コロナ禍の中で~卒業生の職場では~

杉原 明美

医療法人あんず会 杏クリニック(埼玉県狭山市)
臨床検査技師
学部平成27年卒業


 在宅医療部門で臨床検査技師として勤務しており、時には1人で患家へ訪問し検査などをおこなっています。またドクターの診療の同行や電子カルテの入力代行、患者さんや、訪問看護、ケアマネジャーからの問い合わせの電話対応などシフト制で多岐にわたり仕事をしています。
 緊急事態宣言が発令され、まず始めに院内の換気、手指消毒、毎朝の検温の徹底をし、少しでも体調不良がある場合は在宅ワークや休みとしリスクを最小限にしました。訪問診療は、宣言発令直後2ヶ月は各自宅へ電話で連絡して、電話越しでの診察とし、医師の対面での診察希望の患家では訪問の30分前からの換気と退出後30分の換気を徹底していただくよう協力してもらいました。私たちクリニックのスタッフは、訪問時は普段とは変わらない服装で診察をおこない、発熱の患者に対してはPPE(個人用防護服)を施し、診察をおこなうなどの対応をとっていました。
 COVID-19が一旦落ち着いたときは全ての患家に訪問に行き、対面での診察をおこない、訪問時にマスクは必ず装着し、患家に入る前後は必ず手指消毒を徹底していました。
 現在も院内の換気、手指消毒、毎朝の検温は徹底していますが、昨年の4月の緊急事態宣言を経験している為、臨機応変にスタッフも対応出来ています。今回は対面での診察は続けていますが、事前連絡で希望する患者のみ電話での診察となっています。
 今回の経験を通し変わらなかったことは、患者の診察時間や患家での診察内容でしたが、マスクをしている分表情が読み取れない為、声のトーンや目で表情を表現することや、アイコンタクトがとても大切なことだと改めて気付きました。このような状況だからこそ、当たり前のことがどれだけありがたいことであったか、日常生活を通してたくさんの人に支えられていることに気付けました。
 今後どのようになるか今は誰もわかりません。しかし人と人との繋がりや相手を思いやる気持ち、人の痛み苦痛に寄り添うことは変わらない。そのことを忘れずに患者が自宅で安心して療養できるよう日々仲間と絆を深めより良いクリニックになるよう頑張りたいと思います。