コロナ禍の中で~卒業生の職場では~

中村 裕恵

病院(福岡県古賀市)
介護士
学部昭和60年卒業


 福岡の病院で介護士(入職4年目)として看護助手、入院患者様のケア(食事介助、排泄介助、入浴介助等)をしています。
 緊急事態宣言発出後は、職員の衛生管理を徹底しておこないました。病院敷地内はマスクを常時着用、手指消毒の実施を徹底し、プライベートでも医療従事者ということで行動を自粛しました。さらに、院内環境の整美、消毒の徹底、常時換気をおこないました。院内のエレベーターはベッド搬入も可能ですが、利用人数が制限され、職員の研修時は換気をおこない人数を制限するなど、密を回避する対策がとられました。そして、入院患者様とご家族の面会も禁止となりました。
 コロナ対策は、緊急事態宣言解除後も継続し、さらに強化していきました。新規の入院患者様は、PCR検査陰性が判明するまで個室にて隔離する処置がとられ、発熱者も個室に隔離されます。職員休憩時は、個々のパーティション内で飲食し、マスク無しの会話は厳禁となりました。
 コロナ禍前の何不自由ない生活は、当たり前のことではなく「ありがたいこと」であったとしみじみ思います。コロナウイルスも、地球に生を受けた人間と同じ一つの生物であり、その生きる権利を科学の力を使って人間が封じ込めようとするのはいささか思い上がりなのではないかと思うことがあります。私たち人間が足るを知り、地球を美しく次世代につなぐために自然に感謝した生き方が必要なのではないかと思います。
 学校栄養職員として小学校勤務時、子どもたちには、「いただきますとは、食の命、人々の手間をいただくこと」と伝えてきました。その中には、お天道様、天からの慈雨、母なる大地という自然を敬い、共存させていただくという謙虚な心を持ってほしいということも含まれています。少しずつ、理解を深めた子どもたちは、嫌いな苦手な食べ物を残してきた自分から、感謝の心で自分の苦手を克服し残菜ゼロの児童に成長します。そんな子どもたちを見てきました。世界中の人々が「自然に感謝した生き方」ができたら、美しいまま地球を次世代につなげるのではないかと、思います。