令和元年9月28日(日)、山梨学院短期大学の調理実習室をお借りして、山梨支部総会ならびに研修会が開催されました。今回の研修会は、埼玉でクッキングスクールを主宰され、香川栄養学園での勤務経験もあり、女子栄養大学生涯学習講師、国際中医薬膳師や中医薬膳茶師など様々な資格をお持ちの倉持光江先生を講師にお迎えし、「薬膳料理を学ぶ」をテーマに、講義(「薬膳の基礎知識」・「季節の薬膳」)と実習(初秋の献立)を行いました。
薬膳というと特殊な食材や生薬・漢方薬などが頭に浮かびますが、薬膳とは中国伝統医学の理論をもとに食材を選び調理された食事のことで、全ての食材はそれぞれ固有の働きがあり、薬と同じように身体を治す効果があると考えられており、本来の薬膳は、毎日食す一般的な食材で調理したもので、「おいしい」ということがとても大切であるというお話が印象に残りました。また、環境は人間の身体に影響を与える一方、我々人間は自ら体調を調整し、環境の変化に対応できるようになるので、自然とともに生きることが健康に繋がり、季節や体質・体調、気候風土に合わせ、そのときに適した食材、適した食べ方をして身体のバランスをとり、健康を保つことが薬膳の目的であるということでした。「気」・「血」・「水」・「陰陽五行説」・「四性五味」等々、薬膳の基本的な考え方について盛りだくさんのお話しがあり、1時間の講義だけでは到底理解できない薬膳の奥深さを学びました。
実習では、風寒感冒の予防、夏に弱った脾胃を正常に戻す、発汗を促し、体表の邪気を発散させるなどして身体をいたわるのによい初秋の献立4品、「山芋と豚肉のピリ辛炒め」・「中華風鶏肉と芋のしょうゆ煮」・「はと麦入り 黒米のおかゆ」・「豆腐のデザート生姜風味」を作りました。入手しやすい食材で、調理法も簡単なものが多く、どの班も手早く、おいしく仕上げることができました。試食をしながら懇親会も行い、充実した研修となりました。
今回は12名の参加でやや少なめではありましたが、初参加の方が3名もいらしたことは、支部活動の企画運営をする立場としては大変嬉しく思えました。介護や子育て等家庭の事情や仕事の関係等でなかなか参加できない状況の方も多いと思いますが、参加が許される状況になりましたら是非御参加いただければと思います。そのためにも、魅力ある研修を企画し、支部活動を細くても長く続けることで、参加可能な環境を作っておくことが大切だと感じました。
〔報告:山梨支部長 渡辺祐子・学部昭和53卒業・大学院修士昭和56修了〕