香友会主催講座・講習会
2019年度第2回「専門家講座」開催報告

テーマ:「授乳・離乳の支援ガイド」改定のポイント
講 師:堤 ちはる先生(相模女子大学教授)

 2019年(令和元年)7月21日(日)、女子栄養大学駒込校舎小講堂において、「授乳・離乳の支援ガイド」改定のポイントをテーマに、相模女子大学教授の堤ちはる先生を講師にお迎えして第2回専門家講座が開催されました。
 「授乳・離乳の支援ガイド」は、授乳、離乳の望ましい支援の在り方について、妊産婦や子供に関わる保健医療従事者を対象に、所属する施設や専門領域が異なっても基本的事項を共有し一貫した支援を進めるために、2007年3月に厚生労働省によって作成されました。それから10年が経過し、科学的知見の集積、育児環境や就業状況の変化、母子保健施策の充実など、授乳、離乳を取り巻く社会環境の変化がみられたことから、有識者による研究会を開催して本ガイドの内容を検討、2019年3月に改定が行われました。
 

講師画像

講師の堤ちはる先生

 堤ちはる先生は、前回、今回ともに研究会の委員をされており 改定されたポイントや経緯、内容などをわかりやすく講義していただきました。支援ガイドは今年3月に改定されたばかりなので、その内容の詳細を受講したいと、会場には管理栄養士、栄養士、看護師、学生など定員いっぱいの約140名の方が参加しました。
 今回の改定の基本的な考え方は、支援者が授乳・離乳を通じて母親などの気持ちや感情を受け止めて寄り添い、育児に自信を持たせることを重視しています。また、前回同様に他機関、他職種の保健従事者が授乳及び離乳に関して基本的事項を共有して、支援内容が異なることのないように一貫した支援を推進しています。

 

 

 

 

「授乳・離乳の支援ガイド」2019年改定の主なポイント
① 授乳・離乳を取り巻く最新の科学的知見等を踏まえた適切な支援の充実
② 授乳開始から授乳リズムの確立時期の支援内容の充実
③ 食物アレルギー予防に関する支援の充実
④ 妊娠期からの授乳・離乳の支援に関する情報提供の在り方
☆詳細は「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改定版)を参照してください。
 
 離乳食について学んだ機会があったにもかかわらず、学んだ内容がニーズに合っていないために離乳食に不安をもっている保護者が75%もいるそうです。保護者の気持ちに沿った支援をするために、このガイドは必要不可欠なものです。
 研究会の委員として改定に携わられた堤先生から直接改定内容について説明を聴くことができ、講座に参加してよかったと思いました。
 最後に、この講座に参加された方々からも「とても参考になった、良かった」という感想をたくさんいただきました。 会場画像

 〔取材 香友会広報部〕