コロナ禍の中で~卒業生の職場では~

金木 千夏子

杉並区立宮前中学校(東京都杉並区)
学校栄養職員 
短大昭和60年卒業


 学校栄養職員として、学校給食の献立作成、栄養管理と調理室の衛生管理、中学生への食育指導をしています。毎日のお昼の放送では、今日の給食について、放送原稿を書いて放送委員に読んでもらっています。
 3月2日からの休校で3月の給食がなくなり、食材をキャンセル。4月から今の職場に異動して最初の仕事も前任者が発注していた4月分の食材のキャンセルでした。生徒のいない学校は、先生方も休み、調理員も休み、閑散としていました。いつ学校が再会するかわからぬまま、5月の献立を準備していました。
 6月中旬に、分散登校で学校が再会し、給食も2回に分けての提供から始まり、しばらくは品数を減らして配膳しやすいメニューを提供しました。給食当番もエプロンやお玉などの共有はせず、マスクは直前に外し全員前向きで黙って食べることが定着しました。二学期からは通常のメニューが出せるようになりました。
 再び緊急事態宣言となりましたが、学校生活はおこなうということなので、6月に作った給食マニュアルを再確認し、生徒は給食を静かに粛々と食べています。おかわりしにくいのか、少々残菜がふえました。2年生のスキー教室が中止、延期した3年生の修学旅行も危ぶまれる中、「給食は出せる限り出す」と淡々と進めています。
 給食の調理現場は元々、ノロなどのウイルス対策は万全ですが、食事の時間を栄養士は別に、調理員も二班に分けました。11月の末にパート職員の家庭内感染から、職員4人が濃厚接触者となり、2週間出勤できず人員不足でしたが、他に感染はなく保健所からは褒められ、給食も止めずに提供できました。家庭内感染は食事の場が感染ルートになるようです。
 ニューノーマルといわれますが、「まずは感染しないこと」を第一に考えつつ日常生活はおこなわなければなりません。近くでも感染は起こっていますが、クラスターにならぬよう、ハメは外さず、それぞれが新ルールに従って生活していかなければと思います。
 以前のように、給食時間に気軽に教室訪問ができなくなりました。そこで給食委員と協力して「人気メニューアンケート」を集計してもらい、三学期は順次、人気メニューを出しています。食事を提供する人食べる人が、うまく心を交わせると良いですね。デザート3位の「メロン」は悩みの種です・・・。