自然に健康になれる持続可能な食環境づくりを目指して

自然に健康になれる持続可能な食環境づくりを目指して

国の健康政策の一環で、厚生労働省健康局が開催する「自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた検討会」(令和3年2月~6月)で、武見ゆかり教授(食生態学研究室)が座長を務めました。
検討会では、国民の健康の保持増進の視点に加え、地球環境・自然環境にも配慮した取組にも焦点を当て、持続可能な開発目標(SDGs )の達成にも資するものとして、自然に健康になれる持続可能な食環境づくりを推進するため、産学官等連携の下で優先的に取り組むべき栄養課題等を整理し、目標の設定及び評価の在り方等を検討しました。
この検討会での持続可能とは、「誰一人取り残さない」という包摂的な視点や仕組みを有し、将来世代のニーズを損なうことなく 現代世代のニーズを満たすことができるような強靭な社会の状態を意味しています。
報告書(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000818295.pdf)は、令和3年6月末に公表されました。 
今後、健康の保持増進に関する視点、すなわち栄養面では減塩と若年女性のやせ(SDGsの目標2、3)、及び経済格差に伴う栄養格差(SDGs10)に焦点を当てつつ(SDGs3、10)、事業者が行う環境面に配慮した取組にも焦点を当てた食環境づくりの取組として、事業者と消費者が相互に恩恵を得ること(SDGs12)ができるよう、産学官等がそれぞれの役割を担い連携して(SDGs17)進めていくことの必要性を提言しました。
以上の全体像を示す枠組みが、以下の図になります。
自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの枠組み
厚生労働省.検討会報告書より抜粋
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000818295.pdf
武見ゆかり教授は、特定非営利活動法人日本栄養改善学会の理事長(当時)として、健康づくりに役立つ栄養バランスのとれた食事「スマートミール」を認証する「健康な食事・食環境」の認証制度の立ち上げにも関わってきました。この制度は、外食・中食・事業所給食で、「スマートミール」を、継続的に、健康な空間(栄養情報の提供や受動喫煙防止等に取り組んでいる環境)で、提供している店舗や事業所を認証する制度です。認証を、13の学会等からなる「健康な食事・食環境」コンソーシアム(2021年8月現在)が行っているという特徴もあります。2021年8月1日現在、認証事業者数は536事業所にのぼっています。

[食生態学研究室 武見ゆかり教授]

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