コロナ禍の中で~卒業生の職場では~

菅原 美佳

坂戸市立上谷小学校(埼玉県坂戸市)
養護教諭
学部平成29年卒業、大学院令和2年修了


 小学校で養護教諭として、児童の健康をつかさどるため、学校でケガをした際の救急処置、健康診断の企画から実行そして事後措置、保健指導等をおこなっています。
 学校が5月下旬まで休校となりました。私は4月から現在の小学校に着任したため、なかなか児童に会えずとてもさみしかったです。教員も異例の在宅勤務が可能となりました。6月から学校でどのように感染症対策を講じるのか、管理職、保健主事と打ち合わせを重ね、また休校中は週に1回課題配布がおこなわれた為、課題の中に感染症対策やメンタルヘルス、休校明けの学校での感染対策について児童及び保護者に啓発する保健だよりを発行しました。
 6月から学校が再開しましたが、学校の様子は大きく変化しました。保健室内のゾーニングや健康診断の実施方法の変更(密を避けるように一度に部屋に入る人数の制限等)、児童が触れる箇所の消毒等、感染症対策を講じながらの職務となりました。また、毎日マスクの着用、手洗い回数の増加、給食は机を合わせず前向きで無言で食べる等、児童にとっても制限の多い生活となりました。さらには、授業時数確保のために学校行事が削減されたり、学年間をまたぐ交流も大幅に無くしたり、感染症対策に重きをおいた新しい学校生活となりました。
 現在も地域の流行状況に応じて感染症対策を講じながら学校生活を送っています。日々変化する感染症の正しい知見を入手して、先生方に伝え、長期化する感染症対策にゆるみがでないよう、学校全体として意識を高められるよう努めています。
 コロナ禍でも変わらないことは、児童にとって友達、先生に会える学校は元気の源であることです。分散登校が終了し学校が再開した6月、児童は皆に会える喜びに満ち溢れていました。新たな気づきは、マスク、手洗い、検温の徹底により感染症が流行しないことです。学校は集団生活の場であるため、例年季節に応じて様々な感染症が流行しますが、今年は感染症の流行が一切ありません。基本的な感染症対策の重要性に改めて気が付くことができました。
 感染症と共に生活する今だからこそ、健康教育に力を注いで、児童の健康への興味関心、知識、さらには実践力の向上に努めていきたいです。発育測定前には、大きな体温計模型を用意し、正しい体温の測り方について、クイズを取り入れた保健指導を実施しました。また、窮屈な生活を強いられ、気持ちが落ち込みそうになるのを防ぐため、笑顔と免疫力にまつわる指導をしました。コロナとは長い付き合いになりそうですが、コロナだからこそできることを日々考え、児童、教員皆が笑顔で学校生活を送れるよう、保健室から発信していきます。