コロナ禍の中で~卒業生の職場では~

物永 葉子

西会津町健康増進課(福島県西会津町)
主任専門管理栄養士
学部平成9年卒業


 西会津町健康増進課では、子ども給食献立業務、母子栄養(幼児健診での栄養相談、離乳食教室)特定保健指導、介護予防事業(運動、栄養)などをおこなっています。
 昨年2月28日に町の対策本部を設置し、全戸へチラシ配布、CATV(ケーブルテレビ)を活用した正しい知識の普及にあたっています。3月は夜間の相談対応のため交代時差出勤、4月中旬~6月は健康増進課分室を設置し、保健師、管理栄養士が2班に分かれ、万一陽性者が出た場合に全員が濃厚接触者とならない対策をとりました。不急の出張はなくなり、オンライン会議が増えました。
 お盆の帰省についての慎重な判断とともに、来訪者への温かいおもてなしを呼びかけましたが、往来が必要な方、移動を自粛している方、それぞれの相談が寄せられていました。新しい生活様式となり、完全時間割でがん検診や特定健診を実施しました。また、イベントの縮小や中止をよぎなくされました。
 現在は、例年通りの事業を計画しつつ、変更・中止になった場合を想定しながら準備をおこなっており、コロナワクチンの接種に向けた準備も始めています。
役場職員の皆さんは使命感を持って、いつもと違う非常時の仕事にもあたっています。町のCATVでタイムリーな情報を発信できることは大切なことだと思いました(これは10年前の震災の時と同様です)。
 これからは、「確かな情報を得て正しく恐れること」が大事だと思います。これは厚生労働省IDS(感染症危機管理専門家)でもある医師による研修を受け、基本を徹底しながらも不安になりすぎないことだと理解したからです。原発事故後の放射能に関する研修でも同じことを感じました。
 昨年3月から行事の中止や延期(新しい実施方法の検討)があり、健康講演会のCATVスタジオ生放送、全住民へのマスク配布、コロナに関するアンケートの実施、集計と活用、全世帯へのハンドソープ配布など、栄養士とは関係がなさそうな業務をおこなってきましたが、町民の健康づくりのためのやりがいのある仕事です。試食、会食を伴う活動ができない中、新たな食育を模索していきたいと思っています。