令和元年11月16日(土)に岩手県盛岡市のいわて県民情報交流センター・アイーナで、岩手支部の総会及び講演会を開催しました。この一年の会計報告等の総会を簡単に開催し、その後、女子栄養大学 栄養食事療法学研究室 専任講師の坂本香織先生に「葉酸ってなんだろう?健康寿命を延ばす食事の秘訣」の演題で、1時間半講演していただきました。
当初、出席予定者が9名だったところ、事前に2名から欠席の連絡が入り、先生には「7名での開催になります」と連絡したのですが、当日朝に1名の会員から出席の連絡があり、少ない人数ですが8名の出席者で開催いたしました。
講演では、先生のご研究と、開始から10年になる「さかど葉酸プロジェクト」のエッセンスを話していただきました。
昨年の支部会の際に、葉酸についてしっかり把握できていないので、機会があれば講演をお願いしたいとの希望があり、本部事務局より坂本先生をご紹介いただきました。
先生には寒い岩手に、お忙しい中いらしていただいたのですが、文字だけで把握しているよりは、直に説明いただくことで葉酸の重要性等を知ることができ、非常に有意義な時間を過ごすことができました。
妊娠初期に葉酸が不足すると、二分脊椎症になる可能性が大きいことは、よく知られていますが、葉酸が不足すると動脈硬化、心筋梗塞、腎機能障害、うつ病、認知症につながることについても丁寧に説明いただき、葉酸はどの年代でも十分に摂ることが必要であることを、しっかり認識させられました。
また、日本人の約15%は体質的に脳梗塞の発症リスクが高い葉酸代謝関連酵素遺伝子をもっているが、厚生労働省で定めている食事摂取基準240㎍の摂取ではなく、WHO/FAOで推奨している400㎍を摂取すると、その遺伝子体質による差がなくなることについても、丁寧に教えていただきました。
香川靖雄先生がそれらのことに注目され、女子栄養大学にいらした時に「さかど葉酸プロジェクト」がスタートしたと、プロジェクト誕生の経緯も教えていただきました。
400㎍の葉酸の摂り方も具体的に教えていただきましたが、4群点数法の基本の献立の葉酸値は489㎍ということで、改めて4群点数法の素晴らしさも確認させていただきました。また香川綾先生の97歳の食事の葉酸摂取量は653㎍とのことで、葉酸に注目される以前から日々実践されていたという事実も教えていただき、綾先生の素晴らしさに改めて脱帽させられました。
1時間半の講演はあっという間に過ぎ、その後、コーヒー、洋菓子をいただきながら、質問時間を1時間ほどもちました。出席者からの質問が止まることなく、時間の過ぎるのは早かったです。
今回1回だけの講演ではなく、今後もしっかり葉酸についてとらえていきたい、また、最新情報も知りたいとの声が上がり、坂本先生には来年度も講演をお願いしました。岩手は脳卒中で亡くなる方が多い県でもありますので、葉酸について学ぶ支部会員が一人でも多く増えていければと願っています。
〔報告:岩手支部長 三上れい子・学部昭和49年卒業〕