香友会主催講座・講習会
令和4年度第3回「元気はつらつ市民講座」開催報告

 令和5年3月23日(木)10時より、香友会館において、第3回元気はつらつ市民講座が開催されました。テーマは「きのこ活用術 おいしく食べるコツ」。講師は女子栄養大学准教授宮澤紀子先生。宮澤先生は、大学で教鞭を執られる傍ら、学会活動や地域と連携したきのこに関わる様々な研究にも取り組んでおられ、商品開発そして食育活動にも積極的に関わっておられます。「きのこ」を生産することから美味しく食べることまで、繋げていきたいと語られ、その言葉どおり、きのこの生産・栄養・機能性、そして美味しい食べ方まで丁寧にわかりやすく、教えていただきました。

 資料も栄養素やおいしさに関わる要因についてまとめられたものや、長野県中野市の「JAなかのきのこ新聞」そしてきのこの美味しい食べ方レシピなど、きのこ情報が満載。充実していて、たくさんのレシピも掲載され、大変ありがたいものばかりでした。

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講師の宮澤紀子先生

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きのこ情報満載の資料

 

 

 

 

 

 


 はじめに、きのこの生産についての話でした。きのこがどのように育っていくのか。きのこには、人工栽培しにくい寄生性キノコ(松茸や冬虫夏草)と人工栽培可能な腐生性キノコ(しいたけ・なめこ・えのきなど)があること。しいたけの原木栽培の様子やエノキタケの菌床栽培の様子など写真でわかりやすく説明いただきました。野生のきのこは洗って使う。人工栽培のきのこは他の菌があると育たない。クリーンな部屋(無菌室)で育つため、洗う必要もないなど、普段の疑問に答える形でお話いただきました。

 きのこの栄養値は、90%が水分。ビタミンDと食物繊維が多いことなど、野菜の成分との違いを含めてお話いただきました。

 美味しさについては、人のもつ基本的な構成要素の話。味(味覚)の基本味(五味)、味の相乗効果や対比効果。臭覚(芳香・におい・香り)についての話。特に干ししいたけのうま味については、戻し方(温度と時間)をデータで説明いただきました。昔ながらのやり方、低い温度でゆっくり戻すと美味しくなるのが理にかなっていたことなど、「なるほど」と頷いてしまうお話で引き込まれました。

 しいたけと言っても、色々あるという話にもびっくりしました。大分県の乾燥しいたけにも「ゆう次郎」「にく丸」など名前があり、生のしいたけにも色々な名前がついているのです。また形状による分類もあり、しいたけの品柄(シナガラ)といい、かさの開き方で名前がついています。今は、干ししいたけも品種で売り出されているものもある、ということです。先生は大分県との共同研究で、官能評価等できのこに関する様々なデータと経験的に行われ、言われてきたこととの整合性を確認するなど、詳細な研究を継続して行っておられます。「きのこ」の可能性はさらに広がっていくと感じました。

 きのこ生産量の1/4がエノキダケ。そのえのきと水をミキサーにかけドロドロにし、煮詰めて氷にした「えのき氷」。毎日50g摂取することで、脂質異常症等の改善効果など期待できることも臨床試験データを用いて説明していただきました。その他、きのこは免疫賦活剤として医薬品として用いられてきたこと。きのこは木を分解する菌類。環境ホルモンを分解する手段のひとつとしても利用されることなど、幅広いきのこのお話を伺うことができました。

 しいたけのひだを上にして天日干しするとうま味やビタミンDがアップ。ビタミンDは水に溶けないので、油と一緒に調理して摂取する。きのこを割く、カットし、バラ凍結して保存する。解凍しないでそのまま使う。きのこは置いておくと自己消化してくるので、水っぽくなっていないものを購入する。きのこは加熱して食べる。そして最後に、配布いただいたレシピの紹介もしてくださいました。普段の生活の中で簡単に実践でき、きのこを上手に美味しく食べるための「きのこ活用術 おいしく食べるコツ」をたっぷり教えていただきました。

 そして、なんと6種類ものきのこのお土産。私もいただきました。帰ってすぐ、きのこ料理。

先生おすすめのレシピを3種類作りました。簡単で、本当に美味しかったです。そして、バラバラにして冷凍庫へ。マリネは次の日にも美味しくいただきました。

現在、日本人は16g/日きのこを摂取しているということですが、先生は50g/日は摂取して、健康的な生活をして欲しいと言われます。私もきのこを生活に上手に取り入れていきたいと強く感じました。講演時間が過ぎたにもかかわらず、参加者がたくさんの質問をし、満足感溢れる素晴らしい講座となりました。宮澤先生ありがとうございました。

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講座の様子

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たくさんのお土産をいただきました!


(報告:香友会広報部)