香友会支部活動
令和8年度 東京支部定例総会・研修会報告

令和8年6月13日(土)、日本栄養大学駒込校舎において、令和8年度東京支部定例総会ならびに研修会を開催しました。

研修会では、管理栄養士、料理研究家、ダイエットコーディネーターとして幅広く活躍されている牧野直子さんを講師にお迎えし、「私の仕事 大衆栄養とは!?」をテーマにご講演いただきました。

牧野さんは平成2年に女子栄養大学を卒業され、現在は有限会社スタジオ食(くう)を主宰されています。栄養学に基づいた「より健康になるための食生活や栄養の情報提供」と、「家族みんなが楽しめる、健康的で簡単でおいしいレシピの提案」をモットーに、テレビやウェブなどのメディア出演、書籍や雑誌の執筆・監修、料理教室、食品メーカーの商品開発、栄養相談など、多方面で活動されています。乳幼児から高齢者まで、幅広い年代を対象に、ダイエット、生活習慣病予防、美容、食育などに関する情報やレシピを、生活者に分かりやすく伝える活動を、牧野さんは「公衆(大衆)栄養活動」と表現されていました。

講演では、大学時代から現在までの仕事の歩みを、多くのエピソードとともにお話しいただきました。大学3年次の就職ガイダンスで開業栄養士という働き方を知り、株式会社ダイエットコミュニケーションズ、現在の「味覚のギャラリー」でアルバイトを始めたことが、現在の仕事につながる第一歩だったそうです。卒業後は同社に入社し、栄養価計算、レシピ提案、料理作成、原稿執筆、栄養指導、料理教室など、さまざまな経験を重ねられました。

結婚を機に退職。独立後は、名刺交換をした方へ年賀状や暑中見舞いを送るなど、人とのつながりを大切にしながら、仕事につながる「種まき」を続けてこられました。口コミによる依頼が増え、出産や子育ての時期には、妊産婦食、離乳食、幼児食など、ご自身の生活経験を生かした仕事へと活動の幅を広げられました。年齢や社会の変化に応じて、女性の健康、美容、シニアの健康、フレイル予防、減塩、野菜摂取、たんぱく質摂取、免疫機能、備蓄食材の活用、個食・孤食への対応など、常に生活者のニーズを捉えたテーマに取り組んでこられたことが印象に残りました。

「ゆる塩」「ゆる糖質オフ」「留守番めし」「○活」など、難しく感じられがちな栄養や健康の課題を、親しみやすい言葉で表現されている点も、牧野さんの活動の大きな特徴です。「自分のことかもしれない」「自分にもできそう」と感じられる言葉を用いることが、栄養の知識を広く伝えるうえで重要であると感じました。

レシピ開発では、「おいしい」「簡単」を基本としながら、主食・主菜・副菜をそろえることを大切にされています。書籍や雑誌のレシピ提案、病態別の献立、スーパーの総菜や弁当の商品開発、調理器具を活用したメニューなど、専門的な栄養知識を、日々の食生活の中で実践できる形に変えて届けてこられました。

さらに、管理栄養士の価値を高めるための仕事の価格についてもお話がありました。栄養指導料、栄養価計算料、レシピ作成料、原稿料、講演料などは、自分の能力や専門職としての価値、仕事に要する時間や拘束期間、クライアントから提示された条件などを踏まえて、検討、交渉、決定されているとのことでした。管理栄養士が自らの専門性を適切に評価し、仕事として成立させていくことの大切さを改めて考えさせられました。

仕事に必要な力として、大学で学ぶ専門知識を基礎に、栄養価計算力、献立作成力、調理力、文章力、企画力、プレゼンテーション力、マーケティング力、交渉力、ネットワーク力などを挙げられました。学生時代には、食べ歩き、料理番組や書籍を見ること、新聞を読むこと、旅行、アルバイト、勉強会への参加、人とのつながりづくりなど、幅広い経験を積むことが大切であるとの助言もいただきました。

現在の華やかなご活躍の陰には、多くの努力やご苦労があったことも伝わってきました。仕事が大変だった若い頃、ご主人が見かねて買ってくださった服を、今でも捨てられずに大切にしているというお話を、笑顔で語られる姿がとても印象的でした。

牧野さんのお人柄と、長年積み重ねてこられた豊かな経験に触れ、時間が許せばさらに多くのお話を伺いたいと思う、大変有意義な研修会となりました。


集合写真

参加者の皆様と記念撮影


報告:東京支部 副支部長 風見公子