香友会主催講座・講習会
平成29年度第3回「元気はつらつ市民講座」開催報告

レシピを読み解きおいしく調理

平成29年11月2日(木)10時30分より、香友会館において、本年度第3回目となる「元気はつらつ市民講座」が開講されました。女子栄養大学准教授の奥嶋佐知子先生を講師に迎え、「レシピを読み解きおいしく調理」というテーマで、講義だけでなく、料理のデモンストレーションや試食も含めた盛りだくさんの内容でした。

講師の奥嶋佐知子先生

今ではレシピを探すのがとても楽になりました。レシピ本だけでなく、インターネット上でも簡単にレシピを検索することができるようになっています。しかし、あまりにも情報が膨大で、本当に知りたいレシピを見つけ出すことは至難の業です。そこで、レシピのどのような部分を見れば自分の好みの味を見つけることができるのか、また、減塩と適塩の違いと味付けのポイントをご講義いただきました。

同じ「炊き込みご飯」でもレシピは様々。そこで注目していくのが「調味パーセント」です。調味パーセントは、女子栄養大学の創設者である香川綾先生が誰でもおいしく料理が作れるようになるために考案されたもので、女子栄養大学の学生は全員習っています。(詳しく知りたい方は『栄養と料理』をご覧ください。どの号にも載っていますよ!)この調味パーセントは、それだけではなく調味料からどれだけの塩分量を摂取したかも知ることができるのです。

平成28年の国民健康・栄養調査では、食塩の平均摂取量が「男性10.8g/日」「女性が9.2g/日」となっており、10年前と比べて1gほど減っているもののまだ目標値(1日で男性8g未満、女性7g未満)には届いていません。では、毎日どれくらいの塩分をとっているのか知りたくはありませんか? ここで、調味パーセントの出番です。大さじや小さじを正しく使うことで、いつもの味を簡単に誰でも再現できるだけでなく、健康維持にも役立つことを教えていただきました。

デモンストレーションでは、普段行っているような下ごしらえがどのような役割を果たしているのか、また、本当に必要な処理と省いても味に支障がない処理や、香りをつける、酸味や辛みや旨味を足すなど、少しの工夫で薄味でもおいしく食事を楽しむことができるポイントを、調理学の視点からご教示いただき、目から鱗!の時間となりました。実際に試食された方からは「薄味でもおいしい!」とのお声が多く上がりました。

我慢せずにおいしく減塩をし、すぐに日々のお料理に生かしていけるような講座でした。
お越しいただきました皆様をはじめ、講師の奥嶋先生、また、スタッフの皆様、どうもありがとうございました。
〔取材 香友会広報部〕