香友会主催講座・講習会
令和6年度第1回「元気はつらつ市民講座」開催報告

 令和6年度第1回「元気はつらつ市民講座」が、令和6年10月18日(金)10時より、女子栄養大学栄養科学研究所客員研究員でヘルスサポート研究会カナン代表の新出真理先生(管理栄養士)、女子栄養大学教授の福島亜紀子先生(臨床検査技師)をお迎えし、「骨の健康チェックと食生活のコツ」をテーマに開催されました。

講師画像

講師の新出真理先生


 参加者は31名(女性30名、男性1名)で60歳以上の参加が28名でした。市の広報誌で本講座を知った方がほとんどで、坂戸市、鶴ヶ島市の方が多く参加されていました。参加の理由で一番多かったのは「テーマが魅力的だったから」で、香友会主催の講座に初めて参加する方が20名と最も多かったのですが、中には5回以上の方が2名いらっしゃいました。

 

 会場に来られた方から順番に骨密度測定を開始。福島先生に、かかとを使って骨密度を測定していただきました。
 講座の冒頭、各自配布されたプリントを使って最近一週間の「食事摂取の多様性得点」を計算しました。肉、魚介類、卵、大豆・大豆製品、牛乳、緑黄色野菜、海藻類、いも、果物、油を使った料理の10種類から、毎日食べていれば1点で合計10点満点で計算し、何が不足しているかの確認をしました。合わせて「カルシウム自己チェック表」を計算しました。牛乳を毎日どれぐらい飲みますか? しらす干し、干しエビなど小魚類を食べますか? など10項目の質問に点数をつけ、どの項目が低いかチェックし改善策を考えます。
 全員の骨密度測定が終わった後、福島先生から測定結果の見方の説明があり、自分の数値が平均値と比べてどの位置にあるかを各自確認しました。
 講義では、新出先生から、骨粗鬆症とは骨強度(骨密度+骨質)の低下により、骨がもろくなり骨折しやすくなる骨疾患であること。骨の主成分はたんぱく質+カルシウムであること。女性は閉経後は破骨細胞が多くなり骨が弱くなること。年齢が上がるとともに骨粗鬆症有病率が増えること。50歳以上の女性のうち3人に1人は骨粗鬆症による骨折を経験していること。男性も年齢が上がるにつれて骨粗鬆症有病率が増えること。等、図や表を使ってわかりやすく説明していただきました。

 また、丈夫な骨を作る食生活のポイントについて、
 1.朝から3食
 2.食事バランス
 3.骨にOK&NG食品 の項目で説明がありました。

  • 毎日三食きちんと食べることにより、体内時計のリズムが整う。必要な栄養素とエネルギーが補給できる。筋肉の維持。生活習慣病の対策にもなる。
  • 主食、主菜、副菜がそろった献立で、バランスの良い食事をすることで食品摂取の多様性得点が上がり、若さが保てる。合い言葉「さあにぎやか(に)いただく」([さ]かな、[あ]ぶら、[に]く、[ぎ]ゅうにゅう、[や]さい、[か]いそう、[い]も、[た]まご、[だ]いずせいひん、[く]だもの)を覚えて、できれば7点以上毎日食べるようにする。
  • カルシウムの吸収を助けるビタミンDを多く含む食品は魚類、茸類で特に鮭、鰯、サンマ、舞茸など。骨の形成を強めるビタミンKを多く含む食品は納豆、チーズ、ほうれん草、モロヘイヤ、蕪の葉など。反対にカルシウムの吸収を妨げるものはリンで、加工食品やインスタント食品の取り過ぎに注意が必要。塩の取り過ぎにも注意。等、説明していただきました。

 最後に料理の工夫についてお話がありました。
 麺類を食べるとき、肉や卵などの主菜系の食品と野菜を麺類と一緒に茹でる。またはハムや缶詰、野菜を添えて食べる。調理は電子レンジ加熱やトースター加熱、フライパン蒸し焼きで簡単手早く調理。焼き浸しなど簡単な作り置き料理で手間を省く等、すぐに役立つ調理のお話がありました。

講義画像

会場の様子

 講義についての参加者の意見・感想は、明るく元気な話し方で、とても楽しく学べた。私や家族の健康のために良かった。話が聞きやすくよかった。内容も分かりやすかった。調理の仕方が参考になった。筋道の通った説明で解り易く納得できた。食品の種類を多くする理由が分かった。食事の質の大切さ、若さの秘訣など、骨の話だけではない事も学べたので嬉しい。栄養面からなぜ緑黄色野菜が必要なのか分かった。説得力有り。毎日の食事にためになることばかりでとても良かった。魚ときのこを食べるようにします。などがありました。また、1名参加の男性から、男性にも非常に参考になるため男性がもっと参加しやすい工夫を、との貴重な意見がありました。 
 皆さん関心のあるテーマなので、熱心に聴講され、多くのことを学び、骨密度も測定できてとても満足されたようです。

                       〔報告 香友会広報部〕