香友会主催講座・講習会
令和5年度第3回「元気はつらつ市民講座」開催報告

 令和6年1月16日(火)10時より、香友会館において、第3回元気はつらつ市民講座が開催されました。テーマは「郷土料理から食文化を学ぶ~秋田編~」。香友会館と秋田会場をオンラインで繋ぎ、香友会秋田支部との共同で実施しました。熱気に包まれた満員の会場では、秋田の郷土料理や食文化に関する興味津々の講義に聴き入り、楽しい試食体験に大満足の講座となりました。

秋田会場の画像

秋田会場からのオンライン講義

 はじめに秋田会場から、香友会秋田支部の谷口典子支部長そして佐藤順子支部役員より「米どころ秋田の郷土料理」というテーマでお話いただきました。生産量全国3位の秋田。そのお米のおいしさの秘密は、秋田の自然。3大河川(米代川、雄物川、子吉川)が運ぶ肥沃な土壌で育まれた、「あきたこまち」そして新しいブランド米で特A評価を得た「サキホコレ」を紹介いただきました。郷土料理は農作業の合間のおやつとして「ほおの葉めし」「あずきでっち」「笹巻き」の3種類。ハレの日のお盆の行事食「あかすし」「あさづけ(粉なます)」。歳とりの行事食「ハタハタ寿司」など、お米を使った郷土料理を、写真をたっぷり使用して丁寧に説明していただきました。また、米麹で作った甘酒や清酒、がっこ(漬物)、魚醤(しょっつる)など、発酵文化の中心となる製品についてもお話いただきました。秋田の郷土料理は、長い冬・積雪等の厳しい気候の中で、米・野菜・山菜・魚などの自然の恵みと発酵の力を上手に利用した保存食であり、ハレの日のごちそうであり、労働のためのエネルギー源として、受け継がれてきた伝統食だということが良くわかりました。


長嶋副支部長画像

香友会館にて長嶋智子副支部長による講義

 続いては、香友会館にて長嶋智子副支部長による「秋田の食文化“しょっつる”」の講義でした。世界の魚醤から日本の魚醤、醤油と魚醤の違いなど幅広い知識を得るとともに、秋田の「しょっつる」紹介では、和洋中の様々な料理の万能調味料として、手軽に使える利用方法も教えていただきました。明治40年創業の「髙橋しょっつる屋」の髙橋社長にもオンラインで登場いただき、参加者に有益な情報を提供いただきました。

 さらに会場を秋田に移し、宇佐美佳奈子支部役員より、「きりたんぽ」について、その起源や歴史、名前の由来、食べ方などを紹介いただきました。本場大館のきりたんぽの条件は、①たんぽ②比内地鶏ガラからとっただし③比内地鶏④ごぼう⑤きのこ⑥ねぎ⑦セリというお話でした。比内地鶏と白神ネギ、三関セリについて、データや写真で詳細なお話をしていただきました。昨年の「本場大館きりたんぽまつり2023」の様子やそこでグランプリを獲得した「ベニヤマきりたんぽ工房」の紹介もありました。タレントの照英さんが「きりたんぽ作り」を実演したテレビも紹介いただき、きりたんぽの作り方もしっかり理解することができました。


実演の画像

きりたんぽの作り方の実演

 秋田の食文化について、様々な資料や写真など紹介いただき、たくさんの知識を得ることができました。最後に会館に会場を移し、長嶋副支部長より、きりたんぽの作り方の実演をしていただきました。きりたんぽは、あたためて使用すること、セリ根もきちんと使って作るなど、実物を見ながら説明を聞き、理解が深まりました。そして試食タイム。はじめは、鶏ガラスープとそのスープにしょっつるを一滴加えるだけで、ぐんとうま味と風味が増す変化を体験。次にきりたんぽ鍋。比内地鶏の弾力のある噛み応えとそのうま味の強さ。セリの根っこのシャキシャキとした美味しい食感。うま味たっぷりですが、さっぱりとした醤油のだし。おいしいきりたんぽ鍋をいただきました。そしてコーンご飯。しょっつるとコーンを加えて炊いただけのご飯で、コーンの甘さとしょっつるのうま味が優しくマッチしていました。

 秋田と香友会館を繋いだはじめての市民講座は大成功でした。秋田支部の皆様、データに基づいた素晴らしい講義と写真や画像を生かした五感に訴えるご紹介をありがとうございました。


きりたんぽ鍋画像

秋田名物 きりたんぽ鍋

コーンの炊きこみご飯画像

しょっつるでコーンの炊きこみご飯

 

 

 

 

 

 

 秋田支部画像

秋田会場の秋田支部の皆様

                                   報告:香友会広報部