多くが辛さを伴っている、少ない種類のスパイス・ハーブで料理が成り立つなどの特徴が挙げられます。
和風スパイスとして挙げられるのが、しょうが、山椒、わさび、にんにくなどで、たで、大葉、ねぎ、よもぎなどは、日本のハーブと言えるでしょう。
もっと多くの人に日本酒を
【1.日本の食 / 10.食材の可能性 / 17.健康・美容】
○研究動機○
私はお酒を飲むことがとても好きで日本酒は特に大好きです。しかし同年代の人と一緒に飲みに行ってもたいていカクテルやサワー系などを頼む人が多数です。日本酒のイメージを友人達に聞いたところ“美味しくない”“インスタ映えしない”“おじさんの飲むお酒”“悪酔いしそう”などといったマイナスな意見が次々と出てきました。
しかし日本酒は決して悪いお酒ではありません。そこで少しでも多くの人に日本酒の良さを知ってもらいたいと思いこの研究テーマにしました。
○日本酒ってなに?○
まず日本酒は栄養面では他のお酒よりとても優れています。日本酒は百薬の長と呼ばれており、製造する際に原料や発酵で生じる栄養成分がそのまま含まれています。そのため栄養分がとても多く、700種類も含まれているといわれています。アミノ酸、ビタミン、肝臓によいペプチドといった新陳代謝を高めるものや、体に必要な微量栄養素であるミネラルも豊富に含まれておりとても有能なお酒です。
次に日本酒は悪酔いや二日酔いになりやすいなどとも言われていますが決してそうではありません。もちろん適量以上を飲み続ければ当然酔いは回るし二日酔いになる人も出てくると思います。しかし日本酒に含まれる成分がガンを抑制する効果があるといわれています。これはもうすでにいくつかの実験を通して証明されており日本酒を適量に飲んでいる人の方が肝硬変や肝臓ガンなどになる確率が低いことがわかっています。
さらに日本酒は種類がとても豊富です。甘口や大辛口、純米酒や大吟醸など様々なお酒があります。そのときの季節や環境、料理に合わせてたくさんのバリエーションを自分好みにできます。
○発表内容○
今回の発表では日本酒が苦手な人のために日本酒をつかったスイーツや日本酒をもっと美味しくさせてくれるおつまみなどをみなさんに伝えていきたいです。
実家の洋菓子店にレインボーケーキを誕生させる
【2.世界の食 / 8.商品開発】
■研究動機
元々、韓国の食文化に興味があった私は、ある日、SNSで色彩鮮やかな韓国のカフェスイーツを見かけました。そこで、実際に見たいと思い、韓国を訪問し、フィールドワークを行いました。様々なカフェスイーツを見ていく中で、韓国のレインボーケーキに出会い、興味を持ちました。
韓国のレインボーケーキは、実際、合成着色料で着色されているものが多く、人によっては食べるのに抵抗があるほどだと思いました。しかし、私はレインボーケーキのカラフルな美しさと楽しさを多くの人に知ってもらいたいと思い、日本人でも受け入れやすいように、合成着色料ではなく、食材などから抽出した天然色素を用いて色を抑えつつも、レインボーケーキを再現し、実家の洋菓子店で販売したいと思いました。
■レインボーケーキについて
韓国のレインボーケーキとは、スポンジが赤、黄、オレンジ、緑、青、紫の6色とクリームの白色を合わせて7色で彩られたケーキです。レインボーケーキは元々アメリカで生まれ、近年では、韓国を含むアジアで流行り始めています。
■発表内容
「レインボー」には虹という意味の他に、アメリカでは、「自由や平和」などを表す言葉として使われてきたことを知りました。近年、なぜ、韓国でこのレインボーケーキが流行り始めたのか、その理由を探るため、近年の韓国の社会情勢の変化を調べましたので、この点にも触れたいと思います。また、実家の洋菓子店の歴史やコンセプト、販売しているケーキの種類を皆様にご紹介したいと思います。
実際にレインボーケーキを何度か試作してきましたが、なかなか思うように出来ないことも度々ありました。改良を積み重ね、何とか完成することが出来ましたが、こうした過程と、完成したレシピを皆さんにご紹介したいと思います。
最後には、レインボーケーキを完成させ、実家の洋菓子店で販売し、買ってくださったお客様にアンケートをとり、自分なりに考察し、発表したいと思います。
チーズとワイン
【10.食材の可能性】
皆さん、チーズは好きですか?私は毎日チーズを食べるほどチーズ好きです。そして、チーズと同じくらいお酒が大好きです。そこで、お酒に合うチーズについて研究することにしました。まず、チーズのイロハについてまとめました。
最初は、チーズの歴史です。チーズは、どのくらい前に発見されたのか、チーズはどのようにしてうまれたのかなどを紹介します。アラビア民謡には「アラビアの商人が、羊の胃袋で作った水筒にミルクを入れ、暑い砂漠を歩き続けた。夕方頃、水筒からは黄色っぽい水と、白い固まりが出てきた。恐る恐る食べてみると、非常においしかった。」という話があります。チーズのルーツはアラビアにあったといえるでしょう。
次に、チーズの主な種類です。チーズを◆フレッシュタイプ(モッツァレラチーズクリームチーズ、カッテージチーズなど)◆ウォッシュタイプ(ポンレヴェック、リヴァロ、ピエ・ダングロワなど)◆白カビタイプ(カマンベール、ブリー、パヴェ・ダフィノアなど)◆青カビタイプ(ゴルゴンゾーラ、ロックフォール、スティルトンなど)◆セミハードタイプ(ゴーダ、サムソー、マリボーなど)◆ハードタイプ(チェダー、パルメザン、エメンタールなど)◆シェーブルタイプ(サント・モール、ヴァランセ、シャビシュー・デュ・ポワトウなど)の七つのタイプに分けてそれぞれのタイプの特徴などを説明します。また、チーズには人間に必要な栄養素がバランスよく凝縮されています。具体的にどのような成分が含まれているのか、チーズを食べることで健康面ではどのようなメリットがあるのか、日本人女性のカルシウム摂取状況と、摂取推奨量を比較しながらわかりやすく説明します。最後に、お酒のおつまみとしてチーズとワインの組み合わせは有名です。そのなかで、私のおすすめの組み合わせをご紹介します。
罪悪感のないスイーツを食べよう
【9.メニュー提案 / 17.健康・美容】
【研究動機】
私は太りたくない、高カロリーで体に悪いと思いつつ、甘いものが大好きで我慢できずについお菓子を食べてしまいます。そして、食べた後は必ず食べたことを後悔します。健康志向な人が増加している近年、若い女性を中心に、このような経験をした人は多いのではないかと思います。
また、様々な健康食品やダイエット食品が販売されていますが、安全性にも疑問があり、価格が高いなどの理由で手に取りにくいのではないかと思います。そこで、不健全なイメージのあるスイーツをヘルシーで、しかも美味しい、罪悪感のないスイーツに改良し、誰でも手軽に作れるスイーツのレシピを提案しようと考えました。
【これまでの取り組み】
6月までの研究では、まず女子栄養大学の学生にアンケートを取り、スイーツに関する健康意識について調査をしました。その結果から、スイーツを食べる頻度は割と多く、「好きなスイーツ」で挙げられたものと「不健康なイメージを感じるスイーツ」で挙げられたものがほぼ同じであることから自分がよく食べているスイーツにマイナスなイメージを持っていることが分かりました。そこで、精白された小麦粉や砂糖、バターなどの動物性油脂を使わずに全粒粉やきび砂糖、オリーブオイルなどの体に良い食材を使用したスイーツの提案を行うことにしました。
【今回の発表】
前回行ったアンケートの結果で、好きなスイーツ1位はケーキでした。その中でも、不健康なイメージのあるスイーツで回答が多かった上位3位は、ショートケーキ、チーズケーキ、タルトでした。今回は、この3種類のケーキをヘルシーな食材を用いて試作を行いました。カロリー計算をし、市販のケーキとどのくらいエネルギー量が異なるのかを、レシピと共に紹介しようと思います。お菓子作りが好き、ヘルシーなお菓子が食べたいという方は、ぜひこの発表を聞いて健康的なスイーツを作りたいと思っていただけたら嬉しいです。
チャーリーとチョコレート工場カフェ
【7.お店の企画・運営 / 8.商品開発 / 9.メニュー提案】
おはよう、星明りちゃん。地球もこう言ってる、やあ!って。ゲストの皆さんこんにちは。我がチャーリーとチョコレート工場カフェへようこそ。心を込めて握手を…。僕の名はウィリーウォンカ。この金のチケットをご覧になっている幸運なあなたを、チョコレート工場カフェにご招待いたします。
〇研究動機
チョコレートが人一倍好きなこと。全てのメニューにチョコを使用したチョコレート専門店を作りたいこと。映画「チャーリーとチョコレート工場」が好きで、この世界観を実現できないかと考えていること。以上の3点から、チャーリーとチョコレート工場カフェを提案することにしました。
〇今回の発表
前回の発表では、市場調査を通して学んだコンセプトカフェの基本を踏まえ、映画「チャーリーとチョコレート工場」に出てくる、主な登場人物6人をモチーフにしたカフェメニューを考案し、イラストで表現しました。
「チャーリーバケットのチョコレートドリンク」「オーガスタスグループのショコラドリンク」「マイクティービーのジェラート&ジェラート」「バイオレットボーレガードのマンゴーショコラ」「ベルーカソルトのカカオムースプレート」「ウィリーウォンカのショコラパフェ」 今回は、このメニューを試作・改良し、メニューを確定します。前回は、夏をイメージしたアイスドリンクやアイスクリームを使用したメニューが多かったため、冬でも楽しめHOTなカフェメニューも考案します。
また、カフェを営業するために必要な、メニューブック・ショップ袋・ドリンクカップ・店内用の食器などの作成をします。さらに、カフェを経営に関する、店舗の収支計画や店舗立地なども想定していきます。店舗の設計イメージは設計図で発表しようと思います。
では、集合する時間と場所です。12月9日17時06分に工場(6403)に来てください。
ウィリーウォンカ
たくさんの女性にこんな提案! / ─たべものでもっと女子力あげませんか?─
【8.商品開発 / 10.食材の可能性 / 17.健康・美容】
#はじめに
皆さんは「食」と聞くと何をイメージしますか?私はたくさんの可能性を持つものだと思っています。食といえば栄養を摂るためのもの、食べるものというイメージが強いですが、それだけでなく、最近ではアートや化粧品、洋服など幅広く用いられています。
私は、食というのは人間が生き延びるためだけのものでなく様々な方面から人々の生活に深く関わっているのではないかと考えております。
#このテーマに決めた理由
テーマを決めるにあたって、大学生活で学んだことを発表しようと決めていました。そこで、私はどんなことを学んだのか考えました。食文化栄養学科では管理栄養士や栄養士などといった誰もが知っているような資格を取ることができません。ですが、実践的な授業や、食を様々な観点から見る授業が多く、食を柔軟な視点で見るようになりました。そうすることで、食には食べるだけ、栄養を摂るだけでなく、いろんなものと掛け合わせることができ、無限の可能性を持つものだと学ぶことができました。単純に食というものをいろんな方面から見ることで楽しく学べたと思っています。そこで、皆さんにも食がこんなものとも掛け合わすことができるという、少し見方が変わるような驚きを与えられる、そんな発表がしたいと思いました。女子大なので女子の皆さんにとっても関心の高いカテゴリーにしようと思い、今回は「ファッション」と「美容」に絞りました。
#発表内容
6月の発表では、「食×ファッション」と「食×美容」がどういうことなのかの説明を行い、少しでも興味を持ってもらえるように準備しました。12月の発表では、前回の発表にプラスして、実際に自分で食材を用いて化粧品を試作してみたので、その試作品の発表をするとともに、皆さんに興味を持ってもらって自分でも作ってみようと思ってもらえたらと思います。また、皆さんの食に対する考え方や概念が、私の発表を通して変化したり、その手助けになれればと思いますので、興味のある方は是非聞きにいらしてください♪
高島 美和ゼミ
TOKYO MARCHE
【5.情報発信と表現 / 6.生産者と消費者をつなぐ / 9.メニュー提案】
ふと旅番組を見ていた時に特集されていたパリのマルシェ。カラフルで新鮮な野菜がずらりと並び、人々の会話で賑わうその場に魅力を感じた。日本国内のマルシェに関して調査すると、都内を中心に開催されていると知った。
「都市型マルシェ」として注目されている数々のマルシェを訪れ、道の駅や農産物直売所とは異なる魅力を多くの人と共有したい。
▼目的
マルシェの最大の特徴は生産者と販売者が一致した商業形態であるということだ。生産者が直接販売しているマルシェでは、利点が多くある。生産者の顔が見えることによる安心感。会話を楽しみながらの買い物。新鮮で全国各地の珍しい野菜が手にはいること。マルシェの特徴や魅力を多くの人に広めることを目的としている。
▼研究内容
1)文献調査
マルシェの仕組みや楽しむためのポイント、都市型マルシェにおいての販売者と消費者の利点等、理解を深めた。
2)マルシェ・直売所・スーパーマーケットの比較
それぞれの販売形態や利便性・価格等を比較し、分かりやすくまとめた。
3)現地調査
都内では今、数々のマルシェが開催されてる。私は、青山ファーマーズマーケットを始め7つのマルシェを訪れた。現地調査では、それぞれのマルシェのコンセプトを理解し、客層や内容・雰囲気などマルシェごとの特徴に注目した。都市型マルシェを研究する上で、各地の直売所や食のテーマパーク、平安時代から続く輪島の朝市などにも訪れた。
4)レシピ提案
私たちに馴染みのない珍しい野菜が販売されているのもマルシェならではである。それらを使用した手軽に作れるヘルシーレシピを提案する。
5)ガイドブックの作成
私のオススメするマルシェを1つの冊子にまとめた。ガイドブックを片手に、マルシェで素敵な休日を過ごしてもらいたい。
やわらか食 / 介護食×フランス料理
【2.世界の食 / 9.メニュー提案 / 17.健康・美容】
日本の高齢者の人口は年々増加し、現在「超高齢社会」を迎えている。約3人に1人が高齢者という社会で、高齢者が健康である期間を楽しく過ごすためには何ができるだろうか。
胃ろうなど医療に頼った、ただの栄養補給のみという形で生きるのでは寝たきりを助長し、食べたいという気持ちを奪ってしまうといっても過言ではない。自らの口で食べ物を食べ、見た目の美しさ、味、香り、テクスチャー、音を大切な人と食卓を囲むことで食事をする喜び、楽しさが生み出され、QOL(Quality Of Life=生活の質)を高めることができると考えた。高齢者の抱える問題として咀嚼力、嚥下力の低下があげられる。これではおいしい食事も楽しい時間も台無しだ。そこで介護食が必要とされる。
実習では、日本介護食品協議会が定義している「ユニバーサルデザインフード」の「歯茎でつぶせる」を目安に色合いがよくきれいで形がある、目でも口でもおいしいと感じることをポイントに、ハレの日に家族や恋人、友人つまり大切な人と食べる機会の多い西洋料理のフルコースの中を提案する。
介護食が何のためになぜできたのか介護食が生まれた歴史や概要、条件、目的を確認し、フルコースの前菜、スープ、肉料理、魚料理とデザートを提案する。また、提案するフランス料理の歴史や文化を学び、知識を深めることで料理のことを理解し提案する介護食の質を高め、普通食とより差のない提案ができると考えている。
私の今回の提案は学園内留学で学んだ知識、技術を活かし、高齢者がハレの日に大切な人と楽しく過ごせることのできる食事だ。噛みにくい、飲み込みづらいなど食事の邪魔となる原因を取り除き、コースの最初から最後まで心から楽しいと思える料理を提案する。
知ればもっと好きになるパティスリーの世界
【2.世界の食 / 3.食の歴史をひもとく / 14.食と空間・食シーン】
【きっかけ】
私がフランス菓子に興味をもったのはパティスリーでのアルバイトがきっかけである。そして、パティスリーにはショーケースに並ぶ色とりどりのケーキだけではない魅力があるということに気づいた。
私の考えるパティスリーの魅力とはお店の中でもショーケースのとなりや上に並んでいる焼菓子や砂糖菓子である。ケーキと比べるとあまり買う機会がないそれらの魅力をもっとたくさんの人に知ってもらいたいと思い、テーマにした。
【概要】
第一回発表会では、主にフランス菓子がどのように発展したのかという時代背景と、焼菓子や砂糖菓子など、パティスリーの中のお菓子を種類別に紹介した。後期ではその中でも「ドゥミセック(半生焼菓子)」「コンフィズリー(砂糖菓子)」に焦点を当てて、その中の一つ一つをより深く知り、それらについて紹介する。例えば、「マドレーヌ」はフランスの焼菓子の中でも、日本の多くのパティスリーでよく見かける定番のお菓子だ。その独特な貝殻の形は中世フランスの修道女たちが作ったもので、当時は貴重な栄養源として食べられていたものだという。そして、それらがお菓子として地方からパリに伝わった。また、「マカロン」はフランスの各地方ごとに発展しており、定番のカラフルな「マカロン・パリジャン」以外にも数種類ある。それらのほとんどは見た目は地味な色をしているが、その地方独自の材料や作り方で作られていて、とても魅力的だ。ドゥミセックでは他にも「ダックワーズ」を紹介する。コンフィズリーでは、「ギモーブ」と「パート・ド・フリュイ」を調べている。これらのお菓子は発表用の写真も自分で作ったものを使用する予定だ。
フランス菓子の由来や歴史に加えて、おすすめのパティスリーも紹介する予定だ。特に今回は華やかに焼菓子や砂糖菓子が並べられていて、雰囲気を楽しめるようなお店を紹介する。
European vegetable kitchen
【9.メニュー提案 / 10.食材の可能性 / 13.料理を伝えるカタチ】
私はヨーロッパ野菜の可能性をテーマに、ヨーロッパ野菜とはどんなものなのか追求している。近年、ヨーロッパ野菜は日本にも多く普及してきたが、まだまだ知られていないものも多く存在する。西洋生まれの野菜といえば、キャベツやトマト、ブロッコリーなど知名度が高く一般的な野菜もあるが、ヨーロッパ野菜とは、一般的にスーパーマーケットではあまり見かけないような珍しい野菜のことである。
例えば、ロマネスコやビーツ、他にカーボロネロ、アーティチョークなどである。これらは日本のスーパーマーケットではほとんど見かけず、家庭への普及はまだまだ低く、ビーツなどを食べたことがあっても、ビーツ自体がどういう特徴のある野菜なのか、栄養面ではどうなのかあまり知られていないと考える。また、私自身もその一人だった。レストランで珍しい野菜を食べたり、テレビで見かけたりしてきたが、名前を知っている程度で栄養面や調理法までは知らなかった。
私は珍しい形や色をしたヨーロッパ野菜に魅力を感じ、もっと多くの人にヨーロッパ野菜の魅力を伝えたいと思った。また、野菜の栄養面や下処理の仕方、調理法も合わせて知ってもらい、家庭への普及がもっと進んで欲しいと考えている。珍しい形やカラフルな野菜を家庭料理に使うようになれば、日本の食卓はもっと華やかになり、食事の楽しさが増える。
しかし、西洋野菜は日本の野菜よりも味が濃く、繊維が強いため、そのままでは日本人の口に合わない場合がある。そこで、日本人にも食べやすいアレンジ料理を考案した。
実習を通して、スイスチャード、カーボロネロ、カーリーケール、ビーツ、コールラビの栄養的特徴や味、調理法について理解を深めた。また、ヨーロッパ野菜を取り扱うレストランで市場調査をした。また、マルシェで手に入る野菜を使って試作し、アレンジレシピを提案した。秋冬が旬のヨーロッパ野菜を上記の春夏野菜に加え、アレンジ料理のレシピを「ヨーロッパ野菜のガイドブック」としてまとめ、提案する。
AUSSIE SWEETS / モダンオーストラリア菓子
【2.世界の食 / 9.メニュー提案】
高校生の時にオーストラリアにホームステイをしたことがきっかけでオーストラリアの食文化に興味を持った。また現地の学校に通っていた時に調理実習の授業があり、その時に作ったオーストラリア発祥のお菓子に惹かれた。
しかしオーストラリア発祥のお菓子は日本ではあまり知られていない。そのため、この実習を通してオーストラリア発祥のお菓子に興味を持ってもらい、実際に簡単に作れることを知ってもらいたいと思いテーマに決めた。
オーストラリアの食文化の特徴について知るために文献調査を行った。オーストラリアの食文化はこの国に移り住んできた人々が持ち込んだそれぞれの異なった食文化に支えられ進化してきたことや、典型的なオーストラリア料理と呼ばれるものがほとんどないことなどが分かった。またオーストラリア発祥と言われているお菓子であるアンザッククッキー、ラミントン、パブロバについて歴史や由来を調査し、本場の味が再現できるように試作を重ねた。
文献調査やインターネット調査を進めていくにつれて、オーストラリア発祥と言われているお菓子が数少ないことが分かった。これは典型的なオーストラリア料理と呼ばれるものがほとんどない事と同じである。そこで数少ないオーストラリア発祥のお菓子を使用し、元来の味を生かせないか考えた。
オーストラリア発祥のお菓子であるアンザッククッキー、ラミントン、パブロバを他の国のお菓子と組み合わせアレンジし、創作菓子「モダンオーストラリア菓子」を作ることにした。オーストラリアの食文化は植民地時代の名残からイギリスの食文化の伝統を多く受け継いでいるため、特にイギリスのお菓子と組み合わせアレンジする。そのため組み合わせるお菓子の歴史や由来、特徴などの調査も行った。
オーストラリア発祥のお菓子をイギリスや他の国のお菓子と組み合わせアレンジした創作菓子「モダンオーストラリア菓子」について説明し、レシピを提案する。またオーストラリア発祥のお菓子であるアンザッククッキー、ラミントン、パブロバを提供している店舗で調査を行った。その結果について報告する。
ジェラート使って何つくる?
【8.商品開発 / 9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
目的
ジェラートは旬のものを使うことも多く、素材の味を生かしていることが特徴だ。そのため、準備する材料も少なく、家庭で簡単にジェラートを作ることができる。
ジェラートの魅力を伝えるため、デザートとしてもおいしいジェラートをそのまま食べるだけでなく、お菓子や料理とジェラートを組み合わせて、新しい食べ方を提案する。
実習内容
私自身がジェラートに関してよりよく知るために、ジェラートの特徴を理解し、主に市場調査や試作を繰り返し行った。市場調査を通して、様々な種類のジェラートを食べた。ジェラートには、味、食感、何かと組み合わせて食べるものなど様々あった。ジェラートを自宅でも食べたいという思いから試作を繰り返し、基本となるミルクジェラート、フルーツを使ったジェラートの作り方を提案した。
店舗調査を通して、さらに興味を持ったのは野菜を使ったジェラートだ。野菜のジェラートを置いている店は少なく、自宅でも作れるよう何度も試作をした。さらに、野菜を使ったジェラートは料理としてアレンジできないかと考えた。アレンジ料理の試作を繰り返し、温度や味、見た目など、ポイントもおさえて提案する。
今回の発表では、クリームチーズを使ったジェラートのデザートを提案する。また、野菜を使ったジェラートの料理も提案する。デザートとしてだけでなく、主食としての活用法を考えた。トマトやアボカドを使ったジェラートを作り、それを使ったアレンジ料理を提案する。この研究を通して、みなさんが少しでもジェラートに興味を持ち、作りたいと感じてくれたら嬉しい。また、新しい食べ方に挑戦してもらい、デザートとしてはもちろんのこと、ジェラートの新しい可能性と魅力を発見できたらと考えている。
和な洋菓子
【1.日本の食 / 2.世界の食 / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
近年、和な洋菓子が出てきている。そのお菓子の多くは抹茶など日本特有の食材を使用した菓子が多いように思う。しかし、日本特有の食材を材料として使うことだけでは和なお菓子とは呼べないのではないかと思う。「和」とは古来日本を指す言葉で、「和らげる」、「調和する」などの意味があるからだ。
和菓子とは明治時代に鎖国が解かれた後、外国から入ってきた様々なお菓子とは別にそれまで日本で育まれてきたお菓子を指す。しかし、卵や乳製品、小麦粉など洋菓子の材料が入手しやすくなり、現在ではオーブンなどが和菓子にも使用されるようになった。その結果、和菓子と洋菓子の線引きが曖昧になってきている。そのため「和菓子は五感の芸術である」という虎屋十六代当主黒川光朝の提唱した言葉が重要であると考える。私は和な洋菓子を作るために黒川の言葉とともに和な洋菓子を作る三つのルールを設けた。一つ目は季節感のあるお菓子を作ること。二つ目は和菓子の技法だけでお菓子を作らないこと。三つ目は手のひらに乗る大きさであること。そして、季節の上生菓子で最も多かった「植物」をテーマとすることにした。そして12か月それぞれの月にあったお菓子を提案する。
和菓子と洋菓子をよく知るために店舗を調査した。和菓子は季節のものが多く、植物の他に行事や情景を表した菓子が多く、同じ時期でも売られている商品に同じモチーフの上生菓子が少ないことがわかった。洋菓子は多層でできているものが多く、味の組み合わせや食感で個性を出していることがわかった。それをもとに12か月それぞれの月のお菓子を考えた。花があまり咲かない冬の季節のお菓子を考えることやお菓子ができるだけ重ならないようにすることなど大変だった。そして、決定したお菓子を何度も試作し作り上げた。
東京の和菓子と比較するため、和菓子を見るために京都に行った。ケーキに見えるや皿盛りデザートを彷彿とさせる和菓子など今までみたことのない和菓子があり、自分の想像の糧になった。
私は和とは日本の詫び寂びやおもてなしの心など目には見えない抽象的なものだと思う。そして、和菓子は食べる人を五感で喜ばせる作り手の「真心」であり、和な洋菓子は食べる人が五感で楽しめるものであるべきだと考える。
北欧の食を知る / スウェーデンの伝統菓子
【2.世界の食】
【きっかけ】
私は北欧雑貨や家具が好きだ。しかし、料理や菓子については知らなかった。また、日本でもあまり知られていないと思った。「北欧の食」の中でも、スウェーデン菓子店と出会ったことをきっかけに、スウェーデンの伝統菓子を研究テーマにした。
【目的】
実習を通して北欧の国々の料理、スウェーデンの菓子、また北欧の人達はどのような暮らしをしているのかを明らかにする。そして、北欧の食生活、スウェーデンの伝統菓子についての冊子を作る。
【実習内容】
北欧のそれぞれの国の特徴、料理でよく使われる食材、平均気温や日照時間、ライフスタイル、働き方など北欧の国々の人達がどのように暮らしているのかについて調べた。また北欧の魅力を伝える番組などから、北欧の暮らしを映像や写真で観て知ることができた。
次に日本で北欧を体感する為に、東京都調布市で「北欧市」が開催されたので行ってきた。そこでは、北欧本場の味のミートボールやシナモンロールを知った。北欧市で知った北欧料理店にも実際に行き、スウェーデンの家庭料理を食べた。そして、家庭料理は素朴な感じだと思った。店内は家具や壁画など北欧の家庭の雰囲気を楽しめた。夏には、日本では食材として馴染みがないが、北欧ではカフェやレストランで食べられているザリガニを食べた。ザリガニを食べることに抵抗があったが、おいしかった。スウェーデン人の夏の過ごし方を少し体感することができた。
同じく北欧市で知ったスウェーデン菓子店が実施しているスウェーデン菓子のワークショップに参加した。ワークショップでは、ルッセカット、ペッパカーコル、モーロッツカーカ、セムラ、ハッロングロットル、クリングロル、モッカニースタン、シトローンステンゲル、ルバーブのクランブルタルト、プリンセスケーキを学ぶことができた。作り方だけなく、お菓子と行事の関係、スウェーデンについて学び、本だけではわからなかったことを知ることができた。
北欧の食生活やスウェーデンの伝統菓子について冊子にまとめる。
佳央理のJapanese cuisine notes
【1.日本の食 / 5.情報発信と表現 / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
この四年の間に、世界中の料理を食べ周ってきた。留学で滞在したフランスでは数十種類のチーズやシャルキュトリー、日本とは味の違うフルーツや野菜。ファームステイ先のオーストラリアの農場では、新鮮な羊肉料理を。そして、友達の住んでいるタイを訪れた時には、本場の香辛料を使った料理に舌鼓を打った。
こうして、各国を旅していると、日本で食べた外国の料理の味と大きく変わっていることに気がつく。また、逆も然りと言える。“Japanese food” として海外で提供されているカラフルな握り寿司には、衛生面への不安と外国人が持つ認識そのものにモヤモヤした。日本食への関心が高まる現代で本来の美味しさが伝わっていないということを知り、外国人に向けたガイドブックを作成する。
日本食と言っても、堅苦しいマナーを守って食べるような料理ではなく、普段から私たちが口にしている家庭料理やファーストフード、お菓子のような馴染み深い食べ物を特集したものだ。ラーメンや、海老チリ、たらこパスタ、おでん等『…あれ?ラーメンって日本食なの?』という疑問を持つかも知れない。実は、遠い昔に伝わった日本食は日本人に好まれるような味付けを追及した結果、現在食べられている多くは、本場の味とは異なった“日本食”になっている。そのため、私のガイドブックは外国人がターゲットではあるものの、日本育ちの人々にも楽しめる内容を目指した。
また、このガイドブックでは日本食をさらに美味しく味わうためのヒントとして「シズルワード」を同時に掲載した。日本では料理と切っても切り離せない馴染み深い日本人のこの「言葉」。日本食の美味しさは「シズルワード」によって表され、それは、より深く、繊細な部分を五感でキャッチする重要な部分を担っている。
改めて日本の料理に焦点を当ててみて、日本食を外国人に教えるだけではなく、日本人にもっと母国の料理のルーツを知ってもらい大切にしてほしいと思った。そして、海外で伝わる日本食についても少しずつ考えが変わっていった。
イギリス童話×スコーン / ~童話で素敵なティータイムを~
【5.情報発信と表現 / 8.商品開発 / 16.食とエピソード】
私は食選びには、見た目が最も大事だと考えている。確かに、味や栄養バランスを重視することは、美味しさや健康面で大事だが、それ以前に見た目によって食に対しての楽しさがまったく変ってしまうのでないのかと考える。
そのため実習では、見て楽しいストーリー性を持ったスコーンを作ることにした。スコーンは、どれもシンプルなものが多く、入っている食材は、ほぼ馴染みのもので目新しさがないと以前から感じていた。そこで、華やかなスコーンにし、定番の味だけではなく、ストーリー性を含んだスコーンを作成しようと考えた。また、イギリスは、童話の国と言われるほど有名な童話が多い。そこで、イギリス童話を題材にした可愛いスコーンを作ることに決めた。私の作る童話スコーンを通じて、見た目の重要性やイギリスの食文化を明らかにしたいと考えた。
【実習内容】
市場調査のため、埼玉県・東京都を中心にスコーンを販売している計21店舗に足を運んだ。次にイギリスの童話で有名なものはどのようなものがあるのか調べ、興味を持った作品を読んだ。中でも日本で人気の高い、ピーターラビットに関しては、レストランや展示会、イベントが行われていたので足を運んだ。
童話スコーンの作成では、童話の中から再現できそうな場面や、物語中に出てくる食べ物を選び、そこから、イメージ画を描き、試作を重ねた。童話スコーンの完成後、物語を表す舞台セットを作成し写真撮影をした。
【発表内容】
スコーンの歴史を知り、不思議の国のアリスを題材にした『白いバラを赤く塗ろう』、『チェス盤の世界へ』、『特別な誕生しない日』の3つのスコーンを作成した。そして、若葉祭でそれらのスコーンを販売した。今回の発表では、『ピーターラビット』、『くまのパディントン』、『ジャックと豆の木』など有名な童話を題材にした可愛らしいスコーンなどを作成した。これらを写真集としてまとめている。
私は、実習を通じて、スコーンの可能性は無限にあると感じたので、その可能性やストーリ性を持つ食べ物の魅力を明らかにしたい。
青果ひよみ / カレンダーで伝える旬
【5.情報発信と表現 / 12.食育 / 13.料理を伝えるカタチ】
今では好きな食材がいつでも手に入る。海外からの輸入や栽培技術の向上により、一年を通して多くの食材が出回り、楽しむことができるようになった。それに伴い、それぞれの食材にとって大事な時期である「旬」の印象が薄れているといえないだろうか。
旬は味が最もおいしく、栄養価も高くなる。そのため、食材にとって最も良い時期に何も考えずにただ食べるだけではもったいない。
多くの食材が一年中店頭に出回っていることが当たり前になっている今、旬を再認識すべく、毎日一度は見るカレンダーを製作することにした。
〇旬とは〇
魚介類や野菜・果物などの、最も味の良い出盛りの時期のこと。さらに、それは3つの時期に分けられ、味・食感・おいしさが変わる。出回りはじめる2週間ほどの初物のことをいう「走り」。味わいや栄養価がピークに達し、一般的に旬といわれる「盛り」。終盤に入る2週間ほどのもので、来年もまたおいしく食べられるように願いを込めて名残を惜しみながら食べる「名残」。
〇青果ひよみ〇
青果ひよみとは野菜・果物のイラストを見て楽しみ、情報を知って楽しみ、食材を実際に食べて楽しむカレンダーである。ひよみは日を読むと書いてカレンダーを意味する。
カレンダーは来年使用できるように2018年に設定している。また、食材は一年を通して出回ることで旬があいまいになってきているものを中心に選定した。そして、旬の時期や特徴、知識、調理方法、栄養情報を週めくり式のカレンダーで1週間に1つの食材を紹介する。イラストはすべて手描きで製作し、ひとつきの食材を組み合わせて料理提案を行う。
青果ひよみを見て、献立の参考にしたり、食材の新たな発見を通して家族や友人とのコミュニケーションのツールとして活用したり、改めて食に対する興味・感謝を持って旬を楽しんでもらいたい。
フランス革命期 / 王妃の傍らにあった食
【2.世界の食 / 3.食の歴史をひもとく】
フランス歴代王妃の中で最も有名な王妃マリー・アントワネット。母国オーストリアを離れ一国の王妃となった彼女の名を耳にして、多くの人がイメージするのはかわいらしいお菓子や煌びやかなドレスに囲まれた華やかな女性だろう。この実習は、多くの人が持つフランス革命下に生きた王妃マリー・アントワネットに対するイメージを覆したいと思い、始めた。
映画や漫画、小説などの様々なメディアで取り上げられ、日本にも彼女のファンは多くいる。煌びやかな一面が注目されがちな一方で、彼女の人生は楽しかっただけのものではなく、ときには苦しみや悲しみに耐えなければならないこともあったのではないかと私は思うのだ。
宮殿から離れた場所に造られた庭「プチ・トリアノン」は、彼女が宮殿でのしきたりから逃れられる場所であり、自由に暮らせる空間であった。前期の発表では王妃のお気に入りのその庭「プチ・トリアノン」で食べられていたのではないかと考えられる菓子を取り上げ、再現した。その後、プチ・トリアノンでの生活から視野を広げ、14歳から革命勃発まで過ごした宮殿や最期の時を過ごしたパリの監獄コンシエルジュリーにもフォーカスを当てながら研究を行ってきた。
王族や貴族が遊び暮らしていた一方で飢えに苦しみながら過ごしていた市民が多くいたフランス革命期、革命により彼女の生活は大きく変わっていった。それと比例して変化する食事はイメージの中にある華やかなものだけではない。フランス革命というと、苦しみながら絶対王政に立ち向かった市民たちの行動が注目されがちである。そして、フランス革命期の中心人物とされる当時の王妃マリー・アントワネットに対し多くの人が華やかなイメージや憧れを抱くだろう。確かに彼女の宮殿での生活は市民のものとは大きく異なっていることばかりであり、王妃という立場で様々な贅沢を行っていた。しかしそれだけがマリー・アントワネットの全てではない。実習を通し、彼女の約38年間の生活の中で常に傍らにあり、私たちにとっても非常に身近である「食事」という面に目を向け、再現することで彼女の知られざる一面を明らかにしていきたい。
高橋 勝美ゼミ
鹿児島の銘菓「かるかん」
【4.地域振興 / 10.食材の可能性】
軽羹(かるかん)は、自然薯と米粉と砂糖を練り合わせて蒸して作る鹿児島を代表する銘菓である。薩摩(鹿児島)では、昔から地元で良質な自然薯が育つことが知られている。
◆研究の動機・目的
かるかんの知名度を上げ、鹿児島県の観光客を増やすことを目指す。鹿児島県では平成27年からの5年間で観光立県かごしまを目指している。その実現に少しでも貢献したい。
◆発表内容
かるかんをテーマにするきっかけとなった「おからと豆乳のかるかんへの利用」という論文※がある。論文には、「幼児から高齢者まで誰にも食べやすいお菓子としてかるかんに着目し、日本人に不足な栄養素、特にカルシウムと食物繊維を、豆乳とおからを利用して補うことを考えた。」とある。そこで、おからに焦点を当て、おからを使ったかるかんのレシピが載っている本を探した。また、おからを使ったかるかんを実際に作るとともに、前回失敗した、電子レンジを使ったかるかん作りにも挑戦した。同様に抹茶かるかんを作ってみたところ、味が上品すぎて合わないと言われ、よもぎ入りのかるかんを作るなど、試作を繰り返した。
かるかんの原材料である米粉の代用として「かるかん粉」があると知った。かるかん粉は、良質なうるち米を原料とした、かるかん特有の味を引き出すために作られた専用粉である。かるかん粉の見た目を分かりやすく説明するため、上新粉、だんご粉と並べて比較したところ、かるかん粉は粒子が大きいことが分かった。
東京の永田町にある鹿児島県東京事務所を訪れ、かるかんについて尋ねた。かるかんが載っているパンフレットやガイドブックを見せてもらった。しかし、かるかんそのもののガイドブックというものはなかった。そこで、かるかんのガイドブックを自分で作成した。少しでも鹿児島県に興味がある20代女性をターゲットにし、より興味を持ってもらうことを狙った。かるかん自体の魅力と、かるかんの春夏秋冬をシリーズ化した2種類を用意した。
※参考資料 : おからと豆乳のかるかんへの利用 大谷貴美子、今井理絵、冨田圭子、饗場照美、田中満智子 日本調理科学会誌 Vol.38, (6) 501~505 2005年
「おいしい」から「飽きる」に変わる瞬間
【15.五感で楽しむ・五感で味わう / 16.食とエピソード】
◆研究動機・目的
誰もが経験したことあるだろう「飽きる」という感覚。日々繰り返されるであろう人の「飽きる」という感覚について調べました。ひと言で「飽きる」と言っても何に飽きているのかを知ることは難しく、たとえば人間関係に飽きていたり音に飽きているかもしれません。
研究では範囲が広く漠然としたこの感覚について五感の中の「味覚」に焦点を当てることにしました。
第1回発表会では文献調査や聞き取りなどを通して「飽きる」の特徴に焦点を当てました。「飽きる」の特徴は 1. 味の一定さ 2. 濃い味 3. 調味料 4. 複雑な加工 を経たものが挙げられました。私は「飽き」に対してマイナスなイメージを多くもっていました。そのため研究当初は食行動における「飽き」の防止を考えてきました。しかし研究を進めていくにつれて次のような疑問が生まれました。「飽きる」とは食選択を増やす感覚であり、この感覚によって人は最低限の栄養バランスを調整しているのではないでしょうか。そこで第2回発表会では「飽きる」という感覚を一つの方向から見ていくのではなく、逆にプラスの方向からも調べてみることにしました。
◆発表内容
同じものを食べ続けたときに何日で飽きるか、本学学生を対象として実験をしました。実験期間は2週間、対象者全員が同じレトルトカレーを1日1食食べ続け、飽きるまでの日数を記録するというシンプルなものです。このときに2つのグループを設けました。1つ目はカレーのみを食べてもらうグループ、2つ目はカレーとそれに加えて自由に食べてもらうグループです。この2つのグループの間に差がでれば、「飽きる」という感覚が食選択を増やす感覚であると説明できるのではないかと考えました。カレーと他のものを一緒に食べてもらったグループの方が飽きるまでの日数は長かったものの、両者間に有意な違いはでませんでした。これはサンプル数の少なさと個体差が大きいことが原因と考えました。その結果、自由に食べ続けてもらったグループの飽きるまでの日数は長かったものの、「飽きる」という感覚にプラスの効果があることにはまだ結論が得られず、今後考えていく余地があります。第2回発表会ではこれらの経緯を発表します。
玄米でよみがえる茶漬け
【1.日本の食 / 3.食の歴史をひもとく / 9.メニュー提案】
◆研究動機・目的
はじめにこのテーマを選んだきっかけとして、お茶漬けは小さい頃からなじみ深いものだったからです。自宅で小腹が空いたとき、時間がないときなどに簡単に食べることができるため私自身もよく愛用していました。近頃専門店などが目立つようになってきたお茶漬けですが、お茶漬けとはいつからでき、どこから始まったものなのでしょうか。
歴史や変化をからめつつ、いま一度お茶漬けの魅力を伝えたいと思います。お茶漬けを玄米で食べるという新しい食べ方や玄米の魅力などに着目し、玄米食をおすすめしたいです。
◆第1回発表会
主にお茶漬けの歴史について発表しました。お茶漬けを調べていくうえで、必ず出てくるのが湯漬けです。湯漬けとはご飯にお湯をかけたもので、現代でも好んで食べられており、お茶がない時の代用品と考えられがちですが全くの別物です。炊飯器などがなかった昔の時代、冷めたご飯を温めなおすためにお湯をかけたのが始まりではないかと考えられています。そもそもお茶漬けとはいつ頃できあがり、食べられるようになったのかということから掘り下げ調べ、平安時代、鎌倉時代、室町時代、戦国時代のそれぞれに注目して紹介しました。「お茶漬けはここからできた」という明確な分かれ目は見つかりませんでしたが歴史的な流れから、湯漬けから始まってお茶漬けに発展したのではないかと考えられました。
◆第2回発表会
完全栄養食と言われる玄米にはビタミンやミネラル、食物繊維をはじめ健康を維持するのに必要な栄養分がバランスよく含まれています。しかし炊くのに時間がかかることや固くて食べづらいなどの問題があり、現代の生活にはそのまま取りに入れにくいと思われます。そこで誰もが食べたことのあるお茶漬けの白米を玄米に変えることで、気軽に食べてもらえるようにしたいです。さらに玄米より柔らかく、栄養成分も吸収率のあがる発芽玄米に着目しました。玄米を発芽させることで酵素が活性化し、玄米よりも柔らかく旨みも増します。玄米茶漬けを通して玄米食をおすすめします。
缶詰を引き立てる料理 / 普段作る料理に一手間加えておいしく食べる
【9.メニュー提案 / 13.料理を伝えるカタチ / 18.人間・生活・環境】
缶詰のメリットは開けてすぐ食べられる手軽さがあると共に缶詰を使うことで料理も簡単に作ることができることだ。そして手軽に足りない栄養素を補うことができる。
普段の料理に缶詰を加えることで、さらによくなる料理の提案や、一手間加えるだけでおいしく作れる料理を紹介していく。ただ料理に缶詰を加えるだけではなく、どんな料理と組み合わせるともっと缶詰が引き立つのかを調べ、まとめてみた。缶詰のメリットをいろんな人に知ってもらうことで、缶詰を身近に感じてもらえるのではないかと思った。
最初に取り組んだことは缶詰をさらに引き立てる料理は何か考えたことだ。缶詰を使って料理するだけでなく、いかに簡単で栄養価にも気を遣った料理を作れるか資料をもとに探した。その中で、どのような缶詰を使えばいいのかアレンジもしてみた。サラダを例に挙げると盛り付けた時、野菜だけ入っていたのでは味も飽きてしまうこともあるので、ツナ缶やミックスビーンズを入れた。その結果食べやすくなり、たんぱく質や脂質など摂り入れることもできた。私はツナ缶がとても好きなので、ツナ缶を使おうと思った。ツナ缶でなくても、カニ缶を入れてもおいしかった。サラダには基本的に、さっぱり系の缶詰が合うと思った。このようにいつもの料理と缶詰を組み合わせることで缶詰をさらに引き立てられる。普通の料理だけでなく、甘いスイーツ系の缶詰を使ったデザートも紹介する。スイーツ系の缶詰も最近は様々な種類がある。みんなが知っているみつまめの缶やフルーツ缶だけでなく、プリンの缶詰などがある。缶詰というとサバやカニ、ツナがあり地味な印象を持つ人も少なくないと思う。甘いものが好きな女性の方もおいしいと言えるようなスイーツ缶もたくさんあるので是非身近で缶詰をもっと使ってほしいと思う。
田中 久子ゼミ
Doggybagって? / ~Myboxを持ち歩こう~
【1.日本の食 / 5.情報発信と表現 / 11.食の問題】
■研究動機
私は友人に誘われフードバンクのボランティアに参加した。これをきっかけに食品ロスの問題について調べるようになり、ドギーバッグを知った。外国ではドギーバックを利用する習慣があり、飲食店の食べ残しによる食品ロスの削減の取り組みを行っている。
しかし、日本ではこの容器の認知度は低く、利用できる店は少ない。そこでドギーバックとはどういうものか、日本で普及しない理由について調査した。
■目的
外国のドギーバックの利用の習慣は飲食店の食べ残しによる食品ロスの削減につながると感じた。そこでドギーバックとは一体どういうものなのか、海外のように普及しない理由は何かを調べドギーバックについて理解を深めたい。
■Doggy bagについて
飲食店で食べきれなかった料理を持ち帰る際に使用する容器のことを指している。アメリカ発祥の容器で、語源は犬の餌にするという口実で食べきれなかったものを持ち帰っていたことからこの名が使われるようになった。
■活動内容
日本では年間約632万トンの食品が捨てられている。その中には飲食店の食べ残しだけでなく、賞味期限切れ食品や包装ミスによる規格外品のようなまだ食べられる食品も含まれていることが分かった。そして日本でのDoggybagの現状と問題点の把握をするため、持ち帰り可能な飲食店の訪問をした。すると飲食店の方とのお話を通じて衛生面・食中毒の問題があり普及に至ってはいないこと、持ち帰りができる料理には条件があることが分かった。さらに「Doggybag普及委員会」の方から、日本と海外のdoggybagに対する考え方の違いや普及に向けた活動についてお話を伺った。
今回の発表では前回に引き続き、フィールドワークを行った飲食店とDoggybag普及に向けた活動について発表する。
季節の食材を食べよう / ~作って食べる加工品提案~
【4.地域振興 / 8.商品開発 / 10.食材の可能性】
【動機・目的】
私の祖父母は農業をしており、小さい頃から農作物に興味がありました。地域で採れた旬の食材を季節に合わせて食べてもらいたい、商品開発に興味があり、採れた食材を使用して地域の良さを伝えていきたいという思いから、作って食べることが出来る加工品を提案しました。
秩父の農家屋敷「宮本家」の直営農場で採れる食材を使用して、お客さんに作って食べてもらいたいと考えています。
【農家屋敷「宮本家」について】
埼玉県秩父郡小鹿野町にある宮本家は、250年の歴史があります。1日6組限定のおもてなし旅館で、別邸には全客室に露天風呂がついています。また、12代当主宮本一輝様は元力士であり、直伝の本場ちゃんこ鍋を頂けるのも魅力の1つです。近くには直営農場の「ふるさと村」があり、大自然の中でアウトドア体験など様々なふるさと体験が出来ます。また、多くの作物を栽培しており、特に夏や秋は様々な食材が収穫時期を迎えます。
【実習内容】
宮本家の直営農場であるふるさと村で採れた食材を使用して、加工品を提案しました。第一回は、季節を夏に設定し、夏が旬である食材を使用しました。ジャガイモの白玉団子を作り、お客さんに試食をしてもらいました。第二回の発表会に向けて、季節を秋に設定し、栗の加工品を提案しました。実際にふるさと村を訪れるお客さんに試食をしてもらい、様々な意見を取り入れながら販売することも視野に入れていきたいです。
今回の発表では、栗の加工品の試作から、試食をしてもらったお客さんのアンケート結果をふまえてどのように改善して加工品を作っていくのか、その過程を発表していきます。また、ふるさと村のお客さんに試食してもらった夏の加工品である、ジャガイモ団子のアンケート結果も発表します。
特別なものは使用していませんが、旬の食材を使った加工品のレシピもご紹介します。地域の食材を使用した加工品を通して、地域の良さも発信していけたら良いなと思います。
根岸 由紀子ゼミ
エシャレットの魅力
【9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
エシャレットはらっきょうを若採りしたものをいいます。身はらっきょうよりも小ぶりで生のままでも食べられるというのが特徴です。近年では、茨城県行方(なめがた)市で主に生産・出荷されています。
行方市は一年を通してたくさんの農作物が生産・出荷されている自然豊かな地域です。ここで生まれ育った私にとってエシャレットは幼いころから慣れ親しんだ食材でした。しかし、エシャレットの一般認知度は低く、生で味噌やマヨネーズを付けるだけのシンプルな食べ方が多いようです。そこで私は、エシャレットの魅力をもっとたくさんの人に知って欲しいと思い、素材を生かして食べられる簡単なレシピの提案を行ってきました。
特徴的な成分では、エシャレットには切る、刻むなど細胞を破壊することによって作り出されるアリシンという物質が含まれています。これは長ねぎ、あさつき、にんにく、にら、らっきょう、玉ねぎなどにも含まれています。強い殺菌作用と血液が固まりやすくなるのを防ぎ、血栓が作られないようにする効果があります。そのため、『心筋梗塞や脳梗塞の予防にも役立つ』と言われています。また、血行を促進する効果もあり、『血液をサラサラの状態に保つ働きがある』と言われています。
私は既に「オーロラソース」、「肉巻きエシャレット」、「ジャガイモとエシャレットのきんぴら」の3品を提案しました。エシャレットの素材そのものの風味と歯ざわりが良く他の食材との相性が良いので、副菜だけではなく主菜として料理に取り入れられるとわかりました。生のままの利用では各種ソース類を、加熱により変わるホクホクとした食感を生かした料理を提案します。エシャレット料理が広まっていくことを願ってより多くの人へ魅力を伝えたいです。
すんきをおいしく食べよう / すんきで元気
【9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
■すんきとは
すんきは、長野県の木曽地域の伝統的な漬け物です。赤かぶの葉を塩漬けではなく、乳酸菌発酵で作られる漬け物であり、酸味が強いことが特徴とされています。
そして、植物性乳酸菌で作られるすんきは、無塩と食物繊維の優れた健康効果があり、健康面からも良い食品であると注目されつつあります。
木曽の赤かぶとすんきは伝統食として、平成19年にイタリアに本部がある「インターナショナルスローフード協会」が未来に届ける食の遺産として「味の箱舟」に認定されています。また最近では、「農林水産省」で地域の農林水産物・食品をブランドとして保護する「地理的表示保護制度」に登録されました。
■目的
すんきは、たくあんや芝漬けのような漬け物と違い、乳酸菌発酵のみで作られているため、味の主体が酸味となっています。それにより、すんき単体で食べることに抵抗があるとされています。しかし、すんきは、塩を含まない発酵食品であることからも減塩となり健康のためによい食品と言えます。このためすんきを健康に、おいしく、食べやすいレシピを提案しようと考えました。
また、すんきは、健康によい発酵食品であるのにも関わらず、あまり知られていないように感じます。実際にわたしもこの実習を行う前は知りませんでした。この発表を通して、皆さんにすんきを知ってもらうきっかけになればと思います。
■実習内容
まず、すんきとはどういうものか、そして道の駅に売られていたすんきの商品を紹介しました。また、すんきをおいしく食べられるレシピを提案し、さらに減塩に着目してレシピを提案しました。
さらに、美味しく食べられるレシピ、減塩レシピに加えて、すんきを使ったおやつのレシピを提案します。この発表で、すんきを知らなかった人にも作ってみたい!と思っていただけたら嬉しいです。
知らなかった!青大豆! / 大豆料理でおいしさひろがる
【9.メニュー提案 / 10.食材の可能性 / 17.健康・美容】
豆類は「畑の肉」といわれているほど良質なたんぱく質源です。このように、栄養豊富な大豆を現代の食卓での利用を増やすために、行田の在来種の青大豆を使用して美味しく簡単に作れるレシピを提案します。
△▲大豆のチカラ▲△
和食が無形文化遺産に登録されるなか、大豆は日本食に欠かせない存在です。最も古くから栽培されてきた豆は、長い間貴重なたんぱく質源として日本人のからだを作り、命を支えてきました。良質のたんぱく質といわれる理由は、20種類あるアミノ酸のうち体内では合成できない必須アミノ酸9種類をバランスよく豊富に含んでいるからです。そのほかに体内で糖質を分解してエネルギーに変えるビタミンB1や脂肪の代謝にかかせないB2、老化を予防するビタミンEなどを富みます。カルシウムや鉄などのミネラルや不溶性と水溶性の食物繊維も豊富にあります。健康もちろん美容のためにも豆食はおススメです。
△▲青大豆の特徴▲△
大豆には黄色や黒豆や緑色の青大豆など大きく分けて3色あり、青大豆は完熟しても皮が青いままです。希少価値が高いため隠れた名品と言われています。また、流通量が少なく、市販では見かけることができません。味は普通の大豆に比べると風味が豊かで油分が少なく、甘みがとても強いのが特徴です。
行田市の在来種である青大豆は、大豆をまいて育てて、冬にできた大豆の中から種として取って置きます。それを次の年に再びまくことを繰り返し同じ場所で作り続けられてきた大豆をいわゆる「在来大豆」といいます。
△▲青大豆クッキング▲△
料理はもちろん甘い味付けにしても美味しい大豆は工夫次第でどんどん美味しさが広がります。手間のかかるイメージを簡単に手軽に使える便利な食材へと変えるために青大豆を使って食べたくなるレシピを紹介します。
既に基本的な豆の扱い方やその茹でた青大豆を使って、おやつ感覚で食べられるおやきや手軽に食べられるベーグルサンドのレシピを提案しました。今回はさらに粉末にした青大豆粉やきな粉を使ったレシピを提案します。
紅赤
【9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
「べにあか」は1898年に旧木崎村(現在のさいたま市浦和区)の農家、山田いちさんによって発見されました。八つ房という品種のさつまいもが突然変異したことにより誕生し、皮の色が鮮やかな紅紫色を放っていたことから紅赤と名付けられたと言われています。
かつて紅赤は、関東を中心にたくさん栽培されていて名の知れた品種でしたが、好まれる品種の変遷で、しかも収穫量が少ないため、今ではごく一部の地域でしか栽培しておらず、市場にあまり出回っていません。そのため、紅はるかや紅あずま、安納芋、シルクスイートといった日常でよく目にする品種のサツマイモように、簡単にスーパーで購入することができず、幻のサツマイモとも呼ばれています。来年には紅赤が誕生して120周年を迎えます。サツマイモで有名な川越地区では、それを記念するイベントが開催される予定で、町おこしとして盛り上がりをみせていて、いま注目すべき品種と言えます。
サツマイモは、蒸したときにホクホクするものは「粉質」と呼ばれ、冷めると固くなる特長があります。一方ネットリするものは「粘質」と呼ばれます。紅赤は蒸すとホクホクとするため、粉質に位置づけられます。また、甘味が控えめであることが特徴的で、スイーツとして調理するより、炒め物や揚げ物など、いわゆる主菜や副菜として調理するほうが適しています。
既にサツマイモの栄養価、紅赤の歴史やその特徴、自宅で簡単に作れる料理(蒸しパン・サツマイモスティック・サラダ・炒め物)を紹介しました。蒸しパンやサツマイモティックは「新鮮味がなくありふれている」という意見が寄せられました。さらに、副菜として提案したものについては興味・関心を持ってくれた方が多かったため、今回の発表では、主菜、副菜となるおかずを中心とした料理を紹介します。また紅赤誕生120周年イベントへ出せる軽食を提案していきます。
すべてを食べる! やさいだし
【10.食材の可能性 / 11.食の問題】
食品ロスと聞いて何を思い浮かべるでしょうか。
コンビニエンスストアの売れ残ったお弁当でしょうか?季節や期限が限られたケーキやお菓子の廃棄でしょうか?はたまた飲み会の席で最後まで手付かずのままになってしまった料理でしょうか。
すべて今日「フードロス問題」として取り上げられているものです。
これに対して様々な対策がされています。例えばパーティー等で自分の分の食事を残すことのないように時間を設ける、30・10運動や、もったいないプロジェクトと呼ばれる企画外の産品を公平な価格で取引して農業漁業関係者の収益改善につながる仕組みづくり等があります。また野菜カット工場も市場に卸せない野菜の再利用ができる場所として機能しています。定められたサイズ外の野菜を扱うことは市場に出せない理由だけで捨てられてしまう野菜を生かせる場所でもあります。このように食べられることなく捨てられてしまう食品に向けた対策を講じた取り組みが各所でされています。
私はその中でも野菜カット工場に注目しました。規格外の野菜が生まれ変わる場所ではありますが、使えない外葉や茎などはもちろん捨てられています。近年野菜カット工場はとても普及して来ています。袋詰めされた野菜や、野菜が使われた弁当にはカット野菜が使用されています。それはスーパーでもコンビニでも毎日のように目にすることができます。それの再利用方法としてこれまでに、キャベツ ・たまねぎ・レタスからの野菜出汁をとり、それを活用してスープを作りました。生の野菜を煮出して出汁をとりましたが、それでは廃棄量が大変多く私の理想とする「すべてを食べる」ではありませんでした。そして風味も理想とは違うことが反省点でした。今回はそれを踏まえて、より食べる範囲を広める事に注力した提案をします。食品ロス削減になる新たな取り組みになる提案をします。
天然酵母を使用したお菓子のレシピ提案
【9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
最近、パン屋さんやスーパーマーケットなどで「天然酵母使用パン」という表記をよく見かけます。皆さんも目にしたことがあるのではないのでしょうか?
正確に言うと「天然酵母」という表記はあまり正しくありません。酵母菌は全て自然界に存在するものであり、用途や発酵させる酵母菌の種類によって、「ドライイースト」として販売されることもあります。「天然酵母」という言葉は「人工酵母」の存在を匂わせてしまうため、「自家製酵母」の方が正しい表現になります。しかし、ここでは「天然酵母」と表記させていただきます。
私は、身近な果物から酵母菌が培養できるのは、とても面白いなと思いこのテーマに決定しました。今は自宅でパンを焼いたりお菓子を作ったりする人がたくさんいます。市販のドライイーストを使うのも良いですが、自分で育てた酵母菌でパンやお菓子を作り、一から料理を作る楽しさも感じていただけたら良いなと思います。
既に自宅で酵母を育てるときの注意点と育て方をご紹介しました。自然界には数えきれないくらいの菌が存在していますが、その中から酵母菌を培養するのは簡単ではないことも、私の失敗談から分かっていただけたかと思います(笑)また、「ドライイースト」と「天然酵母」は、あまり違いはないので、どちらのほうが健康に良いということもありません。
今回の発表では、焼き菓子を中心に、その生地を天然酵母で発酵させて作るお菓子のレシピ提案を行います。使う天然酵母は、実際に私が自宅で育てて扱いやすいと思った「レーズン種」、「りんご種」、「なし種」の三種類です。それらを用いて、「ドーナツ」「カップケーキ」など自宅でも比較的簡単に作れるレシピをご紹介します。天然酵母は市販のドライイーストに比べて発酵力が弱く、発酵に時間がかかってしまうのが難点ですが、発酵させていくうちにまるでわが子のような可愛さを感じることができます。素直に発酵してくれない時は、反抗期の子供と接している気分になります。そういった面も含めて、酵母のことをもっと知ってほしいです。
今回発表するお菓子を、ご自宅で天然酵母から作ってみてはいかがでしょうか?酵母ごとの味の違いについても考えてみたので、自分オリジナルのお菓子、酵母でアレンジするのも楽しいと思います。酵母菌はパン以外にもいろいろ使えると思うので、ぜひ酵母菌の可能性を広げてみてください。
地ビールで乾杯!
【1.日本の食 / 4.地域振興 / 9.メニュー提案】
細胞レベルでビール飲んでる?
どーも、酒屋のアルバイトで稼いだ金をその酒屋で酒を買ってお店に還元しているのんべえです。みなさん好きなお酒はなんですか?
私はもちろんビール!と、日本酒とハイボールとジントニックですね。居酒屋に行ったらとりあえずビールという感じで、友人からは「よくビール飲めるね」「どうやったらビールをおいしく飲めるの」と聞かれますが、私も最初からビールが好きだったわけではなかったのですが、いつしか飲めるようになったので言ってしまえば「慣れ」ですね。最近ではシャンディガフというビールとジンジャーエールのカクテルや地ビールをきっかけにビールが好きになったという人も多く聞きます。
そもそも地ビールの定義って?
三省堂 新明解国語辞典によると『ドイツ、イギリス、アメリカなどで、その土地の需要を満たす目的で作った比較的生産量の少ないビール。日本でも法律改正によって各地で生産が始まった。』
このことより地ビールとは日本でつくられるビールだけではなく海外で作られているビールでも地ビールと呼ばれるものがありますが、私の発表では日本の地ビールだけを取り上げていきたいと思います。
地ビールの味わいは本当に多彩で甘いものもあれば苦味一つとってもいくつもコントロールされた味わいで自分にあった地ビールを見つけるもの醍醐味です。また、缶や瓶のパッケージはかわいいもの多いので今でいう“インスタ映え”もバッチリ!私の発表をきっかけに少しでもビールに興味を持ってもらいお酒を楽しむ人口が増えていけばいいなと思います。
前回の発表では地ビールの基本的な知識やビール作りの様子を発表しましたが、今回の発表では、私が訪れた関東周辺の地ビールのイベントや工場を紹介しますので多くの人に地ビールの存在をより身近に感じてもらいまた、地ビールを購入したときに合わせて作って食べたいおつまみを考案しましたのでおすすめの地ビールとそのおつまみをピックアップして提案していきます。
やってみよう、屋台。
【4.地域振興 / 14.食と空間・食シーン】
〈導入〉
お祭りに出ている屋台は、大きく分けて2種類ある。大きな文字で書かれた「たこやき」や「わたあめ」の文字、目立つ色の暖簾。私たちが屋台と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、多くが「的屋」と呼ばれる人たちが運営する屋台だ。
それとは別に、地元の人たちが有志で運営する屋台がある。町会名が大きく書かれた白いテントや茶色の長机が特徴だ。どちらの屋台も、お祭りを盛り上げるために必要不可欠なものだ。しかし、この2つには多くの違いがある。見た目だけでなく、販売しているものや商品の数、種類、価格などだ。なぜこのような違いが生まれるのだろうか。そして、町会の屋台が目指しているものとは、何なのだろうか。
多くの場合、私たちは「買う側」としてお祭りに参加する。しかし、「買う側」からは見えていない景色や、問題点、悩みも多いだろう。そこで、私は「買う側」と「売る側」の両方から屋台とお祭りを見つめることにした。
〈実習内容〉
屋台を運営するには何が必要なのか。まず挙げられるのは、資金や設備、営業許可や衛生検査だろう。さらに「買ってもらう」ための工夫も重要だ。お祭りが多く開かれる夏に向けてこれらを学び、夏に合わせた「屋台メニュー」を販売方法と合わせて考えてきた。そして実際に屋台を出し、消費者の反応を見て、意見を聞いた。
普段から地域を見守る地元の人たちが作り上げるお祭りなら、それを地域おこしにつなげられるのではないだろうか。今回は私の地元を1つのケースとして、夏に出店した結果や聞いた感想を踏まえ、どのような屋台にすればお祭りが盛り上がるかを考えていく。さらにお祭りだけでなく、今までにないイベントも屋台と合わせて考える。
平口 嘉典ゼミ
「餃子の街、浜松」を目指して / ─浜松餃子による地域振興─
【1.日本の食 / 4.地域振興 / 10.食材の可能性】
<実習背景>
私の地元である静岡県浜松市では今、浜松餃子が有名になりつつある。浜松市は2011年に初めて、一世帯当たりの餃子購入額で全国1位となった。
もともと餃子が有名であった訳ではない浜松市が、なぜ1位となったのか疑問であった。その疑問を解決したいと考え、浜松餃子について調べることにした。
<目的>
本実習の目的は、浜松餃子の現状を知り、浜松餃子を通した浜松市の活性化について考察することである。そのために第1に、総務省「家計調査」による浜松市の餃子購入額の動向把握、第2に、浜松餃子学会、浜松市中区役所、浜松市シティプロモーション課へのヒアリング、第3に、浜松餃子の販売イベントへの参加を行う。
<調査結果>
浜松餃子は、円形に並べて焼かれ、もやしが添えられているのが特徴である。総務省「家計調査」によれば、浜松市は2011年に一世帯当たりの餃子購入額で宇都宮市を抜いて1位となり、以降、2013年を除いて首位を維持していた。
浜松餃子学会は、浜松餃子の知名度向上や普及を目的とした団体であり、市内外の様々なイベントに参加していた。浜松市中区役所およびシティプロモーション課では、広報活動、イベント協力等を通じて浜松餃子学会の活動をサポートしていた。
9月には、川崎市で開催された「全国餃子まつりinかわさき」に参加し、販売活動を行うとともに、来場者を対象に浜松餃子の知名度調査を実施した。結果、浜松餃子の知名度は、宇都宮餃子に次いで2位であった。また11月には、浜松市で開催された「浜松餃子まつり」にスタッフとして参加するかたわら、来場した市民を対象に餃子購買状況に関する調査を実施した。
<まとめ>
近年、餃子購入額でトップの座を維持する浜松市では、浜松餃子学会の活発な活動と市のサポートがみられ、着実に「餃子の街」への道を歩んでいた。また、販売イベントへの参加と知名度調査により、浜松餃子の現状を知ることが出来た。浜松餃子のさらなる知名度向上のためには、これまで以上に県外や首都圏での販売活動を行い、より多くの人に知ってもらう機会を作ることが重要である。
幻の大豆 / ─津久井在来大豆の魅力を伝える─
【1.日本の食 / 4.地域振興 / 9.メニュー提案】
【実習背景】
神奈川県相模原市の相模湖周辺の津久井地域では、津久井在来の大豆が栽培されている。この大豆は幻の大豆と呼ばれるほど生産量が減っていたが、近年、地域の特産品として見直されるようになり、生産量が徐々に増えてきただけでなく、独特の甘みを生かした加工品開発・販売も行われてきた。
【目的】
神奈川県にしかない津久井在来大豆の生産と消費の現状を把握し、その魅力を県内へ発信することを目的とする。具体的には、県農政部農政課、県央地域総合センター、津久井郡農協、大豆生産者へのヒアリングを通して、PR方法を考える。
【調査結果】
津久井在来大豆は、粒が丸く大きいことが特徴で、全糖の含量が高く、一般に流通している大豆と比較しても甘みがある。加工品は味噌やきな粉、豆腐以外にもマドレーヌやせんべいなどが作られていた。
県農政部農政課では、津久井在来大豆をかながわブランドに登録して商品の価値を高めることで、生産者の収入増加を目指していた。種子は津久井郡農協が管理しており、津久井在来大豆の認定基準を設けて系統品質保持に努めていた。
津久井在来大豆の生産では、天候不順や獣被害により、安定した生産量の確保が難しく、人手と土地の不足から生産拡大は難しい点が課題となっていた。また、津久井在来大豆の認知度は低く、地元の津久井地域でもあまり知られていないことがわかった。
以上をふまえ、津久井在来大豆の情報を、まずは地元民へ伝えることが重要と考え、津久井在来大豆を使用したお菓子を考案し、津久井地域においてPRを行った。
【まとめ】
津久井在来大豆を知る人には、大豆や加工商品は好評とのことであるが、地元での認知度は低い。今後は、市内外のイベントでのPRや、地元での販売場所を増やす等して、まずは津久井地域に在来大豆があることを知ってもらい、その魅力を伝えていくことが重要である。その際、自宅でも作りやすいメニューを紹介することで、津久井在来大豆の魅力をより身近に感じてもらうことができるだろう。
食で魅せるレトロな街 / ─青梅市の魅力再発見─
【4.地域振興 / 5.情報発信と表現 / 18.人間・生活・環境】
【実習背景】
私の住む、東京都青梅市には、昭和レトロな街並みをあえて残した青梅宿と呼ばれる商店街がある。この街の今も尚残る魅力をもっとたくさんの人に知ってもらいたいという気持ちから実習テーマとした。
【目的】
本実習では、青梅宿ならではの「昭和レトロ」に食を関連付けて、青梅宿を振興することを目的とする。青梅宿のまちづくりに関わる商店街会長や飲食店経営者へのインタビュー等によって、商店街のレトロと食の現状を把握する。さらにそこから発見した新たな魅力を市内外に発信し、この商店街の活性化に繋げる。
【調査結果】
レトロとは、過去を懐かしむこと、古いものを好むことという意味であり、たとえ現代のものでも、そこに懐かしさや古さが感じられるもののことである。
青梅宿は明治期以降、繊維産業によって発展し、昭和50年頃には駅前に大型店の出店もあったが、その後は徐々に衰退してきた。青梅宿のレトロな商店街は、過去に繁栄を遂げた昭和の街を生かして創られたものであった。
商店街会長、飲食店経営者へのインタビューでは、青梅宿では様々なイベントを開催しているものの、各店舗への誘客に繋がっていないという現状が見えてきた。
せっかく青梅宿に来たからには、レトロな街並みだけでなくレトロを感じられる食も楽しんでほしいという考えから、青梅宿らしさを最大限に生かしたレトロと食を関連付けたマップを作成することとし、8名の飲食店経営者にインタビューを実施した。インタビュー結果をもとに作成した「青梅宿レトロ食マップ」は、11月に開催された「青梅宿アートフェスティバル」において来場客に配布した。
【まとめ】
マップ作成では、自分がこれまで行けずにいた店舗に行くきっかけにもなり、経営者の生の声を聴くことにより、店舗の現状やこれからの商店街の可能性について考えることができた。何より、改めてこの街の良さを知ることができた。その良さとは、昔から大切にしてきたものを壊さないこと。そして、街、店舗、人の繋がりである。マップを手に取り、店舗を訪ねた方にもこの良さを感じてもらいたい。
うどんの力で地域に元気を取り戻す / 武蔵野うどんによる地域振興
【1. 日本の食 / 4. 地域振興 / 5. 情報発信と表現】
【実習背景】
私が中学生の時、所沢市では武蔵野うどんが有名であることを知り、その時にいくつものうどん店の食べ歩きを行った。しかし最近は、所沢市内のうどん店が減少している。どうして減少したのか、武蔵野うどんを振興することが出来ないか、もっと多くの人々に武蔵野うどんの魅力を知ってもらうためにはどうすれば良いのか。
【目的】
所沢市で食べられている武蔵野うどんについて現状を把握し、武蔵野うどんを多くの人に知ってもらうための方策を提案することを目的とする。今まで発見できなかった武蔵野うどんの新たな魅力を見つけ、地域内外の人々に伝えていきたい。
【調査結果】
武蔵野うどんとは、東京都多摩地域と、埼玉県西部に伝わるうどんの事で、手打ちうどんとも呼ばれている。麺は太くコシが強いもので、地粉を使用するため色はやや茶色がかっている。豚肉が入ったつけ汁の肉汁うどんを提供する店が多く見られるが、これが武蔵野うどん、であるという特定の型がある訳ではない。
所沢市内での武蔵野うどんの現状を知るために、所沢市観光協会へ調査を行ったところ、武蔵野うどんを振興するためのイベントは、以前は開催されていたが、店主の高齢化による負担増を理由に、近年は開催されていなかった。市内うどん店6店舗へのインタビューでは、どの店主も多くの人にうどんを食べてほしいという思いはあるが、現実問題としてイベント参加は厳しいという意見が多かった。そのため、武蔵野うどんの振興のためには市内うどん店の情報を発信し、まずはお店に足を運んでもらい魅力を知ってもらうことが大切だと考えられる。現在、市観光協会が中心となり、武蔵野うどんマップを作成中であり、その作成にも関わった。
【まとめ】
うどん店へのインタビューでは、どの店舗も食材や麺の打ち方へのこだわりがあり、うどんへの熱い思いが感じられた。そして、特定の型にあてはまらない武蔵野うどんの多様性こそが、新たな魅力であると発見できた。今後は、うどん店マップの作成のように、各店舗に負担の掛からない方法で情報発信することで、武蔵野うどんの魅力を多くの人々に知ってもらうことが出来るだろう。
伝統野菜でさいたま市を元気に!! / Do you know 五関菜&紅赤?
【4.地域振興 / 6.生産者と消費者をつなぐ / 9.メニュー提案】
【実習背景】
私の家は農家で、幼いころから野菜が身近にあったが、全国どこにでもある野菜しか育てていなかった。地元さいたま市で生まれ、地域に根付いた野菜はないのかと調べたところ、「伝統野菜」というものがあることを知った。
21年間さいたま市で過ごしてきた私も知らなかったように、さいたま市における伝統野菜の認知度は低い。地元特有の野菜を市民一人一人が知ることで地元に誇りを持つことができ、地産地消や地域振興にもつながるのではないかと考え、このテーマにした。
【目的】
本実習の目的は、地元の人たちの伝統野菜の認知度を上げ、地域を元気にすることである。そのために、はじめに伝統野菜の現状を学ぶためにさいたま市農業政策課と伝統野菜の農家の方にヒアリングをおこなった。次に実際に伝統野菜を自分で栽培してみた。さらに伝統野菜普及のために試食配布とアンケートを行った。
【調査結果】
さいたま市の伝統野菜の中でも五関菜と紅赤の2つについて調べた。以下紅赤について述べる。紅赤とは、さつまいもの品種の1つであり、皮色が紫紅色であざやか、形は長紡錘形で、肉質は黄色で粉質、口当たりや味が良いとされている。しかし、植付け適期が短く、肥料や土質への適応力や病害虫抵抗性が低いうえ貯蔵性が悪いため、農家としては栽培が難しい品種でもある。さいたま市内では、生産者が組織する「さいたま市紅赤研究会」を中心に栽培されている。研究会の人数は現在12名おり、紅赤の作付面積は60a程度と他のさつまいもと比べて生産規模は小さい。
紅赤研究会会長のお話では、近年、紅赤は新しい品種に押されているもの、残していきたいと考えており、そのためには、販売能力とPRが課題とのことであった。
そこで、紅赤を広く市民へPRするために市内の直売所で紅赤料理の試食配布を行い、あわせてレシピ配布と紅赤の認知度アンケートを実施した。
【まとめ】
伝統野菜の市民への認知度は低く、生産量も少ないのが現状である。もっと伝統野菜の良さを市民に知ってもらうことで購入する人が増えると考える。そうなれば、農家の生産意欲も向上し、伝統野菜が今後も市の特産品として残り続けるだろう。
三芳町の農業を考える / ─みよし野菜PR大作戦─
【1.日本の食 / 4.地域振興 / 6.生産者と消費者をつなぐ】
〈背景〉
私の地元である埼玉県三芳町は、伝統的な農法を使用した農業が盛んに行われている。改めて三芳町の農業について調べたとき、三芳町産の野菜を「みよし野菜」としてブランド化し、広めていく活動があることを知り、三芳町やみよし野菜の振興のために自分にも何かできることはないかと考え、実習のテーマとした。
〈目的〉
本実習の目的は、三芳町の農業の現状や地産地消に関する調査を行い、みよし野菜の認知度アップや魅力の発信、地域振興につなげていくことである。調査対象は、三芳町役場観光産業課、町内生産者、農産物直売所に来店する消費者である。
〈調査結果〉
三芳町では、平成24年に青年農業者たちが「みよし野菜ブランド化推進研究会」を立ち上げ、三芳町の農業のイメージアップとPR、また他地域産の野菜との差別化を図ることを目的に活動していた。主な活動は、みよし野菜のロゴマークを使用したシールやビニール袋の作成、それらを用いたキャンペーンの実施等であった。
生産者へのヒアリングでは、農業経営の課題として、野菜の価格低下や業務用需要への対応の難しさが挙げられた。みよし野菜ブランド化における今後の課題として、町全体が1つになって農業を続けていき、スーパーマーケット等でも「みよし野菜」として扱ってもらえるように、認知度を上げる必要がある点が挙げられた。
また、近隣市の農産物直売所に来店する消費者へのアンケートでは、三芳町産の野菜を購入したことはあっても、「みよし野菜」というブランドへの認知度は低く、ブランド化の取り組みはあまり浸透していなかった。一方でロゴマーク等を通して、ブランド化の存在を知ったという消費者も見受けられた。
〈まとめ〉
以上のことから、町や生産者によるブランド化や認知度アップを目的とした活動が消費者に広く浸透するには、まだなお時間を要するが、現在の取り組みを地道に継続していくことが重要である。さらに、店頭やイベントでの試食配布やレシピの配布を通して、みよし野菜の新鮮さや美味しさを体感してもらい、みよし野菜を選んでもらうきっかけを作ることが必要である。
雨恋いのまちにスパイスを / ─鶴ヶ島サフランの普及拡大─
【1.日本の食 / 4.地域振興 / 10.食材の可能性】
【実習背景】
私の住んでいる鶴ヶ島市には、鶴ヶ島サフランという特産品がある。なぜ鶴ヶ島市でサフランなのか疑問を抱き、栽培されるようになった背景やその特性にも興味を持った。
【目的】
本実習の目的は、鶴ヶ島市民へ鶴ヶ島サフランを普及拡大することである。鶴ヶ島サフランの生産、流通、普及の状況を知るために、市産業振興課、サフラン生産農家、農家女性グループひまわり会へヒアリングを行う。さらに市内のイベントでサフランを使用した料理の提案を行い、普及拡大に向けた取り組みを実践する。
【調査結果】
鶴ヶ島サフランは市内の農産物直売所で1パック0.5g入りが税込630円で販売されていた。サフランの健康効果については、老人性記憶障害の改善、婦人病に対する効能等が、東京大学名誉教授齋藤洋氏によって明らかにされている。
市産業振興課では、サフランの市民への普及を課題としており、サフランを使用したメニューを提供する市内飲食店を対象に、スタンプラリーを開催する等して市民への普及を図っていた。生産者へのヒアリングでは、サフラン栽培は手仕事のため大量生産が難しく、販売先が市役所と直売所に限られており、市民の目に触れる機会が少ないことが分かった。また鶴ヶ島サフランの販売イベントに販売スタッフとして参加したところ、若者も高齢者も鶴ヶ島サフランに関心を寄せていることが分かった。さらにサフランの家庭への普及を目的に、家庭向けメニューを考案した。
以上の結果をふまえて、鶴ヶ島サフランのイベントに参加し、サフランを使用した料理の販売を行い、鶴ヶ島サフランの普及拡大に努めた。
【まとめ】
鶴ヶ島サフランはまだまだ市民に浸透しておらず、まずは市民へのPRが重要である。サフランを使いたいと思う人が増えることで生産者が増えるきっかけになるのではないだろうか。今後は市内のイベント等で市民にサフランの魅力を伝え、料理への使い方も発信していくことが普及拡大への第一歩になると考える。
地場産大豆で町を元気に / ─埼玉県鳩山町の事例から─
【1.日本の食 / 4.地域振興 / 9.メニュー提案】
実習背景
埼玉県鳩山町では、地場産大豆を使用して活性化に取り組んでいる。なかでも地場産大豆を練り込んだ「鳩豆うどん」は約10年前に商品化され、以来、町の特産品として地域の人に親しまれている。
目的
本実習の目的は、「鳩豆うどん」を活用して埼玉県鳩山町の活性化を図ることである。食で地域を活性化するためにはなにが必要か、埼玉町産業振興課および大豆生産者へのヒアリング、イベント参加、新メニューの考案・提供から検討する。
調査結果
鳩山町で大豆栽培が始まったのは平成8年である。農業従事者の高齢化と国の減反政策に対応し、鳩山の地に適した大豆の省力栽培が採用され、ここから大豆による町おこしが始まった。
鳩山町では、白大豆と黒大豆が栽培されている。白大豆の栽培では機械化体系を導入し、大豆栽培組合によって大規模に生産されている一方、黒大豆の栽培では機械化が難しく、全ての工程が手作業であり、販売用に生産する農家は1戸のみである。
鳩山町には、農家女性を中心に構成される「美味の会」というグループが特産品の開発・販売を行っており、「鳩豆工房 旬の花」という飲食店舗を運営している。現地の人に鳩豆うどんの新しい食べ方を知ってもらい、その新たな魅力に気づいてもらいたく、夏季新メニューを提案した。新メニューは採用され、本年7月上旬から9月末まで店舗にて販売された。複数のメディアにも取り上げられ、好評を得た。新メニューの販売に際し、現地の人たちと共にブラッシュアップを進める中で、コミュニケーションの重要性を学ぶことができた。
まとめ
この実習を通して、地域の現状を知り、理解を深めることができた。食で地域を活性化するためには、その土地ならではの食材や調理法などを掘り起こし、発信していくことも必要であるが、それ以上に大切なのは、地域の人たちとコミュニケーションを取り、共に活性化するための取り組みを行うことであると学んだ。
ガッツ那珂川町 / ─八溝そばで振興─
【1.日本の食 / 4.地域振興 / 9.メニュー提案】
◆実習背景
私の出身地である栃木県那珂川町は、近年、町人口が減少し、活気が失われつつある。しかし、町には観光資源や農作物、養殖魚などたくさんの特産品が多いことから、地元の方や県外の方にも那珂川町の魅力を知ってもらうことで町の活気を取り戻せるのではないかと考えこのテーマにした。
◆目的
本実習の目的は、那珂川町の特産品によって町を振興することである。その中でも「八溝そば」に焦点をあて、そば粉を使った麺以外のメニューを提案することで、八溝そばの魅力を発信し、そばに馴染みのない若い人にも親しみをもってもらい、地産地消の推進に繋げていきたい。
◆調査結果
八溝そばの現状と問題点を探るために、那珂川町農林振興課とそば農家にヒアリングを行った。八溝そばとは、八溝山系の水資源のもとで、寒暖差のある山間地域で作られているそばである。玄そばを作っている農家は専業農家がほとんどであり、それぞれメインの農作物を作るかたわら、そば生産組合を組織して玄そばを作っていた。八溝そばのPR活動は、八溝地域の1市3町(那須烏山市、那珂川町、市貝町、茂木町)で組織する、「八溝そば街道推進協議会」を中心に取り組まれており、八溝そばマップの作成やスタンプラリー等の各種イベントを行いPRしていた。
八溝そばのPR活動を知るために、毎年5月に行われている「八溝そば祭り」に参加し、そば販売のお手伝いをした。イベントには多くの方が来場され、とてもにぎやかだったが、出店者や来店客は高齢者が多く、自分と同世代の若い人はあまりみられなかった。そこで、若い人へのPRのために、そば粉を使用したスコーンを考案し、11月に開催される「なかがわ元気フェスタ」で試食配布を行った。
◆まとめ
那珂川町では、市とそば生産組合が連携して、八溝そばのPR活動に取り組んでいた。また、八溝そばは年齢層が高い方に親しまれていた。今後は、もっと若い人にも八溝そばに親しんでもらうために、そば粉を使用した多様な料理の提案やイベント開催を通して、八溝そばの魅力を発信していくことが必要だと考える。
平野 覚堂ゼミ
笑顔の食事の裏・・・ / ─食卓に潜む妖怪たち─
【5.情報発信と表現 / 11.食の問題 / 14.食と空間・食シーン】
食事をしている最中にこんなことはないだろうか。例えば、お腹がすいて早く食べたいのに食べるのをやめさせ食事マナーを説く母。本当にお腹がいっぱいなのにもっと食べさせてくる祖父。このように、食事をする過程において、災難が降りかかってくることは多々ある。
いつもとは何かが違う食卓。自分にとって急に災難が降りかかってくる食卓。実はそんな食卓の裏には、原因となる者たちがいる。それは食に関わる食妖怪たちだ。彼らは、人間に恨みがあり襲うもの、悪戯をして人間の困る顔が見たいもの。時には人間を助けてくれるものもいる。この妖怪たちが食卓への先の現象を起こしていたのである。
また、人間は暮らす地域によって口にするものに特徴が出たりする。そして、そのことによりほかの地域からあらぬ噂をされることがある。例えば、新潟県では日本酒の名産地ということから、「酒が強い、酒豪が揃っている。」と巷で囁かれている。このように、地域に少しの特色があるせいでその地域全般をさすという風潮が日本には根付いている。しかし、私はここにも妖怪が潜んでいると考える。一つの地域を他地域からみたとき、統一的に一貫して同じく見せさせるという妖怪である。この妖怪とは、普通の食妖怪とは一味違う。一地域まるまる支配しているのだ。強大な妖力をもっており、神に近い妖怪であることまでは把握している。このように地域には「食」についての噂、また「食」を通しての地域性が見えやすい。食妖怪とは、食卓に潜んでいるだけかと思っていたが実は食卓を飛び出て、地域を司っているのである。そして今回私は食卓以外に4つの地域に着目している。私はこの妖怪たちが何なのかを暴いていこうと思う。
ソースで生まれる料理
【9.メニュー提案 / 10.食材の可能性 / 13.料理を伝えるカタチ】
学内留学制度で3年次に専門学校にて、ソースについて勉強をした際にソースの魅力に感じた。ソースは、同じ名前のソースでありながらも作る人や、合わせる食材、温度などによって、全て味や風味、テクスチャーが変わっていきます。毎回同じものを「作れない」「作らない」ことにとても惹かれた。
ソースは昔と今とでは、役割が違う。昔は保存技術が発達していなかったため、味が落ちてしまった食材でも、美味しく食べるためにかけるものだった。今は、主に見た目を華やかにするためや、素材の味を引き立てるためのアクセントに使われているように思う。しかし、ソース本来の役割からわかるが、ソースで味が決まるほど、とても大切とされてきた。もっと舌で感じる味わいを楽しんでほしい。
ソースは「つけて食べる、かけて食べる」という風にどこか、脇役な存在のように思う。このような、ソースのイメージを覆したい。ソースを主役にしたい。私がソースを主役にした料理を作りたいと思った。このような、引き立て役のソースを私の発表で主役にした。
□ソースが主役のコース料理をお披露目
必ずソースが主役であるとわかるような料理を作らなければいけない。そのため、深いインパクトを与える必要がある。
□ソースを主役にするための仕掛けとして・・・
ソースだけを盛り付けたお皿をまずはお出しし、そこに、ソース以外の食材を盛り付け、料理を完成させる。この仕掛けは、後からソースをかけたり、つけたりする行為による脇役の印象をなくすための仕掛けである。そして、作り手の考えを最も表現しやすいという考えから、コース料理として8品を提供する。
これからも、当たり前のようにお皿に盛り付けられているソースを、私は一番大切にじっくり味わい続ける。ゆっくりと味わう食事時間には、ほとんど存在するソースが誰かの心の中で「美味しい」を生んでいることをただ願う。たまには、主役にされてあげて欲しい。こんなにも美味しくて魅力的なのだから。
人は喫茶で
【5.情報発信と表現 / 14.食と空間・食シーン / 18.人間・生活・環境】
純喫茶、それは古くから続く喫茶店のことである。
最近は書籍やテレビ番組で純喫茶が紹介されたり、純喫茶マニアと呼ばれるような人も登場してきている。ちょっとした純喫茶ムーブメントが起こっているのだ。
今まであまり知られていなかった世界が世に知れ渡っていくことは、純喫茶好きとしてはやはり嬉しい。しかし、もっと多くの人にこの世界を知ってほしいし、もっと多くの人をこの世界へ連れ込むことができるのではないか、と可能性を感じる。
純喫茶へ行くと、あらゆるところに歴史を感じることができる。煙草のヤニが染みついた壁・食器具のデザイン・昔ながらのメニュー・「生涯現役!御年90歳~!」とでも言い出しそうなおじいちゃん店主…。この店自体が歴史そのものであり、日本の立派な文化であると私は胸を張って言いたい。
しかし、やはり「閉店」はどの店にも現実的に突きつけられる問題だろう。街の再開発や店主の高齢化など理由は様々だが、これを簡単に止めることはできない。
ならばせめてその立派な文化を見逃す前に、少しでも多くの文化を体験しておこうではないか。私が純喫茶への初めの一歩を与えようと、その方法としてまずZINEを選んだ。ZINE(ジン)とはマガジンのジンであり、誰でも自由な形式・デザインで手軽に作れる小冊子のことである。
前期の実習では「人は喫茶で」のタイトルで、純喫茶を写真集風にカテゴライズしたZINEvol.1を作成した。後期はvol.2として、実際に純喫茶へ足を運んでもらうための企画を盛り込んでいる。これを販売・配布する。さらに店舗限定のショップカードの作成やInstagramでの発信も行った。前期の実習よりも、純喫茶への導きとして具体的な行動に出ている。
「いつも」は「いつまでも」ではないし、クリームソーダのバニラアイスもどんどん溶けていつかはなくなってしまう。私が発信するものを目にし、どう感じ、どう行動するかはやはりあなた次第である。
料理写真が美味しい
【5.情報発信と表現 / 13.料理を伝えるカタチ】
最近、私たちのまわりでは「インスタ映え」というワードが溢れています。まずインスタ映えとは極端に言えば写真を載せた時に目を引くような写真になっている事を指しています。中でも料理は数多くインスタグラムに掲載されています。
社会現象の1つになっていると考えてもいいでしょう。私自身もインスタグラムを愛用しているのでインスタグラムのために撮っている写真をよく見かけます。またメディアでも多く取り上げられている事もあり、若者だけではなく多くの世代に「インスタ映え」は知られるようになりました。「インスタ映え」という現象が生まれたことにより、料理の楽しみ方が変わりつつあると言えます。
今までは「料理が食べたいからそのお店に足を運んでいく」だったのが「写真を撮りたいから料理を頼む」という行動が生まれてきています。その影響として、写真を撮るためにアイスを買い、そのアイスをほとんど食べずに捨てる、などということがあるとも聞きます。そこで私は「写真を撮るためではなく料理を食べるためにお店に行く」という「方向性を変えるインスタ映え」を提案しようと考えました。
前回の発表では、「インスタ映え」の説明、SNS投稿の動機と考えられる「行動・自慢・興奮」といった三つの分析、インスタ映えのメリットとデメリットの話をしました。「インスタ映え」と言われる写真を撮っている人は無意識に第3者に伝える情報発信源になっている事がわかりました。だが写真が良ければそれでいいと思い、周りの事を考えられえていない場合もある事も分かりました。そして、そういう人たちの行動が批判される理由の一つであるという事もわかりました。
今回の発表ではまず「インスタ映え」というワードのもととなったインスタグラムが私たちの生活にどのような影響を与えたのかを考えます。さらにインスタグラムが出来たことによる料理写真の価値観の変化について分析していきます。
インスタグラムは情報収集源の一つになっている良さもあるが、料理を粗末にしている現状もあり、批判している人も多いことが現在話題になっています。私は「インスタ映え」に賛成している人、反対している人の両方の固定概念や考えを変えることができるような「方向性を変えるインスタ映え」を提案します。
両方からの意見を目で見る事が出来れば今、話題となっている現代の問題に少しでも関心を持ち、固定概念を変えるきっかけの一つになってほしいと思っています。
夢みたいなことが起きた / ─「ありえない」で人と人をつなぐ─
【9.メニュー提案 / 14.食と空間・食シーン / 16.食とエピソード】
少女漫画が大好きだ。キラキラしているあの世界を想像し、自分を主人公に置き換えて周りのキャラクターたちとのおしゃべりを何度妄想したことか。あの世界の住人は、ビジュアルはもちろん良い。性格も魅力的。ストーリーや細やかな感情の描写が面白い。だが、私を夢中にさせる要因はそこだけではない。
少女漫画の世界ではよく起こるシチュエーションが現実の世界ではよく起こらない。例えばそれは、「階段で滑って転びそうになったところをのちのち恋人になる男性に助けられる」というようなシチュエーションだ。現実の世界でそんな運命的な出会いをしたカップルはどれほど居るのだろうか。また、その場に2人が居たとしても、足を滑らせて転ぶ確率はあまりにも低い。しかし、少女漫画の世界ではよく足を滑らせ、男性に助けられる。そして、その後発展していく可能性も高い。リアルを描いているはずの少女漫画には現実では起こらないシチュエーションが日常で起きているのである。
もし、現実の世界に少女漫画でよくあるシチュエーションが起きたらどうなるのだろう。
前回の発表では少女漫画ではよく起こるのに現実では起こらないシチュエーション3つとそのシチュエーションを起こすきっかけになるお菓子3つを提案した。お菓子は日常にあるものと限定し、それらにひと工夫を加えた。身近なお菓子がありえないシチュエーションを起こすことで現実に近づいた。また、現実で起きた場合がより分かりやすくなるようにムービーを制作し、よりリアルさを感じてもらった。
今回の発表では前回とはまた別の少女漫画でよくあるシチュエーションをいくつか取り上げ、さらに現実でもよくあるシチュエーションを組み合わせて提案を行う。現実でよくあるシチュエーションというのは「ペットボトルの回し飲みなどで起こる間接キス」や「気づかずに落としてしまった物を拾ってもらう」など少女漫画の世界でも現実の世界でもどちらでも行われることを指す。現実でよくあること、つまり、日常を作品の中に登場させることにより境界線の摩擦を減らし、違和感を取り除く。そして発表を聞いた人が少女漫画でよくあるシチュエーションから得たコミュニケーションを現実のコミュニケーションのどこかで感じられるようなお話をする。
自給率をなんとなくあげる
【1.日本の食 / 6.生産者と消費者をつなぐ / 11.食の問題】
食料自給率について、実習前までは「日本の食料自給率は低く、39%しかない(2016年度)」というイメージでした。しかし実際は一言で言えるようなことではなく、食文化を勉強している人は特に知っておかなければいけない問題であると強く思ったのです。
この強い思いから食料自給率をテーマにし、今の食料自給率に関する現状を変えるべく立ち上がりました。
食料自給率を上げるためには、それを理解することから始まりますが、それには、食料自給率ひとつを考えるのではなく地球温暖化など関連する全て事柄を知らなければいけません。それらすべてを考えていても自給率の現状を変えることが出来ないと感じた私は自分なりの食料自給率の考え方を持つことにしました。6月までは食料自給率を計算した食生活を行うという実験を行いました。この実験で日本の食料の中で輸入の多い食材、日本の自給率の高い食品、自給率が高い食事、自給率が低い食事ということを体験し、私なりの自給率の課題を見つけることができました。
この実験をもとに6月以降の実習では、改めて食料自給率を上げるための企画を立て直してきました。行ったことは「ブログでのコラム配信」と「和食材レシピHP作り」です。ブログで自給率に関するあれこれを配信することで、内容の1つに面白さを感じて、自給率をあげたいと思ってくれる人が増えれば、自給率も上がっていくのではないかと思い、「風が吹けば桶屋が儲かる」というような理論ではありますが、ブログの配信を始めました。HP作りは、自給率を上げたいと思ってもらう人のためのものです。自給率を上げるには一人一人が日本で生産されているものを食べるということへの意識が必要であると考えているのですが、日本の食材だけを使ったレシピを紹介することで、日本にどんな食材があり、どんな食べ方があるのかを知るきっかけになると思いました。
発表では、自給率の簡単なおさらいと、ブログのコラム紹介とレシピの紹介をしようと思います。しかの肉の美味しい食べ方、興味ありませんか。興味のある方はぜひお待ちしています。
開拓!食具論
【13.料理を伝えるカタチ / 14.食と空間・食シーン】
私たちは普段の料理を作る時、何を基準に作るものを決めているだろうか。料理の選択の裏には様々な要素があり、私たちの食に影響している。栄養バランス、その日の気分、体調、家計、冷蔵庫の中身……大抵はこういったものが直に影響している。
そして同時にもうひとつ、私たちの料理に影響を与えるものがある。それが食器具だ。
私達は気付かない内に、しかし確かに食器具の影響を受けて料理を考えている。例えば、家に深さのある器がなければスープや汁気の多いものを作ろうとは思わない。小さな皿しかない場合は、その皿に収まらないようなものは作らないだろう。このように、私たちは無意識の内に今ある食器具に合わせて料理を考えている。
料理と食器具。この二つは私たち人間の生活において、常に共に存在してきた。現在の生活を顧みても歴史から考えても、料理と食器具は決して切り離して考えることが出来ないものだ。しかしこれは新しい料理を考えようとするとき、思わぬ制限にもなりかねない。
しかし普段の料理に限らず、私たちは新しい料理を作ろうとする時、今ある食器具に縛られたり食材にばかり拘ったりせずに、もっと自由に新しい料理を考えてもいいのではないだろうか。それが実現できるように、これまでになかったような形状の食器具を考えたい。そうすることで、料理表現の可能性や楽しみ方を拡張するひとつのカタチを考えたい。
6月の発表会では、この考えに基づいて作成した2種類の食器と、そのそれぞれの形に合わせて考案した料理を発表した。ここまでの段階では食べ方を誘導する食器と平面の皿では表せない「液体の流れ」を表現できるような食器を考案していたが、それらに対応する料理はいずれも現存する食器具である箸を使用して食べられるものとなっていた。
今回の発表ではより自由な表現を目指した食器と料理、そしてそれに適したカトラリーを発表したい。食器具の形ひとつで料理の表現や食べ方が変わること、料理はもっと自由に考えられるということを伝えることが出来たらと考えている。
青の可能性 / ─青をもっと食に─
【10.食材の可能性 / 13.料理を伝えるカタチ】
青、とても綺麗で、多くの人に好まれる色。しかし、食とあわせると途端に感じ方が変わります。よく青は食欲減退色といわれています。食の世界を見ると、青い食材はあまり身近でないことが主な要因と考えられます。
他にも昔は食品パッケージに青を使うことはタブーとされていたときもありました。現代では料理も多様化してきており、料理に青を使うのが昔よりはふえてきました。例えば、原宿の表参道にある台湾カフェZEN(ゼン)では、バタフライピーという青色のハーブティーを使ったドリンクが販売されています。バタフライピーは美容にいいとされ、女性に人気があります。青色でもそのような付加価値があることで食に使用する事に抵抗がなくなると思われます。そういう変化もあって、青を食に使うことが昔よりは寛容になっていると思われます。それでも、固定概念というものはそう簡単には崩れないのものだと思います。私の作品が、まだ青に対する固定概念がある人に、少しでも青に対する考えを変えることが出来ればと思っています。
前回の発表では、イルカショー、海、水瓶座など、具体的なものをイメージして作りました。また、作品一つ一つに物語を織り交ぜ、作品に込められた思いや意図を表しました。
今回の発表では、抽象的なイメージをもとに作品作りを行います。前回の作品では、使用した青色が同じものや近い色ばかりになってしまったので、青色の種類を増やしたり、青色以外の色も使い作品を作ります。また、今までの作品は青のイメージに一般的に近いものを題材として作品を作ってきましたが、あまり青のイメージでないものも、見方を変えたり表現を変えるなどして、青でも表現することが出来るのではと考え、そのようなものをテーマにして作品を作ることにも挑戦します。前回の発表の時よりも少しでも多くの人に食べたいと思ってもらえるような作品を作りたいと思います。
公私の距離
【5.情報発信と表現 / 14.食と空間・食シーン / 16.食とエピソード】
満員電車に乗って目の前の知らない人と距離が近いとき、友人と隣同士の席で授業を受けていて友人の荷物が自分の机に入ってきたとき、みなさんの日常生活の中で、出来ることならもう少し距離をとりたいと感じたことはないでしょうか。
私の最近の出来事ですが、電車で池袋に向かっていた時、何やら甘い香りがするな、と周りを見てみると、二つとなりの席に座っていた女性がバナナを食べていました。それもオムレットなどのデザートではなく、普通に皮を剥いて食べるワイルドタイプ。夕食時だったので、きっとお腹がすいてしまったのでしょう。
この、他人に近づかれると気になる、無意識的にも存在している空間や距離のことをパーソナルスペース、またはなわばりなどといいます。私は今回この空間や距離をまとめて「公私の距離」と呼ぶことにし、研究を進めてきました。
私はこれまで「公私の距離」について考えていく中で、食事をする場でもこの空間や距離が気になる、不快に感じる場面に着目しました。例えばラーメン屋さんのカウンター席。右側に左利きの人が座り、左側に右利きの人が座った場合二人の腕がぶつかってしまい、食べづらいということがあります。この隣の人と腕がぶつかってしまった時に「公私の距離」が生じているのです。
第一回の発表会では、パーソナルスペースやなわばりという言葉の定義、公私の距離とはなにか、アメリカの人類文学者であるエドワード・ホールが考えた四つの距離帯、また人との間に生じる空間や距離に与える影響について考えたことを発表しました。
第二回の発表会では、日常生活や食の空間において生じる「公私の距離」についてさらに考え、食においての「公私の距離」の縮め方、守り方を映像で表現し、提案することにしました。
しかし、この「公私の距離」の大きさは一人一人異なります。そのため、私が提案する方法は正解ではありません。私の発表を聞いて、自分ならどうするだろう、と考えてみてください。
ハイブランドが作るわけない / ─食の固定概念を壊すには─
【5.情報発信と表現 / 10.食材の可能性 / 13.料理を伝えるカタチ】
当たり前が当たり前とされていることに対して違和感を抱いていた。例えば「食」が食べることを当たり前とされているがために、食べ物で遊んではいけないと言われる事案が発生する。もしくは食べることを大前提に料理が作られる。
その制約がなければ、もし表現の一部として使われたのであれば、食の世界はもっとひろがるだろう。例えばアパレルのハイブランドのような。
アパレルのハイブランドが、料理なんて作るわけない。
実際はコラボレーションした店舗やポップアップのお店はいくつかあるのではないか、と反論を持つ人もいるだろう。しかし、ブランドそのものであるコンセプトは落とし込まれていない。ブランドの顔ともいえるデザイナーが実際に表現として料理を用いたらどのようになるのか。私は実際に起きるわけないであろうこのアパレルのハイブランドと、料理を結びつけることで概念を壊すことを試みた。
ここで言う「概念」とは、食に対する保守的な思考について言っている。なぜそのように考えたかというと、人は日々の生活で行動・物をはじめとする様々な選択を行っている。その中で特に「食べる」に関する変化には皆敏感で、守りの姿勢になりがちであると自身の生活の中で感じたからである。例えばせっかく遠出した土地で全国チェーンのお店へ行くことや、外食メニューの中でハンバーグやラーメンなど知っている味や見た目のものを選んでいること。私ならその土地のみ根付いているような店へ足を運んで、ゲテモノであろうが何だろうが「新しい食」へ触れることが何より楽しいと思う。行ったことのない高級店へ行ってみたり、地図でどこにあるのか調べたこともないような国の料理が食べられる店へ行ったりもそうだ。知っている安心感に守られた選択はもちろん大切である。しかしその選択のみでは今ある食文明の開拓もされなかっただろう。今当たり前に食べられている食材が発掘されなかったかもしれない。発展した現代を生きている私たちより、昔の人のほうがずっと食に対して挑戦的であったといえるのではないだろうか。
私は自分の作品で「これって食?」と考えさせ、皆さんの食許容範囲を広げられたら良いと考えている。まず手始めに「食」を狭くとらえている考えを変えたい、そして考えはじめる種となれれば幸いである。
Nature / ─食べ物とヘアアレンジ─
【5.情報発信と表現 / 10.食材の可能性】
食べ物は基本的に「食べる物」として認識をされ、空腹を満たす物や栄養を摂取する物として捉えられています。しかし、私は、食べ物の価値はそれだけではないと考えました。
違った視点から食べ物を見ることで、新しい価値を生み出すことができるのではないかと考え、今回「既存のモノの見方にとらわれず、食べ物の価値のオルタナティブを探る」というコンセプトのもと、食べ物とファッションを組み合わせた作品を制作しました。
「オルタナティブ」には、「ひとつの価値観にとらわれず、様々な価値観を模索する」という意味があり、ここでは、食べ物に対して、食べる物ではなくその他の価値を探すといった意味で使用しています。その他の価値を探るため、私は食べ物の持つ性質に注目をし、それらの性質をデザインとして捉えることで、食べ物にファッション性を持たせることが出来るのではないかと考えました。
ファッション性を持たせるということについて、ここでは、本来の「ファッション」の意味である「流行」を持たせるというものではなく、食べ物の「個性」を引き出すといった考え方をしています。食べ物とファッション、その中でもヘアアレンジに注目し、食べ物とヘアアレンジ、この二つの融合から、食べ物に対して栄養を「摂り入れる」だけでなく性質を「取り入れる」という視点で作品を作り上げました。
前回の発表では、作品を作る上で2つの条件を決め、1つ目が、性質は5つ以上取り入れること、2つ目が、装飾品や食べ物そのものは使用しないこと、といったように、髪の毛とウィッグのみを使用し、ぱっとみて分かるものではなく、驚いてふと立ち止まって考え、そこで初めて気が付くという作品になるように作りました。
今回の発表では、ヘアアレンジの枠を広げ、「ヘアアクセサリーの使用もヘアアレンジの一つ」という考えから、装飾品を用い、新たに食べ物とヘアアレンジを融合させた作品を制作しました。
今では、食べ物は多くの洋服やアクセサリーのデザインに取り入れられていますが、このように性質を生かすことで各々の想像力をかき立て、食べ物の価値の捉え方や、それに限らず、視点を変えて物事を見てみるきっかけになればと思います。
おりょうりいっしゅ / ─31文字から伝える料理─
【10.食材の可能性 / 13.料理を伝えるカタチ / 16.食とエピソード】
わたしは、料理を作ること、食べることに意味を持たせたい。食べる側が作り手側の想いを汲み取れるような料理を作りたい。それは、食べるとはただ空腹を満たすためだけのものではないと考えるから。
料理や使われる食材に何らかの意味をもたせたり、想いを落としこんだら、果たしてどんなものができあがるのだろうか。
百人一首とは、藤原定家が選んだとされる100人の歌を寄せ集めたものである。
かるたのはじまりは、平安時代に遊ばれていた「貝合わせ」からとされている。
この「貝合わせ」とは、二枚貝をふたつに分けてその片方を探すといった遊びだったのだが、やがて人々は、貝に絵や歌を書いて遊ぶようになったのである。
百人一首は、5・7・5・7・7の計31文字からなる和歌を指し、人はこの31文字に言葉だけでは表せない感情や、心のうちに秘めている想いを歌に込めていた。
料理と百人一首では、いっけん違ったジャンルに思われるだろう。しかし、想いを伝えることの出来る素材として考えてみてほしい。
わたしは、オーケストラで例えると、演奏者の立場でありたい。作曲家の意向を読み取り、共鳴しながら奏でることによって観客の心に伝わる。
このテーマでいうのなら、詠み人とそれを聞いた人(客)の中間の役割であり、料理を用いて詠み人の想いを理解し、伝えることがわたしの立ち位置だ。
作り手側と聞く側(料理では食べる側)の双方がいて成り立つ、という点も料理と百人一首の共通点であるだろう。
おそらく現在の百人一首の存在は、お正月にやるかるた遊びであったり、子供の頃学校の授業で習った。という記憶があるか、ないか、程度のものではないだろうか。
あってもいいが、なくても困らない立ち位置。惜しいことをしている気がする。
この31文字に込められた想いや、心情、背景を読み取り、料理という「カタチ」にすることで、料理と百人一首に新たな価値を生み出してみたい。
美味しい失敗
【5.情報発信と表現 / 10.食材の可能性 / 13.料理を伝えるカタチ】
調理の過程で常に起こっている変化はまるで魔法みたい。
そして、この魔法のような科学的現象に対して、正しい知識があれば食の可能性は広がるはず。
しかし、科学と聞くとどこか遠くの次元のもののように感じ、身構えてしまう人は多いと思う。そんな人たちにも調理中に起こる変化の面白さを伝えていきたい。
そのための方法として私は、失敗とされているお菓子たちに焦点を当てることにした。この時言うお菓子の失敗とは、計画通り作れなかったもののことで、例えばなめらかなプリンを作るつもりが表面に「す」が入ってしまったものなどを指す。
そしてこのテーマを扱う上で、「科学の前では、成功も失敗もみな平等な結果に過ぎない」という考えを置いている。ある一定の操作で起こった現象としての結果は成功も失敗も同じものなのに成功だけが正しいと思われている。その中であえて世の中では失敗とされている料理を美味しく作ることで、失敗とされているものに含まれる魅力を引き出し、失敗とされているものにも価値を見出そうとした。
「お菓子はちょっとした欠点を持つとき、美しくなる」というピエール・エルメの言葉を引用して、『名前が語るお菓子の歴史』(ニナ・バルビエ, エマニュエル・ペレ著 白水社)という本では、著者が「食の歴史で新たなタッチを与えるために、小さな間違いが時には再び使われ、取り込まれることもある」(197ページ)と述べている。このように、失敗やへまと呼ばれるものから新しく生まれ、現在まで受け継がれてきた有名なお菓子は多々ある。つまり、料理の失敗に目を向けるということは食の新たな可能性と価値を生み出す行為であると考えた。
これらの考えを基に、私は、身近なお菓子の失敗を取り扱い、世間では失敗とされている現象に新たな価値を見出された失敗お菓子を作ってきた。そして、これらの作られた失敗お菓子たちの仕組みを描いた一冊の本を作ろうと思う。
松田 康子ゼミ
Café MYTH / シフォンケーキにおける油脂(オイル)の役割って何?
【7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
今年のカフェのテーマは、物語×四季×空間です。”myth=神話”という意味から、神話の世界に紛れ込んだような非日常の憩いの空間を提供したい、という想いから店名をCafé MYTHとして活動を始めました。
もともとお菓子作りやカフェ巡りが好きだった私は、シフォンケーキを作り、それをメインにしたカフェ運営を行っている松田ゼミの活動に興味を持っていました。ベーキングパウダーを使わず卵の力だけで作るシフォンケーキに魅力を感じ、もっと可能性を広げたいと考え、私は「油脂」に注目しました。シフォンケーキに欠かせない油脂といえば“サラダ油”です。このサラダ油を他の油脂に変えてシフォンケーキを作ることで、膨らみ方や風味・しっとり感に変化が生まれるのではないかと考えました。
1回目の発表では、「シフォンケーキにとってのサラダ油の役割」について、シフォンケーキ特有のふわふわとした食感、『シフォンと油脂(オイル)の関係』の視点からお話しました。また、4,5月のカフェ営業で提供したシフォンケーキの試作を踏まえ、“油脂”による膨らみ方に違いについてもお伝えしました。“油脂”が常温で液体であるか、固体であるかによって大きな差があり、固体の場合、膨らみにくく、シフォンケーキらしいふわふわでしっとりとした食感にはならないことがわかりました。
今回は、『シフォンと油脂(オイル)の関係』について簡単におさらいし、使用した“油脂”の成分を詳しく比較することでシフォンケーキと油脂の関係を明確に提示します。サラダ油を使用したときと、その他の油を使用したときのカロリーや含まれる栄養素の違いを比較しながらわかりやすく伝えられたらと思っています。また、“油脂”の栄養成分を提示することで、“油脂”による「健康・美容効果」もお伝えします。皆さんにシフォンケーキの美味しさや、魅力、可能性を少しでも感じていただけたら嬉しいです。
Café MYTH / ~季節の野菜を使ったシフォンケーキプレート~
【7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案 / 17.健康・美容】
Café MYTHは松田ゼミ生による、シフォンケーキを中心にしたカフェです。テーマは「物語×四季×空間」に決め、4・5月は香友会館をおかりして営業を行い、7月以降はキッチンラボで、月に二回営業を行っています。
MYTHは英語で神話という意味で、非日常の憩いの場をお客様に提供したいという思いを込めて付けました。
●季節の野菜を使ったシフォンケーキ
私は自分のテーマを、季節の野菜を使ったシフォンケーキと決め、毎月旬の野菜を使用したシフォンケーキを考案しています。野菜を使うことで、野菜があまり好きでない方にも親しみや興味を持っていただきたい、また野菜シフォンなら苦手な野菜でも食べられた!となるようなシフォンケーキを目指し試作を行っています。野菜によってはくせの強いものもあるため、野菜の味を活かしつつも、食べやすいように他の食材を加えたりして、たくさんの人に食べていただけるように工夫しています。
さらに毎月旬の野菜を使用することで、お客さんに季節を感じていただきたいと考えました。
これまでに作った野菜シフォンは
4月:ブロッコリーとアスパラのシフォン
5月:ソラマメシフォン
7月:パプリカマーブルシフォン
10月:ハニージンジャーシフォンです。
●プレートについて
カフェでは季節の野菜を使ったシフォンケーキをプレートにして提供しています。プレートは季節を感じていただけるように、また、目でみて食べたいと思っていただけるようなプレートを目指して試作を行ってきました。
前回の発表に引き続き、季節の野菜を使ったシフォンケーキとプレートについて発表をします。今回は7月、10月、11月で作ったシフォンの紹介をします。使用した野菜の栄養価や効果についても詳しく発表します。
これまでに作った野菜シフォンのレシピも配布する予定です。
Café MYTH / ~抽出液を使用したシフォンケーキ~
【7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案 / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
★Café MYTH
4月から月に2回シフォンケーキをメインとしたカフェ運営をしています。MYTHには「神話の世界に紛れ込んだような非日常の憩いの空間」という意味があります。
7月からは学外から学内の3号館での営業に変わり、初挑戦なので探り探りでしたが、より多くの方に足を運んでいただけるようになり、ご好評いただくことが出来ました。私達は”春×ラプンツェル”“夏×人魚姫”“秋×ぐりとぐら”“冬×シンデレラ”の4つの季節に合ったそれぞれの物語を表現できるように、内装やプレートを考えてきました。
★シフォンケーキの味
クッキーなどの紅茶のお菓子には茶葉のみ使用されていることが多くありますが、茶葉の抽出液を使用しても紅茶を表現できることを知り、また、抽出液の抽出方法によっても味に変化が生まれることを知ったので、その変化について実際に作りながら調べたいと思い、抽出液を使用したシフォンケーキをテーマにして1年間やってきました。4月・5月の営業ではそれぞれダージリン・ほうじ茶の茶葉を使用し、ブレンドをせず1種類の茶葉とその抽出液を使用しましたが、7月の営業では”アッサム×マスカット”のブレンドティに挑戦しました。さらに、11月の営業ではミルクティに挑戦し、茶葉はチャイを使用します。
★ポスター、ビラ
4月から私は、ポスターとビラを担当してきました。より多くの方に来ていただけるようにするために、メンバーみんなに協力してもらい、ビラに提供するシフォンの味も一緒に載せられるように心がけました。4月、5月よりも7月以降のポスター、ビラは日付を大きくして見やすくし、テーマに合ったデザインにすることをより心がけました。
★12月の発表では。。。
6月の発表内容に加え、7月以降に使用した茶葉ついて、また、茶葉を水出しやお湯出しにした時の茶葉それぞれの特徴とそれで作ったシフォンケーキについても発表します。同時に見やすいレシピ冊子を作成します。
Café MYTH / ~卵黄を使った菓子の提案~
【7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案 / 14.食と空間・食シーン】
皆さん、Café MYTHのふわふわなシフォンケーキを食べたことがありますか?
松田ゼミでは、月に2回3号館キッチンラボでシフォンケーキを中心としたカフェの運営を行っています。
また、シフォンケーキのデザートプレートだけでなく、テイクアウトの販売も行っています。Café MYTHのシフォンケーキはベーキングパウダーを使用しないのが特徴で、卵を多く使います。1台のシフォンケーキに使用する卵白は180g、卵黄は70gです。ベーキングパウダーを使用せずにふわふわで弾力のあるシフォンケーキを作るには、卵白を多く使用したメレンゲが欠かせません。
一方で作る度に卵黄はたくさん余ってしまいます。それを捨ててしまうのはもったいない!という思いで、卵黄をメインに使ったプレートを個人テーマに決め、卵黄を多く使った菓子を作ることにしました!
また、3年次に学内留学をしたので学内留学で学んだことをできるだけ活かしプレートの考案を行いました。
〇Café MYTHのテーマについて
松田ゼミはゼミ生10人で活動しています。私たちのカフェのコンセプトは「物語×四季×空間」です。誰もが知っている物語をテーマとした内装にし、来てくださったお客さんに非日常の空間を楽しんでいただけるようなカフェを目指しています。
〇今まで提案した卵黄のレシピ
・イチゴと抹茶のムース(4月/春×ラプンツェル)2層のムースで彩りを春に
・オレンジ風味のクリームブリュレ(5月/春×ラプンツェル)季節のオレンジ
・ピーチメルバタルト(7月/夏×アリエル)タルト生地とカスタードクリーム
・ぐりとぐらのカステラプレート(10月/秋×ぐりとぐら)物語のカステラに!
このように、営業ごとに物語をゼミ生で話し合い、季節に合わせたプレートを試行錯誤して作り上げていきます。11月の営業、12月のテイクアウトもあるので良かったら来てください!
12月の発表では後期のカフェ営業で提供したプレートと、提供できなかったレシピについても発表していきたいと思います。
Café MYTH / ~シフォンを彩るプチガトー~
【7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案 / 14.食と空間・食シーン】
Café MYTHはシフォンケーキを主としたプレートなどを企画、販売している松田ゼミのカフェです。私はシフォンを彩るプチガトーというテーマでプレートを考えています。
シフォンにプラスすることで、よりシフォンケーキをおいしく食べられるような、一口サイズのお菓子やデコレーションを専門学校に学園内留学していた経験を活かして考え、作ってきました。
専門学校では、お菓子を作るための技術はもちろん現場で働いていくための礼儀や、お菓子の歴史や背景など幅広く学びました。
7月は、あんずのシフォンケーキ×マシュマロで食感の変化を持たせました。マシュマロを塩味にしてみたのですが、あまり美味しくなかったのでボツにしました。
8月のオープンキャンパスでは簡易プレートの販売を行いました。大量に販売することで、効率よく動くにはどうすればいいかという考え方が身につきました。
9月に販売はしませんでしたが、シフォンの試作をしたり、味の組み合わせを考えたりなど準備する期間としました。
10月は、キャラメルシフォン×カリカリスティックを提供しました。前回の発表やアンケートにしょっぱいプチガトーは作らないのか?という質問や意見が多かったので、挑戦してみようと思いジャガイモを使いカリカリとさせたスティックを作りました。オレガノを入れることで、食感だけではなく風味の変化も出すことができました。アンケートでも、しょっぱい味が良かった、甘いだけではなかったので最後までおいしく食べられたというお言葉をいただけました。
11月は10月の意見もふまえて、塩味のマカロンを作る予定です。また、プレートの盛り付けもさらに工夫をしようと考え、飴細工に挑戦してみようと思います。テーマが美女と野獣なので、バラの花を飴細工で作り、専門学校で学んだことを最大限に生かしたプレートを考え、提供します。
今回の発表では、前回は時間が足りなくてできなかったプチガトーの作り方、シフォンの作り方の両方を発表します。
Café MYTH / ~野菜とスパイス&ハーブのシフォンケーキの提案~
【7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
Café MYTHでは、シフォンケーキをメインとしたカフェ運営を月に2回行っています。また、テイクアウト販売も行い、とても好評を頂いています。私たちは、カフェの空間にもこだわり、季節を感じるような童話をモチーフとした内装にすることにしました。
☆店名の由来☆
Café MYTHとは、「神話」という意味です。神話に紛れ込んだような非日常の空間を提供します。4・5月はラプンツェル、7月は人魚姫、10月はぐりとぐらをコンセプトとし、営業しました。来て下さる方々の期待に応えられるよう、シフォンのプレートだけでなく、内装にも力をいれました。
☆野菜を使用したシフォンケーキ☆
私は、野菜とそれに合うスパイス&ハーブを使用したシフォンケーキのメニュー開発に力を入れて取り組んでいます。野菜とスパイス&ハーブを組み合わせることで、普段野菜をあまり食べない人たちにも、気軽に食べてもらえるような野菜スイーツの提案を目指しています。何度も試作を行い、シフォンの見た目、食感や風味にもこだわり提供しました。
・7月:トウモロコシ×ブラックペッパーシフォン
ピリッとアクセントのあるブラックペッパーを組み合わせました。ランチとして召し上がれるように、サンドイッチにして提供しました。
・10月:かぼちゃ×オールスパイスシフォン
焼き菓子の香り付けにも使用されるオールスパイスを組み合わせました。ロールケーキにして提供しました。
☆発表内容☆
2回目の発表では、7・10・11月の店内の内装、提供したシフォンについて発表したいと思います。また、野菜とスパイス&ハーブの相性の良い組み合わせも紹介したいと考えています。これまでの野菜シフォンのレシピもお配りしたいとおもいます。
Café MYTH / ~季節のフルーツを使ったシフォンケーキ~
【7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案 / 13.料理を伝えるカタチ】
■Café MYTH
月に2回、3号館キッチンラボを借りて“シフォンケーキをメインとした”カフェ運営を行っています。カフェのテーマは、「物語×四季×空間」としています。
誰もが知っている「童話」をモチーフに、四季によって味や盛り付け、内装や店内の空間を変え、楽しくて飽きの来ないカフェです。
MYTHとは“神話”という意味があります。そのため“神話の世界に紛れ込んだような、非日常の憩いの空間を提供したいという想いで、MYTHという言葉を店名にしました。
■シフォンの味
フルーツが大好きであるため、季節のフルーツを使用したシフォンケーキを提案することに決めました。フルーツの味をより感じて頂けるように、生の果物を入れたり、加熱したもの、フリーズドライ加工されているものを使用したりと、風味や食感にも工夫しました。シフォンケーキは、とても繊細なお菓子であるため、レシピ通りに作っても、メレンゲの混ぜ方や、水分量など様々な要因で失敗につながります。フルーツを使用する中で、水分量を調節するのが難しく、何度も試作を繰り返しました。
1回目の発表で紹介したシフォンケーキは、4月いちごシフォン、5月甘夏シフォンです。今回の発表は、7月と10月と11月に提供したシフォンケーキについて中心に行います。
■季節感じるプレート
シフォンケーキそのものだけでなく、プレートにも力を入れました。プレートは、お客様が思わず写真に撮りたくなる、季節感あふれる盛り付けを目指しました。季節のフルーツをふんだんに使い、様々な形でカットしたり、マンゴーシフォンでは南国をイメージして手作りのパラソルを飾るなどしました。さらに、食べる時も楽しんでいただくために、味に合わせたソースやクリーム、アイスを添え、シフォンとの様々な組み合わせができるよう提供しました。
Café MYTH / ~シフォン生地でアレンジケーキ~
【7.お店の企画・運営 / 8.商品開発 / 9.メニュー提案】
今年の松田ゼミは「季節×物語×空間」をテーマに、シフォンケーキをメインとしたカフェを運営しています。Café MYTHという店名には「神話の世界に紛れ込んだような、非日常の憩いの空間を提供したい」という思いが込められています。
*アレンジケーキ*
私はシフォンケーキの生地をベースとしたアレンジケーキの提案を行ってきました。シフォンケーキのふわふわ感を活かしつつアレンジケーキを作ることは、考えることも、形にすることも大変でした。アレンジケーキということで、使用する型が同じでは面白くないと思い、基本のシフォンケーキ型以外に、ケーキ型やロールケーキ型、パウンドケーキ型などを使い、さらに盛り付けにもひと手間加えました。レシピは、本やネットでヒントになりそうなものを探してもシフォンケーキ生地を使ったレシピはなかなか載っていなかったため、生地の配合などを一から考えて、イメージ通りのアレンジケーキが出来るまで何度も試作を繰り返してきました。イメージ通りに仕上げることは大変でしたが、自分の思い描いたアレンジケーキが出来上がるととても満足感が得られました。
*メニュー紹介*
4、5月の物語のテーマは「ラプンツェル」で4月はチョコバナナシフォンロールケーキ、5月はグレープフルーツパウンドシフォン、7月は「人魚姫」でマンゴートライフルシフォン、10月は「ぐりとぐら」でスフレチーズケーキ風シフォンを提供しました。
*盛り付け*
盛り付けでは、ゼミのテーマにもある物語に出てくるキャラクターやシーンをイメージし、お客様が思わず写真に撮りたくなるような盛り付けを目指しました。
第2回の発表では7、10、11月の営業で提供したメニューを紹介します。また、月毎のテーマにした物語をイメージした盛り付けのポイントについても発表します。
Café MYTH / 〜季節を彩るシフォンプレートの提案〜
【9.メニュー提案 / 10.食材の可能性 / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
▼Café MYTH
4月から月に2回学内にてシフォンケーキをメインとしたカフェ運営をしています。今年のテーマは『季節×物語×空間』です。
1回の営業につき1つの物語を選び、その物語に合った内装や、シフォンケーキ・ドリンクを提供しています。MYTHとは神話からのネーミングで、お客様に「神話の世界に紛れ込んだような、非日常的な空間」に来たように思ってもらえることをイメージして名付けました。
▼Café MYTHでの役割
わたしは、季節を彩るシフォンプレートをテーマにし、写真を撮りたくなるような盛り付けと、季節にあったシフォンレシピの提案をしてきました。お店で見かけるシフォンプレートはシンプルで同じ盛り付けが多いと感じ、食べた人の心に残り、また来たいと感じられるようなデザートプレートを届けたいと思いました。可愛く盛り付けられたプレートが出てくると、写真を撮って記録したくなります。目で見ても楽しめる、記憶に残り、思い出してもらえるようなプレートの提案を目指してきました。また、季節を感じてもらえるように、旬の果物や食材を取り入れるようにしました。シフォンケーキはシンプルな味故に+αでどんな味にも七変化出来ます。そんなシフォンケーキの魅力や可能性を発表を通して、今まで作ったことのない方や、いつも同じ味を作っている方に『作ってみたい』と思ってもらえる提案をします。
▼写真に撮りたくなるシフォンケーキとは
SNSの発達により、Twitter、Instagram、Facebookなど、写真を撮って投稿することが当たり前の時代になって来ています。「フォトジェニック」「インスタ映え」という新しい言葉が生まれた中で、写真に撮りたくなるシフォンケーキとはいったいなんなのか追求した結果を発表します。
▼第2回の発表
第2回の発表では、7月・8月・10月・11月の営業で提供したメニューを紹介します。また、盛り付けをするときのコツや、営業を通してわかったことを発表します。
提供したシフォンケーキのレシピ集も配布します!
Café MYTH / ~デザートタイムを彩るフルーツドリンク~
【7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案 / 14.食と空間・食シーン】
Café MYTHは『物語×季節×空間』をコンセプトにシフォンケーキをメインとしたカフェを営業しています。私はシフォンケーキプレートと一緒に提供するドリンクを担当しており、シフォンの味に合うように日々試作を重ねてきました。
私はドリンクの中でも定番のコーヒーや紅茶ではなく、カラフルなドリンクあると、食事がより色鮮やかな楽しい時間にできるのではないかと思い『フルーツや野菜を使用したカラフルなドリンク』を提案してきました。
◆Café MYTHの運営◆
カフェを運営する上で、おいしいシフォンケーキプレートとドリンクを提供することはもちろん、季節ごとに変わる内装でお客様に楽しんでもらえるように日々メンバーで話し合いを重ね、笑顔でお客様を迎えることができるように努力しています。後期からは食文化キッチンラボが使えるようになり、そこで営業することにより本格的なカフェ営業をすることができました。また、運営をしていく中で売り上げを意識するようになり、試作費や内装費、営業利益等についても意識するようになりました。
◆ドリンクメニュー提案◆
季節の食材を使用することに重点を置き、4月・5月の営業からわかったことや反省点を活かし、シフォケーキに合う味を見つけることを目標として試作を行ってきました。味はもちろん見た目にも気を使い、ドリンク一杯で食事の時間がより楽しくなるように努力してきました。また、様々なカフェやドリンク専門店に足を運び、フルーツの組み合わせ方や栄養素について学び、ドリンクのメニュー提案に活かしています。
今回の発表では、7月・10月・11月の営業で提供したドリンクを詳しく紹介していきたいと思っています。また、今まで提案してきたドリンクのレシピ集を作成し配布したいと思っています。
宮内 正ゼミ
日本料理を味わう
【1.日本の食 / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
日本料理は、旬の食材や器を上手に用いることによって四季や季節感を演出する、類い稀な料理です。料理のどういうところに季節感が表現されているのか、どのような意図をもって調理や盛り付けがされているかを知ることが何よりも大切です。
作り手の意図をしっかりと理解することができるまでは、その料理を真に「味わった」ことにはならないでしょう。そこで今回は、様々な料理例を調査したうえで、日本料理の主役である椀盛において、どのようにすれば季節感が上手に表現できるのか、具体的に提案したいと思います。
日本料理とは旬や季節感を大切にしている料理です。だからこそ料理の儚さを感じ、季節の訪れを知らせてくれる便りにもなるのです。
第1回の発表では日本料理と季節・四季に着目しました。会席料理を構成する献立の中から主となる「椀盛・造り・焼き物」について考察しました。どの料理にも必ず意味や意図があります。それを理解することが五感を使って料理を最大限に楽しむことにつながるのではないかと考えます。日本料理には他の国の料理とは異なる独特の世界観があります。器の上に流れを演出したり、食べられないものも器に添えたりすることで華やかさや彩り、季節感を増すことができます。
フランス料理やイタリア料理では肉料理・魚料理がコースのメインとなりますが、日本料理では椀盛が最も大事な要となります。ではなぜ、魚や肉を用いる造りや焼き物が主役とならず、椀盛が主役になるのでしょうか。日本料理の中で椀盛はどのような存在なのでしょうか。残念ながら、椀盛が会席料理の要であるということを知る人は少なく、造りや焼き物が要であると思っている人のほうが多いでしょう。じつは、会席料理の主役である椀盛には料理人の様々な工夫や意図が込められています。こうした椀盛の位置づけや役割を理解し、味わい、楽しんでもらいたいと思います。
今回は、第1回の発表で明らかにしたことを踏まえ、日本料理の主役である椀盛を使い、私自身が作り手となってしっかりと意味のこもった料理を作ります。身近な人に、移ろいゆく季節の細やか表情がしっかりと伝わる料理を提案したいと思います。
食に翻弄されている
【11.食の問題 / 16.食とエピソード】
食べることはかつて空腹を満たすための「飢えとの戦い」であった。いまなお「飢えとの戦い」を続けている国や地域も少なくないが、戦後先進国の仲間入りをした日本はいまや「飽食との戦い」の渦中にある。
そこは、食べることがそのまま純粋な満足感や幸福にはつながらない世界、体型のことが頭から離れることのない、後ろめたい気持ちと満足したい気持ちがつねに同居している世界なのである。
食べられるものが限られていた時代には、毎日の食事はほとんど代わり映えのしないものであり、それがあたりまえであった。パターン化した食生活であったといえる。それに比べると、いまは自由である。近くにコンビニやスーパーがあり、余程の贅沢を言わなければたいていのものが手に入る。電車内でもコンビニのイートインスペースでも、街のあちこちで他人の視線を気にせずものを食べることができる。いつでもどこでも食べたいときに食べたいだけ食べられる。こうした「自由」は、まさにその「自由さ」ゆえに、食べるものはすべて自分でコントロールしなくてはならないことを意味するのである。自分で何もかも決めなければならない。これこそまさに重荷である。ストレスの原因でもある。自由であることが不安で怖くなり、いっそのこと自由から逃げ出したくなる人がいても不思議ではない。
そのうえ、食事は毎日のことであるから、何をどれだけ食べるか自分自身がつねに「問われる」ことになる。ときには自分を縛ったり、褒めたり、あざけったりする。健康管理に気を配り野菜たっぷりの食事をするように「自分を縛る」。試験勉強を頑張った「自分へのご褒美」として「デブ飯」をおごることで「自分を許す」。最近では、SNSを利用して、人に揺さぶりをかけたり自慢したりすることもある。生活の一部であるはずの食が、これまでにない存在感をもつようになっている。時代のトレンドとして見れば、「食への関心が高まっている」と言えるのかもしれないが、ひとりひとりの個人に注目するならば、まさに「食に翻弄されている」のである。その現れのひとつが「デブ飯」である。侮蔑的なニュアンスのコトバだが、自分を責めたり、節制できない人を見下したりすることで、自分を保とうとするためのコトバでもある。
公共の場と暗黙のルール / となりのアイス
【14.食と空間・食シーン / 18.人間・生活・環境】
突然、隣にいる人がアイスを食べ始めたら、あなたはどんな反応をするだろうか。迷惑そうな顔をするだろうか。おいしそうなアイスに釘付けになるだろうか。それとも、アイスを一瞥するだけで、その後は何もなかったかのように無関心を貫くだろうか。
あるいは、手元の電子機器から溢れる情報に夢中で、隣のアイスに気がつかないかもしれない。どこにでもあるふつうのアイスが、私たちにさまざまな行動を起こさせる刺激となりスイッチとなる。その人の閾値に達せずに見逃されることもあれば、見る人に強い反応を引き起こすこともある。
どのような食べものも、物質として存在するだけでなく、いつ、どこで、誰が、どのように、それを食べるのかといった、具体的な状況においてはじめて「食べもの」となる。しかも、この「食べもの」(の意味や価値というもの)は、具体的な人間とのかかわりや、その具体的な状況における人間の反応と切り離すことはできない。例えば、真夏の公園のベンチに座る友だちの手の中でいまにも溶け落ちそうなアイスと、冷房の効いたカフェでガラスの容器に盛られて出てくるアイスは同じアイスでも異なって見えるに違いない。チョコレートフレーバーのアイスを食べるときも、黒いレザーコートを着ているか白いカシミヤのセーターを着ているかであなたの反応はおのずと異なるであろう。つまり「食べもの」とそれを食べる人間の個々の状況における反応の仕方は一定ではない。むしろ意外なほどに多様であると考えるべきであろう。
こうした多様性を持つはずの飲食行動とそれに対する反応が公共空間という場で展開されるとき、あなたは新たな意味付け(マナー)の中で行動することが求められるだろう。しかし、その新たな意味づけとは一体何なのか、どこから発生し、あなたを縛るのだろうか。これは、快適に公共空間を利用するための一つの要素といえるだろう。しかし、その形は一つではない。アイスのように溶けたり、固まったり、さまざまな形で存在している。このアイスをどのような形で存在させるかは、共有する時間、空間そしてあなたとその他にかかっているのである。この関わり合いやせめぎ合いを電車内の飲食という例をもとに考察していく。
宮城 重二ゼミ
食塩を考える / 減塩から適塩へ
【3.食の歴史をひもとく / 5.情報発信と表現 / 11.食の問題】
食塩の過剰摂取を控えることは良いことです。そして、昨今減塩食品が増えました。しかし、安易に減塩食品を多用することが本当に減塩になるのでしょうか。また、減塩食は本当に望ましい食をなり得るでしょうか。
今回の発表は、以上の点について5つの観点から検討してみたいと思います。
(1)東北地方の脳卒中多発の要因をまず知ろう
特に東北地方を中心にかつて脳卒中が多発してきました。その要因は、食塩の過剰摂取が問題視されてきました。それは、大量のコメと塩からいみそ汁の多食があったからです。しかし、そこにはまったく蛋白質が摂取されていませんでした。さあ、脳卒中の多発は何が原因だったのでしょうか。
(2) 食塩・ナトリウムの効用を知ろう
食塩の過剰摂取は問題ですが、人体にとって不可欠なものだと知っていますね。特に生体機能や食欲との関わり、また、食塩の対比効果って知っていますか。食塩の効用について再確認していきましょう。
(3) 脳卒中と食塩・蛋白質との関係を知ろう
ここでは、脳卒中になりやすいラットを使った実験で「普通食+1%食塩水」を与えると100%が脳卒中になるが、さらに高蛋白質食を与えると、1例も脳卒中にならなかったということを紹介します。なぜでしょうか。その意味を栄養学の面から一緒に考えてみましょう。
(4) 食塩コントロール食は健康食か? しかし・・
食塩コントロール食は今や健康食という感がありますね。しかし、塩、醤油などの「見える塩」を控えつつ、「見えない塩」を多用していませんか。「見えない塩」を含む食品について考えてみましょう。このことの理解がなければ、減塩はうまくいかないでしょう。
(5) 和食における「おいしい塩味・適塩」を知ろう
塩味は旨味とともに和食には欠かせません。味覚は主食と主菜・副菜との組み合わせで感じ方は違います。適塩でおいしい献立を追究してみましょう。
守屋 亜記子ゼミ
韓国の飲酒文化 / 日韓の居酒屋比較を中心に
【1.日本の食 / 2.世界の食 / 3.食の歴史をひもとく】
【実習背景】 私は韓国のドラマを好んで見るが、その際に「屋台で焼き肉を囲み、緑色の酒瓶に入った酒を酌み交わす」場面をよく見る。こうした韓国ドラマによく登場する屋台酒場は、日本ではあまり見られないように思う。
韓国は日本と同じ東アジアに位置し、食文化の面ではいくつもの共通点を持っている一方で、固有に発展してきた部分も多い。果たして飲酒文化も同様であろうか。私は韓国の飲酒文化について、特に大衆が日常的に利用する居酒屋に焦点を当てた。
【目的】 居酒屋という飲酒の場において、人々が酒を酌み交わす動機や意味について考察し、韓国における居酒屋と飲酒文化の特徴と独自性について明らかにする。
【実習内容】 第一回発表会ではまず韓国と日本の酒と居酒屋の歴史、日韓両国で行ったフィールドワークの結果についてまとめた。
日本において居酒屋は、元禄時代(1688年~1704年)に酒屋で酒を飲む「居酒」という飲酒スタイルから発祥し、当時宿屋も兼ねていた。一方、韓国では高麗時代(936年~1392年)、政府によってはじめて設置された酒食店が起源で、その後、チュマク(酒幕)という宿屋を兼ねた居酒屋が誕生した。
これまで日韓両国で行ったフィールドワークの結果、日本の居酒屋にはカウンター席があり、立ち飲みというスタイルがあるのに対し、韓国ではみられないこと、メニューの酒の種類を比較すると、韓国では焼酎などアルコール度数の高い酒が多いのに対し、日本ではチューハイなど度数の低い種類が多いことがわかった。また、インタビューの結果、韓国人は酒を飲む際にアルコール度数の高い酒を好み、爆弾酒などを作って飲むこともわかった。また、一次会および二次会で行く店を選ぶ基準があり、酒の席では目上の人に対して左手を右腕の下に置き、右手で酒を注ぐなどのマナーがあることがわかってきた。文献やインタビューによる調査の結果、韓国では儒教が食文化に大きな影響を与えていることがわかった。こうした酒の席でのマナーも、儒教が影響しているのではないかと考えられる。
第一回発表後、韓国の人々の飲酒の実態や嗜好、マナーについて文献調査やインタビュー、アンケート調査を行った。第二回発表会では、そこから得られた知見やデータをもとに、分析・考察し、韓国における飲酒の意味、韓国人にとって酒を飲むとはどういうことかについて明らかにする。