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本学の学びの基本、“実践栄養学”を学ぶ

本学の学びの基本、“実践栄養学”を学ぶ

「実践栄養学演習」は、1年の前期と2年の後期に学びます。1年の前期の締めくくりとして、実践栄養学について、香川明夫学長の講義があります。
講義内容は、前半は、本学の学問的ルーツから始まり、建学の精神について、本学の歴史も交えながらのお話。後半は、実践栄養学が大切な理由、これからの社会で実践栄養学が果たしていく役割について、学びます。
本学の創立者香川昇三・綾の東大医局時代の恩師である島薗順次郎教授をはじめ、様々な縁のある先生方の教えや関わりを通して、本学は生まれ、発展してきました。
注)印スライドの出典:香川靖雄(女子栄養大学副学長)「女子栄養大学の草創期から発展期へ」栄養学の流れに沿って (2017年3月31日香川綾記念会講演資料)
今から100年前、脚気(かっけ)が蔓延する日本は、栄養といってもなかなか人々に理解されない時代。香川昇三と綾は、脚気の原因がビタミンB1欠乏であることを立証した島薗順次郎東大医学部教授のもと、脚気予防のために、胚芽米の研究とその普及に力を注ぎました。
1933年に本学の前身である「家庭食養研究会」を発足。1942年、駒込に新校舎が完成します。
1945年、空襲で駒込校舎が全焼します。群馬県に学園疎開した時の授業の様子。水道も電気もない厳しい環境ですが、栄養学を学ぶ学生たちの表情は生き生きしています。
日本の栄養学や食糧科学の進歩を目的とした「日本栄養・食糧学会」(1947年設立)の1959年当時の役員会の様子。香川綾学長(当時)も参加し、本学園で開催されました。具体的な行動で、学会活動にも貢献してきました。
本学の建学の精神を具現化するのが、実践栄養学です。
綾は「実践」を重んじ、また「実践なき理論は空しい、理論なき実践は発展しない」と考え、理論と実践の両方を追求し続けました。
「調理を科学する」ことで、実践栄養学の基礎を築いてきました。
料理に仕上げて食べることは、体だけでなく心の栄養にもなる。健康でいること、病気にならないことはもちろん、その人らしく生きることができる栄養学が、実践栄養学。
実践栄養学は、今、社会で起きている様々な課題の解決の糸口となり、未来に向けて、日本、世界、そして地球全体がよりよい状態にある方向性を見出し、それに近づけていくことに貢献できる学問です。

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受講後の授業アンケートでは、実践栄養学の講義を受けて、自分がどうありたいかを考える学生の姿が見えてきました。
[受講後の学生の感想]
今日の講義をお聞きして、改めて栄養学を学ぶ大切さ、意味を理解し、自分が人から求められる栄養士になりたいと強く思いました。
自分の進路についてよく考えることが出来ました。建学にあたりたくさんの人が携わってきたこと、その人たちがしてきたことを受けて、自分自身も誰かのためになり、また、自分の生活を自分自身で支えていけるような人になっていきたいと思いました。
この学校の歴史や大切さを改めて感じることができました。今栄養学を学べていることを誇りに思い、これからも勉学に励みたいと考えます。
女子栄養大学ができる前の大変さがとてもよく分かった。大学が設立されてからの先生方の努力も素晴らしいなと思った。栄養学を勉強するにあたって自分がどうなりたいという目標が改めて考えることが出来た。
食は体を健康にするだけでなく、心も健康にする、との言葉が非常に印象に残った。人の心も健康にできる栄養士になりたい。
栄養士として食事を提供した人の心と体の健康をサポートすることは重要だと感じました。実践栄養学について「一人一人がその人らしく生きることが出来る栄養学」というのは素晴らしい考え方だと思います。
2年間の学びを“実践栄養学”で総括

2年間の学びを“実践栄養学”で総括

「実践栄養学演習」は、1年の前期と2年の後期に学びます。2年の後期では、2年間の学びの締めくくりとして、香川明夫学長による実践栄養学の講義があります。
1年前期の学長による実践栄養学の講義はこちら>>>
講義内容は、建学の精神「食により人間の健康の維持・改善を図る」のもとで学んだ2年間の学びを、学生自身が回答したアンケートの結果とともに振り返り、これから実践栄養学をどう活かしていくかを考えていくことのできるよう、構成されています。
建学の精神を生かした学びの土台は、実践栄養学です。
「実践栄養学を学んでよかった」と回答した学生は、93%でした。
自由記述の記載では、“献立”、“自分”という言葉が多くみられ、献立作成や四群点数法などを学べたこととともに、自分の食生活を考え直すことができた、食生活の良い・悪いを見分けることができるようになったという記述もありました。
実践栄養学では、計量とレシピ化、四群点数法の意義を理解し、それらの手法を実際に使いこなせるようになることが重要になります。
「計量をして調理をすることは栄養士にとって大切だ」と回答した学生は、95%でした。
「自分が最も成長したこと」の自由記述で、多かったのは「調理」に関するものでした。自由記述の個別の内容からも、栄養に関する知識とともに、調理技術が身についたという実感が持てたことがわかります。
大切な自分のため、人のため、そして社会のために、栄養学を生活に活かすことが、本学の実践栄養学のねらいです。
「栄養学を活かす力がついた」と回答した学生は、78%でした。また、今回の回答結果を分析してみると、「自分の将来に夢がある」と回答した人と、「栄養学を活かす力がついた」と回答した人に強い関係があることもわかりました。
卒業後のその先へ、栄養学をどう活かしていくかが大切になります。
「自分の将来に夢がある」と回答した学生は、69%でした。自由記述には、様々な夢が書かれています。
これからのことを考えよう。持続可能な社会の実現に向けて、栄養士としてどのようにSDGsにかかわることができるのか、学んでいきます。
最後のスライドです。実践栄養学を学んだあなたにしかできないことが必ずあります。この2年間、実践栄養学を学んだ皆さんへの学長からの大切なメッセージです。