ゼミ別 発表要旨
*テーマ / サブテーマ
【カテゴリー】
発表要旨
秋野 晃司ゼミ
米の力 / ―日本における米の利用価値―
【1. 日本の食 / 3. 食文化史 / 23. 人間・生活・環境】
■目的動機■
皆さんはご飯を毎日食べていますか?ご飯、米は年々消費が減少してきています。原因の一つとして麺類やパン食が増えたためです。しかし、どの時代でも米は日本人には欠かせないものです。ではなぜ米は日本人に欠かせないものになったのでしょうか。日本に稲作が伝わってから長い年月が経ちます。その長い歴史の中で米は日本の文化を作ってきたと言ってもいいほど、大きな働きをしてきました。その米は現代にどう影響してきたのでしょうか。
■実習内容■
*米の歴史*
稲作が日本へ渡ってきたのは、縄文時代から弥生時代にかけてと言われています。伝来は中国から直接北九州に伝わる説、中国から朝鮮に渡ってから北九州に伝わる説、中国から台湾や沖縄に渡り南九州に伝わる説があります。これらのルートは、どれも中国から九州地方に伝わり日本に広がりました。
*米の利用価値*
米は食べる以外にも利用価値があったことを知っていますか?
(1)食糧:私たちが日常的に食べているご飯や、せんべいなどの菓子類。
(2)供物:行事や祭りで神へお供えする米粒や餅、酒。
(3)貨幣:江戸時代に当時の税の代わりとして、米を徴収。
(4)飼料:豚や鶏などの餌。
*日本文化への影響*
米が日本中に広がり稲作が行われることで、一定の食糧を確保できるようになります。しかし現代にあるような便利な農機具はこの時代にはありません。全てが手作業で行われ、一人または家族だけでの作業はとても困難でした。そのため人が集まり集団を作ります。これが村の始まりとされています。
日本の祭りはもともと、野菜や果物などの豊作を祈って行われるものでした。現在でもその祭りの本質は変わっていません。新嘗祭という祭りを聞いたことがあるでしょう。これは稲の収穫を祝い、翌年の豊穣を祈るものです。
酒宴 / ~お酒が持つ力~
【1. 日本の食 / 3. 食文化史】
★研究動機
私は、友達と食事や会話を楽しみながらお酒を飲むことが大好きです。また、パーティや付き合いで仕方なく口にすることなどもあります。そのような場にお酒が入ることによって、飲んでいる私たちにどのような社会的影響をもたらしてくれるのか、ということに疑問を抱き研究を始めました。
★研究方法
・文献調査:お酒の基礎的知識を文献から学んで素養をつける。
・フィールドワーク:研究対象地区に実際に足を運んで聞き取り調査を行う。
最後に、文献から分かったことと、私が調査してきたことを合わせて考察をしていきます。
★酒宴とは
酒宴とはお酒が含まれる宴会のことを指します。今でも農村地区では行われている「寄合い」というものが酒宴の原型と言われています。私たちの身近な事では、歓送迎会・お花見会・打ち上げ会など多くのものが酒宴に含まれます。皆様も一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
★実習内容
後期の実習では、数多くの文献をさらに読んでいき、前期に行ったフィールドワークから分かったことにプラスして、私の身の回りの方に新たに聞き取り調査を行って、お酒の持つ役割をさらに探っていきます。また、その解答をグラフにまとめて理解を深めていきます。お酒が持つ本当の役割とは何なのか、一年間行ってきた調査をまとめてお伝えします。
★まとめ
お酒が持つ役割などを意識してお酒を飲む方々は少ないと思います。しかし、改めてお酒が持つ役割を知ることによって、これからお酒を飲むときの意識が変化していくのではないでしょうか。そのことにより、当たり前に存在していて、当たり前のように飲んでいたお酒が、当たり前のものではないように感じてくると思います。
磯田 厚子ゼミ
フライトごはん / ―美味しい機内食を求めて―
【2. 世界の食 / 8. メニュー提案】
【目的】
最近の機内食は地上と寸分変わらない料理を味わえるようになっている。しかし、それでもまだネット上では機内食は不味いという声が多いと感じる。そこで、機内食を美味しく食べるための提案をしたい。
【実習内容】
1.航空会社ランキング
航空格付け会社のスカイトラックス社は、毎年恒例の「ワールド・エアライン・アワード2016」を発表した。トップはエミレーツ航空となり、カタール航空、シンガポール航空の順になった。
2.女子栄養大学学生を対象としたアンケート調査
女子栄養大学学生97名を対象に機内食についてアンケート調査を行った。機内食を楽しみにしていますか、満足していますかなどを質問した。結果は81%の人が楽しみにしていると答えた。また機内食に満足していない人は40%もおり、まだまだ改善する点があることが分かった。
3.日本乗り入れ航空会社を対象としたアンケート調査
日本乗り入れ航空会社60社にアンケートを配布し、16社から回答を得た。機内食の美味しさに特に影響していると思われるものを3つ選ぶという質問に対して、選択肢の中で上位を占めたのが、調理してからの時間が長い、再加熱、乾燥であり、影響が大きいと言われる音と気圧を選択した航空会社は少なかった。機内食の量を増減することができるか聞いたところ、11社が“できる”と回答した。そして、機内食の品数を増やすことができると答えた航空会社は7社だった。
4.「料理と音楽の相性」についての実験
23名を対象に3種類のジャンルの異なる音楽を聞きながら3種類の料理を食べてもらい、料理と音楽の相性、美味しさが変わるか実験した。結果は日本料理はジャズ、中華料理はポップミュージック、イタリア料理はジャズが向いている。
【まとめ】
機内食は旅行の楽しみの1つである。航空会社は美味しい機内食を提供するため、日々努力している。機内食は選び方、適した音楽を聴くことで、美味しくできる。
Japanese Food Guide / 外国人に日本食紹介
【1. 日本の食 / 4. 情報発信と表現 】
【目的】
現在、日本食は世界から大きな注目を浴びている。訪日外国人の数も年々増加しているため、日本食を外国人に食べてもらう機会が以前より増えた。そこで、外国人をターゲットにガイドブックを作成し、日本食の魅力を伝えることを目的とする。
【実習内容】
1.海外における日本食ブームの現状
日本食ブームは1977年にアメリカで食生活改善指導が行われたことをきっかけに、“健康的な食事の理想は日本食である”という考えが世界各地に広まっていった。農林水産省の調査によると、海外の日本食レストランの数は2015年に約8万9000店あり、2006年の約2万4000店から急増していることが分かった。また、日本のチェーン店の海外出店も進んでおり、海外での日本食の人気の高さがうかがえる。
2.外国人の日本食に対する反応の現状
外国人観光客81名に、浅草の浅草寺周辺でアンケート調査を行った。日本に来る目的は何ですかという質問に、日本食を食べると選択した人は79人中33人で、予想より少ない結果になった。また好きな日本食、来日前に食べたいと思ったもの、実際に食べたものを聞くと、上位3つは寿司、ラーメン、刺身で共通していた。寿司やラーメンは自分の住んでいる街に増えてきているという回答も得られ、外国人にとって人気の高い料理だと分かった。日本食について知りたい情報は何か聞くと、店の情報よりも作り方や食べ方を知りたいという人が多かった。
3.日本食ガイドブックの作成
料理の説明やお店の紹介だけでなく、アンケート結果をもとに簡単な作り方、食べ方の作法なども紹介していく。
【まとめ】
海外でも日本食を食べられる機会が増え、外国人にとって日本食は私たちが思っているより身近にある。2020年の東京オリンピックを控えた今、外国人の日本食に対する興味・関心はこれからますます高まってくるのではないだろうか。私たち日本人にとっても日本食について深く知るきっかけになればと思う。
フェアトレードを楽しもう! / 男性の購入者増加に向けて
【4. 情報発信と表現 / 5. 生産者と消費者をつなぐ / 23. 人間・生活・環境】
【目的】
製品を購入することで国際協力に繋がる“フェアトレード”。フェアトレードの製品はデザイン性や質の良さという点でも注目されている。実習では男性にフェアトレードを身近で気軽に楽しんでもらうことを目的としたパンフレットを作成する。
【実習内容】
1.フェアトレードの現状を知る
日本ではまだまだフェアトレード認知度が低いといわれており、関心があるのは女性が多いという現状がある。しかし、日本フェアトレードフォーラムの調査より、近年男性のフェアトレード認知度が増加傾向にあることが示されていた。
2.フェアトレード製品のネット調査
フェアトレード製品のみを扱う3つのオンラインショップの商品集計を行った。男性のフェアトレード認知度が増加しているにも関わらず男性向けの商品が少ないこと、オンラインショップで男性向けの商品が見つけにくいことが挙げられる。
3.フェアトレード認知度アンケート調査
調査対象は若葉祭来場者400名(53%が学生)。フェアトレードの認知度は男女共に約40%と半分にも満たなかった。まだまだ認知度が低いことが窺える。普段の生活の中で、男性は女性に比べて価格を重視して買い物をしている。価格の次に品質を重視する人が多かった。フェアトレード製品は質は良いが価格は比較的高いため、購入しやすい価格のものを紹介する必要性を感じた。
4.フェアトレード団体・ショップへのアンケート調査
全国のフェアトレードに取り組む団体と製品を扱うショップ計66社に実施した。
5.パンフレットの作成
以上を踏まえて、ターゲットは男性とする。フェアトレードに馴染みがなかった人でも身近に感じてもらえるよう、製品の質の良さと購入しやすい価格を重視。
【まとめ】
今回、男性に向けたフェアトレード製品の情報発信について考えた。フェアトレード=国際協力ではなく、製品そのものの良さを広めることで、まだまだ低いと考えられている日本のフェアトレード認知度の増加の可能性を感じた。
磯田 厚子・浅尾 貴子ゼミ
ALOHA! -湘南からハワイをお届け- / 地産地消をねらいとしたメニュー開発
【2. 世界の食 / 5. 生産者と消費者をつなぐ / 7. 商品開発 】
株式会社ゼットンが運営する「ALOHA TABLE 湘南店」でメニュー開発と店舗運営を行っています。これまでに、ハワイ食文化についての調査や、地域で採れる農産物等についてのインタビュー、人気の飲食店を実際に訪れて工夫されているポイントについての調査を行いながら、アルバイトインターンとして店の作業に入り料理のオペレーションやお客様のニーズを探るなど、多面的な活動を行ってきました。
▽店舗運営
湘南の店舗では夏が最も繁忙期なうえに、厨房が多店舗と比べ狭く席数も少ないのが特徴です。その限られた中で食事をお客様に提供する際の注意点や課題などは常に様々みられます。キッチン内ではおもにプレート料理などは流れ作業でオペレーションを組み、お客様にできたてをスムーズに出せるよう工夫をしています。
▽メニュー開発について
ハワイのシンプルな伝統調理法を活かし、湘南産食材を使ったサーモンロミロミボウルの開発を行いました。市場調査をもとに、地元食材に着目しつつハワイをイメージした伝統料理で彩りや見た目に意識したものを考案しました。アルバイトスタッフでも全員が作れるオペレーションを考えながら、細かい味や原価の調整をしながら商品を作り上げるのは、様々な課題があり時間がかかりました。
▽地産地消の可能性
地産地消を目的とした商品の提案は、仕入れ価格や食材が安定的に入荷できるかなど様々な問題があげられます。しかし、観光地のひとつとしてあげられる「湘南」という地域では地元食材というのは観光客にとって最大の魅力であると考えました。市場とやりとりを行ったり、様々な苦労はありましたが、地域密着型の商品ができあがたときはとても嬉しくやりがいを強く感じました。
発表では年間を通して学んだ、地産地消をねらいとした商品開発の流れについてと、商品開発の期間や商品に求められるポイントなどについて発表します。
はちみつカフェにようこそ! / 企業における料理&スイーツ開発の実際と食材の可能性
【7. 商品開発 / 11. 食材の可能性 / 22. 健康・美容】
CAFE COMPANY 株式会社が経営する「クックコープカフェ(新宿マルイ本館)」 にて、はちみつを使用した料理とスイーツを開発しています。はちみつについて調べ、その魅力を伝える商品提案を通じて食材としての可能性を探ること、商品の考案から販売に至るまでの流れを経験し、学習することが目的です。これまでの開発を通して、はちみつをかけて食べる習慣のあるもので、味のイメージがしやすいものは比較的人気商品となり、逆に日本の食習慣と離れていて、自分が食べるイメージや味のイメージがしにくいものは、なかなか受け入れられないと分かりました。また、開発にあたり、私が力を入れた2つのポイントについてお話します。
1.はちみつの違いを表現
商品を考案する上で、はちみつの味わいの違いを感じていただける料理に仕上げることに力を注ぎました。通常、食事にはちみつをかけて食べる習慣がないので、まずは味の想像ができるような料理を考案する必要があります。その上で、はちみつをかけて初めて完成する仕上がりにしなくてはなりません。料理とはちみつを合わせることは意外と難しく、料理の内容を複雑にすればするほどはちみつがなくても完成された商品になってしまいます。適度にシンプルで、はちみつをかけたくなるような仕上がりにすることが必要です。
2.企画書づくり
たくさんの時間と労力をかけて考案したメニューであっても、開発部の方に伝えることができないと意味がなくなってしまいます。ある程度の熱意も必要ですが、それだけでは伝わりません。そのメニューのポイントや自分の思いを論理的に説明するために大切なのが企画書づくりです。世の中の状況がどうなっていて(環境分析)、他のお店はどんなことをしていて(市場調査)、きっとお客様はこんな不満や理想を持っているだろう(課題と理想)、だからこの商品を開発するのだ(商品提案)という流れに沿って作成することで、提案に対して説得力が生まれ、論理的に相手に伝えることができると学びました。
一つの商品が完成するまでにいくつもの壁にぶつかり、たくさんの苦労がありました。発表会では、販売された商品の評価・結果、商品開発を行って感じた大切なポイントについてお話します!
Spice Magic! / スパイスと旨味食材で減塩メニュー提案
【8. メニュー提案 / 9. 売れる仕掛け / 22. 健康・美容】
エスビー食品株式会社へスパイスやハーブを使用した家庭向けの減塩メニュー提案を行いました。食品メーカーでは、商品が売るための販売促進の1つとしてメニュー提案を行います。提案したメニューは店頭等でレシピブックとして配布されたり、HPなどで紹介されます。
■目的
販売しているスパイスやハーブを使ったメニューの考案を通じて、それらをお客様に興味を持って購入していただけるようにすることです。それらを行い食品メーカーの販売の仕組みを知ることも目的です。
■概要
今回のテーマである香辛料による減塩を行う際に、スパイスは物足りなくなった味を補ったり引き締めるためにも効果的であることを、料理レシピ提案を通じて広く知ってもらう活動を行いました。
■工夫したことや難しかったこと
減塩しても美味しく食べられるように昆布やきのこやトマトなどの旨味食材を使用することや調理方法、食べ方を変えるなどの工夫をしました。レシピブックとして配布されるため、見た目からも作ってみたいと思ってもらえるように彩りにも気をつけました。また、スパイスハーブを生かすと嗜好が分かれてしまうということや、山椒や唐辛子など辛味のあるものは入れる量に気をつけること、わさびなどの揮発性のものはタイミングを考えて使うということが難しかったです。
■まとめ
提案するメニューは何度もゼミ内で試作を繰り返し、ゼミ生や先生、会社の方から意見を頂きながら改善を重ねました。家庭向けのメニュー提案であるため、普段作っている料理にスパイスを加えることで手軽に減塩できる、ということを知ってもらい、作ってみたいと思ってもらえるようなメニューの提案が必要であると感じました。また、食品メーカーは商品を売るだけでなくメニュー提案をすることで他社との差別化をし、購買につなげることを学びました。発表会では普段使っているスパイスはもちろん、普段あまり使わないスパイスの新しい使い方もご紹介します。
抹茶・地ビール・さつま芋!店限定メニュー開発 / カフェ企業における新商品考案のコツと仕事の実際
【7. 商品開発 / 9. 売れる仕掛け / 11. 食材の可能性】
■目的
川越の特産物を使用し、来店されるお客様に喜んでいただける料理を開発すること、また、メニュー提案から販売の導入準備まで開発の一連の流れと商品の提供価値について学ぶことを目的としました。
■概要
CAFE COMPANY株式会社が経営する「WIRED KITCHEN川越アトレマルヒロ店」で店舗限定のメニュー開発に取り組みました。店舗には周辺に住む地域の方をはじめ観光客など多くの人が訪れます。特産物であるさつまいもに注目し、地ビールであるコエドビールとのペアリングや新たな特産物である河越抹茶を使った、地域に根ざしたメニュー開発を行いました。
■開発の手順
1、環境分析・市場調査 来店するお客様の客層やどんな商品が求められているか、また、近隣の競合店、さつまいもや抹茶を使用した料理を食べにカフェやコンビニに足を運び参考にしました。実際にビールや抹茶の工場を見学し、使用する食材についても学びました。
2、課題と理想 調査をしてわかったことからお店の課題と理想をみつけ、それに合ったターゲット・商品のコンセプトを設定しました。
3、料理考案・試作 上記に基づきゼミ内で料理の考案と試作の繰り返しと店舗での作業は可能かを検討します。その後本社でプレゼンを行い、開発の方から意見を頂きます。
4、導入・販売 商品決定後、原価計算やレシピの作成をして店舗でスタッフ全員が同じように作れるようレクチャーを行い販売開始となります。
■まとめ
家庭で簡単に作れるような料理ではなく魅力的な商品を考案することの困難さや、1つの商品が完成するまでの仕事の多さや難しさは想像以上でした。限られた期間の中で多くの作業をこなす事は簡単な仕事ではないと痛感しましたが、それ以上に販売の喜びは大きいものになりました。
ようこそ!ファンタジックな世界へ! / 外食企業におけるメニュー開発と、価値創造の関係性
【7. 商品開発 / 9. 売れる仕掛け / 10. サービスとホスピタリティ 】
株式会社ダイヤモンドダイニングが経営する、渋谷の「舞踏の国のアリス」で、アリスのアフタヌーンティーセットとハロウィン限定メニューの開発を行っています。エンターテインメントを企業理念として掲げており、お客様を心からわくわくさせたり驚きを提供するために、料理や接客で新しい価値を創造することが求められます。実際に店舗にアルバイトインターンとして実務を経験することで、店舗で作れる限界、使える調理器具、イベント時の店舗の雰囲気を学びました。
▼開発について
[プレゼンにむけて]
秋のハロウィンイベント向けに店舗の客層を考慮し、どんなものが求められているのか、わくわくするメニューとはどういったものか多くの店を市場調査しました。ゼミ内の試作では、みんなから意見をもらいながら改良させました。
[料理へのこだわり]
秋メニューの開発ということでハロウィンを意識した料理にしようと考えました。見た目の可愛らしさだけでなく毒々しさや気持ち悪さも演出し、お客様に楽しんでもらえるように工夫しました。何回も試作をし、ゼミのときに様々意見をいただくなかで完成しました。今回はパスタもハロウィンをイメージし考えました。
[商品化への道のり]
プレゼンが終わってからも実際に店舗で作れるのか、仕込みが間に合うのか考えました。販売が開始されてからも、作りやすいように仕込みを簡略化しました。ここでは、お客様の料理に対する満足度を下げずに組み立てることが必要でした。
▼まとめ
自分が考えたメニューが実際に店舗で販売されることは達成感や充実感があります。しかし、その裏には商品化に至らなかったメニューの存在、料理の味や見た目だけでなく、第一印象でお客様の心を動かすといった新しいものを創造することの大変さなど、たくさんの苦労がありました。商品の見た目や色使いでハロウィンらしさを演出し、店舗のスタッフやマネージャーなど多くの方にもお力添えいただきました。こういったコミュニケーションも開発には必要であることを学び、一つの商品を作るのに多くの時間と人の手がかかっていることを再確認しました。
人気外食チェーン企業の商品開発を経験して / ―なぜ新卒は商品開発職に就けないと言われるのか―
【7. 商品開発 / 8. メニュー提案 / 9. 売れる仕掛け】
「カフェ&バーPRONTO」を運営する株式会社プロントコーポレーションで、店舗運営と商品開発部の仕事に参加しています。
■実習概要
「将来は商品開発に関わる仕事がしたい」と考えている人は多いのではないでしょうか。しかし実習先の企業の商品開発担当者は、中途採用で入社した方や、入社から数年店舗で勤務していた方で、入社一年目から商品開発担当になれることはほとんどありません。どうして新卒の人は商品開発職に就けないのか、新卒に足りない力は何なのか、実習を通じて学びました。
■店舗作業
プロントに来店するお客様の多くは会社員。様々な来店動機があり、それぞれに合ったメニュー提案が求められます。店舗でお客様の様子を間近に見ることで、どのような商品が求められているのかがわかります。また、店舗でのオペレーションや設備など理解することで、店舗で再現可能な商品提案ができます。
■商品開発業務
商品開発担当者の業務は幅広く、食材の調達方法の検討や原価の計算、調整なども開発職の業務のひとつです。このような業務には専門的な知識が必要で、新卒の人がすぐに必要なスキルを身につけることは難しいです。
■開発会議に出席して
開発担当者は、商品の企画立案から店舗導入までの間に多くの人と関わります。商品開発を円滑に進めるためには、関わる人の誰とも上手に付き合える高いコミュニケーション能力が必要です。また、多くの人の意見を聞き、柔軟に対応する適応力も求められます。
■まとめ
商品開発業務はひらめき重視、というイメージとは違い、実際の業務は様々なデータや調査から売れる商品の要素を分析し、根拠に基づいた商品提案が求められることがわかりました。
発表では、私が実習を通して知った開発業務の実際と、商品開発担当者に求められるスキルについて紹介します。
新商品やヒット商品はこうしてできる! / 勝手に分析!コンビニ惣菜麺を大解剖!
【7. 商品開発 / 9. 売れる仕掛け / 11. 食材の可能性】
麺商品を主力とし、コンビニやスーパー向けに惣菜麺を製造している「株式会社クリタエイムデリカ」で、商品開発を行っています。
■目的■
中食企業での工場の制約条件を踏まえて商品開発を行うこと、惣菜工場の機能について学ぶことを目的としました。
■概要■
コンビニやスーパーの調理麺は、定番商品ばかりで商品に変化がなく飽きを感じている消費者が多いのではないかと考えました。そこで「季節の味覚」をテーマにし、季節の魚介を中心とした洋風料理、イベント向けのパスタの商品開発を行いました。また、コンビニ麺の定番商品の構成を分析し、作られ方を学びました。
■力を入れたこと■
コンビニなどで商品を購入する際に見た目よりも値段が高く、ギャップを感じたことがありましたが、実習を通し複雑な盛り付けや具材が多い商品ほど製造する作業が増えるため想像以上に高価格になってしまうことを学びました。また、包材の色や形が違うだけでも商品の見た目は違ってくるので、包材選びも商品を作るための重要な要素であることを知りました。そして、開発をするためには自分が作りたい商品を作るのではなく、市場調査をすることが大事で、それにも力を入れました。
■難しかったこと■
低価格な商品が人気な市場であるため複雑な商品を作ると高価格になってしまうので、価格と商品の仕上がりのバランス調整がとても難しかったです。また、商品の仕上がりと価格のギャップをどのように工夫すれば減らすことができるのかを考えることが大変でした。中食工場での制約条件が厳しい中でどのように付加価値を付けることができるのか、どのような商品を作り上げればお客様に魅力的な商品と感じてもらえるのかを考え、商品の方向性を決めることにとても苦戦しました。
■まとめ■
発表では、開発手順やコンビニなどの定番麺を私なりに分析・評価をしどのように作られたか、開発する際に工夫したことなどを紹介したいと思います。ぜひ発表を聞きに来てください!
オフィス街におけるカフェメニュー開発 / ビジネスランチ・ホリデーランチに求められる要件
【7. 商品開発 / 9. 売れる仕掛け / 22. 健康・美容】
株式会社ダイヤモンドダイニングの展開するカフェ業態「CAFE NOISE」にて商品開発を行いました。
▼目的
池袋サンシャインの中にあるカフェで、平日と休日で客層の異なるそれぞれのお客様に向けてメニュー開発を行い、それぞれに求められる要素の比較を行いました。それぞれのニーズに合ったメニューを考案すべく環境分析や試作を繰り返し、販売までの手順や準備、販売結果からの考察をまとめることを目的としています。
▼開発について
オフィス街の平日ランチは素早く手軽に食べられるものが好まれることから、ワンスプーンで食べられる丼メニューの開発を行いました。実際に店舗でどのようなものが好まれているかなど、キッチンスタッフとしてだけでなくホールスタッフとしてもお客様を観察したところ、サンシャインで働く方は女性でもボリュームを求めることがわかり、丼メニューでも価値が出せるようスパイスとハーブや発酵食品を使用する等して満足感だけでなく健康感を提供できるような工夫を考え提案しました。また、休日はエンターテイメントを理念とするダイヤモンドダイニングの店舗として、世界の料理やイベントをテーマにした旅行気分を味わえるワンプレート開発を行っています。
商業施設ならではの課題と理想の抽出を行い、設定したコンセプトをもとに提案したメニューを本社営業部や料理長の方々に試作し、頂いた意見をもとに改良をしながら原価を規定内に収めることや、メニュー表の作成、などを行いました。
▼まとめ
ひとつの商品を作り上げるのにいくつもの工程、壁にぶつかりました。実際にスタッフとして働かなければわからないことばかりで、会社の方や店舗スタッフとのコミュニケーションもメニュー開発には必須でした。曜日や時間により客層、お客様の求めていることが異なる点での開発の困難さをお話します。
磯田 厚子・駒場 千佳子ゼミ
縁日スイーツ / 新しいデザートの提案
【8. メニュー提案 / 21. 食とエピソード】
りんご飴・わたあめ・チョコバナナなど縁日では様々な屋台が並んでいる。一度は皆さんも召し上がった経験があるはず。そんな縁日のイメージが強い菓子類が、現在店舗展開しているなど密かに注目を浴びている。その姿と魅力に迫り、昨年製菓科で学んだ知識・経験を活かして、デザート考案をしていく。
《 縁日スイーツとは 》 縁日の屋台で販売されている菓子類のこと
【 実習内容 】
1.店舗展開調査(店舗訪問・インターネット調査)
屋台に比べ、SNS向けに華やかになった商品が多く販売されていた。商品そのものだけではなく、他の菓子類や料理にも活用されていた。また、店舗展開だけではなく、老舗洋菓子店や海外など幅広く取り扱われていることが分かった。しかし期間限定が多く、話題性を求め、定着化は求められていなかった。
2.アンケートによる“縁日”に対する関心・認知度
対象者:女子栄養大学「アジア料理実習・日本料理実習受講者」100名
“夏・神社”というイメージが強い縁日。年に1~3ヵ所訪れ、大学生になってから屋台での飲食が減った人がほとんど。しかし、“縁日の料理・菓子類”には関心があり、多くの回答・反応を得ることが出来た。
3.“縁日スイーツ”をイメージしたデザート考案
「家庭で楽しめるデザート」「店のデザート」の2テーマに分けて考案する。
〈フルーツ飴〉野菜を使用した飴・りんご飴風デザート
〈チョコバナナ〉チョコバナナ風デザート
〈ベビーカステラ〉ベビーカステラを使用したティラミス 等
【 まとめ 】
縁日は、世代問わず誰もがワクワクする空間♪そして同時に、1人1人様々な思い出もあるはず。そんな思い出も懐かしみながら、新しい姿の“縁日スイーツ”を楽しんでみてはいかがでしょうか。
お菓子作りの魅力を伝える / 砂糖で変わるパウンドケーキ
【11. 食材の可能性 / 16. 料理を伝えるカタチ 】
<テーマ>
私は3年次に学園内留学制度を利用し、製菓科で学びました。1年間製菓の技術や理論を学ぶ中で、お菓子作りに使う材料にはそれぞれの働きがありそれらを使い分けたり、組み合わせることによって、様々な味や食感・見た目を作り出しているということに面白さを感じました。第1回発表では「食育」をテーマとして、食材の選び方やレシピを紹介した誌面・サイト作りを行い発表しました。その後「作る楽しさを伝える」という想いはそのままに、製菓科で学んできたことをもっと活かして「お菓子作りの魅力を伝える」という内容に変更しました。
ただレシピ通りにお菓子を作るだけではなく、そこに使用する材料の働きを知ることによって、失敗した時の原因を考えて次に活かしたり、成功した時の嬉しさをもっと味わってほしいと思います。お菓子作りで多く使われる砂糖をテーマとし、様々な砂糖を使ったパウンドケーキで比較をして「お菓子作りの魅力」を多くの人に伝えていきます。
<目的>
・製菓材料としての砂糖の働きを調べること。
・砂糖の違いによる仕上がりの差を研究すること。
・お菓子作りの魅力を伝えること。
<実習内容>
○砂糖の働きを調べる
砂糖にはどのような種類があり、お菓子作りにおいてどのような働きをしているのかを文献や教科書を用いて調べる。
○仕上がりの差を研究する
様々な砂糖を用いたパウンドケーキを作り、味や食感・見た目などを比較する。
○魅力を伝える
材料によってどのような違いが出るのかをまとめ、お菓子作りの魅力を伝える。
<まとめ>
砂糖の働きや、実際に使った砂糖の特徴、比較した結果、分かったことなどをまとめて発表します。また食文化栄養学実習を通して学んだこともまとめます。
奥嶋 佐知子ゼミ
Enjoy cooking / 苦手な野菜を食べよう!わたしのおやさいずかん
【11. 食材の可能性 / 16. 料理を伝えるカタチ / 17. 料理教室を通して】
料理は作ることも食べることも楽しい!自分で作った料理はなんだか特別な味がする。みんなで食べれば幸せで楽しい気分になれる、そんな料理の素晴らしさを大学生活を通して強く感じていました。この料理の魅力をぜひ、子どもたちにも伝えたいと思ったのがきっかけで子ども料理教室の運営をテーマにしました。
みなさんは苦手な食材はありますか?味、香り、見た目、食感、経験・・・。人によって苦手だと感じる要因はさまざまです。私は苦手な食材が多く、好き嫌い無くものを食べられたら今よりもっと食事が楽しくなるのに、と感じていました。しかしこの大学に入り、料理をする機会が増えていく中で、苦手だと思っていた食材が自分で料理をすることで克服できた経験がありました。自分で作った料理に対する特別感や自分の好きな味付け、その食材について深く知ること。克服できた理由を考えた結果、料理教室を通じて子どもたちが苦手な食材を克服するきっかけづくりができるのではないかと思いました。
料理教室に通う子どもたちにアンケートを取ったところ、苦手な食材として圧倒的に野菜が多いことが分かりました。そこで献立に旬の野菜を毎月取り入れ、楽しく野菜について学べるように、その野菜を図鑑の形にまとめ、「わたしのおやさいずかん」と名付けて配ることにしました。図鑑には野菜の豆知識や栄養について、おいしい食べ方やクイズなどを載せています。図鑑を見て「今月はこの野菜を使うんだね!」「野菜を使ってお母さんと料理したよ!」など、子どもたちが野菜に興味を持ってくれたことを実感しました。
また、野菜を食べやすいように工夫した献立作りも心掛けています。料理教室や「おやさいずかん」を通して親子で料理をする機会が増えたり、苦手な野菜を少しでも克服したり、料理って楽しい!食べることが大好き!と思う子どもが増えてくれるような教室を目指し、日々活動してきました。最後には、料理教室や図鑑について子どもたちにアンケートを実施しました。旬の野菜を使った献立はどんなものなのか、もっと図鑑について知りたいと思った方、是非前回よりたくさんの図鑑や献立を紹介しますので見に来てください!
Men’s kitchen / 中高年男性が家庭で作るデザート
【16. 料理を伝えるカタチ / 17. 料理教室を通して】
男性が料理教室に参加する目的は様々です。中高年男性を対象とした料理教室を運営する中で、多くの受講者に満足してもらえる献立の提案や環境づくりに励んできました。普段あまり関わることのない年代の方に指導をするということで最初は難しさも感じましたが、積極的にコミュニケーションを取り、受講者の視点に立った料理教室を運営するよう心がけています。
私は学園内留学制度を利用し製菓科で学んだ専門的な技術と知識を活かして、男性への『デザートの提案』『調理器具の使用』をテーマに決めました。甘いものを食べたり作ったりというイメージがあまりない男性にどのようなデザートを提案すれば喜んでくれるか、家で実践してくれるか?というのが毎回の課題でした。
またお菓子作りはもちろん、料理をする上で正しく調理器具を使用することはとても重要です。そのことに着目して、上手な調理器具の使用方法を伝え、受講者が調理をスムーズに行うことを目指してきました。
● これまでの取り組み
デザートの提案には、「献立に合うデザートであること」、「家で再現しやすいこと」、「見た目や味に工夫を加えること」を意識してきました。その月のテーマや旬、他の献立とのバランスを考えるのはもちろんですが、料理教室に来たからには受講者の方にぜひ家庭でもお菓子を作ってほしい、という思いから分量や行程に工夫をしました。また、作りやすさの中にも少しだけ見た目が華やかになるようこだわったり、男性が好む味になるよう試作をしてきました。発表会では提案してきたデザートの詳細やこれまで料理教室を運営してきて全体で工夫したこと、改善したこと、そして受講生の反応の変化についても発表します。
● 提案したデザート
ブランマンジェ・ブラウニー・いちご大福・オレンジゼリー・ティラミス・ずんだ餅・キウイのヨーグルトムース・どら焼き・紅茶プリン
Enjoy cooking / 切り方マスターになろう
【13. 食育 / 16. 料理を伝えるカタチ / 17. 料理教室を通して】
料理教室を通して子ども達にもっと料理の楽しさを伝えていきたいと考え、奥嶋ゼミを選択しました。料理教室を運営するなかで、子ども達は包丁を使うことを楽しんでいると感じました。そこで、もっと包丁の使い方や切り方を知ってもらいたいと思い、「切り方マスターになろう」をテーマとして、工夫をしながら料理教室の運営を行っています。
子ども達が一人で包丁を使えるということは自信につながり、作ること、食べる事への興味が深まると思います。そこで子ども達が包丁を使用する経験を増やすために、家庭でも復習しやすいよう、毎月1種類の切り方を全員に実習してもらっていました。しかし、想像していたよりも包丁を使いこなせていた子どもも多かったため、月2~3種類に増やし、各自が必ず1種類の切り方を実習できるように計画しました。子ども達が家庭でも切り方が復習できるように、配布資料の中に切り方に関するページを作ることや、実習する切り方はレシピに色を付け、子ども達にわかりやすいような工夫を行っています。包丁に触れる機会を多く作ることで、最初は包丁の持ち方がぎこちなかった子どもも、一回体験した切り方は「これ○○切りだよね、わかるよー!」と積極的に食材を切ってくれるようになりました。実習中は「上手に切れたね!」「こうしたらもう少しきれいにきれるよ」と声掛けをすることでコミュニケーションをとりました。
学年が違う子ども同士の会話が少ないことが気になったため調理時の班分けを行うことにしました。そうすることで、今まで会話がなかった子ども達同士で会話が生まれ、協力して調理するようになりました。
第2回の発表会では、この取り組みと料理教室での子ども達の様子などについて発表します。
Men’s kitchen / 育てて食べる
【16. 料理を伝えるカタチ / 17. 料理教室を通して】
■動機・目的
私たち奥嶋ゼミでは、月に1度中高年男性を対象とした料理教室を運営しています。運営する中で「育てて食べる」をサブテーマとしたのは、料理教室で食材を余らせたことがきっかけです。お菓子やピザを作るとき「1つだけミントを飾りたい」や、「少しだけバジルを飾りたい」と思っても、料理教室では1パックでしか購入できないため、食材を使いきれず、無駄にすることがよくありました。そのような経験から、買うより育てた方が「使いたいときに使いたい分だけ調理できる」と気づき、そのことを男性の受講者にも知ってほしいと思い「育てて食べる」をサブテーマとしました。
育てた食材を料理教室で調理し、育て方も伝えながら受講者とコミュニケーションをとることで「育つ楽しみ・食べる楽しみ」の両方を感じてもらい、食を身近に感じてもらうことが目的です。
■実習内容
料理教室当日に間に合うように毎月一つの食材を私が栽培し、料理に取り入れています。栽培する食材は、旬や香り、彩り、食べ合わせ、受講者が実際に再現しやすいか、などを踏まえ計画しました。栽培の様子を受講者に伝える方法は、毎月配布するレシピブック。受講者が実際に家で育てられるよう、分かりやすさを心掛けて栽培過程を掲載しています。男性でも「簡単に栽培できる」と知ってもらい、「使いたいときに使いたい分だけ」調理に活用できる事を伝えたいと考えています。計画、試作、レシピブック作成、発注…と毎月あっという間に料理教室当日を迎えますが、愛情込めて栽培した私の思いが受講者全員に届くように、忙しい中でも栽培は丁寧に行っています。
第二回発表会では、育てた食材をどのようにして料理教室に使用したか、毎月行ってきた料理、栽培した様子などを中心に発表します。
■栽培し料理教室で使用した食材
豆苗、しそ、バジル、ミント、かいわれ大根、イタリアンパセリ、人参の葉
Enjoy cooking / ~目で食べる≒愛でる~
【11. 食材の可能性 / 13. 食育 / 17. 料理教室を通して 】
料理教室を通して、盛り付けの大切さを伝えることをテーマとして活動しています。料理で一番大切なのは、もちろんおいしさだと思いますが、おいしい料理をきれいに盛り付ければ視覚と味覚の両方で味わうことができます。きれいに盛り付けることで「残さず全部食べよう!」「苦手な野菜も食べてみよう!」と思ってもらえることを期待しています。また、ひと工夫加えた盛り付けをすると楽しく食べられるということを伝えています。
盛り付けは子供たちが家庭でも作れるように、簡単にかわいくできるものを考案しています。試作では細かい部分まで修正を入れ、試行錯誤しています。これまでに親子丼、オムライス、ゼリー、モンブランなどをアレンジしてきました。
料理は見た目が大切だといいますが、それを目で食べるともいいます。“目で食べる”→“目でる”→“愛でる!!!”多少強引ではありますが、目で食べるということは、愛でるという言葉につながっているのだと思います。愛でるという言葉には
・ 美しさを味わい感動する。
・ いつくしみ、愛する。かわいがる。
・ 感心する。ほめる。
という意味があります。かわいくきれいに盛り付けた料理を愛でて食べることでよりおいしく感じられること間違いありません。
料理教室当日に冊子を見た子供たちの「これかわいい!」「おいしそう!」と愛でている声を聞くと頑張ってよかったと思えます。実習中は「じょうず!」「すごいね!」など声をかけるようにして少しでも自信をもって調理に取り組んでもらえるように心がけてきました。
これまでのかわいく盛り付けた料理、かわいく盛り付けることによって子供たちからどういった反応が見受けられたのか、またみんなが楽しんでいる様子を発表します!
Men’s kitchen / 笑顔あふれる教室作り
【16. 料理を伝えるカタチ / 17. 料理教室を通して / 18. 食と空間・食シーン】
「きれいに焼けた!」「家族に作ったら喜ばれたよ」こんな言葉の飛び交う料理教室を目指し、ゼミ生3人で試行錯誤しながら教室の運営を行ってきました。
Men’s kitchenでは、中高年男性を対象に、料理を作る楽しさを伝え、美味しいを共有する空間作りを目的とし、月に1回、池袋で料理教室を運営しています。
受講者の方は長年通っている方から初心者の方まで様々。調理の技術や知識に幅があり、皆さんに料理の楽しさや知識がきちんと伝えられているのか不安に感じることもありました。調理技術を高めたいと考えている方、基礎から学びたい方や会話を楽しみたい方など、料理教室に求めるものは違います。皆さんに楽しんでもらいたい!もっと受講者の笑顔がみたい!そんな思いが強くなり、「笑顔あふれる教室作り」をテーマに決定しました。
◆3つの取り組み◆
笑顔あふれる教室にするために3つの事に取り組みました。
「快適な調理環境」
料理教室をスムーズに進行させるためには、調理環境を整えることがとても大切です。中高年の方が料理をしやすいように、会場の設備を想定して計画、準備、レシピブックの改善などを行いました。
「新しい体験」
普段家庭では作らない料理や調理作業を1部に取り入れることで、料理を楽しんでもらいたいと考えました。長年通っている方も新たな発見があるように、献立に様々な体験ができるレシピを取り入れました。
「旬の食材」
旬の食材を使用することで毎月様々な食材に触れてもらいます。初心者の方にも、料理のレパートリーを増やしてもらいたいと考え、毎月献立に旬の食材を取り入れ食材について興味が持てるよう取り組みました。
第2回発表会では、料理教室を運営するなかで工夫してきた、3つの取り組みについて発表したいと思います。
Enjoy cooking / ~料理で世界旅行~
【2. 世界の食 / 17. 料理教室を通して】
■動機・目的
私は世界の地理や料理の歴史について学ぶことが好きで勉強を続けてきました。今度は子供を対象とした料理教室を通して世界について教えたいと考え、テーマを~料理で世界旅行~としました。また、これまで料理教室を行いながら自分のテーマだけではなく、子供達が協力し、楽しく料理ができるように試行錯誤を重ねながら料理教室の運営をしてきました。
■実習内容
料理教室では、実習する料理に関連のある国を毎月2カ国以上紹介しています。イラストや漫画を入れて世界を紹介することで、楽しく、気軽に読めるように工夫しました。料理教室に通う子供達には全員に1枚ずつ世界地図を渡し、紹介した国と地図を照らし合わせながら国の場所を子供達と一緒に探します。学んだことの証として子供達の地図に好きなシールを貼ってもらいます。国の紹介だけではなく、地図を利用することで日本と比較したり、世界の広さや国について知ってもらうために実施してきました。さらに世界地図をもう1枚用意し、『世界のお菓子』や『野菜の原産国』についての紹介を、目で見てすぐに分かる形にしています。世界から多くの料理や食べ物が日本に入ってきたことを知ってもらい、日本と世界との繋がりの深さを感じてもらおうと考えました。
子供に限らず、大人でも世界地図を見ることは日常では多くないと思いますが、この料理教室で世界地図を見るきっかけをつくり、少しでも世界について興味を持ってもらい、子供達の生活の視野が広がること、家族との会話のきっかけとなることを目指しました。
笑顔で楽しい料理教室を目指して4月から11月の期間で自分のテーマを元に世界について子供達に伝えてきました。子供達に出した宿題への反応、最後の料理教室で行った世界についての確認問題の紹介、料理教室を通して子供達に教えたこと、反対に私が学んだことなどを発表したいと思います。
高城 孝助ゼミ
TSUKEMONO / ―食卓の脇役―
【1. 日本の食 / 2. 世界の食 / 11. 食材の可能性 】
皆さんの食卓に漬物は並んでいますか?和食の絶滅危惧種になり得る漬物。食卓の三種の神器と言われ、その歴史は紀元前3世紀中頃と推定されています。なぜ日本の食卓にぬか漬けが広く浸透したのか、食卓の脇役としてぬか漬けは私達に何をもたらしているのか、ぬか漬けを切り口に日本の多くの漬物の歴史、定義、役割などについて追求します。世界の漬物にも触れながら、何気なく食卓に並んでいた名脇役「漬物」の魅力を伝えつつ、古き良き漬物が世界に誇れる日本の食文化であることを発信していきます。
●わたしのぬか床
ぬか漬けの魅力に気づき、去年の夏自分のぬか床を作りはじめてからぬか床第1号は失敗に終わってしまいました。そして現在のぬか床第2号を作りはじめて、8ヶ月が経ち、今ではおいしいぬか漬けが漬かるまで成長しました。だんだんと味が変わっていく様子や気温や湿度で変わる味、毎日毎日かき混ぜてあげて、すべすべになった左手。今までは何気なく食卓にちょこんと並んでいたぬか漬けを自分の手で育てていくと、食べるだけではない楽しさが湧いてきます。そんな私のぬか床、通称「とっちゃん」を紹介致します。
●漬物の可能性
皆さんは漬物にどのようなイメージをお持ちでしょうか。そのイメージは人によるとは思いますが、おそらく多くの人は「嫌いではない」というはっきりとしたイメージが無いように感じます。日本にはぬか漬けをはじめとし、とてもたくさんの種類の漬物があります。これほど多くの漬物に共通しているのは、どの漬物も食卓に、それも端っこの方にひっそりと花を添えてくれる脇役であるということです。そんな漬物が主役級料理にならないか、またこれまでのお決まりの食べ方ではなく、漬物を存分に堪能できる食べ方はないのか、世界の漬物と日本の漬物の違いに触れながら、その可能性を探求していきます。
いろいろな食品の組み合わせ / ~食を通じてみんなを笑顔に~
【7. 商品開発 / 8. メニュー提案 / 11. 食材の可能性 】
私は一人暮らしをしています。料理を作るのも好き!食べるのはもっと好き!でも一人暮らしだと食べる時も一人で寂しい…。自分ひとりのために作るもの面倒…。レパートリーがなく毎日悩むのが日常。と言った経験はありませんか?ある日のこと、冷蔵庫を開けてみると何もなく、あるのはご飯とあんこでした。そこで、ご飯にあんこをかけて食べてみましたが、とてもおいしかったです。他にも主食のおいしい食べ方があるのではないかと思い、主食との主・副菜・調味料とのコラボメニューを研究していき、予想をしなかったような食の組み合わせを編み出し皆さんに食の無限の可能性を伝えたいと思います。
●研究動機●
私は食べることが大好きです。また、最近テレビやコンビニ、スーパー等といったところで面白い商品を良く目にします。私自身商品開発にとても興味があり自分で何か開発してみたいなと思ったことと、そして何よりも、一人暮らしをしているのでレパートリーが無く同じ料理、味に飽きてしまったのがきっかけです。
●コンビ食とは・・・●
「コンビ食」という普通名詞は存在しません。私は、「ある食べ物と別な食べ物を組み合わせて(コンビネーション)生まれた新しい食べ物」のことを「コンビ食」と名付けました。こうした観点から観察すると、私たちの食生活には、コンビ食が多数存在し、根付いていることが分かります。私はこの研究を通して、食の可能性を広げ、食文化の発展を目指したいと思います。そして、たくさんの人たちに食の楽しさを伝えていきたいと思います。
●今回の発表●
今回の発表では、コンビ食とはどのようなものか(私の考える定義)、普段私たちが手にしているものも実はコンビ食であったことを明かし、コンビ食の組み合わせなどを紹介させていただきます。
そして、私自身が実際に試作した手軽で簡単にできるコンビ食の作り方を紹介したいと思います。皆さんに「コンビ食って面白い」「食べるって楽しい」と思ってていただけるような発表にしたいと思います。
チーズをもっと楽しむ
【8. メニュー提案 / 11. 食材の可能性 】
■研究動機
私は幼い頃からチーズが好きでよく食べていたのですが、成人を迎え、お酒が飲めるようになってから、おつまみとしてさらにチーズを食べるようになりました。私にとってチーズはとても身近な食べ物だったのですが、大学で講義を受けた際に、日本は世界的に見てチーズの消費量が少ないということを知りとても驚きました。そしてそれと同時に、もっとチーズを身近なものにしたいと思うようになりました。また、チーズについて調べてみると本当にたくさんの種類があり、見た目や味、香りもさまざまで、どんどんチーズの世界に魅了されていき、チーズの良さをもっと伝えたいと思い、研究を始めました。
■チーズについて
チーズは今から約6000年前に生まれ、世界中に伝わりました。
チーズはミルクを10分の1に凝縮したもので、完全栄養食といわれています。また、カルシウムの吸収率が高く、効率よくカルシウムを摂取できるので、育ち盛りの子供や骨粗しょう症の予防に最適です。製造工程で乳糖が除かれるので乳糖不耐症の方でも気にせず食べられます。
チーズにはナチュラルチーズとプロセスチーズがあり、ナチュラルチーズは牛や山羊などの乳に乳酸菌や凝乳酵素を加えて凝固させ、乳清の一部を取り除き乳酸菌やカビなどの微生物で発酵・熟成させたもので、プロセスチーズは一種類あるいは二種類のナチュラルチーズを合わせ、加熱して溶かし、そこに乳化剤を加えたものです。また、ナチュラルチーズはフレッシュタイプやウォッシュタイプなどの7つのタイプに分けられます。
■発表内容
チーズをもっと楽しめるような、チーズと相性の良い食材やレシピの提案をします。今回の発表を機に少しでもチーズに興味を持ってもらえたらなと思います。
食品サンプルの魅力
【4. 情報発信と表現 / 9. 売れる仕掛け / 16. 料理を伝えるカタチ 】
◆研究動機◆
外食店の店頭のショーケースを飾る食品サンプルは従来、業務用として販売されていましたが、最近は、一般消費者でも簡単に手に入り、様々な用途で使われています。また、海外からの観光客のお土産としても人気が高まっています。私は、こうした食品サンプルに関心を抱き、食品サンプルの歴史、作り方を調べ、また、街の飲食店ではどの程度食品サンプルが使用されているかを調査したいと考えました。そして、最終的には、食品サンプルの魅力を多くの人に伝え、さらに、食に興味・関心を持っていない人たちにも食品サンプルを通して、食に興味・関心を持って貰えるようにしていきたいと思います。
◆食品サンプルとは◆
食品サンプルとは、レストランなどの飲食店が自店で提供する商品の内容を見本として展示するプラスチックやゲル、蝋などで作られた本物そっくりの食品模型のことです。店の前を通行する人が、食品サンプルを見て、「美味しそう」「ボリュームがある」などと期待度を抱けば、実際に店を利用してもらえる可能性が高まります。こうした意味から、食品サンプルは販売促進の重要なツールといえます。
◆今回の発表◆
今回の発表では、まず、食品サンプルについての歴史、市場規模の推移、主要参入企業、食品サンプルが持つ効果・役割など、インターネットや文献で調べたことを紹介します。また、フィールドワークでは、食品サンプル店が多数ある東京の合羽橋商店街を訪問し、どのような食品サンプルが販売されているのかを調査しました。また、街中の飲食店で食品サンプルを使用している店がどの程度あるのかを観察調査しました。こうした調査結果をまとめて紹介します。
また、最近では、食品サンプルを自分で作る人も増えているようですので、食品サンプルの作り方にも触れました。私の発表を通して、多くの方に食品サンプルに興味を持って頂ければ幸いです。
子どもの野菜の好き嫌い
【8. メニュー提案 / 11. 食材の可能性 / 13. 食育】
▼研究動機・目的
私は普段から多くの子どもたちと接する機会があります。その中で気になったのが、子どもの野菜の好き嫌いです。見た目や味、食感やにおいなど、様々な理由がありました。近年、子どもたちの野菜の好き嫌いは増加していて、野菜の摂取量はどんどん減少していっています。例えば夕飯に嫌いな野菜が出てきたとき、子どもたちはどんな気持ちなのでしょうか?大好物なものも一緒にあったとしても、食事への楽しさやワクワクが減ってしまうのではないか?と考えました。嫌いな野菜がなくなって、野菜をたくさん食べ、より食が楽しく、好きになってくれるように研究を進めていこうと思います。
▼現状
子どもたちの嫌いな野菜としては、にんじん、ピーマン、玉ねぎ、なす、長ねぎなどが挙げられます。子どもたちは見た目が緑のものや、においが強いものは、まだ未成熟である、腐敗していると体が勝手に判断してしまうことがあるようです。
野菜の摂取量は子どもだけでなく、幅広い年代で減少していっており、中でも子どもたちの親の世代の摂取量も減少しています。このことから、子どもたちが野菜を食べる機会も減っているのではないかと考えました。
▼今回の発表会では
今回の発表では、先ず、野菜の好き嫌いの現状や原因について調べた結果を発表します。その調査結果を踏まえ、子どもたちの嫌いな野菜として代表的なものの栄養について調べ、その嫌いな野菜の代用となる野菜を考えました。また、「トマトごはん」や「からあげの玉ねぎソース」などのメニューを提案します。嫌いな野菜が入っていても、つい食べてみたくなるようなメニューを提案したいと思います。忙しいお母さんでも簡単に作ることができるという点も重視しながら、子どもたちに人気なメニューと嫌いとされる野菜をかけ合わせたり、野菜をデザートにしたりしてみたものも提案します!
スポーツ×食 / ~ちょっとしたプラスのこと~
【8. メニュー提案 / 18. 食と空間・食シーン / 23. 人間・生活・環境】
●研究動機・目的
スポーツと食の関係に関する研究が進み、近年、プロやセミプロのスポーツ界ではスポーツ栄養学が導入されています。プロやセミプロに限らず、スポーツを行う上で食の役割は大変重要です。私は、小さい頃からスポーツに親しんできましたが、高校時代、陸上競技部に所属した時には、毎日の食事管理に気を付けるようになりました。スポーツの種類・目的に合わせて、食事を選ぶことが重要です。自分の体験を通して、スポーツをする多くの人たちに食の大切さと、食事の選択法を伝えていきたいと思い、「スポーツ×食」というテーマに取り組みました。
●スポーツ時に生かしたい8つの栄養素
カラダは食べ物によってつくられます。そして、食べ物に含まれる栄養素の種類や量などによってカラダは良くも悪くも変化していきます。肉や魚、野菜、果物などの食べ物には、様々な栄養素が含まれていますが、特に、「3大栄養素」といわれる糖質、脂質、たんぱく質は、カラダのエネルギー源となります。これ以外にビタミン、ミネラルの2つの栄養素を加えた、糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルの5つの栄養素を「5大栄養素」といいますが、スポーツの場合、これに食物繊維、水、機能性成分の3つを加えて栄養を考えていきます。
(※糖質と食物繊維を合わせたもの=「炭水化物」です。)
●発表内容
今回の発表では、まず、スポーツの種類・期別、カラダの仕組み、食事と栄養の基礎、スポーツと食に関する資格、スポーツと食をコンセプトにしたレストランの紹介などについて、「スポーツと食」の基礎的な話をしたいと思います。そして、基礎的な知識を踏まえた上でメニュー作成、エネルギー表示(各食品の重量)、栄養素の摂取の仕方、実際に自分で作った献立の紹介をしていきたいと思います。スポーツの種目を設定し、対象者(性別・年齢・身長・体重・期別)を想定し、それぞれの朝食・昼食・夕食のメニューの立案とカロリー計算をしました。また、特徴やメニュー作成のポイントなどについても触れていきます。この発表を通して、スポーツをしている人や興味のある人が、スポーツと食の関係の大切さを理解いただければ幸いです。
お酒に合うおつまみのレシピ考案
【1. 日本の食 / 8. メニュー提案】
長年居酒屋でアルバイトをしていると様々なお酒、おつまみについて気づく点があります。私はその中でもお酒とおつまみの組み合わせに注目しました。例えばビールには枝豆や焼き鳥。日本酒にはお刺身。ワインにはチーズなど、このお酒にはこのおつまみが合うといった定番の組み合わせが存在し、それは誰もが間違いない組み合わせというほど定着しています。この定番のおつまみの他にも意外と合う組み合わせがあるのではないか。という思いが生まれました。
また、現在、若者のビール、日本酒離れが多くなっています。会社の飲み会でも乾杯時ほとんどの人がビールを持っている中、数人他の飲み物を手にしている人がいます。もちろん好みはあるが、まずはビールと言いたくなるくらいビール好きが増えないだろうか。日本が作り上げ、地域によって様々な地酒がある日本酒。地域の名産品なのに飲む人が減っているのは勿体ない。そこで、ビールや日本酒がついつい飲みたくなるようなおつまみを作ることはできないだろうかと考えました。そしてハイボールのように若者のなかでビールや日本酒が流行ってほしいと願い、取り組んできました。
●外飲み?家飲み?どっちが多いのか
居酒屋などの外食店でお酒を楽しむ場合と家の中で楽しむ場合があります。
鳥貴族、塚田農場など一部居酒屋チェーン店でも業績を伸ばしている店舗もありますが、昔に比べると家で飲むという人が増えてきています。外で飲むより家で飲んだ方がコスト的にも大幅に抑えることができます。そこで、居酒屋で味わえる手の凝ったものではなく、コンビニやスーパーなどで販売されているスナック菓子を取り入れる。仕込みが必要ない。など家でも手軽に作れるおつまみを提案します。
インスタントコーヒーを使ってお菓子作り
【8. メニュー提案】
◆研究動機
私は、コーヒーが好きで毎日のようにインスタントコーヒーを飲みます。インスタントコーヒーを飲み始めたのは、幼稚園の頃です。私は幼稚園の頃からお菓子作りをしており、お菓子作りも大好きで、現在でも頻繁にお菓子作りをしています。ゼミに入って、どのような研究テーマにしようかと思ったとき、浮かんだのが、私が好きなインスタントコーヒーとお菓子を組み合わせて何かできないかということでした。インスタントコーヒーはコーヒーとして飲むこと以外には使用しない人が多いと思いますが、私はインスタントコーヒーを材料に使ってお菓子作りをしたいと考えました。
◇コーヒーについて
文字によるコーヒーの記録は、900年頃アラビア人の医師ラーゼスによるものが最初だと言われています。彼は、コーヒーの薬理効果を認めていて、実際に、野生のコーヒーの種子の黄褐色の煮出し汁を患者に飲ませていたそうです。彼の著した文献には、「コーヒーには消化や強心、利尿の効果がある」という詳細な臨床結果が残されています。このように、コーヒーが発祥した頃は、発酵させて酒として飲まれたり、煮出して薬として用いられていました。飲み物として利用され始めたのは15世紀、日本に伝えられたのは1700年ごろのことだといわれています。コーヒーには様々な薬効成分が含まれており、動脈硬化、肝がん子宮がん、血栓予防など様々な効能があるともいわれています。
◆今回の発表
コーヒーが好きな私ですが、正直、コーヒーに関する知識は乏しかったため、まず、コーヒーの歴史、インスタントコーヒーの歴史・製法、日本におけるコーヒーの飲用状況、コーヒーの成分、コーヒーの淹れ方(ペーパードリップ式)などについて多くの専門書を読んだり、数多くのカフェ行き、そこで提供されているさまざまなコーヒー飲料を飲み比べることから始めました。そして、インスタントコーヒーを使ったお菓子の試作を繰り返しました。本日は、皆さんが自宅で簡単にできるインスタントコーヒーを利用したお菓子のレシピも紹介していきたいと思います。
美味しく予防医学~薬膳~ / 漢方の智慧を学び健康を保つ
【8. メニュー提案 / 22. 健康・美容】
ちょっと特殊なもので、気軽に試せないと思われがちな漢方。広義の漢方は、鍼灸やあんま・指圧、気功や薬膳なども含まれる。そう考えると、漢方を体験したことがある人もいるだろう。漢方の根底にあるのは、【生命力=自然治癒力】を高めることで、【養生】につながっている。養生とは、生命を養うこと。養生の実践は、日々自分の心と体によいことを積み重ねていくこと。大切なのは自然と調和し、自然に生きることだ。ふだんの生活の中でできる治療法があるのも、漢方のすばらしいところである。病院や薬に頼りっぱなしではなく、自分の体や心を自分でケアできるなら、こんなにも心強いものはない。
そして、特別な食材を使うのが薬膳ではない。身の回りに存在し、日々我々が口にしている食材が、薬膳の素材なのだ。健康を維持するために、いつどのようなものを、どのように食べるかを正しく知ることが、薬膳を知ることといえる。
漢方・薬膳の知識を持っているだけでなく、暮らしの中で生かしてこそ我々の健康に役立ってくれる。季節・未病の状態・年齢や性別に合わせた養生を意識して、真の健康を獲得することが、我々人間の一生の目標である。
―――未病を治すには、毎日の薬膳
あなたは健康ですか?
気分が明るい(きちんとあいさつができて、よく笑う)。
正常な体重、体温。良好な生理現象(よく眠れる、お腹がすく)など。
赤ちゃんのころは、あんなに気にしてもらっていたのに、
今のあなたはどうでしょう。大事なことは、からだの声を聞くことです。
食べ物で人は変わります。
いつものレシピに、旬の食材を加えてみたり、
その日の体調を考えて、食材の組み合わせを考えてみたり。
食べ物がもつ効能を調べながら、
からだが内側から元気になるイメージを膨らませること。
それが薬膳なのです。
『薬膳・漢方の食材帳』薬日本堂・監修 2010年9月7日
スパイス暮らし / ~毎日の食卓にスパイスを~
【8. メニュー提案 / 11. 食材の可能性 / 22. 健康・美容】
●研究動機
スパイスに対してどんな印象を持っていますか?スパイスは種類が多く、同じスパイスを使っても分量の違いや調理のタイミングを変えることで料理の幅は無限に広がります。スパイスには香りによる食欲増進効果だけでなく、脂肪燃焼や新陳代謝UPなどの体を内から綺麗にする女性に嬉しい効能が期待できます。ただし、その効果を得るためには1回ではなく継続して取り入れることが大切です。
しかし、元々スパイスは防腐のために使われていたこともあり、新鮮な食材が手に入りやすい日本では馴染みの薄い調味料でした。そういったことからスパイス料理を難しく感じる人が多いのは、馴染みがない事が1番の理由だと考えました。それなら普段食べる家庭料理に取り入れやすいメニューとして提案することで、料理の幅も広がりスパイスの様々な効果を得られるきっかけになるのではないかと思い研究テーマに設定しました。
●スパイスとは
スパイスは、「芳香性植物の一部で、料理、園芸、クラフトなど、人間の生活の中に何らかの分野で有益な役割を果たすものであり、スパイスとハーブに分類される。植物の根や茎、樹の皮、果実、種子類をスパイスとする」と定義されています。
●発表内容
スパイスの3つの働き、一つ一つのスパイスがもつ特徴・効能や相性の良い食材など基本的な知識を分かりやすくお伝えします。スパイス料理は世界中にあり、歴史や習慣によって様々に発展していますが、国の違いによる目的や使われ方の変化を料理と共に紹介します。実際に訪れた店舗や試作の感想などから学んだことも踏まえて、本日の発表では「手軽に美味しく楽しい」をキーワードにシーンに合わせたメニューを提案していきます。発表を聴いて下さった皆さんがスパイスに興味を持ち、スパイスを毎日の食卓を豊かにするために取り入れていただければ幸いです
兵庫の郷土料理 / ~兵庫の郷土料理をもっとおいしく食べよう~
【3. 食文化史 / 8. メニュー提案 / 23. 人間・生活・環境】
・概要
兵庫県は、日本海側と太平洋側にまたがり広い面積をもちます。その地域の気候を含む風土とその地域でとれる農水産物やその加工品、郷土料理は、どの地域、どの国においても密接な関係があり、それがその地域の食文化の形成の大きな要因になっています。北部は日本海岸気候で冬の寒さが厳しく、南部は瀬戸内気候で年間を通じて温暖で、その中間に東西に広がる地域は、日較差・年較差が大きい内陸性気候の3つの地域に大きく分かれています。そして、それぞれの独自のすばらしい地域文化があります。兵庫県は古代律令制国家のもと、旧国制の淡路、但馬、丹波、播磨、摂津の5つの国からなっていました。今回、この五つの地域に分類し、郷土料理を地域の特徴や歴史と一緒に見ていこうと思います。
・動機と目的
私は、父の転勤の関係で播州赤穂、明石市、神戸市、淡路島の洲本など、兵庫県のいろんな地域に接してきました。そこで各地の山海などの自然の豊かさ、地域ごとに有名なおいしい食べ物に気づき、自分が住んでいる兵庫県に興味がわくようになりました。今回、地域の特徴や歴史と一緒に郷土料理のことを知ってもらいたい。そして、日常の食事としても取り入られるように、郷土料理を栄養面を考慮したオリジナルのメニューを考えていきたいと思います。
・研究内容
兵庫県を五つの地域に分類し、郷土料理だけでなく、地域の特徴と歴史も知ってもらいたいと思い、それらを文献やインターネットなどで調べました。今回は、現地の調査結果を含み、幅広い世代の方々や地域を超えた方々に、「作りたい」や「伝えていきたい」と思ってもらえるような郷土料理のお菓子や料理を提案します。より健康的に日常の食事として取り入れられるよう、郷土料理を基盤としつつ栄養面を考慮したオリジナルのレシピを作成していきたいと思います。
コンビニの動向と展開
【6. お店をつくる / 9. 売れる仕掛け / 23. 人間・生活・環境】
皆さんは、どのようなときにコンビニに行き、どのような目的でコンビニを利用しますか…? 今や全国に5万店舗以上が存在し、どこの街でも必ず見かけるコンビニエンスストア、通称コンビニ。そんな現代社会の生活に欠かすことのできないコンビニは、今や、中食といわれる、おにぎりやお弁当などの食料品の小売店としての販売機能だけではなく、宅配便の取り扱い、コピー機等の事務機能、公共料金等の支払い業務、自賠責保険の取り扱い、ATM機能、コンサート等のチケットの発行サービス、公的証明書発行サービス等を行うなど、数多くの機能を揃えた多機能型小売店として、私たちの生活をより便利にしてくれています。
最近では、薬局を併設している複合的な店舗や、各社オリジナルのコーヒーやドーナツを販売し、併設されたイートインスペースで買ってその場で食べられる外食店舗の機能を備えたカフェのようなコンビニも多く見受けられるようになりました。コンビニは食料品以外にも日用品や本、メイクやスキンケア商品、肌着等も販売しており、コンビニ一つあれば、生活の日用品の多くが揃ってしまいます。今や、コンビニなしでは生活できないという若者も多いといわれています。最近では、若者以外の中高年客も増えているようです。
この研究では、高度経済成長期から衰退することなく売上を伸ばし続けているコンビニが、日本や世界でどのような発展を遂げてきたのか、どのように時代と社会の変化にいち早く気づき、その変化の中で生活する人々のニーズに応えてきたのかをコンビニの歴史、社会背景、動向などから読み解き、コンビニは私たちの生活とどのような関係にあるのかを考察しました。そして、これからも衰退することなく、時代の変化を予測し多くの人々のニーズに応え、さらに進化を続けるであろう「コンビニの未来」をコンビニや社会の動向等から予想し、より良く便利な「コンビニの在り方」を提案します。
きまぐれに、のめりこむ、食 / ーFood Faddismー
【4. 情報発信と表現 / 9. 売れる仕掛け / 12. 食の問題 】
「痩せる痩せるってそんなんばっかやないか〜〜〜〜〜い。あ、でもインスタ映えするわタベヨ。」
特定の食べ物が、性格、行動、能力を決定するのに重要であるという考えは、160年以上も前に端的に言い表されていました。栄養と健康への関心が高まる現代において、みなさんは何を基準に食べ物を選んでいますか。あなたが本当に食べたいものは、いったいなんですか。
○「Food Faddism」○
フードファディズムを、初めて耳する方も多いのではないでしょうか。フードは食、ファッドは「気まぐれな熱狂、一時的流行、のめりこみ」を意味し、つまるところフードファディズムとは、「栄養が健康や病気へ与える影響を過大に信じること」と定義されています。この考えは、1998年ごろ初めて日本に紹介されました。
○ 3 types 4 causes ○
フードファディズムは、3つのタイプに分けられると考えられます。「爆発的な流行」「量の無視」「期待や不安の扇動」発表ではこれら、3タイプについてそれぞれ事例とともに詳しく紹介していきます。また、なぜ現代の日本にフードファディズムが蔓延ることになったのか、その原因を4つにまとめました。それぞれが、みなさんが普段生活していく上で実感していることだと思います。ぜひ、発表を聞きながら思い当たる節を探してみてください。
○ Media literacy ○
facebook、twitter、Instagram…私たちはSNSを使いこなしているように思えて実は情報の波に溺れています。「なんでも調べれば簡単に出てくる世の中」は「真に必要なものが紛れ込んで分からない世の中」なのです。「情報を鵜呑みにしない」そんなことは、何度も聞いてきて、意識しているはず…。それでも、流行がうまれ虚偽が発覚する事件は減りません。フードファディズムに陥らない為に、みなさんに対策法を知っていただきたいです。
女の子による女の子のためのベーグル。
【8. メニュー提案 / 11. 食材の可能性 / 18. 食と空間・食シーン】
動機
皆さんは、パンが好きですか?私は大好きです。パンの中でも、特にベーグルに魅力を感じています。ですが、パンが好きな方でも、ベーグルは“硬い”“淡白な味”といったイメージが多く、パン屋でベーグルを手に取る人は少ないように見受けられます。
初めは、ただ単に好きだからという単純な理由でベーグルについて研究を進めてきました。しかし、約一年間、ベーグル専門店を訪れ様々なベーグルを食べ、輪っか状のもの、穴が開いてないもの、ねじれているもの、お店によって形は様々でした。使用する粉や、発酵時間、組み合わせる食材も様々でベーグルのバリエーションは無限大であることを知りました。
見た目だけでなく食べ方を楽しむことが出来、なおかつヘルシーであるベーグルの魅力を改めて目で舌で感じ、より多くの人々にその魅力を伝えたいと思い、今回“女の子による女の子のためのベーグル”というテーマにしました。
目的
より多くのベーグル専門店を訪れ、どのような種類の粉を使用しているのか?どんな食材を組み合わせているのか?お店によって違う点はどんなところなのか、を知ることです。また、実際に自分自身で考案したベーグルの試作を行い、レシピを配布し、実際に同じ味のベーグルを多くの方に共有してもらうことです。そして、多くの方に発表を聞いていただき、ベーグルの魅力を伝えることが、研究を通しての最終的な目的です。
まとめ
一年間“ベーグル”という一つの食材を研究し、歴史や発祥の地や日本へは、どのようにして伝わってきたのか。普段食べているだけでは考えないことも深く知ることが出来ました。また、以前よりもさらにベーグルに対する気持ちが強くなりました。私の発表を通して、みなさんにとって、ベーグルが少しでも身近な存在になってもらえたらうれしいです。
高島 美和ゼミ
お手軽おつまみフレンチ / 大切な人に作ってあげたくなるレシピ
【2. 世界の食 / 8. メニュー提案】
あなたにとってのフランス料理とはどのようなものでしょうか。この研究を始める前の私は、高級で手の届かないもの、ハレの日の料理と答えていたと思います。その理由は、結婚披露宴などで出されるフルコースの料理を思い浮かべていたからです。実際にフランス料理店というのはそのような料理もあります。しかし、フランス人は毎日そのようなものを食べているのでしょうか?もしそうだとしたら、日本でいう懐石料理を毎日食べているということになります。この点に疑問を感じ、フランス人の日常食としてフランス料理を調べ始めました。
そして、実際には素朴でシンプルなものも多くあり、伝統的な料理も数多くあることがわかりました。研究前の私と同じイメージを持っている人に、これらのフルコースのような料理とは異なった素朴な料理を通して、フランス料理を身近に感じてほしいと考え、このテーマにしました。
普段の生活のちょっとしたハレの日に、自分の思う大切な人に向けて、あるいは複数人で楽しめるものとして、作り方と食べやすさの両面で「手軽さ」というキーワードから、おつまみの形式でフランス料理を提案します。また、季節ごとに料理を提案し、季節の節目でフランスを感じてもらいたいと考えています。
フランスの地域についてインターネット及び書籍で、その地方の気候や、料理について調べました。そして、フランス全土の気候や地方の特色などについてまとめた上で、素朴な料理が多く、地域色の強い南フランスを取り上げました。さらに、その地方の料理の試作を行いました。試作をするにあたり、手順の簡略化や調理時間、材料などを考慮してレシピを選びました。まずは、そのレシピ通りに試作を行いました。そして、レシピの問題点を抽出し、改善案を考え、再び試作に取り組みました。
秋のレシピとして塩だらのブランダード、冬のレシピとしてピペラード、春のレシピとしてバルバジュアンを提案します。さらに、前回発表した、夏野菜のファルシを夏のレシピとして加え、これらの4つのレシピを一つの冊子にまとめます。
世界珈琲紀行
【2. 世界の食 / 18. 食と空間・食シーン / 23. 人間・生活・環境】
▼きっかけ
私は、カフェが好きです。時間のある時にはよくカフェに行きます。友人と会う時、どこに行こうか悩むときにもよくカフェを利用しています。都内にはたくさんの「オシャレ」なカフェがあります。その中でも最近は「サードウェーブコーヒー」と呼ばれるコーヒーのブームが注目されていることから、コーヒー一杯ごとの味を深く追求しているカフェが増えてきたように思います。
しかし、カフェにはよく行くけれど、コーヒーについて知らないことがたくさんありました。例えば、カフェオレとカフェラテの違い。深煎りと浅煎りのコーヒーはどう違うのか。私以外にも、実はよく分かっていない、という方がいるのではないでしょうか?普段気にしていなかったけれど、改めて考えると知らないことがたくさんあり、コーヒーについて調べてみようと思いました。
▼実習内容
1.コーヒーについて
そもそもコーヒーとはどういうものなのか。産地はどこで、どのくらい消費されているのかなど、コーヒーの基本的な情報について本やネットを使って調査しました。コーヒーと言えばブラジルを想像します。実際に生産量の1位はブラジルです。しかし、国民の一人当たりの消費量で見てみるとフィンランドなどの北欧諸国が上位ということが分かります。
コーヒーは世界中で飲まれているため、各国で飲み方にも違いがあるのではないかと思いました。アメリカ・イタリア・北欧諸国など16か国のコーヒー文化について特徴的なものはないか、調べました。
2.カフェ調査
都内のカフェを調査し、さまざまな国のコーヒーが飲めるお店を探して、実際に足を運びました。ネットの口コミや、カフェ本だけではわからないことも多く、実際に行くことで知ることもたくさんあります。
3.冊子作成
これまで調べてきたことを冊子にまとめます。掲載内容は、カフェラテ、カプチーノなどのメニューの解説と、私がおすすめするカフェの紹介を予定しています。
知っておいしいフランス伝統菓子
【2. 世界の食 / 4. 情報発信と表現 / 21. 食とエピソード 】
パティスリーでのアルバイトがきっかけでフランス伝統菓子であるクイニーアマンに出会いました。食べてみると、口いっぱいにバターの風味と砂糖の甘さが広がり、あまりのおいしさに感動しました。そしてクイニーアマンの他にもたくさんの伝統菓子があることがわかりもっと知りたいと思い、“フランス伝統菓子”を研究テーマにしました。
前回の発表ではガレットブルトンヌ・クイニーアマン・ダックワーズ・マドレーヌを取り上げました。これらのお菓子は、特産物が使われたものや作られた町の名前がついたもの、その場しのぎで偶然作られたものなど様々な特徴やきっかけがありました。また身近なコンビニやスーパーを始め、デパートやパティスリー、専門店など様々な場所で、手軽にフランス伝統菓子が手に入ることもわかりました。
現在は東上線沿線と池袋駅周辺のパティスリーを調査対象とし、フランス伝統菓子の種類や特徴、他店との比較などをして研究を進めています。友人との話からパティスリーにわざわざ行かないという話を多く聞きました。私自身もアルバイトをするまでは行ったことがなかったし、バースデーケーキを買いに行くところという認識がありました。しかしパティスリーにはケーキだけではなく、焼き菓子やパンなど様々なフランス菓子も販売されているのです。また、コンビニやスーパー、デパ地下などにあるチェーン店とは違い、店がある場所にわざわざ行かなければ買えないという価値感やパティスリーならではの独特な雰囲気も感じてもらいたいと思っています。さらにほとんどの店が店舗の中に厨房があり、作り手が見えるのでパティシエのお菓子に対する思いがダイレクトに感じられるはずです。パティスリーに行く楽しさを知ってもらうことで、フランス伝統菓子をはじめ今まで知らなかったお菓子に出会えるきっかけに繋がるのではないかと考えました。
19世紀のイギリス小説における「食」
【3. 食文化史 / 21. 食とエピソード 】
19世紀のイギリスは産業革命により安価な印刷物が全国に広まり、娯楽として小説の需要が高まった。
その中でもイギリスを代表する小説シャーロット・ブロンテの『ジェイン・エア』(1847)、エミリー・ブロンテの『嵐が丘』(1847)、チャールズ・ディケンズの『オリバー・トゥイスト』(1838)に登場する食について、当時のイギリスの社会背景やキャラクターたちの心情と共に考察する。
上記の三つの作品は全て19世紀に書かれたものである。『ジェイン・エア』は主人公の女性ジェインの半生を振り返る物語である。両親が亡くなり孤児となったジェインは伯父に引き取られる。しかし伯父が亡くなるとその夫人と子供たちからひどい仕打ちを受けながら過ごす。そして寄宿学校に送られ、10歳から18歳までそこで暮らし、19歳からは独り立ちをし、屋敷の家庭教師として働く。この二つの場所での食事の描写は全く異なり、当時の寄宿学校の劣悪さを垣間見ることができる。
世界三大悲劇の一つ『嵐が丘』は主人公ヒースクリフの世代を超える復讐物語である。孤児だったヒースクリフが紳士となり、アーンショウ家、リントン家の屋敷を奪うといった復讐を行っていく。ここでは裕福な家庭の食事や使用人の食事、病人の食事、行事食が描かれ当時の人々の生活の営みがよく分かる。
『オリバー・トゥイスト』は主人公オリバーの成長の物語である。この作品は『ジェイン・エア』や『嵐が丘』とは違い階級の低い人たちの話である。
いずれの小説も食事の場面はあまり多くはないが、描かれているオートミールなどの「食」に興味を持ち、このテーマに決めた。また、この三つの作品を選んだ理由は、階級や住んでいる地域が異なるからである。当時のイギリスは現代よりも格差社会であり所属している階級によって生活の質が違う。最もそれが顕著に表れるのは「食」であると考える。
これらの社会的背景をふまえて、物語と共に食事から読み取れる情報や心情を考察する。
ワインスイーツ
【7. 商品開発 / 11. 食材の可能性 】
私のワインのイメージは高級で渋みや酸味が強く、大人な飲み物というものでした。しかし最近では、コンビニやスーパーなどで手軽に買えるおいしいワインが増えてきました。そこで私はワインについてもっと知りたい、ワインの魅力を伝えたいと思いました。また、大学3年次に学園内留学制度を利用し、製菓科で学んだお菓子に関する技術や知識を活かしたいと思います。
ワイン用語で、ワインと料理の組み合わせのことを「マリアージュ」と言います。また、ワインと料理は、互いに味や香りを高め合う組み合わせでもあります。しかし私は、互いに味や香りを高め合うものが、ワインと料理に限らないのではないかと思います。そこで私は、ワインとスイーツのマリアージュを提案します。
前回の発表では、ワインの歴史や種類、製法などワインについてとワインとスイーツのマリアージュについて話しました。提案したレシピとしては、渋みや酸味のある赤ワインとテリーヌショコラ、やや甘く程よい酸味がある白ワインとクリーミーチーズ、フルーティーな味わいで少し甘みのあるロゼワインとフルーツタルトの3組です。
今回の発表では、ワインスイーツとワインのマリアージュを提案します。その組み合わせは、赤ワイン×チョコレート、白ワイン×チーズ、ロゼワイン×フルーツです。そして前回のマリアージュも含め、レシピを作成しました。
私はこの発表を通して、ワインは料理とのマリアージュだけでなく、ワインとスイーツという組み合わせも美味しく、楽しめることを提案したいと思います。レシピでは7種類のマリアージュを提案します。しかし、ワインもスイーツも数え切れないほどたくさんあります。ぜひ、皆さんの好みのマリアージュを楽しんでいただきたいと思います。
フランス菓子の魅力を伝える / 理想のパティスリーの設計と創作菓子
【6. お店をつくる / 8. メニュー提案 / 18. 食と空間・食シーン】
私はこれまでたくさんのパティスリーを見てきました。有名なシェフが作る美味しいケーキ。しかし、行って食べてみると何かが足りないと感じる時があります。何か食べ物を食べて満足だと感じます。その“満足”を構成しているのは食べ物だけではありません。食べる時の空間は食べるものと同じくらい大切な役割を持っていると私は思うのです。この実習は、私が好きなフランスとフランス菓子をもっとたくさんの人に味わってもらいたい、という想いから始まりました。
フランス菓子はフランスで生まれたものです。本当の意味でフランス菓子を満喫するには本場に行き、その街並みと空気とともに食べるに越したことはないでしょう。私はこれまでフランス菓子の新たな可能性を探し、伝統的なフランス菓子に他の国の伝統菓子の特徴を合わせるなど創作フランス菓子の研究をしてきました。それに加えてフランスの空気を感じられる架空のパティスリーを作る、ということに重点を置いて研究をしています。
具体的にはフランス、中でもパリで一般的な建物であるアパルトマンと呼ばれる集合住宅を模したパティスリーの設計をしています。フランスの建物の魅力を生かしつつ、お客さんが居心地の良い環境になるよう機能性なども考慮し、様々な角度から店内の様子をデッサンするなどイメージを膨らましながら店のデザインをしてきました。設定では日本に一戸建てとして存在する店のため、本来のアパルトマンの一画を切り取ったような完成形になる予定です。店内の所々にフランスを思わせる工夫がされており、日本にいながら日常とは違う空間でお菓子を味わってもらえるようにという思いが込められています。またこの設計は、日本の建築基準に基づき柱の太さや間隔など正確に計算して作られていることも大きなポイントです。
この研究を通して、食べる空間とお菓子という双方からフランス菓子の魅力をさらに多くの人に伝えることができたらと考えています。
真夜中のラーメン
【18. 食と空間・食シーン / 21. 食とエピソード 】
第1回発表で「おいしさと背徳感には何かしらの関係がある」という私の考えは私によって理論的に裏付けされたのでしょうか。この研究にはあまり文献がありません。誰も「真夜中に食べるラーメンはなぜ美味しいのか?」について研究したり、本を出したりしていないのです。なぜでしょうか。
しかし、食と背徳感の関係性が人々に全く浸透していないかというと、そうではないと思います。誰しも少なからず食と背徳感に関する何かしらの心当たりがあると私は密かに確信しています。そんな私の希望的観測を裏付けられるような証言を雑誌などのメディアから探してみました。
また、第1回発表は「真夜中のラーメン」や「炭水化物と炭水化物」など、食と背徳感の中でも比較的無害(栄養価的に見ると人体にそれなりの負担はかかりますが)で誰しもが馴染みやすいと思われる背徳感に目を向けてきましたが、後期では食と背徳感の視野をぐっと広めてみようと思います。
食と背徳感の新たなテーマ選びのきっかけとなったのは、知り合いに行なったインタビューでした。「『食と背徳感』と聞いて思い浮かぶものは何ですか?」という質問を色々な人にした中で、次のような回答がでてきました。私としては、「これも『食と背徳感』なのか」という、自分と全く違う観点から他人はそれを見ていることにとても新たな発見と驚きと納得を覚え、後期ではそれらをテーマに研究してみたいと思いました。
まずは河豚毒。河豚の肝には最悪の場合死に至るような毒が含まれ、飲食店で供されるのは食品衛生法で禁止されています。しかしそれと同時に悩ましいほどに河豚の肝というのは美味なものらしい、という知り合いからの有力証言がありました。私はこれに関しても背徳感が関係しているのではないかと考えます。合法的に、調査を進めていきたいと思います。
それからカニバリズム、食人です。歴史的に見ると、カニバリズムは宗教的な意味合いや、遭難事故などで時たま行なわれてきました。なるべく多くの文献に当たり、考えたいと思います。
「こと」が包むパッケージ
【4. 情報発信と表現】
普段私たちが目にする食品は、ほとんど全てがパッケージによって包まれている。現代のパッケージは衛生面であったり、形状の維持であったり、情報の伝達であったり、様々な理由からそれにあった形で存在している。しかし、それらが包むことで、中身が持つ本来の魅力までも隠してしまってはいないだろうか。
長い年月をかけて腕を磨いた和菓子職人の和菓子に込めた想いや世界観は、透明なそれに包まれただけでは伝えるには不十分である。勿体ないとさえ感じてしまう。
私は、作り手の息が吹き込まれることによって個性を持った食品には、それに見合ったパッケージによって包まれる資格があると考える。安全性や信用など、現代の問題によってその資格を奪われ、隠されてしまった本来の魅力は、食品それぞれが持つ価値の一つだったのではないだろうか。中身に外身が釣り合っていないというフラストレーションが、それらを繋ぐ「こと」の発見のきっかけとなった。
□隠すのではなく、活かすためのパッケージ
パッケージの役割は、物理的には包むことである。しかし外身であるパッケージは、中身を包んだその瞬間から中身の一番外側、つまり最も中身の情報を伝えることのできる役割を担うことにもなる。そこで私は、中身の本来の魅力を隠すのではなく、活かすためのパッケージこそが理想の在り方なのではないかと考えた。活かすことで生まれる「こと」に焦点を当て、中身と外身との関係性をより明確化した。「こと」は、それぞれからは生まれない力を持つと考える。さらに、外身が担う役割の多くを占めるものが自由性であるということが、中身の本来の魅力を活かす方法の一つなのではないかという仮説を立てた。それをもとに作品を製作し、実際に「こと」を感じることで中身の本来の魅力を知るきっかけを作った。
私が理想とするパッケージには、「こと」が不可欠である。そしてそれを実現する方法は一つではないはずである。「こと」をより高める方法を考え、それを作品に落とし込む。中身の持つ本来の魅力がそれぞれ異なるように、「こと」の感じ方も人それぞれである。作品を通して自分なりの「こと」を感じることで、中身の本来の魅力を見直すきっかけとなればと考えている。
高橋 勝美ゼミ
食事を補うサプリメント
【22. 健康・美容 / 23. 人間・生活・環境】
自分は美容に興味があり肌の調子を整える事や風邪予防の為、ビタミンのサプリメントを利用していますが、その利用方法が正しいかどうか不安でした。そこで自分の食事調査を行い、栄養計算したところ、食事だけではビタミンB₁、D、Eが基準を満たしていませんでした。しかし、摂取しているサプリメントを加味した結果は基準を満たしており、ちょうど良く利用していることがわかりました。
そこで自分の事例と対比させて一般の人がサプリメントを使用するにあたってビタミンのことをどの程度理解しているのか現状を知りたく、アンケート調査を行いました。それらを整理した結果を利用し、サプリメントの適正な利用に寄与したいと考えました。
第1回発表会では自分の食事調査はビタミンのみでしたが、同じ保全素であるミネラルが基準を満たしているかということにも着目しました。私はビタミン類のサプリメントを利用していますが、ミネラル類のサプリメントを利用する機会がなかったのでビタミン類と同様に調査をしました。その中で様々な種類のサプリメントを知り、値段や種類に差が出ることに気付きました。サプリメント同士の比較をしていくうちに、食品から保全素を摂る場合とサプリメントから摂る場合を比較することに興味が湧きました。このことから同じ量のビタミンを摂取するためには食品とサプリメントで金額や量にどのくらい差が出るのかまとめました。それを目で見てわかるように提示し、サプリメントの事を少しでも気にかけてもらいたいです。第1回発表会のアンケート結果では、サプリメントを頼りたくない人が複数見られました。このことから、サプリメントに頼らない食事メニューを考え、提案したいと考えました。私は普段料理をする機会が少ないので、出来合いのものを購入することや食事そのものを抜いてしまうことが多く、またサプリメントに頼っていました。自分の食生活を元に料理が苦手な人でも作れることと、時間がかからず手軽に作れることを考慮しました。メニューを考えたことにより、以前よりも自分の食生活を見直すことが出来、サプリメントに頼るばかりではなく保全素を考慮した料理を作るようになりました。以上の経験から私は、サプリメントだけでビタミンを摂取するのではなく、食事を土台として摂れなかった分の補足として、サプリメントを利用することを勧めたいと考えます。
田中 久子・衛藤 久美ゼミ
かるたで食育 / 郷土料理を楽しく学ぼう
【1. 日本の食 / 13. 食育 】
(動機・目的)
私の出身地群馬県ではかるたが盛んであるということと、食育に興味があったことから、食育かるたを作りたいと思った。既存のかるたで、郷土料理のみを扱ったかるたは見当たらなかったので、47都道府県全ての郷土料理について知ることのできるかるたを作ってみたら面白いのではないかと思った。かるたを通して、子どもたちに、郷土料理について少しでも知ってもらうために、郷土料理に関する食育かるたを作成することを目的とした。
(実習内容)
まず、全国にある食育かるたの内容について調査した。かるたの内容は「食材・料理」「地場産物」「郷土料理」「健康」「栄養素」「マナー・感謝の心」「食事バランス」「衛生面」の8項目に分類した。郷土料理をとりあげている都道府県が少なかった。対象については、かるたを使った食育の実施前後で、「郷土料理を知っている」小学6年生が増えたという文献から、かるたの対象は小学校高学年にすることとした。
次に、かるたに載せる料理について検討した。郷土料理に関する4つの資料に記載されている郷土料理を整理した。1)一般的に広く知られている、2)インターネットでその郷土料理を検索した際に、他の都道府県が出てこない、3)同じ料理が複数の県で見られる場合は避ける、4)同じ名前で、違う料理のものは避ける、の4つの基準を基に、1都道府県につき、1料理を決定した。読み札については、5・7・5の七五調で、都道府県名と郷土料理名を入れるようにした。絵札については、郷土料理を理解できるよう、日本地図を載せ、地図の一部に色をつけた。以上のことを踏まえて「郷土料理かるた47」を作成した。
今回の発表ではかるたを制作するまでの料理や読み札についての検討のプロセスや、かるたを実施しての小学生の反応などを主に発表する。
農家民宿に行こう! / ~田舎の魅力を伝える~
【1. 日本の食 / 5. 生産者と消費者をつなぐ / 23. 人間・生活・環境】
農家民宿の魅力や、地域振興への取り組みを取材などを通して調査し、これらの情報をまとめ、パンフレットを作成し、情報発信する。こうすることで、今まで田舎の魅力や農家民宿について知らなかった人へ興味を持っていただくきっかけを作りたい。
◆農家民宿とは
農山村での生活体験、農林漁業体験、例えば田植えなどその地域の自然や特徴を生かした体験ができる宿泊施設のことである。宿泊客は田舎体験をしてより深くその土地の習慣や文化を知ることができ、のんびりとした時間も過ごすことができる。経営者も時間をかけて地域をアピールできたり、人とのかかわりが生きがいになったりと、都市と農村交流の新しい観光の形として注目されている。
◆農家民宿への体験・宿泊・インタビュー調査
農家民宿を調べる中で、様々な種類のものがあることが分かった。私はこれらを今までの調査から(1)宿泊客の受け入れ人数が多い、サービス・内装の整備がしっかりしている「旅館型」、(2)若者などに人気のある「古民家改築型」、(3)その地域の家庭の家にホームステイ感覚で泊まり、ありのままの生活体験ができる「民家型」の3種類に分類した。そしてその種類ごとの農家民宿に実際に訪れ、体験・宿泊・インタビューし、ターゲットや体験の種類、地域に対する思いなどの調査を行った。また、地域振興の取り組みの調査として、秩父にある「秩父地域おもてなし観光公社」へ民泊事業や秩父地域の情報発信についての取材も行った。
◆パンフレット作成
農家民宿の魅力を情報発信するため、若い女性をターゲットに、パンフレットを作成した。調査した農家民宿を載せ、自分が体験・宿泊した内容やHPの情報をもとにモデルコースを書き、農家民宿を知らない方にも、楽しそう、行ってみたいと思ってもらえるような内容にした。
今回の発表会では、実際に訪れた農家民宿の体験・宿泊・インタビューした内容を報告し、パンフレットの配布も行う。
食を豊かに / コミュニティカフェにおけるメニュー提案
【8. メニュー提案 / 16. 料理を伝えるカタチ 】
■動機・目的
以前から農産物に興味があったことから、野菜の旬を知ってもらい、より美味しく野菜を食べて頂きたいと感じた。このことから、旬の野菜を使用したメニュー提案を行いたいと思った。
旬の野菜や行事食など、季節を感じられる料理を提案、提供することで話題の発展を図る。また、共食の場において、食事により会話を広げることで、豊かな食生活を築くきっかけづくりを行う。
■実習先について
川越市にあるコミュニティカフェ「Caféリフレ」にて、実習を行った。リフレは“共食”をキーワードに地域高齢者が健康で安心した生活が送れるように活動している。週に2日が開放日となっており、ランチを利用者とスタッフ全員で食べる共食の場となっている。利用者は1日10名程で、ほとんどが地域高齢者である。ランチは一汁三菜の組み合わせが基本で、栄養バランスが考えられている。私は、月に1度メニューを考案させて頂き、実際の提供も行った。
■実習内容
平成28年4月から11月まで、毎月旬の野菜を1つ設定し、その野菜を使用して主菜料理を中心に考案した。提供料理は代表者の方と数回打ち合わせをし、修正を加えて決定した。実際の提供も行っていることから、配膳した時の反応や食事の時の様子を覗うことができ、提案した料理でどのような話題の発展に繋がっているのかを観察した。一緒に食事をする中で感想を直接伺ったり、提供後にはアンケート調査を行ったりして、対象者の反応や次回に向けての改善点を把握した。
提供した料理は、高齢者に食事を作る方に使って頂くことを想定し、レシピにまとめた。使用した旬の野菜の情報や献立例を盛り込み、使いやすさを考慮したレシピを作成した。
■まとめ
旬の食材をメニューに盛り込むこと、その情報を伝えることは、会話を始める糸口になることが分かった。また、メニュー提案の際には対象に合わせ食べやすさを考慮する必要性を知った。提供も行えたことからの気付きも踏まえ発表する。
もったいないを美味しい!に / ~規格外野菜おやつで農家と高齢者を笑顔に~
【11. 食材の可能性 / 12. 食の問題】
■動機・目的
高校時代、農家の手伝いをしていた経験から、味は変わらないのに形が悪いために市場に出回らない野菜が多くあることを知った。私は、そのような野菜を有効活用し、規格外野菜の消費に困っている農家に少しでも貢献したいと思った。
この実習では、規格外野菜の消費に困っている農家、おやつを召し上がっていただく高齢者を笑顔にすることを目的とした。
■活動内容
規格外野菜を使用したおやつを作り、川越市にあるコミュニティカフェ「Caféリフレ」で平成28年4~11月の間、毎月おやつを提供した。
提供したおやつのメニューは、4月…草餅(プレ提供)、5月…玉ねぎドーナツ、6月…大根餅、7月…じゃが芋のスイートポテト、8月…トマトジャムinヨーグルトアイス、9月…じゃが芋白玉の冷やしぜんざい、10月…里芋チョコケーキ(を土台に使用した南瓜のモンブラン)、11月…ほうれん草のアメリカンドックである。
おやつ提供までの流れは、1)提供日の1週間~1か月前に農家の方へ頂ける規格外野菜を聞き、おやつの考案・試作を行い、野菜以外の材料調達をする、2)原材料費は1人50円として、15人分で750円以内で全ての材料を集める、3)前日から2日前には農家へ野菜を受け取りに行き、そこでお聞きした話をもとにクイズや提供時の説明を考える、4)前日には施設の調理室を借りておやつ作り又は仕込みをする、5)当日は、おやつを完成させ、食事の準備と食事提供、その後のコーヒータイムにおやつ提供を行い、アンケートの実施をする、であった。アンケートや利用者から直接聞いたお話から、改善点を見つけ次回の提供に生かした。その一例として、提供したおやつのレシピが欲しいという意見があったため、7月からレシピを配布した。提供後は、おやつの内容と利用者の様子を写真と共に手紙に書き、お礼の気持ちを込めた感謝カードを毎月農家の方へ渡した。
■まとめ
ただ規格外野菜おやつを提供するだけでなく、どのような野菜を使用したか、農家の方から教わった保存方法などを伝えることにより、利用者の方にも規格外野菜の有効活用について理解していただくことが出来た。
地場野菜をおいしく / 埼玉県産の野菜を伝えよう
【8. メニュー提案 / 16. 料理を伝えるカタチ】
埼玉県産の野菜と旬の野菜を使ったメニューを開発した。調理場の様子や、利用者の様子にも配慮したメニューとし、今後もメニューを提供していただけるようにレシピ集を作る。
【目的】
最近スーパーでも「地場野菜コーナー」をよく目にするようになり、野菜を使ったおいしい食事を地域に住む人々に提供したいと思った。このことより、埼玉県で生産されている野菜や、旬の野菜をもっと知ってもらい、関心を持ってもらうことを目的とした。
【埼玉県について】
埼玉県は、平坦な地形や穏やかな気候など自然環境に恵まれているため、野菜の生産が発展していった。特に首都圏で消費される農産物を送り出すための重要な役割を果たしている。収穫量の多い野菜には、小松菜やカブなどが挙げられる。
【内容】
川越市にある「コミュニティカフェひだまり」で埼玉県産の野菜を中心とした日替わりランチメニューの開発を行い、計4回提供した。スタッフとしてかかわったことで高齢者の利用者が多いことや調理設備の状況が分かったため、次のコンセプトを基本とすることにした。1)埼玉県産の野菜や旬の野菜を入れる、2)食材は一口大にする、3)スプーン又は箸で食べられるものとする。また、野菜の旬や埼玉県で採れる野菜について関心を持ってもらうために栄養価や旬の情報を書いたカードを食事と共に配布した。今回の発表では、7月、9月、11月の提供メニューと作成したレシピ集について発表する。
【まとめ】
これまでの提供を通して、利用者の状況や調理設備の状況に合わせたメニューを考えることができた。また、1回目の提供の時よりも回を重ねるごとに効率よく作業ができるようになった。スタッフの方ともコミュニケーションがとれるようになったことで、事前準備から当日の調理の提供までもスムーズに行うことができるようになった。
食事×コミュニケーション / ココロに2つのごちそうを
【12. 食の問題 / 13. 食育 / 18. 食と空間・食シーン】
●動機と目的
内食や外食、中食、ひとりで食べる、みんなで食べる…いま、世の中はたくさんの食で溢れている。食の幅が広がる一方で、手料理のあたたかさ、だれかと食べる喜び…私たちは忙しい生活の中で、そんな小さな毎日の幸せを忘れていないだろうか。誰かと共にする食事が体だけではなくココロにとっても大切であることを多くの人に伝えたい。そんな思いからこの実習に取り組むこととなった。
目的として、第一にコミュニティカフェでの共食の場を提供すること、第二にそれを継続することで、こどもたちにどのような変化が見られたか検討すること、以上の2点を設定した。
●実習内容
埼玉県川越市にある“コミュニティカフェひだまり”で、毎月第二土曜日にこどもを対象として行われるランチ企画“こども食堂”に携わった。経済的な事情を抱えた家庭のこどもたちが、誰でも「おいしくて、みんなで食べる楽しい食卓」を味わうことができるように、人との関わりや、おいしいごはんがくれる小さな幸せをこども食堂に通うこどもたちに伝えた。
実習では、メニュー作成や調理・提供などのこども食堂の運営、そしてメニュー内容と関連した食育を、5月・7月・9月・10月・11月の全5回実施した。各月テーマを設定しながら行い、配膳から片づけまでこどもたちが主体的に参加できるよう工夫した。必要に応じて教材の作成や、ポスターによる周知なども行った。
●まとめ
“コミュニティカフェひだまり“でのこども食堂事業は今年5月から始まり、立ち上げからスタッフとして関わらせていただいた。回数を重ねていく中で、当初と比べたときのこどもの様子の変化や、こどもにとって、どのようなことが学びとなるのかなど、様々な発見があった。
今回の発表では、全5回のこども食堂の様子と、それらを通してこどもたちにどのようなアプローチができたのかについて発表する。
根岸 由紀子ゼミ
干しいものがたり / ~干しいもの新しい調理・加工法の提案~
【8. メニュー提案 / 11. 食材の可能性 / 23. 人間・生活・環境】
干しいもは好きですか?ここ最近でさつまいもの色々な品種が育成され、干しいもでも色々な形状が開発され、店舗でも気軽に購入できるようになりました。歯ごたえのある硬いものからネチョっとした柔らかいもの、黒っぽいものから黄色いものまで、食べる人の好みによってバリエーション豊かな干しいもが選べるのも魅力の1つです。
◆干しいもの始まり
干しいもは、正式には「甘藷蒸切干」(通称「乾燥いも」)といいます。始まりは静岡県の御前崎地方です。栗林庄蔵という人物が1824年に煮切干し(洗ったサツマイモを釜でゆで、包丁で薄く切り、セイロに並べて干し上げたもの)を製造しました。この煮切り干しが広まり、干しいものルーツとなりました。その後、1892年にサツマイモを蒸して厚切りにして乾燥させる蒸切り干しが伝わりました。
茨城県の現・ひたちなか市で干し芋づくりが始まったのは1908年頃です。この地域は冬に強い海風が吹くという気象条件が御前崎地方と似ており、北海道や東北に輸送するのに都合が良い場所でした。生産者は良い干しいもを作るのに欠かせない「真冬の寒さ」「陽ざし」「海の潮風」を利用して一週間から一ヵ月かけて干しいもを作ります。今回、私は産地である茨城県で昔から馴染み深く、最も生産量が多い「玉豊」という品種を用いて実習を進めました。
◆干しいもの可能性
前回の発表では、干しいもに用いられている品種から店舗で売っている干しいもを使った商品を紹介しました。また、代表的な3つの干しいもの形である平干し・丸干し・スティックタイプの干しいもから、それぞれの形を利用した新しい干しいもの料理を提案しました。
今回の発表では、実際に干しいもの産地である茨城県ひたちなか市の干しいも専門店へ伺い、産地の方やお店を利用される方々に伺ってきた話や、その話の内容を反映させた新たな干しいも料理の提案をします。また珍しい干しいもの種類など、前回よりも干しいもの可能性を大きく広げる食べ方をご紹介します。
高齢者へチーズの勧め
【8. メニュー提案 / 23. 人間・生活・環境】
■目的
現代社会は、超高齢社会と言い表し、年々高齢者の人口も増加しています。そこで、豊かな暮らしをしてもらうためにも、筋力と骨の維持は必要だと考えました。さらに、高齢者になり、食べにくい食材もいくつかあるでしょうし、調理は手軽で、火は危険だと感じ、なるべく使いたくないと私は考えました。食べやすさにも重視しチーズを用いた料理の提案を紹介します。
■実習内容
実習ではまず、日本人の食事摂取基準2015と国民健康・栄養調査2015を参考にし、対象を70歳以上に設定した上で、筋力に必要なたんぱく質と骨に必要なカルシウムの摂取量を調べました。ここでは、たんぱく質量は補えており、カルシウム量は不足していた点がわかりました。さらに、チーズを選んだ意味を食事摂取基準2015より、牛乳とプロセスチーズの100gあたりのカルシウム量で比較し提示しました。しかし、前半の実習で使用した、モッツアレッラチーズとクリームチーズの2種類は、どちらも塩分量は低いものの、栄養価計算しておらずカルシウム量が思った以上に摂取できていなかったことを見落としていました。
発表会に向けては、カルシウム量の多い他の食材と組み合わせた料理の提案を考えています。また、同じチーズでもハード系のカルシウムの多いチーズ(パルメザンチーズ等)を組み合わせています。実際に私の祖父母に提案した料理を試食してもらい感想、意見、食生活のインタビューもしました。前半で「レシピがあれば作ってみたい…」と言うコメントが多数あったため、熱量、カルシウム量、塩分量を記載したレシピも作成し配布する予定です。また、切っただけ、和えただけと言う簡易な調理を、オーブントースターや電子レンジを多く用いた加熱調理の料理を提案していきます。
今後、祖父母と一緒に暮らしたり、高齢者にごはんを作ってあげる機会のある方々に対して、少しでも力になれたら嬉しいです。
淡路島たまねぎ / ~糖度8%の可能性~
【5. 生産者と消費者をつなぐ / 8. メニュー提案 / 11. 食材の可能性 】
みなさんは魅力がぎゅっと詰まった淡路島たまねぎを食べた事はありますか?私は幼い頃から、兵庫県に住む祖父の作ったたまねぎを食べてきました。辛みが苦手な小さい子供にとって、淡路島たまねぎは生でも甘く美味しく食べる事が出来ます。現在では、メディアでも取り上げられるようになりましたが、まだまだ実際に食べた事がない人、存在を知らない人がいるのが現状です。
また、たまねぎはどんな料理にも何気なく使われていますが、主役の料理はとても少ないです。そんな淡路島たまねぎをもっと多くの人に知ってもらいたい、たまねぎの概念が変わることが出来たらもっと注目されるのではないかと感じました。
まず、淡路島たまねぎの甘さの魅力を調べ、現地に行き地元の方にインタビューを行い発表しました。また、脇役になりがちなたまねぎを使ったデザートのレシピを紹介しました。辛みや独特のにおいを持つたまねぎをお菓子にするのは難しく、普段作りたいと思うことが出来るレシピは数が少ない結果になりました。しかし、少なからず甘さを活かした美味しいたまねぎデザートは作る事が出来、たまねぎの概念を変えることに1歩でも近づけられたと感じました。そして前回の反省を活かし、お菓子以外にも和洋中主役になれるようなレシピを提案します。
簡単で美味しいたまねぎ料理に挑戦したので、今回の発表では紹介していきます。また、淡路島たまねぎと他産地のたまねぎの比較、便利で新しい加工食材を形にしていきます。今回の発表のレシピを使って、少しでも淡路島たまねぎに興味を持ち、このたまねぎを選んで様々な料理のヒントにして頂けたら嬉しいです。みなさんの食卓にもっと淡路島たまねぎが普及することを願っています。
豆腐の魅力を再発見! / ─アレンジ無限大!豆腐料理の提案─
【1. 日本の食 / 8. メニュー提案 / 11. 食材の可能性 】
皆さんは、豆腐がどのくらい前に日本で食べられるようになったか知っていますか?日本ではじめて豆腐が造られたのは、奈良・平安時代からといわれています。ですが当時は、まだ貴族の間で食されており、本格的に庶民の間で食されるようになったのは江戸時代からです。その後、刊行された豆腐料理の本「豆腐百珍」は当時爆発的な人気を呼び、続編も刊行され、当時豆腐の普及が進んでいたことがわかります。それから現代に至るまで、豆腐は日本人に馴染みのある食材となりました。
また、豆・豆製品を1日にどのくらい食べることが推奨されているか知っていますか?四群点数法によると、豆・豆製品は1日1点なので、豆腐では絹ごし豆腐で140g、木綿豆腐で110gです。ですが、毎日豆腐を食べようとすると、豆腐料理のレパートリーが少なく、みそ汁や冷奴ばかりになってしまいませんか?それではきっと飽きてしまうと思います。私の研究では、様々なアレンジをして、毎日食べても飽きない豆腐料理を考えてきました。
●豆腐はアレンジ無限大!
豆腐は、クセがなく様々な食材との相性が良いです。また、つぶして豆腐クリームにしたり、凍らせて冷凍豆腐にしたりと、工夫ひとつで形を変えることができます。豆腐クリームは、一緒に混ぜ合わせるだしを変えることによって、和・洋・中と様々な料理に使うことができ、乳製品の代わりに使うことによって、アレルギーの方にも重宝されると思います。冷凍豆腐は、豆腐を凍らせて解凍させた後、水気をしっかり絞ることによりまるでお肉のような食感になり、お肉料理に代用することができます。豆腐クリームや冷凍豆腐は、作り方も簡単で様々な料理に代用できるので、これらを使えば豆腐料理の幅が広がります。
●第2回発表会について
豆腐だけでなくおからや豆乳も使い、豆腐料理を主食・主菜・副菜・デザートに分け、発表します。いつも脇役なイメージの豆腐ですが、主食や主菜にもなり、豆腐が好きな人も嫌いな人も美味しく食べることができるレシピがたくさんあるので必見です。この発表を聞いて、豆腐で様々な料理が作れることを知り、食べてみたい!作ってみたい!豆腐ってこんなに万能だったの!?と思って頂けたら嬉しいです。そして、皆さんにもっと豆腐の魅力を再発見して頂きたいです。
地元野菜で料理提案
【5. 生産者と消費者をつなぐ / 8. メニュー提案】
みなさんは愛知県が野菜摂取量全国最下位ということをご存知ですか?厚生労働省が行っている国民栄養調査(2013年末発表)によると1日の野菜必要量が350グラムなのに対して愛知県民が実際に摂取している量は男性243グラム、女性では240グラムになります。しかし、農業は非常に盛んな地域でもあります。キャベツ、とうがん、トマトなど様々な野菜の生産量がトップクラスを誇っているのです。そこで私は地産地消を目的とした、地元野菜を使った料理の考案を行いました。
ここで愛知県の野菜を一つ紹介します。わたしの地元の特産物でもあるプチヴェールです。プチヴェールは芽キャベツとケールの交配から生まれた野菜です。ケールは葉のみを炒めたり、搾汁し青汁にして食します。栄養価は高いものの味は苦味が強いため好んで食べる人は少ないのです。プチヴェールは葉と芽が両方食べることができるのが特徴の1つです。ピンポン球ほどの大きさで鮮やかな緑色が特徴であり料理を引き立て役にぴったりな野菜です。ビタミンC、カロテン、鉄分、カルシウムの含有量が特に高く栄養のバランスが非常に良い食材です。また、プチヴェールは実と外葉で栄養価や栄養素に差があります。さらにミカンやイチゴと同じく糖度は11~13度の数値を誇ります。そして調理は非常に簡単で、熱湯で1.2分茹でるだけで食べることができ、他にも様々な調理法が可能で、和洋中華やフランス料理を始めどんな料理にも合います。
夏野菜で考案した料理は主にウリ科の野菜です。夏らしく、さっぱりと食べられる料理をコンセプトに掲げサラダや漬け物、冷製スープなど考案しました。冬野菜では現在、野菜を多量に摂取できる料理をコンセプトに考案しています。多量に食べるための工夫としてポタージュ、スープにすることで野菜をすり潰しカサを減らすことができるため多量摂取が可能になります。また、加熱によりカサを減らし多量の野菜を一度に食べることができるので多くの栄養素を撮ることができると考えました。
食卓にテンペを! / ~いま注目の健康食品~
【2. 世界の食 / 8. メニュー提案 / 11. 食材の可能性】
日本の食に欠かせない大豆製品。家庭にあるのは豆腐や味噌、納豆が一般的だと思います。そんな大豆製品の仲間である「テンペ」という食品を知っていますか?知らない、見たことない、聞いたことはある、知っているが調理法が分からないという声が多くあります。
テンペとは:
1)インドネシア発祥の大豆発酵食品
2)クセがないので納豆独特のにおいが苦手な人も食べられる
3)発酵により大豆の栄養に加えさらに高い栄養価を持つ
4)切り方味付け自由自在で幅広い調理性を持つ
そんな魅力が詰まったテンペのレシピを考案し、多くの人に良さを知ってもらいたいです。また、テンペ料理を考案することで、味噌汁や冷奴という定番料理ではなく新しい大豆製品の取り入れ方を提案できます。豆料理のレパートリーを増やしていつもの食卓に変化が生まれ楽しめること間違いなしです。
まず、テンペとは何なのか知っていただくために主に歴史や特徴、栄養特性、調理性について話し、簡単に作れるレシピを紹介してきました。今回は日常的な家庭料理の他、ちょっと小腹が空いたときの間食おつまみ、パーティー料理などのレシピを考案しました。こうした様々な食シーンにテンペを取り入れることでテンペの可能性を新たに知ることができました。また、前回提案したレシピでは、全てテンペそのものを調理したものでしたが、今回はテンペにひと手間加えたテンペだし汁、テンペソースを利用した料理も考案しました。
大豆の栄養が余さず摂れる、すぐれた自然食品・テンペ。百貨店の食品スーパーや自然食品を扱う店で買えますが、ネット通販が主でまだまだ日本では馴染みの少ない食品です。ですが知れば知るほど感心しきっとあなたもテンペの虜になるはずです!テンペのことを知らなかった方、知っているが調理法が分からなかった方、是非おいしいテンペ料理をつくり、健康づくりや生活習慣病予防に役立ててほしいです。
じゃがいもで作る和菓子 / オオ!ジャポン!
【1. 日本の食 / 7. 商品開発 / 11. 食材の可能性 】
【い】はじめに
世界の方と交流を深め互いの文化について話すことが大好きな私が、この『じゃがいもで作る和菓子』というテーマにしたのは、「世界中の多くの人が知る食材を使って、日本の食を紹介したい」と考えたことがきっかけでした。また、海外で日本の食についてお話をするとき、訪れた先の国でも作れるような材料で紹介できるものがあれば交流での話題性が広がるのではないかと考えました。
私は日本の食べ物の中でも「和菓子」が好きなので、卒業研究では「和菓子」の紹介をすることにしました。また、誰もが知る食材をじゃがいもに選んだ理由は、2つあります。1つ目は、コロンビアのアヒアコ、ドイツの通称“ジャーマンポテト”、日本の肉じゃが等、世界の様々な料理本や授業で習う海外の料理に多く使われている材料が、じゃがいもだからです。2つ目は、じゃがいもは粘質・粉質の調理特性があり、応用が利く食材だからです。
【ろ】和菓子
明治時代初期、他国の文化が急激に日本へ入ってくるようになりました。そして明治11~12年頃、チョコレートやビスケット等の西洋風菓子が輸入されるようになり「洋菓子」という言葉が活字となって使われ始めました。その対極の言葉として使われ始めた言葉が「和菓子」です。それまでは「和菓子」ではなく単に「菓子」と呼ばれていました。したがって現代では、時代の変化によって他国の文化の影響を受けながら様々な「和菓子」が存在しています。
実習では、いくつか「和菓子」を取り上げ、じゃがいもを用いて作ったので紹介をしていきたいと考えます。
【は】今回の発表について
今回の発表では、じゃがいもを用いた際の工夫点やどのように使用したか、和菓子の誕生秘話について紹介します。また、料理本を準備しました。発表を聞きに来てくださった方にとってお土産話になるような発表にしたいと思っています。
焼きまんじゅうで旅するぐんまけん / 知っていますか?群馬の焼きまんじゅう
【11. 食材の可能性】
皆さんは、群馬県の郷土料理である焼きまんじゅう食べた事がありますか?私は、他県の友人に焼きまんじゅうを勧めた際に美味しい!と絶賛してくれた事から、もっと焼きまんじゅうが全国に浸透してもいいのではないか、と感じました。
また、私の出身地である群馬県が、全国魅力度ランキングで常に下位にいる事から「群馬県の魅力を郷土料理である焼きまんじゅうを通して伝えたい!」と思い、オリジナルの焼きまんじゅうを作る研究を行ってきました。
前回の発表を聞かれていない方のためにも興味を持っていただけるよう、ざっくり説明いたしますと、焼きまんじゅうとは中に餡子など何も入っていないお酒の風味のフカフカした饅頭に、砂糖と味噌を煮詰めたタレをつけて焼いたものです。群馬県のお祭りの屋台には必ずあり、知らない人は居ないほど群馬県民にとっては身近な食べ物であります。
まず、焼きまんじゅうの歴史、どのような場所で販売されているのか、他県の方の焼きまんじゅうのイメージ、焼き饅祭という焼きまんじゅうのお祭り、群馬県各地の特徴、群馬県の観光地を紹介いたしました。
焼きまんじゅうは、普通タレを塗ったものを焼いて完成ですが、タレをつけなければどんな食材にも合う、ほのかに甘いパンのようなものだと私は思っています。実際に焼きまんじゅうをゼミ生に食べてもらい、どのような食材と合うか調査したところ、たくさんの食材が挙げられました。
後期の活動では、具材を包んだり、バーガーのように具材をはさんだり、油で揚げたり、具材を混ぜ込んだりするなど、焼きまんじゅうの生地を生かして様々な調理方法を試してきました。
そのような、今までなかったような新しい焼きまんじゅうと、群馬県の郷土料理や名産物、観光地を掛け合わせたオリジナルの焼きまんじゅうを作ることで、皆さんに焼きまんじゅうと群馬県を知ってもらい「群馬県に行ってみたい!」と少しでも思っていただけたら嬉しいです。
群馬県が大好きな人はもちろん、そうでなかった人も是非発表を聞きに来てください!
坂戸やさい×おやつ / 坂戸産野菜を使ったお菓子提案
【1. 日本の食 / 3. 食文化史 / 8. メニュー提案】
【目的】
私はお菓子が大好きで、野菜を使ったお菓子をつくりたいと考えていました。じゃがいもやさつまいもを使ったお菓子では定番すぎ…。私は、女子栄養大学のある坂戸市に着目しました。坂戸市では多くの野菜が生産されています。そこで坂戸産野菜を使ったお菓子を提案していくことにしました。また、この実習を通して、多くの方に坂戸産野菜を知るきっかけにもしてもらえたら嬉しいです。
【坂戸ブランド野菜】
坂戸市では、平成23年度から「坂戸ブランド農産物」の創出に向けて、葉酸などを豊富に含む機能性の高い農産物を選定し、農家さんの協力のもと栽培に取り組んでいます。葉酸は坂戸市が力を入れている栄養素であり「葉酸プロジェクト」というものもあります。坂戸ブランド野菜は、7種類あります。さかどルーコラ、枝豆、中玉トマト・フルティカ、こどもピーマン、紫カラシナ、イタリアンなばな、すいおうです。
前回の発表では、バターナッツかぼちゃ、さかどルーコラ、すいおうを中心に発表しました。今回は中玉トマトと枝豆について中心に発表していきます。中玉トマト・フルティカは、通常のトマトよりリコピン含量が約2倍。枝豆は、葉酸含量が高いのが特徴です。また収穫後の味の劣化が早いことから、収穫したその日のうちに店頭に並ぶ直売に適した野菜と言えます。強い甘みと独特の香りのある3品種(湯あがり娘、ゆかた娘、雪音)を組み合わせ、出荷期間の拡大に取り組んでいます。
私の実習では、野菜が苦手な人でも食べられるお菓子を提案します。基本的に食材は、一度ペーストにすることで、加工しやすくしています。ペーストは、クッキーやスコーン、ドーナツ、かりんとうの生地に練りこみます。枝豆は、オーブンでローストしてカリカリにさせます。すると、ナッツのような食感に。ナッツの代わりにお菓子に加えることも出来ます。
野菜の色でいつもより少し華やかなお菓子に変身!発表では、レシピをまとめたものを配布しますのでぜひ作ってみてください。
きっとソーセージが好きになる
【8. メニュー提案 / 11. 食材の可能性】
突然ですが、ソーセージ知っていますか?知っていますね。では、ソーセージをここ3日以内に食べたよという人?意外と少ないのではないだろうか。でも、お肉はよく口にする。しかしソーセージも加工はされているがお肉。この差は何だろうか。私は自分が好きなソーセージをこの発表を通して皆さんにもっと身近に感じてもらい、好きになってほしいと思う。
第1回発表ではまずソーセージに興味を持ってもらう入口として「楽しむソーセージ」をテーマに実際に自分でソーセージを作った。さらに楽しめる独自のアメリカンドッグを提案した。ソーセージに興味は持てたが、まだ“好き“とまではいっていないだろう。
そこで今回の発表では楽(らく)をテーマにソーセージを使った料理を提案する。簡単に作れるものなら興味を持ってもらえるのではないかと考え、作り方が複雑なものや手の込んだものはなし。おっくうなものはなし。
人間誰しも楽をしたいと思うときがあるだろう。私はこの大学に通い4年目になるが、料理をすることが面倒だと思うことがある。何か食べたいと思っても買い物に行くことがおっくうで、さらにその買い物にいくために支度をすることはもっとおっくうだ。できることなら楽をしておいしいものが食べたい...
料理をするときお肉はよく使うけど、面倒くさがりな人は生肉を触ることに抵抗があったりするのではないだろうか。その点、ソーセージならすでに加工がされていて生肉より扱いやすい。さらに加工の段階でスパイスで味が調えられている。特に味付けをしなくても焼くだけ、茹でるだけで美味しく食べることが出来るのがソーセージの優れたところだ。
料理嫌いではないが面倒くさがりが頑張って作りました。
一緒に美味しくなることを想像しながら楽しみながら発表を聞いてほしい...
さつまいもコロッケ
【8. メニュー提案 / 11. 食材の可能性】
■目的
現代の日本の食生活で、芋の摂取量が減っています。
作ることが面倒で、高エネルギーなコロッケを、作り方が簡単でヘルシーにつくることができたなら、芋の需要も上がるのではないかと考えました。高エネルギーのコロッケを、じゃがいもではなく、さつまいもにし、ヘルシーに作ります。甘さの少ないさつまいもで惣菜コロッケを作ります。甘いさつまいもで、デザート感覚でも食べられるコロッケにし、レシピの新提案をします。低エネルギーに抑えるため、コロッケが食べやすくなるのではないかと考えました。
■栄養素
さつまいもの栄養素には、食物繊維・βーカロテン・ビタミンC・カリウムが多く含まれています。また、さつまいもは加熱することによって栄養素の吸収率が上がることも分かりました。
■スイーツコロッケ
せっかくさつまいもを使うのならば、さつまいものおいしさを引き出すようなものにしようと考え、スイーツとしてのコロッケを提案しました。じゃがいものコロッケのようなご飯のおかずになるようなコロッケではなく、さつまいもの甘さをそのまま使った甘いコロッケのことをスイーツコロッケとして言っています。スイーツコロッケには粘質系で糖度の高いべにはるかや鳴門金時を使用しました。
■惣菜コロッケ
甘味のすくないサツマイモを使用し、中に入れる具材の組み合わせの種類を増やしていき、食卓に乗るようなコロッケのレシピ提案を行います。惣菜コロッケには粉質系で甘さの少ないベニアズマや紫色のさつまいもを使用しました。
■衣
コロッケは全部同じような見た目であることに気づきました。甘いスイーツコロッケに塩味がある衣をつけるよりは、衣まで甘いコロッケのほうがよいというコメントがありました。前回の発表会で出たように、秋田県の郷土料理ビスケット天ぷらをアレンジした衣まで甘いコロッケも作りたいと考えました。今回は外側の衣もアレンジし、見た目も新しくなったコロッケも提案します。
エディブルフラワーを食卓に / 見て、楽しんで、いただきます
【8. メニュー提案 / 11. 食材の可能性 / 23. 人間・生活・環境】
みなさんはエディブルフラワーを食卓に取り入れたことはありますか?
女性は特に、お花が好きな人が多いのではないかと思います。色とりどりで可愛らしく、見ているだけでも癒されたり心が落ちついたり、幸せな気持ちにしてくれる、そんなお花を観賞用ではなく、食用として育てられたのがエディブルフラワーです。
しかしエディブルフラワーの需要はまだまだ少ないのが現状です。見た目の華やかさだけでなく、多くの魅力があることをお伝えし、もっと身近な食材として感じてもらえることを目的として研究しています。
☆エディブルフラワーの魅力
やはり、最大の魅力は品種が数多くあり、様々なカラーが楽しめて食のシーンをより一層華やかにしてくれるというところです。美しくて可愛いお花を見て楽しんだ後に食べて楽しむことができるという楽しさは他にはない魅力です。
更に、実は栄養が豊富に含まれているということがわかりました。100gあたりの重量で、野菜より栄養価の高い花もあり、ビタミンAやビタミンC、ミネラル類、食物繊維などを中心に様々な栄養が含まれているところはまだまだ知られていない大きな魅力です。
☆実習内容
まず、エディブルフラワーについて歴史やバリエーション、使われ方についての紹介や、専門店や飲食店使用されている料理の紹介で、少しでもエディブルフラワーに興味をもってもらえることを目的に実習を進めてきました。
メニュー提案では、「花おむすび」や「フラワートースト」など誰でも簡単に取り入れやすいメニューを紹介しました。
さらに、多くの人に親しまれている菊の花を中心にレシピの幅を広げ、ターゲットやシーン別の演出や食用花の新しい使い方を発見し、花の可能性を広げたレシピ提案を考えています。
またエディブルフラワーの農家の方にリアルなお話を聞き、育て方等についても発信していこうと考えています。
すいおうの可能性 / さつまいもの葉を食べる?!
【8. メニュー提案 / 11. 食材の可能性 / 22. 健康・美容】
数あるさつまいもの品種の中で、主に葉を食べる品種である「すいおう」。
すいおうは、葉酸などのビタミンやポリフェノールなどの栄養素を豊富に含み、健康食品として注目したい食品です。また葉物野菜の少ない夏場に収穫ができることもメリットの一つです。すいおう製品として芋部分を利用したすいおうの焼酎が販売されていることや、直売所で食べ方の書いてある紙を置くなどして徐々に認知度は上がってきていますが、まだ広くは知られていないのが現状です。
坂戸市では現在生産者が12名おり、坂戸市のブランド野菜として指定されています。そんな「すいおう」を日常生活にどのように取り入れたら良いか、それを提案していきたいと思います。
現在売られているのは生葉の「すいおう」ですが、旬に関係なく利用することができる粉末状に加工した「すいおう粉末」や生葉をペースト状にし冷凍させた「冷凍ペースト」もあります。
前回の発表では、すいおうの栄養価や機能性、入手方法についてお話ししました。そんな中で、「味が知りたい」や「レシピを多く発表してほしい」、抹茶にも似た粉末であることから「飲み物としての利用もできるのか」などの意見や疑問をいただきましたので、今回は生葉の料理や粉末状の「すいおう」を利用したレシピの提案を主に、栄養価を計算したものも合わせて提案します。
すいおうは「甘い」「苦い」など特徴的な味がないことから、クッキーやパウンドケーキなどのスイーツやお菓子として甘く調理したり、ナムルや炒め物のようなおかずの一品として塩味のある調理をするなど幅広く利用することができます。
ぜひ今回提案させていただくレシピを参考にもっと多くの「すいおう料理」を作っていただけたら幸いです。
イチジクって何~?
【8. メニュー提案 / 16. 料理を伝えるカタチ / 22. 健康・美容】
みなさん、イチジクを食べたことはありますか?イチジクは不老長寿の果実と言われていて、美容効果があるフルーツとして再び注目を浴びています。海外セレブも愛食しているフルーツです。旬も短く店頭に並ぶことが少ないため、なかなか手に入りにくく、調理法も少なくさらに身近に感じにくいと思います。そんなイチジクは、隣町の川島町の特産品になっています。そこで、生産組合の方とかわじま工房の方と共同で商品を開発、提案してイチジクの魅力を発信し、多くの方に感じてもらいたいと思い取り組みました。
○●前回のまとめ●○
イチジクの歴史では、イチジクの名前の由来、神話アダムとイブの物語の中のイチジクについて、6000年前からあると言われている栽培の歴史を紹介しました。普段食べているイチジクの実と言われている部分は花であることや、イチジクの生産量世界No.1はトルコで、日本での生産No.1は愛知県です。カルシウム、カリウム、食物繊維の三項目に着目し、ドライイチジクと生のイチジクの可食部100g当たりの成分を比べてみると、生よりもドライイチジクの方が成分の値が大きく、ドライイチジクを食べた方が効率的に栄養を補えることがわかりました。レシピ提案として「イチジクの白ワイン煮とクリームチーズのチキンロール」と「イチジクの赤ワイン煮とナッツのガトーショコラ」を提案しました。
○●発表内容●○
今回の発表では、旬のイチジクを利用したレシピ提案をします。スーパーに並んであるところを見たことはあるが、食べる機会がない。どのように調理すれば料理が美味しくなるかわからない。こんな悩みを少しでも解決に繋がればと思い提案します。デザートだけでなく、おしゃれなで簡単な前菜も紹介します。川島町の生産組合とかわじま工房の方々との商品開発について発表します。
三芳町の川越いもを広める
【8. メニュー提案 / 11. 食材の可能性 】
みなさんは「川越いも」を知っていますか。川越いもと聞くと、川越で栽培しているさつまいもだと思いがちですが、実は私の地元三芳町でも多く栽培されているのです。平地林の落ち葉を2年近く発酵させてから畑にすき込んで、手間と愛情をかけてつくるサツマイモは、「富の川越いも」として江戸時代から名品と称されてきました。富の川越いもを広める活動として、毎年10月に「世界一の芋掘り祭り」や、11月に「三芳町産業祭」などが毎年行われてたり、上富地区にあるいも街道では農家の方々が直売やカフェ運営に力をいれて、三芳町のさつまいもや農業を盛り上げています。また、世界農業遺産認定を目指している町でもあります。
まず、三芳町で生産されているサツマイモの種類や、おいもcaféの紹介、芋神社の紹介、若葉祭に来ていた栄養大生と一般の方にインタビューをしました。インタビューでは「さつまいもは秋に食べたくなる」という意見があったものの、今の若い人たちは「季節関係なくさつまいもを食べる」という意見も受けました。これらの意見をもとに、どの季節でも食べたくなるような料理、夏にぴったりのさつまいも料理や、三芳町産の富の川越いもを使用した市販菓子を使用したスイーツのレシピを考え試作しました。
実習としては、第36回三芳産業祭への参加、みよし観光情報特派員になり、その活動として提案したさつまいもクッキーをfacebookの三芳町の魅力を発信するアカウントで配信することに協力したり、さつまいもを使ったレシピの作成をしました。2種類のさつまいもドレッシング、さつまいもの冷製スープ、さつまいもとりんごの揚げ餃子、やきいも味市販菓子入りのティラミスなどです。
これらの新しいレシピを提案してもっと多くの人にさつまいもの魅力をお伝えします。
麹の料理
【1. 日本の食 / 8. メニュー提案 / 11. 食材の可能性 】
皆さんは麹と聞いて何を思い浮かべますか?最近は酒粕を使った甘酒のほかに米麹を使った甘酒も人気ですが、皆さん麹について知っていることは意外に少ないと思います。今では米麹も手に入りやすくなったので、米麹を用いて料理に活用する方法を提案します。
昔から寒いときに体を温める飲み物として親しまれてきた甘酒ですが、今では年末年始、お正月、お祭の時など飲む機会が減りました。昔から日本人の食文化になくてはならない発酵食品の要である米麹ですが、若い世代の方ですと特に興味のない方は多いと思います。少し前には塩麹や甘麹が流行りましたが手に取ったことのない方、料理に使ったことのない方まだまだいると思います。そんな今まで縁のなかった方たちにも米麹の魅力を知ってもらうことを目的としました。
▼米麹の魅力
米麹というと特別なものの様ですが、市販の米麹は正しい温度で管理し保温するだけですぐに使えるようになります。スイーツでしたら加えることで砂糖を少なくし、「自然な」甘さの美味しさを感じることができます。料理でしたら普段の食事をより美味しくすることができます。ひと手間加えることでより美味しくさせてくれる素晴らしいものです。
▼研究内容
ゼミ生に米麹の甘酒と酒粕で作った甘酒を飲み比べてもらった際、米麹の甘酒が好きな方がいる一方、米麹を使った甘酒が嫌いな方もいました。そのような苦手な人でも飲みやすい甘酒を使ったドリンクを紹介します。また米麹を手に取らない人でも身近に感じるように市販で手に入りやすい米麹を使用した料理や米麹の「自然な」甘さを利用したスイーツの活用方法などもいくつか紹介します。甘麹を使い、ひと手間加えることで普段の料理がより美味しくなります。そんな米麹の良さが伝わる料理提案をし、そのレシピ集を配布しますので、よかったらこれを見て、皆さんも簡単で美味しい麹の料理をぜひお試しください。
おいしいぬか漬け / 私のぬか床よ、おいしく漬けておくれ
【1. 日本の食 / 8. メニュー提案 / 11. 食材の可能性 】
古くから日本人に愛され、現在もスーパーの漬け物コーナーに必ず置かれているぬか漬け。市販のぬか漬けは塩漬けとあまり変わらないような代物だが、自分のぬか床で漬けるものはもっと、ぬかの香りが強く付き、味も酸っぱく癖がある。私はその強い香りがどちらかというと苦手で、どうしたらもっと匂いが抑えられるのか、おいしく食べられるのか、臭くて食べきれなかったものをどうやればおいしくリメイクできるのか、ということをこれまでやってきた。
ぬか漬けとは、玄米から胚芽米や白米へと精米する段階で出る、米の外皮や胚芽(糠)を使う。その糠を主として、塩、水、昆布やショウガなどの香りの強い食材を混ぜ合わせ、発酵させたぬか床に野菜や魚などの材料を漬けたものである。季節や材料により漬け時間は異なるが、大体のものが半日~1日で漬かるため、お手軽である。また、ぬかに含まれるビタミンB1、乳酸発酵による乳酸や野菜の食物繊維、栄養なども摂取できるため、健康にもよい。
食べ物に余裕が出てきた江戸時代にもったいない精神からできたとされ、現在も日本各地に郷土料理があることから、国民に愛されていることがわかる。
私の実習では、まずmyぬか床を作り、おいしく漬けられるように香りづけの香味料を工夫し、食べきれずにあまった漬け物のアレンジレシピの考案をした。そこから、今回は一風変わったぬか漬けの提案、例えば、豆腐、ゆで卵、長いも、玉ねぎ、キャベツ、カボチャ、スイカの皮、トマトなどにチャレンジしてきた。そして、それを使ったアレンジレシピの提案をしていく。私が紹介していくものに興味を持って、最終的に自分流のぬか漬けを楽しんで素敵なぬか漬けライフを送ってもらいたい。
ごはん、みそ汁、漬け物、、和食に欠かすことのできない、ごはんがモリモリ進むぬか漬け。自分で作れば、手間をかけた分だけおいしく、愛おしく、充実することだろう。
お店のパン改造計画
【7. 商品開発 / 8. メニュー提案 / 9. 売れる仕掛け】
私たちは日頃、意外とパンを食べています。朝食、昼食、間食と、手軽に食べることのできるパンは軽食から食事までその用途は幅広く、シチュエーションも様々です。その時の気分によって選択するパンは少なからず変わるでしょう。
何気なく購入するパンも、その時その人にとって大切な栄養補給となります。自分が「食べたい!」と思うパンを食べる事が出来たら、とても幸せですね!そこで私は、パン屋さんに売っているパンを元に「私が食べたいパン」を考えます。
20代のお客様が気軽に購入できるパンの特徴を知り、外見や価格を工夫することで商品に興味を持ってもらう。さらに、このテーマを通しターゲットやコンセプト、利益を考え、売れる商品を開発することの難しさをパン屋でのアルバイトを元に私自身が体感することを目的にこの実習を進めました。
まず改造するポイントの一つでもある「ヘルシー」に注目し、これだったら食べてみたいと思えるパンを探しました。
近年、小麦粉を使わないグルテンフリーのパンがアメリカでは流行っています。「クラウド・ブレッド」といい、卵白・クリームチーズ・ベーキングパウダー・砂糖で作る薄いパンです。作り方は簡単で、材料を混ぜオーブンで焼くだけ。これに注目し、改造対象のパンであるブルスケッタを「クラウド・ブレッド」で試作します。レシピを用意しました、お楽しみに!
実習としてはまず改造するパンを見つけ、「目には止まるが買おうとまでは思わないパン」を軸に、自分から見て「惜しいパン」を選びました。
20代女性を対象とした場合の価格を設定し、自分を置き換えて私の理想により近付けるため改造計画を立てることにしました。
多くの人の意見からも、パンを買うときは「大きさを重視する!」という声があったため、今回は形やサイズを重点的に考えました。また、提案した3種類を試作し完成を目指します。
5色を食べよう / ~食卓に彩りを~
【20. 五感で楽しむ・五感で味わう / 22. 健康・美容】
◎私のテーマである5色とは
私たちの日常生活に深く関わりのある色といえば、ファッション、インテリアの他にフードがある。色から連想する食べ物では、「赤」からはトマトや赤パプリカ、「黄」からはかぼちゃ、「緑」からはほうれん草や小松菜…といったように、思い浮かんでくる。
さらにこの色の代表的な食品を栄養価からみると、緑黄色野菜や果物にはカロテンなどビタミンが豊富に含まれており、白の根菜や穀物には炭水化物、赤系の魚肉類は高エネルギーの動物性タンパク質、白系の魚類は低エネルギーのタンパク質、黒系の昆布やワカメなどはカルシウムやミネラルが豊富だ。ということで、食べ物の色を赤、黄、緑、白、黒、バランスよく取ることで栄養のバランスも取れると考えた。
◎シチュエーションと献立
白黒の無彩色を中心として、赤、黄、緑のバランスの取れた配色になり、見た目にも美しいカラーハーモニーになる。たとえば、白いご飯に赤い梅干、黒い海苔、緑のほうれん草、黄の卵、それに鮭を供すれば配色もよく栄養価が高いだけでなく、お弁当を美味しく見せ、食欲も増すことだろう。様々なシーンに合わせ、料理を考案した。
朝食:時間のない朝だけどしっかり食べたい… ⇒ サンドウィッチやスープ
昼食:バランスよく食べたい… ⇒ 作りおきおかずでお弁当
夕食:どうしても肉や魚が多くなりがち… ⇒ 野菜を多く摂れるおかず
◎彩りのある暮らしとは
日々の献立を考えるのは大変な仕事だが、細かい栄養素のことがわからなくても5色を揃えるようにすると見た目も美しく、自然と栄養バランスもよい食事になる。
色は衣食住すべてに関わるので、色を生かして彩りのある楽しい、健康的な暮らしを______
平口 嘉典ゼミ
わたしから始める地産地消
【1. 日本の食 / 5. 生産者と消費者をつなぐ / 23. 人間・生活・環境】
【実習背景】
食の安全・安心や健康への関心の高まりにより、消費者が農作物を選ぶ視点が多様化してきている。特に、地域で生産された農作物に対する関心も高まっており、地産地消の取り組みが各地でみられるようになっている。
【目的】
本実習では埼玉県富士見市を対象とし、関係主体へのインタビューから富士見市での地産地消の取り組みを知り、地産地消をさらに進めるための方法を提案することを目的とする。調査対象は、市産業振興課、市健康増進センター、JAいるま野農産物直売所「あぐれっしゅふじみの」、市内生産者である。
【調査結果】
地産地消の推進目的は、国(農林水産省)、埼玉県、富士見市でそれぞれ違いがあった。なかでも市の推進目的では、「一番身近な農地で生産された新鮮な農産物を、一番身近なところで購入することができる地域内流通を促進し、安全・安心で新鮮な旬の農産物を消費者に供給できる体制をつくる」とされており、生産と消費の場が距離的に近いことが強調されていた。また市健康増進センターでは、市広報の裏面に地元の野菜を使用したレシピの掲載を行い、市内消費の拡大が図られていた。JA農産物直売所では、地元野菜の販売促進を目的としたレシピの作成や、野菜の栄養を記載したポップ作成が行われていた。
【まとめ】
以上のように富士見市では、市やJAを中心に地産地消の取り組みが進められており、市民の地産地消への関心も徐々に高まりつつある。市が行ったアンケートでは、市民の約80%が地産地消への関心を持っていることが分かっている。今後さらに地産地消を進めるためには、市民による地元野菜の購入をこれまで以上に促進していくことが必要である。そのためには、たとえば農産物直売所において、調理方法や栄養情報を伝えるだけでなく、適切な保存方法や一人一人の生産者の思いを消費者に伝えることが必要である。また市内のイベントなどを通じて、市民に対し地元野菜の良さを地道にアピールしていくことも大事である。
川越のいも菓子から地産地消を考える
【1. 日本の食 / 5. 生産者と消費者をつなぐ / 23. 人間・生活・環境】
◆問題意識
川越ではサツマイモを使ったいも菓子が多く売られており、川越土産としても人気である。しかし近年の川越市周辺のサツマイモの生産量は、他県の産地と比べて圧倒的に少ない。果たして、いも菓子に使われているサツマイモは、地元産のものなのだろうか。
◆目的
本実習では、川越のいも菓子に、川越市周辺の地元で生産されたサツマイモがもっと多く使われるためにはどうすればよいのかを考えていく。
具体的には、いも菓子における地元産サツマイモの使用状況や、地元生産者の現状を調べ、地元産サツマイモの地産地消の現状と問題点を探ることを目的とする。
◆調査結果
川越市内の菓子屋3社へのインタビューでは、1社は一切地元産サツマイモを使っておらず全て他県のものであること、残り2社は商品の一部に地元産サツマイモを使用しているものの、全体に占める割合は極めて小さいことがわかった。
また近隣の三芳町のサツマイモ生産者へのインタビューでは、生産されたサツマイモの多くは直売等によって販売し、加工に回すのは見た目の悪いB級品であり、供給量は多くないことがわかった。
さらに、川越市周辺にサツマイモを貯蔵する施設がなく、年間を通じて原料を供給できないことも大きな問題であることがわかった。
以上の結果から、地元産サツマイモの生産が追い付いておらず、加工に回すほどの量がないため、他県のサツマイモに頼らざるを得ない現状が見えてきた。
◆まとめ
サツマイモのプロの方々の声を聞くことによって、今、川越のいも菓子が抱える問題を見つけることができた。もし、川越産のサツマイモでできたお菓子だと思って買ったのに、他県産のサツマイモを使っていたら、消費者はショックなのではないだろうか。地元の人や観光客には、せっかくなら地元のサツマイモのお菓子を食べてもらいたい。そのためにも、地元産サツマイモの生産量を増やすとともに、菓子屋の側もこれまで以上に地元産サツマイモに目を向ける必要があると考える。
鹿沼そばによる地域振興
【1. 日本の食 / 8. メニュー提案 / 11. 食材の可能性 】
背景
私の出身地、栃木県鹿沼市ではそばとニラを一緒に食べる「ニラそば」というものがある。ニラそばが「鹿沼市以外では食べられていない」という事実を知り、地域特有の食べ物に興味を持った。近年、地域特有の食を通した地域振興が盛んにおこなわれている。では、鹿沼市でもその取り組みが行われているのだろうか。生まれ育った鹿沼市をもっと知りたい!という気持ちから実習テーマとした。
目的
本実習の目的は、鹿沼の特産品である「鹿沼そば」を事例にして、鹿沼市における「食を通した地域振興」の現状と課題を把握し、さらなる振興策を考察することである。そのために、鹿沼そば振興会、生産者、製粉業者、製麺業者、そば店にインタビューを行った。
調査結果
鹿沼市では、そばを地域振興の主要なツールとすべく、平成19年に「鹿沼そば振興会」が設立された。「生産~流通~販売消費」と、そば関連産業に携わる様々な業態で組織されていることが特徴であり、鹿沼産玄そばの安定供給及び質の向上体制構築、鹿沼そばの消費拡大や知名度アップなどにより「関東一のそばの郷」の地位確立を目標としていた。また、「鹿沼そば認証制度」をつくり、鹿沼そばのブランド維持に努めていた。最近メディアでも注目されている郷土食の「ニラそば」については、一過性のものとしないよう、鹿沼そば振興会の発行物にニラそばを載せたり、そば店での常設メニュー化を呼びかけたりしていた。さらに鹿沼そばのPRのため、鹿沼そば認証店のそばを食べ比べできる「そば天国」というイベントを毎年開催していた。今後のそば振興の課題は、品質向上、生産量の確保、そば交流の拡大、PR強化の4点であった。
まとめ
生産量の確保、品質の向上等の生産面での課題は大きいが、鹿沼そばを広くPRすることによって新たな需要を掘り起こすことができれば、生産面を振興することにもつながるだろう。今後は「そば天国」等のイベントを通して、鹿沼そばのさまざまな魅力と可能性を発信していくことが重要であると考える。
Aomori’s 96+229POWER / 青森の黒にんにくによる健康促進と地域活性化
【1. 日本の食 / 11. 食材の可能性 / 22. 健康・美容】
<実習背景>
全国で最下位の平均寿命を持ち短命県と呼ばれている青森県。また若者の県離れなども進み衰退傾向の兆しもあると言われている。そんな中、強い健康作用を持つ健康食品が青森県に存在するという情報を得た。その名前は「青森の黒にんにく」。生ニンニクを高温高湿で3~4週間熟成させたもので黒い・甘い・果実感覚を特徴としたドライフルーツのような食べ物である。
<目的>
本実習は、青森の黒にんにくによって青森県民の健康促進と青森県の地域活性化を目指すことを目的として行われる。そのために協同組合青森県黒にんにく協会と黒にんにく関係者へのインタビューを実施すると共に、自ら協会主催のサミット内で行われる料理コンテストへ出場する。そして調査で得た黒にんにくの普及状況と現状の課題、食材としての可能性を元に今後青森県の健康促進と地域活性化の方向性を見出す。
<調査結果>
青森県黒にんにく協会は、黒にんにくの地域ブランド化を目指した地域団体商標の取得、優良な黒にんにくを目指すための成分規格化、黒にんにくの効果・効能の研究を2006年から進め、普及拡大へ向けた取り組みを行ってきた。そして、まだまだ認知度の低い青森県産黒にんにくをより多くの人々に知ってもらうために今年世界初の「青森の黒にんにくサミット」を開催した。そんな中サミット内で、青森の黒にんにくを青森から全国へ、さらに世界へと発信させることを目的とした黒にんにく料理コンテストが行われた。全国各地の人々からさまざまな料理の提案があり、私は誰でも簡単に失敗することなく作ることが出来る老若男女に受け入れやすい黒にんにくレシピを提案した。
<まとめ>
黒にんにくは、その効果・効能と、不思議な食感・風味から食材としての可能性が期待されている。今後としては、料理への応用をさらに拡大させることで、黒にんにくの普及は促進されると予測する。黒にんにくの普及拡大が、これからの青森県全体の健康促進と地域活性化へと繋がっていくことを期待している。
ラーメン1杯の力 / ~八王子ラーメンによる地域振興~
【1. 日本の食 / 3. 食文化史 / 23. 人間・生活・環境】
【実習背景】
八王子市は近年、高齢化や人口減少が大きな問題となっている。この原因として若者の地域離れや近郊都市の発展が挙げられる。これらの問題を解決し、市を振興していくためにも、市のご当地グルメである「八王子ラーメン」の力が必要である。
【目的】
本実習では、八王子ラーメンによる八王子市の振興を目的とする。そのために、八王子ラーメンについて調べ、実際に食べ歩き、八王子ラーメンの魅力を探求する。
そして市外の人にその魅力を伝えるとともに、市内に暮らしながらも八王子ラーメンを知らない人や八王子市の良さに気づいていない人にもその良さや魅力を伝え、
八王子市を中からも外からも活気づけていきたい。
【調査結果】
八王子市で生まれ、独自の発展を遂げてきた八王子ラーメンには、醤油ベースのタレであること、表面を油が覆っていること、刻みタマネギが具として用いられていること、という3つの原則が存在する。近年は、八王子ラーメン自体も多様化し、店舗によってスープや麺が異なるが、これらの原則は多くの店舗で維持されている。
八王子ラーメンを愛する市民団体である「八麺会」は、これまでに八王子ラーメンのブランド化、イベント企画、情報発信等を行い、八王子ラーメンの普及に力を入れてきた。八麺会の方にヒアリングをしたところ、活動資金や商標所得の面で課題を抱えており、八王子ラーメンをさらに有名にしていくためには、八麺会とラーメン店、市が一丸となり力を合わせる必要があることが分かった。
また、八麺会に所属する33 店舗のラーメン店の食べ歩きを行い、それらの情報を整理・分析した結果、客層は老若男女様々で市民から愛されていること、立地や店舗の老朽化などにより新規の客を獲得しづらい状況であることが分かった。
【まとめ】
現在、八王子ラーメンの振興では八麺会が孤軍奮闘している状況だが、これにラーメン店や市が知恵や力を出し合えば、さらに八王子ラーメンの魅力が増し、市内外の人々をひきつけ、市の振興にも繋がっていくと考える。そのためにも、お互いの考えていることを共有・理解し合える場を作ることがその第一歩になるだろう。
平野 覚堂ゼミ
えきまちデザイン / ─心を通わす駅空間─
【6. お店をつくる / 10. サービスとホスピタリティ / 23. 人間・生活・環境】
私たちの生活において移動手段として欠かせないのが電車である。そして、電車に乗る前に私たちを迎えるのが駅だ。駅は様々な人が行き交い、人の出入りが激しいことから常ににぎわいを見せている。そんな駅で近年普及したのが駅ナカという商業施設。ちょっとしたプレゼントや手土産にぴったりなお菓子屋さん、彩りが鮮やかなお惣菜屋さん、つい手に取りたくなるような雑貨が陳列されている雑貨屋さん、と見ているだけでも十分に楽しめる店が立ち並び、私たちの暮らしに溶け込んでいる。そんな場所で、私は気になる風景を良く見かける。
一つは買い物でのやり取りだ。「いらっしゃいませ〜」「500円です。ありがとうございます〜」と言って流れ作業のように接客する店員、そして、店員の顔も見ずに無言で商品を受け取るお客さん…。お互いが見えない壁を作っていることに虚しさを覚えた。もう一つは店の移り変わりの激しさだ。これは駅ナカに限らず様々な商業施設でいえることだが、流行り廃りの影響もあってかオープンしてから定着している店は数少ない。それらに私は憤りを感じ、もっとその街の人々からから愛されるような地域に根付いたあたたかい空間、さらにはそこを起点として、街が活気づいていくきっかけとなるような駅ナカを考えたいと思った。
そこで参考にしたのが、商店街である。全国的に街の均一化が進む中で、その街の特色を色濃く映し出したまま存在している。活気があり、あたたかく、初めて訪れる場所でもどこか懐かしい気持ちになれる空間だ。その雰囲気に魅了され、新しい感覚の店も集まっている。様々なタイプの店が集まる商店街には、地域に根付く理由があると思った。
商店街と駅ナカは、それぞれに良いところがある。両者の良いところを活かしながら、「街の人のための駅ナカ」をつくる。そのため、時には商いを目的としない空間も存在する。駅ナカなのにそんなのでいいの?と疑問に思う人もいるかもしれないが、長期的な目で見ればそれでいいのだ。「モノ」を求めて来る行為から、いずれは「コト」「ヒト」を求めて来てくれるような、そのような場所を私はつくりたい。
脇役クッキング
【8. メニュー提案 / 11. 食材の可能性 / 12. 食の問題 】
あなたは人の行動を見るとき、どんなところに目が向いてしまうでしょうか。人と接している上で、私が特に無意識に見てしまうのが食事のシーンでした。誰かと食事をしていると、その人の知らなかった部分が見える、食事の場面でしか見られないような一面を無意識にその人が出してしまう、そのようなものがあるように思えました。
人が人に印象付けされるときには食事というものが大きく関わることがあります。だからこそ良くない印象を残さないためにもしっかりとした食事のマナーを身につけたい、と思うと同時にまた身につけた方が得なのではと感じました。
誰かと食事に行く際には、その食行動をよく観察しました。そこで、気になったのが“食べ残し”でした。実際にどんなものを残してしまうか聞いてみたり、また外食の際にも、隣にいる方達の食行動をよく観察したりして、何が残されているかを確認し、どういったものが残される傾向があるのかを考えたりもしました。
食べ残しさせたくないと言ってみても、人々がなぜ残してしまうのか、その理由を調べなければ解決方法も分かりません。そこで調べてみると、人々が残してしまうものには、添え物が多いことが分かりました。実は、そこには好き嫌いだけではなく、食べ物に対する認識の違いがあることにより、食べ物だと認識されてないものがあることに気が付きました。そこで、私は作り手側が提供の仕方を工夫し、その認識の違いを埋めることで食べ残しを減らすことが出来ると考えました。
普段、私たちが何気なく残してしまっている添え物などの食べ物たちにどのような工夫や仕掛けをしていけば、そのものに人々が目を向け、食べたいと思い、少しでも食べようとしてくれるか。また食べてみようとするきっかけを与えていくことができるのかを考え、人々の添え物たちに対する概念を変えていく。そうして食べ残しの出ない、自然と全部を食べてしまうような食べ方を数パターン提案します。
美味しいはどこから
【18. 食と空間・食シーン / 20. 五感で楽しむ・五感で味わう 】
「美味しいの基準は五味だけである」と言われるとほとんどの人が「そうではい」と感じるだろう。だが、どこで食事をしてもそこそこ美味しい料理を食べられるようになった現在、自分がその料理のどこに美味しいと感じているかを考えたことのある人が一体何人いるのだろうか。美味しいと感じることが当たり前になりすぎて、美味しいを素通りしてしまうのはもったいないことだと私は思う。
感情は自分のフィルターを通して生まれるものだ。美味しいというのも感情であるし、食嗜好というものは食経験の積み重ねから構築されているので、当然それぞれ自分だけのフィルターがある。このフィルターのことを私は「美味しいの基準」と呼ぶことにした。その基準を見付けることができれば、普段の食選択が格段に面白いものとなるだけでなく、情報過多の現代だからこそ、自分の基準でモノが選べるという大切さにも気付けるはずだ。また、自分の中の美味しいを見つめ直してみることで、今までは当たり前だった美味しいの感じ方も変わってくる。何が美味しいのか少しでも考えながら、生きるためでも健康維持のためでもなく「食べるために食べる」という感覚をもっと多くの人に味わってもらいたい。
私は美味しいの基準を考えてもらうきっかけとして、1つの基準にフォーカスした作品を制作した。第1回発表会では、美味しいに結びつきやすく、自分の中にその基準があったことを自覚しやすい「食感」「匂い」「楽しい」を基準とした作品を制作した。第2回発表会では、あまり美味しいに結びつきそうもない基準でも、よくよく考えてみると自分の中にもあるのではないかと思ってもらえるような基準を作品とする。
この発表が今まで「美味しいと感じるには味が良いことが大前提」と考えていた人たちの美味しいの定義が広がるきっかけとなればいいと思う。
ドーナツの穴を食べる方法
【23. 人間・生活・環境】
わたしたちは毎日だいたい、“連続”の中で生きています。
さっきの続きの今、今日の続きの明日。「1秒」、「1日」という区切りはわかりやすい記号であって、本当はどこにも切れ目やつぎはぎなんてありません。1回も途切れることなく、同じ矢印の方向にむかって、産まれてから今までを生きてきたのです。
そんなルールのもと生きるわたしたちは、“文脈”をとても大切にしています。歴史も、数学も、国語の物語や説明文も、学校で教わったことはすべて「AからB」、「AだからB」が成り立つように文脈に沿って語られます。この文章もそうやってできています。
文脈に沿っていると、わたしたちは「意味を理解できた」と安心します。逆に文脈から外れたものは「意味の理解できないもの=ナンセンス」です。
文脈に沿ったもの、外れたもの(ナンセンス)の違いをもう少しわかりやすく説明してみます。たとえば、「メアリーの目は青い」という文章があります。「メアリー」という言葉には「欧米女性に多い名前」というイメージが内包されているので、目の色が青い欧風少女(おそらく髪は金色)を容易に想像することができます。さらに、その想像に疑問や違和感もない。これは、文脈に沿った文章といえます。
では、「メアリーの目を犬」という文章はどうでしょう。考えても、イメージが浮かびません。「メアリー」も「目」も「犬」も知っている言葉なのに、「メアリーの目を犬」は理解できない。この文章に、文脈がない(=ナンセンス)からです。
ナンセンスは、毎日の“連続”における「ひっかかり」。だから、ナンセンスに出会うと特別な感情が生まれます。理解できない不安、いらだち、恐怖、もしくは新しい存在への興味、期待、好奇心。おそらく受け取り方は人によって全く違うと思います。
スムーズに生きる上ではタブーな、文字通り「意味のない」存在だからこそ、受け取り手に自由がある。わたしはそんなナンセンスに、言葉を軸にいろいろな角度から挑んでいます。
「食文化栄養学実習」という文脈を断ち切った15分間、ナンセンスの世界を実際に味わってみてください。
引き出しの中の六根庵
【18. 食と空間・食シーン / 20. 五感で楽しむ・五感で味わう 】
「美味しいものが食べたい」という欲求は、恐らく大多数の人が持ち、共感されるもの。だからこそヒトが生まれてからこれまで、食は大きく発展してきた。ならば、世の中に「美味しいもの」はどれだけ存在しているのだろう。そもそも「美味しいもの」とは一体どういうものなのか。確かに今日では多様な食が溢れ、様々なところで「美味しい」という声が聞かれる。しかしそれまでの人生を振り返って、食事に対して感動し、敬意を払ったことが一体何回あるだろう。
今まで食べてきた食事は本当に「美味しいもの」なのか。改めて、食べ物そのものに対して眼を向け、意識を集中させて食事を評価する。そんな体験をした時、ヒトは何を思いどう感じるのだろう。
○美味しいとは
食事の評価基準は様々ある。味、匂い、食感。人それぞれで、十人十色だ。食事の場にはそれ以外にも、食べ物を「おいしそう」と思わせる空間、値段、栄養価、他人の評価などの情報が溢れている。そういった情報の役割は本来食選択における指標でしかない。しかし指標は付加価値としての役割を超え、まるでその食事そのもののようにそこにある。「美味しい」とは、そういった情報に関わらず、目の前の食事に対する自分の自由な評価ではなかったか。
○一口の「?」
「食べられる」は「美味しい」とイコールではない。これを前提とし、「食べられる」ものを食べてみる。ヒトは誰しも体験したことを頭の引き出しにしまっている。だから味や食感というのは追体験しやすい。だがそれが、食べられるが食べたことのない、他者からの情報がない、たった一口だったなら果たしてどう感じるのか。己とその食事の一対一、頼れるのは自らのみ、そんな自由な食べ物が入った引き出しがある。その引き出しの中身を、自身の六根で評価してみてほしい。新しい引き出しが、頭の中に生まれるかもしれない。
食べ物で遊んじゃいけますん。
【11. 食材の可能性 / 12. 食の問題】
―食べ物で遊んじゃいけません。─
食べられずに残っている食べ物を見て、食べ物で遊んでいる人を見て「もったいない」と思ったことのある人は多いはず。でもそれって、食べ物の価値を食べることにしか見出せていないと思う。それこそ「もったいない」。
食べ物の価値は栄養や美味しさだけじゃない。第1回発表では「食べ物で遊んじゃいけない」なんてことはない、「食べ物で遊んでもいいじゃないか」ということを伝えたが、食べ物の食べる以外の価値は遊ぶことだけではない。もっともっと食べ物を面白いものに、食べ物の可能性の広さを知ってもらいたい。
●トマトとは...ナス科のナス属の一年生植物。またその果実のこと。多年生植物で、果実は食用として利用される。様々な料理に使われる、お馴染みの赤くて丸い野菜である。トマトは低カロリーで栄養成分が豊富な健康野菜で美肌効果や風邪予防に役立つビタミンC、老化を抑制するビタミンが、云々...
このような栄養や美味しさももちろんトマトの可能性の一つである。しかし、その他にもトマトの可能性は多岐に渡ると私は考える。見た目・質感・やわらかさ・中と外のギャップ、トマトは食べ物の様々な可能性を伝えるのに適している食べ物ではないだろうか。そこで私は、様々な角度から見た「トマトの可能性30選」を提案しようと思う。
...美味しい...綺麗...可愛い...格好いい...面白い...楽しい...
可能性の一つ一つについて、感じ方は人それぞれ。この発表を聞いて、食べ物の見方を増やしてくれれば幸いだ。そして、食べ物は食べなくてはいけないものである、という固定観念を少しだけ捨てていってほしい。
―食べ物で遊んじゃいけますん。―
熱く、熱くなれ熱中食 / ─君の時間を無駄にしない─
【4. 情報発信と表現 / 18. 食と空間・食シーン / 21. 食とエピソード 】
人には誰しも、目が離せない、動きを止めたくない、そんな時間があります。私はそれを熱中時間と呼びます。熱中時間は人につかの間の癒しを与え、次へがんばろうと思える分岐点となります。熱中時間は人から切り離せないものです。また食事も、人間から切り離せないものの一つであると考えます。熱中時間と食事をしたいタイミングが重なってしまったら、あなたはどうするでしょう。どちらかを優先させますか。私は、どちらも諦めたくありません。
そこで私は、熱中時間の邪魔をせず、なおかつその時間を盛り上げることができる食事を提案します。そんな「熱中食」でお腹も心も満たされ、これからはもっと熱中時間を楽しむことができ、自分の時間を充実したものにできるのではないでしょうか。
○熱中するシチュエーション○
アイドルのDVDを見ていて、自分が一番応援している人がカメラに抜かれて、テレビ越しに投げキッスをしてくれている時。野球観戦をしていて、応援するチームと相手チームのどちらの投手も、すばらしいピッチングを見せてくれて、展開を見守っている時。月9常連の若手俳優の顔の商社マンと付き合うことを夢見、日々商社マンと知りあう方法をインターネットで調べながらほくそ笑んでいる時。熱中するシチュエーションは多様であり、人により様々であることがわかります。
○シチュエーションに合わせた一品○
自分の熱中する場面ばかりを考えていると、熱中するシチュエーションがどうしても偏ってしまいます。そこで私は様々な年代や性別の、友人や家族に熱中するシチュエーションを聞き、ヒントを得ました。そのシチュエーションをまとめて取捨選択し、最終的にシチュエーションに合わせた熱中食を提示します。今動きが止められないから、ご飯は後回し、となっていた人も、私の発表を見て、ご飯を食べることをあきらめず、全力で盛り上がっていただきたいです。
愛されるべき焼き菓子
【4. 情報発信と表現 / 8. メニュー提案】
現在の日本の焼き菓子は、贈答品や手土産として扱われることが主流です。喜ばれる姿を見ると、焼き菓子は愛されているように見えます。しかし、そこで大事にされているのは「利便性」ではないでしょうか。“甘くて、日持ちがして、常温で保存できて、軽い”。もし、同じような条件で、より魅力的なお菓子が世の中に出てきた時に、日本の多くの焼き菓子は、負けてしまいそうです。一見立派に見えても、些細なきっかけで壊れてしまうような危うさを感じたことが、今回のテーマのきっかけです。
日本の洋菓子が本格的に栄えたのは、戦後1955年ごろです。平和の象徴としてクリスマスケーキが囃され、遠くへの配送も可能なマドレーヌ・バウムクーヘン・缶入りクッキーなどの焼き菓子も大流行し、大量生産が後押しされていきました。その時に焼き菓子の地位は確立されていきましたが、その時、「特別なとき」「贈り物として」といったことが優先されていきました。
一方、洋菓子の本場・フランスでは、焼き菓子は行事にもよく用いられ、普段のおやつとしても使われており、ハレの日にも、ケの日にも用いられています。イタリアなどヨーロッパ諸国から集まってきた製菓技術を、“フランス菓子”として確立させるのに70年以上の長い時間をかけ、独自のものに昇華させました。
両者は、どちらが優秀で、どちらが劣っているということはありません。ただ、今後の日本の焼き菓子の行く末を考えた時に、フランスやヨーロッパにおける焼き菓子の「立ち位置」というものを参考にしてもよいのではないかと考えます。焼き菓子にとっての幸せは、きっちりビニールの個包装に包まれて贈られることだけでなく、もっと雑に紙袋で自分のために食べる、なんてこともあるかもしれません。焼き菓子の良いところは、たくさんの場面や土地に馴染めるところです。そんな魅力を伝えられるよう、立ち止まって、考え直してみませんか。
ただ、味わえ / ─代替できない感覚─
【20. 五感で楽しむ・五感で味わう / 23. 人間・生活・環境】
おいしいものがあるのではなく、おいしいと思う感受性がある。
少し耳を澄ませてみると驚くほど「おいしい」という言葉は溢れかえっている。メディアで評判になれば、人は長蛇の列を作り戦利品を獲得し口々においしいとつぶやく。そんな状況はばかげていると思うし憤りも覚えるが、もはやありふれた出来事だ。ものを選択するところから食べた後の感想に至るまで、外からの影響を受けずにものを味わうことはできないだろうか。
ではそもそも、味わうとは何なのか。口の中だけの話ではない。「味わう」には空間・時間・経験、そんなものが混ざり合っている。昨日食べたものを今日食べたなら昨日とは違う感想を持つだろうし、誰かと何かを食べたなら誰かと私は違うことを思うだろう。食はいつも「もの」と「人」の関係の中にある。つまり、その食べものを人がどう捉えるかというところに、その人だけの「味わう」の形がある。
食べるとは生きる力だ。食べたその時の味・匂い・触り心地・空気感・思いが自分の中に降ってきて、それが繰り返され何年何十年と積もった結果、初めて食べるということが感覚となって立ち上がってくる。その感覚は他者との摩擦で変形してしまうこともあれば、未知のものとの出会いで一気に拡張されることもある。そんなあいまいである人の感覚にこそ、味わうについての一つの終着点があるのではないかと思った。
食べものによってその感覚が形成されるなら、食べものから感覚を奮い起こすものは作れないだろうか。
「ただ、味わえ」というと食べることは自己完結なものだと聞こえるかもしれない。しかし、無意識にあるその感覚が、たとえばあなたの作った料理や作品を通して誰かにつながっていくことがきっとある。そういうところに食の喜びのようなものはあるのではないかと思うのである。
肉感的食ワールド
【4. 情報発信と表現 / 16. 料理を伝えるカタチ / 20. 五感で楽しむ・五感で味わう】
食べ物を食べたり見たりした時、ぞくぞくした気持ちがわいたことはないだろうか。気持ち悪さでもなく、得体の知れない恐怖感でもないその気持ちは、食の艶めかしさに直面した時に生まれることが多い。そこで私は、その感覚のことを「エロい」と表現することにした。
今日、食卓は「美味しそう」と「美しい」で溢れかえっている。いつも同じような感覚で食と向き合っていると、食に対する感動の閾値が上昇しすぎてしまうように感じる。そこで私は、「美味しそう」でも「美しい」でもない、第三の視点「エロ」からじっくりと眺め味わう食の楽しさを提案したい。そういった視点を提案することにより、こだわりを持つことの楽しさ、そういった視点を持てる食べ物に出会う楽しさを発見するきっかけ作りをしたいと思っている。
▼第1回発表・・・〈肉感的食ワールド 入門編〉
料理に潜む「エロ」をより強調し、具体的に表現した作品を制作した。
▼第2回の発表・・・〈肉感的食ワールド 応用編〉
料理や食材に潜む「エロ」をより抽象的に表現する。無意識のうちにエロいと感じてしまうような日常的な食のシーンを切り取ったり、食材の魅力を引き出すことに挑戦した。
「エロ」と食は切り離せない関係であると考えている。文学作品の中に食べ物を食べるシーンが官能的に書かれている作品があったり、近年では漫画の中にそのような表現方法が見られたりすることがある。この事から、少なからず食に対して「エロ」を感じる人は昔からいた事がわかる。
「普通に美味しそう」から一歩踏み込んだ食の世界観を味わっていただき、いつも同じように見えていた食卓やスーパーの風景が、少しでも魅力あるものになってもらえたら嬉しい。
藤倉 純子ゼミ
運動部に所属する高校生の食意識
【13. 食育 / 23. 人間・生活・環境】
■目的■ 自分自身は高校時代陸上部に所属していた時に栄養に興味を持ち、普段から栄養に気をつけた食事を心掛けていた。その経験から、現在の高校生は、どれくらい栄養の知識や興味を持っているか調べることにした。また、運動部の高校生にとって必要な正しい栄養知識を提供するために、リーフレットを配布し、食への意識が変化したか調べた。
■実習の流れ■ 2~4月、対象高校へ行き、練習の見学や昼食の調査を行った。5月、秋田県2校(S高、M高)の陸上部に所属する高校生84人(図1)に栄養素等と食事の意識アンケート(第一回)を行った。6月からはM高において夏合宿の食事調査、リーフレットの作成・配布、夏合宿中の食事・配布物に関するアンケート調査(第二回)、アスリートフードマッピング、活動量計による一日の消費エネルギーの計測を行った。(図2)食事中の水分補給では、お茶が60.0%、甘い飲み物が13.3%、水・その他がそれぞれ10.0%、スポーツドリンクが6.7%だった。夏合宿の食事では、1食のエネルギーが600~700kcal前後であった。各自主食のご飯の量が調節(200~700kcal)できるので一日約2100~2800kcalという結果になった。そこでリーフレットは、「間食」について、トレーニング期での3食のエネルギー不足を補うためにいつ何をどれくらい食べるとよいか、「水分補給」(図3)での正しい飲み物の選び方やいつ飲むとよいか、「試合前中後の食事」の3つのテーマを設け、まとめておけるようにファイルとともに配布した。2回目のアンケート調査では、配布したリーフレットの内容を理解できたか確認するために、知識問題を取り入れた。アスリートフードマッピングでは、白飯、パン、めん、肉料理、魚料理、卵料理、豆・豆製品、いも類、野菜、果物、乳・乳製品、菓子、スナック、インスタント食品、清涼飲料、スポーツドリンク、機能性食品等の22の食物について自分の身体とって大切かどうか、週あたりの摂取頻度について調べた。消費エネルギーの計測は、監督が選んだ短距離2人、長距離2人の生徒に計測を依頼した。
■感想■ 監督の指導の影響が大きく、元々食や栄養に興味がある生徒が多かったので、もっと対象者のレベルに合わせ、詳細なアプローチを工夫する必要があることが分かった。
松田 康子ゼミ
LAPE’s KITCHEN / ~ランチ de メイン~
【6. お店をつくる / 8. メニュー提案 / 15. 調理技術を極める 】
LAPE’s KITCHENでは、ランチとカフェの運営を行っています。LAPEとは、フランス語で”La paix”と書き、安らぎや癒しを意味します。そして、親しみやすいようにLAPEという造語を作りました。“S”は、ゼミ生10人の意味です。私たちは『癒し×四季』の空間を提供します。
【ワンプレート】
私は、ランチを担当することにし、ランチは月に1度、ワンプレートという形で提供しています。一般的に1枚のプレートに主食・主菜・副菜を乗せたものがワンプレートになっていると感じました。なので、私たちが提供するワンプレートは、主食をシフォンサレ・主菜をメイン・副菜をスープと、しました。
【ランチとしての工夫】
私は、主菜であるメインを担当することにしました。見た目や味にこだわるだけではなく、シフォンサレに合わせたオリジナル性やプレートとしてのバランスを考えて提供しています。また、ボリューム・提供時間・値段・季節感などの評価を来店して頂いた方に評価して頂き、改善を重ねより良いカフェ運営を行っています。
【メニュー紹介】
夏メニューで提供したものは、「夏野菜のグリル焼き」です。夏野菜のズッキーニ・なす・プチトマト・パプリカ・かぼちゃの合計5種類を使用して、夏らしさを表現しました。さらに、ローズマリーを入れハーブ香るさわやかな一品にしました。秋メニューで提供したものは「5層のミルフィーユサラダ」です。お菓子のミルフィーユのように野菜で層を作りました。ハロウィンをイメージしたく、かぼちゃを乗せ提供しました。冬メニューで提供したものは、「グラタン」です。寒い冬に食べたいホカホカなグラタンの上に、冬の旬野菜であるほうれん草をトッピングしました。
【発表内容】
夏・秋・冬メニューについて発表します。それ以外にも、試作で工夫した点・良かった点・作り方など発表します。
LAPE’s KITCHEN / ~ランチ de シフォンサレ~
【6. お店をつくる / 8. メニュー提案 / 11. 食材の可能性 】
LAPE’s KITCHENでは、カフェとランチの営業を行っています。ランチは、月に1回営業をし、サラダ・スープ・メイン・シフォンケーキをワンプレートで提供をしています。私が担当しているのは、シフォンケーキです。私は、食事としてのシフォンケーキを考案し、甘さよりも塩味を感じるランチとしての提供に合うシフォンケーキを考案することにしました。
【店名の由来】
『四季×癒し』の空間を提供したいという想いから、店名に癒しを意味する言葉を取り入れたいと思いました。フランス語で安らぎや癒しを意味する“La paix”を、覚えてもらいやすいように、LAPEとローマ字にして造語を作りました。また、今年はランチ営業を行うのでCAFÉではなくKITCHENを使い、LAPE’s KITCHENと全員の話し合いで名付けました。
【食事と共にシフォンサレ】
シフォンサレとは、塩味のシフォンケーキのことを指します。私はランチのワンプレートにふさわしい食事に合うシフォンサレを提案しています。新しい味の発見とそれを提供することによって発信していき、シフォンサレの可能性を広げていきたいと考えています。使用する食材は、季節を意識したもの、且つスープ・メインとの相性やワンプレートとしてのバランスを意識し、試作を繰り返しています。
【ランチ営業】
ランチ営業は、松田カフェとして近年ではあまり例がなく私たちとしても挑戦でした。どんなメニューを考えたらいいのか、お客様はランチを食べに来てくれるのか、シフォンサレは受け入れてもらえるのかなどたくさんの不安がありました。4月の営業から月1回のペースで営業をしていますが、どのメニューも好評をいただいています。4月はサクラエビのシフォンサレ、5月は全粒粉シフォンのサンドイッチを提供しました。アンケートでも高評価をいただき、新たなおもしろい発見を提供することができたと思っています。
第2回の発表では、7月・10月・11月の営業で提供したメニューを紹介したいと思います。これまでのシフォンサレのレシピもお配りしたいと思います。
LAPE’s KITCHEN / ~ランチ de スープ~
【6. お店をつくる / 8. メニュー提案 / 16. 料理を伝えるカタチ】
◆スープとは
唐突ですが、あなたにとってのスープとは、なんですか?「温まるもの」「ホッとするもの」「ただの汁物」など、様々な捉え方があると思います。私にとってのスープは、食事の中の「1品」です。今回、私はワンプレートランチのスープの位置づけについて掘り下げ、取り組みました。
現代のスープは「汁物」というポジションには定まりません。前菜や副菜にも、お口直しにも、はたまたメインにもなりうる様々な顔を持っています。しかし、多くのワンプレートに添えられるスープは、簡素なものが多いように感じます。そのことから、「プレートの一員として重要な役割がある」とは、意識されにくい存在だと考えました。今年の営業では四季をテーマにしていますが、さらに、他の料理との絶妙な距離感を持ちつつ、シフォンサレ(食事系シフォン)と合わせて必ず飲みたくなる『スープ』を提案していきたいと思っています。
◆イメージの払拭
一般的に、ワンプレートランチであったり、ランチセットであったり、複数のものを楽しめるセットのスープは、「簡単・注ぐだけで完成」感が否めないと感じています。料理全体の原価や提供効率を考慮すると、仕方のないことかもしれません。しかし、スープ好きな私からすればそれはすべて言い訳です。「一つのお皿の上で、味・食感・見た目のすべてが相乗効果をしている。」それがベストだと考えます。このスープ1品を食べてもおいしい…合わせて食べるともっとおいしい!を目指して、商品開発を行いました。
◆第2回の発表
第1回の発表では、4月・5月のメニューをご紹介しました。何度も試作を繰り返し、メニューを考案することの苦悩、商品を完成させる難しさをお伝えしました。第2回の発表では、7月・10月・11月のメニューのご紹介をしますが、前回よりもさらに「スープは必要な存在だ!」と感じて頂けるような商品になっていると自負しています。発表では、これまでの営業を通してわかったことをまとめます。また、スープとして確立するための要因、エネルギー計算など行う予定です。
LAPE’s KITCHEN / ~季節のシフォンプレートの商品考案~
【6. お店をつくる / 7. 商品開発 / 8. メニュー提案】
皆さんは、カフェなどでシフォンケーキをめしあがりますか?私は、均等に切って横たえられているシフォンケーキの提供の形に疑問を感じていました。折角、高さもあり、きれいに焼けたシフォンケーキを横たえるなんてもったいない。私は、新しいシフォンケーキの形も提案をしていきたいと考えました。そして、さまざまなシフォンケーキのプレートを考案してきました。
●私たちのお店、『LAPE’s KITCHEN』
月に2回、香友会館を借りて、シフォンケーキをメインとした、カフェの運営をしています。また、シフォンケーキのデザートプレートだけでなく、月に1回、ランチの提供も行っています。
お店のコンセプトは『四季 × やすらぎ』 としました。
私たちは、四季を感じられる、旬のものをメイン食材とした、癒しの空間を提供しています。お店の名前は、フランス語で癒しを意味する「La paix」を読みやすくローマ字で造語にし、ランチの営業があるため、カフェではなく、KITCHENとしました。 松田ゼミ10人の思いがこもった店名となっています。
●季節のシフォンプレートの提案
お店のテコンセプトに合わせて、季節感を感じられるシフォンケーキのプレートを考案・販売いたしました。春には、桜やよもぎ、夏には、マンゴーやピーチメルバ、秋には、かぼちゃやさつまいも、冬には、ロイヤルミルクティーなど季節にそった個性あふれるプレートの数々を考えるのは、大変でしたが楽しいことでした。
今回の発表では、前回のプレートの紹介も含め、秋冬の新プレートについて、詳しく紹介していきます。季節の食材をふんだんにあしらった、カラフルで個性あふれるシフォンケーキの世界にぜひ、魅了されてください。おいしくて、おもわず笑顔になってしまう、LAPE’s KITCHENのシフォンケーキに日々の疲れを癒して、ほっと素敵なひと時をお過ごしください。
LAPE’s KITCHEN / ~季節を贈るシフォンケーキ~
【4. 情報発信と表現 / 6. お店をつくる / 21. 食とエピソード 】
LAPE’s KITCHENでは、「季節を感じる癒しの空間」をコンセプトに月に2回香友会館でカフェを営業しています。これまで、テイクアウト販売のみも2回行い、とても好評を頂いています。私は、このゼミを通してシフォンケーキの美味しさ、シンプルな食材ゆえの奥深さを知りました。だからこそ「贈りもの」として大切な人に季節を感じてもらえるようなシフォンケーキを作りたいと思いました。今まで、シフォンケーキを作ったことがない人、プレゼントをしたことがない人にぜひ「贈ってみたい!」と思わせるような提案ができればいいなと思っています。
◆◇季節のシフォンケーキ◇◆
毎月作るシフォンケーキでは、季節を感じられる食材を使用し、食べた人が楽しめるようなフレーバーを意識しています。また、贈り物として作るのだから、一般的には販売していないような味や食材に工夫したシフォンケーキを目指しました。
・6月:梅ジャムのシフォンケーキ
地域食振興実習の授業で、実際に生越で収穫した梅を使った梅のジャムや梅酒で作りました。
・8月:トマトとバジルのシフォンケーキ
目にも鮮やかなトマトの色に爽やかなバジルの風味を加えました。
・9月:イチジクとラム酒のシフォンケーキ
旬のイチジクを薫り高いラム酒に漬け込んだ大人向けのシフォンケーキです。
◆◇贈るカタチ◇◆
プレゼントとして贈る際、ラッピングは必要不可欠です。また、焼き方の選択肢によって様々な形のプレゼントの方法があります。大きな型で焼き切り分けてラッピングするやり方が一般的ですが、紙型などを使い特別感を演出することもできます。テイクアウトの販売では簡単なラッピングをしていますが、シールを手作りし、LAPE’s KITCHENオリジナルの商品であることをアピールしています。シールは季節ごとに少しずつデザインを変え、外見の楽しさも大切にしています。
発表会では、6~12月のシフォンケーキと具体的なラッピング方法を発表します。
LAPE’s KITCHEN / ~ドリンク提案~
【6. お店をつくる / 8. メニュー提案 / 18. 食と空間・食シーン】
癒しと季節をコンセプトとしたシフォンケーキメインのカフェ、「LAPE’s KITCHEN」の営業を行っています。私はシフォンプレートと一緒に提供するドリンクを担当しており、シフォンの味に合うように、プレートイメージに合うように日々試作を重ねています。ドリンクの中でも特に"紅茶"に焦点を当て、ストレートの紅茶だけでなく様々なアレンジをシフォンケーキに合わせて提案します。約4種類のドリンクを甘いものから甘くないものまで揃えるようにしています。また、メニュー提案するために紅茶を学ぶだけでなく、自分の将来に活かせるよう紅茶の資格を取得することも目指しています。
■「LAPE’s KITCHEN」の運営
カフェを運営する中で美味しいシフォンケーキやドリンク、ランチを提供することはもちろん、笑顔を忘れず気持ちよくお客様を迎えられるよう意識して接客を行っています。また、どうしたらまた来たいと思ってもらえるのか、どうしたらカフェについて知ってもらえるのかなどもメンバーと話し合いを重ね、毎回の営業に活かしています。運営していく中で売上についても考えるようになり、試作費や営業利益等も意識するようにしています。
■ドリンクメニュー提案
同じ作り方でも茶葉によって味が随分と変わってくるため、紅茶専門店のカフェやマルシェに足を運び、フレーバーの組み合わせ方や茶葉の種類等を調査してメニューに活かしています。また、紅茶に限らず様々なカフェドリンクの見た目もチェックすることで、見た目からも美味しいドリンク作りを目指しています。
■資格取得に向けて
色々なことを調べてメニューを開発するのであればこの先に活かせるようなこともしたいと思い、資格を取得することに決めました。紅茶に関する資格は様々ありますが、中でもより基本的な内容である「紅茶アナリスト」「紅茶アドバイザー」の二つを取得する予定です。
LAPE’s KITCHEN / ~季節感じるシフォンプレートの提案~
【6. お店をつくる / 8. メニュー提案 / 18. 食と空間・食シーン】
LAPE’s KITCHENでは、四季を感じる安らぎの空間をコンセプトに、シフォンケーキをメインとしたカフェ運営を行っています。お店で見かけるシフォンケーキの多くは、カットしたシフォンにクリームが添えてあるシンプルな盛り付けが多く、もっと様々な楽しみ方があるのではないかと感じました。そこで、私は多くの方にシフォンケーキの魅力を知ってほしいと思い、アレンジシフォンケーキと盛り付けに力を入れて提供することにしました。
●シフォンの味
季節を感じてもらえるようにシフォンケーキの味は旬の果物や食材を取り入れるように心がけました。たとえば秋にはさつまいもやカボチャを使用し、さらにキャラメルやシナモンをかけあわせてより秋らしさが出るよう工夫しました。中に入れる食材も生のまま刻んだり、加熱してペースト状にしたり、ジュースをいれたりして風味や食感がより良いものを実際に提供しました。
●季節感じるプレート
盛り付けでは季節を感じてもらえ、見て楽しめるプレートを目指しました。シフォンケーキのカットは、シンプルに型で焼いて等分したものから、一口大にカットしたもの、さらにカップで焼いたものなど様々な形にして盛り付けました。シフォンケーキのおいしさをより引き立てるため、味に合わせたソースやクリームと共に提供しました。四季を感じてもらえるように、シフォンに添える食材や果物、彩りなども気を付けながら盛り付けました。
発表では10、11月に販売したアレンジシフォンケーキができるまでの試作について詳しく説明します。そして、実際に提供したシフォンプレートの工夫した点やポイントについて発表します。また、今年一年間の営業で販売してきたシフォンケーキの中から、私のおすすめレシピをまとめた冊子の配布を行います。
LAPE’s KITCHEN / ~デザートプレートにおける盛り付け提案~
【6. お店をつくる / 8. メニュー提案 / 20. 五感で楽しむ・五感で味わう】
LAPE’s KITCHENとは
LAPEとは、フランス語で“La paix”と書き、安らぎや癒しを意味します。癒しの空間を提供したいという思いから、この名前にしました。“s”は、ゼミ生10人を表しています。
私たちは、月に2回、香友会館を借りて「シフォンケーキをメインにした」カフェ営業を行っています。カフェではなく“KITCHEN”にした理由は、デザートプレートだけでなく、ランチの提供も行っていくことにしたからです。
シフォンケーキについて
松田ゼミのシフォンケーキは、ベーキングパウダーを使わずに、メレンゲの力や卵黄との組み合わせで膨らませています。シフォンケーキはとても繊細なので、同じ材料でも作り方によって膨らみが変わってきます。私たちは、毎月季節に合わせたシフォンケーキの味を考え、営業日までに何度も試作を行ってきました。
盛り付けについて
私は、人の心に残り、食べた人が幸せを感じられるようなデザートプレートを届けたいという思いから、デザートプレートの提案を行いたいと思いました。お店でデザートを注文したとき、可愛く盛り付けられて出てくるとわくわくし、幸せな気分になります。食べるときの満足感は、五感が満たされなければ得られる事は出来ないと思います。
わくわくの気分を味わっていただけるような五感で楽しめるデザートプレートを提案したいと思い、このテーマにしました。
私は、春メニューでは桜とオレンジの2種類、夏メニューでは、ピーチを担当しました。実際に販売するまでに、何回も試作を行い、食べたいと思ってもらえるような盛り付けができるように取り組んできました。
LAPE’s KITCHEN / ~カフェでのメニュー提案・シフォンプレート~
【6. お店をつくる / 8. メニュー提案 / 15. 調理技術を極める】
■LAPE's KITCHEN
シフォンケーキを看板メニューとしたカフェの運営を行っています。LAPE's KITCHENの店名はフランス語で安らぎや癒しを意味する"La paix"からきており、私たちは来てくださったお客様に癒し、安らぎの場所を提供できるカフェを目指しました。そのために、カフェ巡りによる店舗調査、内装、サービス、メニューや盛り付けなどを試行錯誤しながら、運営してきました。その中でも私は毎月季節にあったシフォンケーキのメニュー提案、思わず写真に収めたくなるようなデザートプレートに力を入れて取り組みました。
■こだわりのシフォン
シフォンケーキにはベーキングパウダーを一切使用していません。メレンゲの力だけでしっとり、ふわふわに仕上げるためには、食材の配合や撹拌具合などだけではなく、材料を入れるタイミングや使用する道具、室温など細かいものまでこだわっています。
■季節を感じる味
それぞれの季節に旬の食材を生かして、季節に合った新しいシフォンケーキのレシピを開発しました。組み合わせるものによってはシフォンケーキが膨らまなくなってしまったり、ふわふわの生地には合わなかったり、風味が弱かったりするため、1つの味を完成させるために平均6回試作を重ねました。実際に提供したシフォンで、春メニューはベリーシフォンと抹茶シフォン。夏メニューはマンゴーシフォン。秋メニューはかぼちゃシフォンを担当しました。
■写真に収めたくなるデザートプレート
一般的によく見かけるシフォンケーキの盛り付けはどうでしょう?横たわったケーキに生クリームといったシンプルのものが多いと感じませんか?「見た目もシンプルなシフォンケーキを可愛く変身させたい。」デザートプレートでは、お客様が思わず写真に収めたくなるようなプレートを目指しました。
LAPE’s KITCHEN / ~写真に撮りたくなるような盛り付け~
【6. お店をつくる / 7. 商品開発 / 8. メニュー提案】
四月から月に数回、カフェを営業してきました。
多くのお客様にご来店いただき、毎回大盛況で終えています。
▼お店のコンセプト・店名
話し合いの末、癒し・くつろぎの空間というのが、私たちのお店のコンセプトになりました。そこで、お客様にそう感じていただけるようにするにはどうしたらいいかを考えた結果、店内の装飾やメニュー内容に季節感を取り入れることになりました。店名である、LAPE’s KITCHENのLAPEとは、フランス語で“La paix”と書き、安らぎや癒しを意味します。LAPEについている、“s”は、10人いるゼミ生を表しています。また、今年はシフォンケーキプレートだけではなく、ランチプレートの提供もすることになったので、caféではなくKITCHENとしました。
▼シフォンケーキについて
シフォンケーキは様々な要因が関係し、ふわふわ感を生みだしています。少しでも失敗してしまうと成功しない、とても繊細なお菓子なので、コツをつかむまで何度も練習し、試作を繰り返しました。新作のシフォンケーキを提案する時は、先輩やプロのレシピを参考にしながら、水分量を調節し何度も試作をしました。しかし、レシピの分量は同じでも、メレンゲの混ぜ方や、卵白の泡締め、卵黄生地の乳化加減などで仕上がりは変わってきます。そのため、レシピ通りに作ってみても、上手くいかないこともありました。
▼盛り付けについて
私は、シフォンケーキの味だけではなく、デザートプレートの見た目にも満足してもらえるよう、盛り付けに力を入れています。値段以上のプレートに見えるように飴でドームを作り上品に見せたり、きらきらして見えるゼリーを散らしたりと、工夫しながら盛り付けています。また、お皿の形や色を変えるだけで、見え方が変わるので、盛り付けのイメージによってそれに適したお皿を選び、盛り付けるように心がけました。
宮内 正ゼミ
花と緑とカフェ空間 / ―植物に囲まれた人の気持ち―
【18. 食と空間・食シーン / 23. 人間・生活・環境】
みなさんは、花や緑のあるカフェに行ったことがありますか?現代、花や緑があるカフェはなぜ多くあるのでしょうか。人はなぜ花や緑のあるカフェに行くのでしょうか。オシャレな空間を味わいたいからか、花や緑を見て癒されたいからなのか、それとも、そのカフェが評判となっていてその流行に乗りたいからなのか、SNSなどを通して、素敵なカフェを訪れた自分をアピールしたいからなのか…。カフェを訪れる目的は様々あり、人それぞれです。でもその中に、花や緑、植物に対するニーズの変化や、日本人と植物との関わり、SNSの利用、わざわざ行きたくなるカフェ空間の存在など、人とカフェと花・緑・植物、そして時代の変化は大きく関わっているように思います。
「誰もが利用しやすく、落ち着けて、安らげる花と緑とカフェ空間」とは
第1回発表会ではフィールドワークを通して、花や緑や空間や人を観察し、大きく、花のカフェ、緑のカフェと分類して考えました。花のカフェでは、空間を楽しむ人、オシャレな空間にいるアピールをしたい人、その場にいることで満足な人、女性同士でワイワイワクワクする人などがいる一方で、緑のカフェでは、落ち着いた空間の中で何らかの作業をする人、自分の家のようにゆったりとくつろぐ人、開放的なカフェ外の緑により、コミュニケーションをとる人たちなど、花と緑で大きく異なることが分かりました。第2回発表会では、引き続きカフェでの観察を続けていき、花と緑が両立するような、オシャレな空間とくつろぎの空間の2つの空間が両立するような、誰もが利用しやすく、落ち着けて、安らげる、癒しの、花と緑とカフェ空間を考えていきたいと思います。さらに、現代にある花と緑のカフェや今までの日本人と植物との関わりを見て、これからの花と緑の空間がどうなるのか、どうなってほしいのか、そうした面からも考えていきたいと思います。
居場所としてのカフェ / ―カフェでの居心地を考えるー
【6. お店をつくる / 18. 食と空間・食シーン / 23. 人間・生活・環境】
現代の食シーンのひとつとして、カフェの利用はとてもポピュラーである。特にチェーン店の数はコンビニにも引けをとらず、カフェが現代人の生活によく溶け込んでいることがわかる。そんなカフェだが、現代人はカフェという空間で何をしているのだろうか? コーヒーを楽しんでいる、くつろいでいる、友達とのおしゃべり、あるいはただなんとなく……。よく考えたら、カフェに行く目的の中には、すぐには答えが見えてこない部分がある。そこに着目し、「居場所としてのカフェ」を研究テーマとした。
研究にあたって特に着目したのが、カフェにはつきものの「くつろぎ」というキーワードである。おいしいコーヒーをのんで、ほっと一息つく。イメージはつきやすい。しかし、本当に人々はくつろいでいるのか。くつろいでいるのだとしたら、それはどんなくつろぎなのか。
この疑問を明らかにするためにフォーカスしたのが、カフェを選ぶという段階である。数多のカフェが存在する中で、「このカフェにしよう」という意思決定を左右する要素は何か。多くの人は、カフェを選ぶときに深くは考えていない。しかし、スターバックスコーヒーとドトールコーヒーが並んでいたら、何かを基準に片方を選ぶ。すぐに挙がる要素として「価格」や「商品の味」があるが、「どのカフェが自分にとって心地よいか、くつろげるか」という要素もじつは、明確な答えを持っている人はそう多くは無い反面、かなり大きな要素である。しかも、人によってくつろげるカフェは違う。「くつろぎ」の正体とは。その答えとして前期に提案したものが【舞台としてのカフェ】という考え方である。
この仮説は、現代人がカフェを「自分を演出する舞台」として利用しているというものだ。「こうありたい自分」でいるためにふさわしいカフェを、人は無意識に「居心地の良いカフェ」として選んでいる。自分に似合う服を選ぶのと同じである。カフェのファッション性という側面が、現代のカフェ利用の大きな目的の一つとなっているのだ。しかし、それだけがカフェでの「くつろぎ」「居心地のよさ」とは限らない。ファッションという要素は今やどの分野にもつきものだ。
カフェの歴史を振り返る中で、より広い視点から捉えた、カフェだからこそ実現可能な「居心地のよさ」を提案する。
チョコレートの魅力
【1. 日本の食】
第一回発表では、高価なチョコレートは安価なチョコレートと何が違うのかという疑問を中心に研究を進めました。フィールドワークとしてヴィタメール、デメル、ゴディバに行き、安価なチョコレートとどのような違いがあるのか考えました。実際にチョコレートを買ってみると、チョコレートを一番良い状態で食べてもらいたいという言葉通り、温度管理など保存方法についてのこだわりや工夫を知ることができました。また、入れ物や袋がしっかりとした作りになっていてリボンもつけられているため、贈り物にも適しているということがわかりました。
また、チョコレートと関わりの深いバレンタインデーについての研究もしました。日本のバレンタインデーは女性が男性にチョコレートを贈るというのが一般的ですが、世界各国では「男女の愛の誓いの日」とされていて、男女が互いに、花やメッセージカード、チョコレートなどさまざまなものを贈りあっていることがわかりました。
チョコレートの人気はどんどん上がっています。2009年の日本の菓子の小売金額ランキングでは、一位が和生菓子、二位が洋生菓子、三位がチョコレートでしたが、2011年にはチョコレートが洋生菓子を追い越して二位になりました。そして2014年にはついにチョコレートが一位となりました。こうしてチョコレートは日本で一番人気のあるお菓子となったのです。
第二回発表では、チョコレートはいつから人気のお菓子になっていったのか、高級チョコレートが注目を集めるようになったのはいつからかなどの疑問を中心に研究を進めています。高級チョコレート店でのフィールドワークを続けながら、コンビニやスーパーで買うことのできる安価なチョコレートまで幅広く見ていき、チョコレートの魅力を探ります。
美味しいを楽しむ
【20. 五感で楽しむ・五感で味わう】
”美味しいものを食べたとき、どんな気持ちになりますか?” おそらく多くの人が幸せな気持ちになると思います。このように「食」とはただ命を繋ぐためだけでなく、心の豊かさのためにも必要不可欠な存在です。私はこの美味しいものを食べて心が躍る体験がとても重要であると感じたため、食をもっと楽しむことはできないだろうかと考えるようになりました。
そもそも私たちは美味しさをどうやって感じているのでしょうか。美味しさには五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)と呼ばれる5つの感覚が大きく関係しています。この5つの感覚の中から、視覚=食べ物の見た目に注目し、実習を進めることにしました。見た目は味そのものを変えることはできません。しかし、その料理が暖かいのか冷たいのか、甘いのか辛いのかなど口に入れる前の料理の印象を決めるのは見た目次第であると言ってもよいでしょう。見ることは一度に色々な情報を得ることができるのです。私は見た目にこそ食をより美味しく、楽しくする工夫があると思い、見た目に注目することにしました。
《 美味しそうな見た目とは? 》
・シズル感(肉汁が溢れたハンバーグ、焼き目のついた餃子…)
・彩り(色はそれぞれ持つイメージがある)
・料理と器のバランス
・盛り付け方 など
→ 食べ物の見た目は案外奥深い!!
《 発表内容 》
第一回の発表では色の持つイメージや器選びのポイントなどを中心に見た目の絵画的な面について取り上げました。第二回の発表では食べ物そのものの良さを生かすシズル感や、飲食店の広告写真とSNSに載っているような料理写真の違いなどから、美味しく見える食べ物、食事がより楽しくなる工夫を紹介していきたいと思います。この発表が普段の食事をより豊かなものに変えられる1つのきっかけになれば幸いです。
音楽と食について / ~BGMの役割とは?~
【18. 食と空間・食シーン / 23. 人間・生活・環境】
皆さんはお店のBGMを意識して聴いているでしょうか?
恐らくほとんどの人は聴いていないと思います。日本BGM協会によれば、BGMは「連続的あるいは断続的に音楽を流すことで、音楽を背景化し、空間を演出するもの」と定義されています。つまり意識的に聴かれないことが普通であると言えます。ですが、表立った演出要素ではなくともBGMはお店によって様々な役割を果たしています。
第一回発表ではBGMの種類や流す方法、フィールドワークを通して実際にカフェではどんな曲を流しているのかを調査し分かったことを発表しました。
スターバックスのある店舗にフィールドワークを行ったところ、BGMが止まり、少しの間店内が無音状態になると、それまでおしゃべりに夢中だった二人組の女子高生が会話を中断し、BGMが流れると会話を再開させるという興味深い現象がありました。意識して聴いていることはなくても、消してしまうと不安になり居心地が悪くなってしまう。図書館ではなくカフェやお店での読書や勉強を好む人は、こういった無音の空間が苦手で利用すると考えられないでしょうか。
スターバックスのBGMを調査していくうちに、ジャズや、R&B、ボサノバなどの、同じようなカフェ定番曲が流れていることに気付き選曲方法を調べた結果、本社の担当部署が選曲したCDを各店舗に送っていること、時間のずれがあるものの日本の店舗は同じものを流していることが分かりました。ではドトールやサンマルクカフェなど、他の大手コーヒーチェーンではどうなのでしょうか? 個人店では? 店員さんや有線放送の方に問い合わせたところ、様々なお店のBGM事情を知ることが出来ました。
縁の下の力持ちであるBGM。その魅力を今回の発表でさらに掘り下げていきます。
同じカフェでも何が違うの!? / カフェから始まる非日常
【10. サービスとホスピタリティ / 18. 食と空間・食シーン】
街を歩けば、さまざまな場所にカフェがあります。私たちは、日々カフェに囲まれながら日常を過ごしています。みなさんは、一体いくつのカフェに囲まれて過ごしているでしょうか? 自分の街のカフェを数えたことはありますか? 私の住んでいる街には駅前だけで10件あります。いつも何気なく利用していた、または通り過ぎていたカフェに注目してみると何か面白い発見があるかもしれません。私は今まで何気なく入っていたカフェが普段とは違う非日常「なんだ、ここは!?」と感じることがたくさんあります。
第一回発表では、フィールドワークを通して同じスターバックスコーヒーなのに「なんだ、ここは!?」と思った店舗をタイプ別に分類し紹介しました。同じスターバックスコーヒーでも店舗のある街の表情、店舗空間、集まる客と店員の作り出す雰囲気が影響しあって同じカフェでも店舗ごとに特徴が出ていることがわかりました。
第一回発表を終えてスターバックスコーヒーだけではなく、いろいろなカフェに足を運びました。たとえば猫カフェ、金魚カフェ、キャラクターコラボカフェなど。6月から現在までにおこなったフィールドワークで特徴的だった店舗を取り上げスターバックスコーヒーと比較し今後のカフェはどうあるべきかを考察します。このフィールドワークをおこなったことで気づけたことがあります。それは何度も利用している店舗でも、そこにいるお客さんや店員さんは毎回違います。当たり前のことですが、私たちはこの事を忘れがちです。同じ店舗でも曜日や時間が違えばまた違ったお店になっています。みなさんも、カフェを利用することがあれば視点を変えてみると今までと違った面白い発見があるかもしれませんよ。何か面白い発見があれば、私にもお話を聞かせてくださいね。
宮城 重二ゼミ
お一人さま「1汁1菜(3品)ごはん」 / ―現代食への一汁三菜の取り入れ方―
【1. 日本の食 / 16. 料理を伝えるカタチ / 22. 健康・美容】
みなさんは普段の食事にどれだけ気を使っていますか? 健康に良い栄養バランスのとれた食事を摂りたいと思っていても、作るのが面倒、食材を買い集めるのが難しい、時間がないといった理由で、単品で済ませたり、欠食をしたり、満足のいく食事をしている人も少ないのではないでしょうか。特に大学進学を機に一人暮らしをしている人は自炊で苦労している人も少なくありません。わたしは、自分の健康や楽しい食生活のためにも、もっと日頃の食事を大切にし、自炊を手軽に取り入れてもらうきっかけ作りができないかと考えました。
前回の発表より和食の一汁三菜の「栄養バランス」と「食材を豊富に取り入れる」といった2つの利点を生かし、『1汁1菜(3品)ごはん』の条件・ポイントを踏まえて提案しました。その中で、「一汁三菜を作るのは大変だけど、1汁1菜(3品)ごはんなら作れそうだと思った」「真似したいと思った」という感想が多くありました。同時に「バランスの取れた食事がしたいが、なかなかできない」といった、栄養に関心はあるものの実際に自分で作ることは難しいと思っている人が多いことがわかりました。
今回の発表では「1汁1菜(3品)ごはん」の概要や条件・ポイントをおさらいし、「1汁1菜(3品)ごはん」の提案の目的を確認していきます。
また、本学の学生を中心に自炊に関する聞き取り調査を行い、食生活や自炊の実態を調べました。聞いていくうちにそれぞれの食事に対する意識や生活の背景が見えてきました。そして人にはそれぞれの生活があり、食生活があることを実感しました。その上で「1汁1菜(3品)ごはん」の食事をどのように提案していくかを考えました。つまり聞き取り調査をもとに、「1汁1菜(3品)ごはん」のメニューを試作し、提案をします。条件やポイントを押さえ、自炊の課題に向き合いながら、各人の生活・食生活に合った食事をそれぞれに提案します。
わたしの今回の提案は誰でも日常的に実践することのできる食事です。和食の一汁三菜の栄養バランスや食材の多様さに注目しましたが、栄養の数値に捉われることなく、3品といった食材単位での提案をしました。「1汁1菜(3品)ごはん」を参考にしてもらい、自身の健康のためにも日頃から食事を大切にしてもらうきっかけになればと思います。
守屋 亜記子ゼミ
私の「かわいい」カフェ / ―地元高円寺の商店街に架空のカフェを作る―
【6. お店をつくる / 18. 食と空間・食シーン / 23. 人間・生活・環境】
【実習背景】私は、「かわいい」という言葉を無意識に使う。思ってもいないのに言ってしまうことがあり、なぜなのか疑問に思った。以前からカフェに興味があったことから、カフェ作りを通して、私の「かわいい」が何かを探すことにした。
【目的】昨年8月から始めたフィールドワークでは、約40軒のカフェを回り、外装や照明などの項目に分けて、「かわいい」点を分析した。それを具体化し、最終的に私の「かわいい」カフェを作る。場所は、地元である高円寺の商店街にしたい。
【実習内容】第1回の発表では、文献研究とフィールドワークにより、「かわいい」とは、形が丸い、色が明るい、小さいなどの見た目に愛らしい、庇護したいという感情を抱くことだと分かり、見た目だけでなく、感触や心情などからも捉えられることが分かった。例えば「かわいい」と思ったステンドグラスの照明器具は、サイズが小さく、鮮やかな色づかいに暖かさを感じ、それが落ち着くなど、私の「かわいい」が具体的になってきた。また、私は居心地が良くて、落ち着くことが出来ないと、「かわいい」と思わないことに気付いた。
第1回の発表後は、建築的な観点から私の思う「かわいい」カフェを探すため、建築関連の専門書を読み、内装や椅子、机、空間について調査した。内装の床や壁、天井は面積が広いため、インテリアのベースとなり、色の合わせやすさを左右する。椅子や机は、人体寸法をもとにして、座ったときに落ち着くことが出来るかどうかが大事になる。空間は、隣との席の近さやサービス通路の幅などが十分に確保されているかなどにより、居心地の良し悪しが判断されることが分かった。それらを踏まえて、さらにカフェでフィールドワークを行い、「かわいい」を分析した。私が「かわいい」と思ったカフェには、共通して暖色系のクリーム色の壁が多く、暖かみを感じることが出来た。クリーム色は、穏やかに周りに溶け込むことが出来る色で、落ち着くと感じた。椅子は背もたれがあり、素材が木などの暖かみを感じられる質感であると心地よいと感じた。空間では、隣の客席との間隔が60cm程ないと人が通りづらい上、隣の客を気にしてしまうなど、落ち着くことが出来ないことが分かった。
第2回の発表では、これまで分析した「かわいい」を集め、私の「かわいい」を具体化したカフェをお見せしたいと思う。
韓国人が日本でラーメンを食べる理由
【1. 日本の食 / 2. 世界の食】
【実習背景】SNSを見ていて、私は多くのK-POPアイドル達が来日した際にラーメンを食べていることに気が付きました。私はラーメンを中華料理と考えていたため、なぜ日本へ来てラーメンを食べるのか疑問に思いました。
【目的】この実習では、韓国人が日本へ来た際になぜラーメンを食べるのか、その理由について明らかすることを目的とします。そのために、韓国人が好むラーメンの味を探り、その味を好む理由について明らかにします。
【実習内容】第1回の発表では、日本のラーメンの歴史、日本と韓国でそれぞれ行ったフィールドワークについてまとめました。歴史からは、今日のラーメンが「中華風和風めん料理」という、中華料理とも日本の料理とも言い難いものであることが分かり、フィールドワークからは、韓国人が好むラーメンには「肉ベースのスープ」「辛い味」という2つの特徴があることが見えてきました。
第1回の発表後は、「肉ベースのスープ」と「辛い味」を好む理由について知るために、韓国の肉食文化と唐辛子文化について文献調査を行いました。その結果、肉食文化では肉だけでなく骨や内臓なども余すことなく使う文化が発達していることが分かりました。代表的なものでは“ソルロンタン”“コムタン”といった牛の骨、内臓などを煮出して作るスープがありました。また、韓国には料理の味付けなどに使われる牛肉の顆粒ダシというものも存在します。唐辛子においては薬味としてではなく、調味料として料理に用いる文化が発達しました。唐辛子に含まれる辛味成分カプサイシンによるやみつき感も辛い味を好む理由の一つとして挙げられます。現在の料理では“トッポッキ”“キムチ”などに見られます。以上の文献調査の結果から、韓国人は日常的に「肉ベースのスープ」や「辛い味」のものを食べ慣れており、これらの味に親しみがあるのではないかということが見えてきました。次に、日本のラーメンの中で好きな味、その味を好む理由などを聞くために、約50人の韓国人にアンケート調査を行い生の声を集めました。
第2回の発表では、文献調査から分かった韓国の食文化的観点を利用してアンケート調査結果を分析し、「肉ベースのスープ」と「辛い味」を好む理由を明らかにします。それを基に韓国人が日本でラーメンを食べる理由について迫りたいと思います。
家庭でも簡単にできる!体が温まる薬膳料理 / ―目指せ冷え性改善―
【8. メニュー提案 / 11. 食材の可能性 / 22. 健康・美容】
【実習背景】私は冷え性がひどく、これまで厚着やお風呂に長く浸かるなどの方法を試してみたが改善されず、食事療法である薬膳料理に着目した。
【目的】薬膳と冷え性の文献研究や薬膳料理教室の分析を通じて、自分自身が家で簡単に作ることの出来る薬膳料理のレシピを開発し、毎日の食生活に取り入れることで、自分自身の冷え性の改善を目指す。
【実習内容】第1回の発表では、薬膳と冷え性の定義、薬膳料理教室と『栄養と料理』の「冷え」特集の分析を行った。その結果、タンパク質を摂ること、生姜等の体温め食材を摂ること、加熱調理をすることの3点が冷え性を改善するために重要だとわかった。また、自身の2週間の食事記録をとった結果、タンパク質は多く摂れていたが、体温め食材があまり摂れていないこと、非加熱の料理が多いこと、2週間のうち自分自身が調理したものが1食もなかったことが分かった。
第1回の発表後は、薬膳料理店(薬膳カレー専門店、和食薬膳等)と薬膳料理教室の分析、体温め食材の科学的な効果の調査を行うとともに、専門家の方に意見を伺った。その結果、薬膳料理教室と『栄養と料理』の「冷え」特集と同様に、薬膳料理店でもタンパク質と体温め食材が使用され、加熱料理が多いこと等が分かった。これらを参考に、家庭でも簡単に作ることの出来る冷え性改善のレシピを考案し、さらに、そのレシピを自身の生活に取り入れ、効果をみることにした。
実際に自分で作った薬膳料理を生活に取り入れてみると、毎日3食全て自分で一から作り、全てに体が温まる食材を使用することがとても大変だと分かった。そこで、調理工程や使用する食材を減らすために体が温まる食材を使用した調味料を作り、自分で調理できる際にはそれを足し、自分で作ることが出来ない場合には食卓でジンジャーパウダーやシナモン、七味などを足すようにした。また、外食の際には、なるべく加熱料理でタンパク質と体が温まる食材を使用しているものを選ぶようにし、飲み物は温かい薬膳茶などを持ち歩き、服装や電車は弱冷房車になるべく乗るようにする等普段の生活から体が冷えないように心がけた。
第2回の発表では、薬膳料理店と薬膳料理教室の分析、体温め食材の科学的な効能についてまとめた上で、家庭でも取り入れやすい薬膳料理のレシピを紹介するとともに、実際の食生活に取り入れてみた結果について発表する。
2036年のツカハラ家の食事未来図 / 我が家の味を介護食に
【1. 日本の食 / 8. メニュー提案 / 14. 食のハンディキャップ】
【実習背景】私は、3年生のときに「介護食事論」という授業で介護食を食べ、見た目が美しくおいしかったことから、介護食に興味を持った。いずれ、私の両親も介護食を食べることになるかもしれないという思いから、我が家で普段食べている料理を介護食にすることにした。
【目的】20年後の2036年、父80歳、母73歳になったとき、旬の食材を取り入れた一汁三菜の介護食を食べてもらうために、介護食とは何か、我が家の料理の特徴について明らかにし、両親が満足する我が家の介護食を作る。
【実習内容】第1回の発表では、特別養護老人ホーム「いなぎ正吉苑」でのフィールドワークより、施設利用者にとって食事は1番の楽しみであること、1日中室内で過ごすため、食事に季節感を出すことが大切だと学んだ。また、我が家の料理の特徴について調べた結果、和食が多く一汁三菜で、主食は必ず米飯であることがわかった。これらの特徴を取り入れ、春・冬の介護食を試作した。
第1回発表後は、介護食に取り入れられる日本料理の技法を調べた。すり流し、餡かけなどがあった。そこから、引き続き夏と秋にも我が家の料理の調査を行い、調べた技法を取り入れて試作を行なった。その際、日本介護食品協議会が制定したユニバーサルデザインフードの「容易にかめる」を目安に作った。例えば、「いわしの蒲焼き」は、缶詰のものをがんもどきに混ぜて揚げ、餡をかけることで食べやすくした。介護食の授業の先生も招いて試作会を行い、アドバイスを頂いて改良を重ねた。他にも、介護食に季節感を取り入れることが大切だと学んだことから、行事食を試作した。
さらに、市販の介護食についても調査を行った。近所のスーパーで販売されているレトルトの介護食で一汁三菜を用意し、我が家の一汁三菜の夕食とエネルギー量や食塩相当量などの栄養面、価格を比較した。レトルトの介護食は、作るのは簡単だが味が薄くて美味しくなかった。また、冷凍の介護食は味は非常に良いが値段が高く毎日は食べられない。私は家で作ったものを両親に食べてもらいたいと思った。
第2回の発表では、調べた日本料理の技法、試作した夏・秋と行事食の介護食の作り方のポイント、市販の介護食の調査結果を発表する。そこから、人にとって死ぬまで食べるとはどういうことなのか、みなさんにも考えてもらいたい。
Food Meets Accessories. / 四群点数法をアクセサリーで表現する
【4. 情報発信と表現 / 13. 食育 / 21. 食とエピソード】
【実習背景】近年、女性の過度なダイエット志向や低栄養が問題視されている。国民栄養健康調査(厚生労働省発表)によると、20歳代の女性のやせの割合は過去10年間で減少しているものの、依然として一定の割合で推移し続けている。そこで、SNSを中心に女性の間で人気を博している食品サンプルを製作し、バランスの良い食事法である四群点数法を広められないかと考えた。
【目的】本実習では、過度なダイエットをしてしまっている人、食事に気を遣う時間がない人をはじめとして、栄養学について深く知らない人にまずは身近なアクセサリーから栄養学に関心を持ってもらうことを目的とする。
【実習内容】第1回の発表では、文献により、大正六年に西尾惣次郎が料理模型を製作したのが食品サンプルの始まりと分かった。また、食品サンプル製作体験を通し、製作技法を学んだ。「アクセサリー」に関連して、シンボルを身に着ける代表として社章を着用した際の心境の変化についてアンケート調査を行った。アンケート結果からおよそ7割の人がシンボルを身に着けることにより心境に変化があることが分かった。
第1回の発表後は、再度食品サンプル製作体験をし、四群点数法アクセサリーの改良をした。さらに、社章の着用による心境の変化と同様の変化が、四群点数法アクセサリーを身に着けることによっても起こるのかを検証した。若葉祭での販売経験から、調査対象を10代まで広げることにし、10代から40代までのモニターに協力してもらい、事前に食事記録をとり、一定期間アクセサリーを着用してもらった。着用期間終了後、食事記録をとり、これまで食生活に関心がなかった人の食生活への変化を調査した。11月の駒込祭では、ハンドメイドコーナーに四群点数法アクセサリーを出品した。
第2回の発表では、四群点数法のシンボルであるアクセサリーを実際に着用して下さった方々のご意見や食生活の変化、シンボルを身に着けることの意義、四群点数法アクセサリーの製作方法、駒込祭での販売、現段階での四群点数法の認知度、そこから浮かび上がる四群点数法の今後の広報においての課題と、私がこの実習を通して学んだシンボルを身に着けることの意義、バランスの良い食生活の大切さについてまとめていきたいと思う。