香友会主催講座・講習会
令和5年度第2回「元気はつらつ市民講座」開催報告

『ハーブ&スパイスのクリスマスポプリ』
ポプリ製作実習:作って学ぶポプリの基本

 12月6日(水)、師走とはいえ暖かな日差しのなか多くの参加者が集まり、令和5年度第2回元気はつらつ市民講座が開催されました。講師の今井久美子先生は女子栄養大学栄養学部を卒業され、川村学園女子大学生活創造学部生活文化学科教授を経て、現在は吉祥寺二葉栄養調理専門職学校講師として、また「熊井明子ポプリの会」講師として活躍の場を広げられています。

講師画像

講師の今井久美子先生

会場の様子

 

 

 

 

 

 


 ポプリとは花を主役に、葉や木の実などにハーブやスパイス・精油を混ぜて芳潤な香りを創り出すものです。ポプリには生活に香りを演出し、またリラックス効果も得られ、身近な材料で手作りできる楽しみもあります。

 ポプリの語源や歴史を語る先生のお話は、宗教や文化と関わる興味深いストーリーでした。ヨーロッパでは小さな穴から香りを放つ専用のポプリポットが使われていたこと、さらには時代を遡ってエジプトの墓からは三千年前の香りが発見されているそうです。「香」は神と交信する手立ての一つと考えられ、クリスマスの香りです。

1.松ぼっくりのクリスマスオーナメント

 ヒートン(金具)を取りつけてリボンを結んだ松ぼっくりに、松(パイン)やモミの木の精油を滴らしてポプリの飾りを作りました。

 

2.クリスマスポプリ(聖なる3つの贈り物:黄金、乳香、没薬)

 熊井明子先生の配合をベースにポプリの調合例を示していただきました。バラのドライフラワーにスパイスのタイムを混ぜ、香りを吸収する保留剤としてシナモンやクローブを加えます。さらにローズオイル(精油)を滴らし、樹脂系の香りを放つ乳香(フランキンセンス)と没薬(ミルラ)も加えて瓶に詰めます。最後に黄金をイメージした金色の小物を一つ入れて蓋をし、香りが熟成されるのを待ちます。
 聖なる3つの贈り物とは、キリスト生誕を知った東方の三博士が幼子イエスに捧げた高価で貴重な植物「黄金、乳香、没薬」と聖書に記されています。

 

3.クリスマスをイメージして敷物を飾る

 折り紙で作ったカラフルなクリスマスやポインセチア柄の敷物に、ポプリ瓶や松ぼっくりを飾りました。敷物は川村学園女子大学の髙橋裕子先生の作品です。受講生の皆さんはビーズの装飾を加えるなどの仕上げに取り組みました。
 香りの楽しみ方として、熟成したポプリをお皿に移しても美しいとのアレンジも教えていただきました。最後に、柑橘系の果物とスパイスを組み合わせたクリスマスオーナメントの紹介がありました。新鮮なオレンジにたくさんのクローブを刺したフルーツポマンダーです。クローブを刺したあとに粉末のシナモンやオールスパイスをまぶすことでオレンジが腐りにくくなり長期保存ができるそうです。

作品画像

仕上がった作品

オレンジで作ったポマンダー(写真手前)

 

 

 

 

 

 

 


 ハーブの香りに包まれた会場では、先生やスタッフがテーブルを回りながら質問に応じたりアドバイスをしたり。またグループでの交流も生まれて和やかな雰囲気の講座となりました。参加者がお持ち帰りのポプリは2〜6週間後、クリスマスの頃には芳醇なアロマに仕上がることでしょう。

 年末にふさわしいテーマを提供くださいました今井先生、ありがとうございました。

  (取材・報告:香友会広報部)