持続可能な社会に不可分・不可欠なジェンダー平等

持続可能な社会に不可分・不可欠なジェンダー平等

人間教育学研究室の高津みさき准教授は、夫婦別姓を実践していて、執筆や職場外の研究活動では「中嶋みさき」を名乗っています。
SDGsの5 番目の目標とターゲットを読むと、ジェンダー平等ということが、17 の目標のどの項目とも緊密に関係していることがわかります。具体的に性別に関わる内容がターゲットに書き込まれた目標は、1,2、3、4,6、8、10、11、13、17 の10 項目にのぼります。
ジェンダ-平等は持続可能な社会と不可分・不可欠な課題といえるでしょう。
教育学者として、ジェンダー平等の教育思想の研究や、教育実践の検討をおこなってきたので、その一部の紹介です。
まず国連子どもの権利委員会に提出する、NGO 報告書の中のジェンダー領域を担当し、第2回の日本政府報告の時から、関わってきました。最新の日本審査において、ジェンダー平等では前進がありましたので、それを解説した資料を紹介しています。この写真はパンフレットですが、現在このNGO(子どもの権利条約市民・NGO会)から『国連子どもの権利条約と日本の子ども期 第4/5 回最終所見を読み解く』本の泉社(2020年7月)が発行されています。
また日本の歴史の中のジェンダー関係の変遷についてまとめた絵本『女と男 これまで、これから』大月書店(2001年3月)を書きました。これは小・中学生を対象に、学校でジェンダー平等をとりあげてもらおうと考えて作られたシリーズの一部になっています。教育実践記録が6巻目に収録されていますので、参照してください。
また大学生を対象とした、包括的性教育の教科書『ハタチまでに知りたい性のこと』大月書店(2017年3月)をとりあげました。この中では、労働問題について書きました。労働と無償労働におけるジェンダー平等の実現は、コロナ禍であらわになったジェンダー格差の解消と直接結びついています。
最後に最近の書評(月刊誌「教育」2021年9月号)の紹介です。これまで、月刊誌『教育』では「円窓」というコラム欄があり、そこの企画や、性教育やジェンダー関連の特集号とこれまで手がけてきました。今回の書評では、ジェンダー平等に違和感をもち、時に反対する行動をおこしてきた女性たちに焦点をあてた研究を紹介しました。ケア労働の担い手である女性たちのむなしい思いを受けとめ、日本社会におけるジェンダー平等の推進に教育の視点からアプローチできるようにしたいと常々考えていることを書きました。
書評「ジェンダー視点で保守化を読む」はこちら>>>

[教育人間学研究室 高津みさき准教授]

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