令和7年度 食文化栄養学実習

向後千里ゼミ■特任教授


点心の世界
歴史を紐解き現代の食卓へ

   ジューシーな肉汁、ほんのり甘い餡。様々な魅力を持つ点心を家庭で味わってみませんか。
   私は点心についてほとんど知らず、餃子や肉まんのイメージしかありませんでした。しかし、三年次の学園内留学を通して、様々な形があり、しょっぱいものから甘いものまで、数えきれないほどの種類がある点心に魅力を感じました。点心についてもっと知りたいし、知ってほしい。そこで、自分で作ることができたらより興味を持ってもらえるのではないかと考え、点心を知るきっかけになるようなレシピを開発することを目標に研究を行いました。レシピ考案の際には作りやすさに焦点を置き、スーパーに売っている食材で作れること、家庭にある調理器具を使用することを条件としています。前期では文献調査を行い、点心の定義や歴史についてまとめ、どのように発展していったのかを明らかにしました。また、ホットケーキミックス粉で作るあんまんのレシピを考案し、その後のレシピ作成の土台となるような活動を行いました。後期では、レシピの作成に力を入れ、試作を重ねていきました。まず、既存のレシピ本から味や食材、作業工程などを参考にした上で、代替品を使ったり工程を簡略化したりすることで、家庭でも作りやすいレシピを作成しました。レシピを考案していくにあたって、作りやすさと「点心」としての味わいの面での両立が課題となりました。試作をしたものの中には、代替品での再現が難しく、完成に至らなかったものもあります。それらの過程を経て、本研究では約10種類の点心のレシピを作成しました。発表時には、考案したもののうち5種類を選び、レシピの紹介をします。さらに、どのようにレシピを考案していったのか、難しかった点など、考案課程も発表する予定です。
   発表時には、今回選んだ5種類のレシピを記載したリーフレットを配布します。食事やおやつ時間の選択肢の1つにしてほしいとの思いから作成しました。点心の歴史的背景の発表、家でも作れるようなレシピの提案により、点心の世界を知るきっかけとなれば嬉しいです。