奥嶋佐知子ゼミ■調理学研究室
子供とスパイス
スパイスで広げる子供の食体験
ゼミで運営している子供料理教室で、私は「子供とスパイス」というテーマでレシピ提案を行ってきました。スパイスは、料理に香りや風味を与えるだけでなく、塩分を控えながらも満足感を高めたり、甘みを引き立てたりする効果を持っています。そこで私は、スパイスの持つ味の相乗効果や抑制効果を活用し、子供たちの味覚の経験広げるレシピを考案し、子供たちが新しい味に挑戦することを目的としました。
提案するレシピを考える上で大切にしているのは、「素材の味を生かした味付け」であること、そして「家庭で実践できること」です。子供料理教室では、家庭で日常的に作る料理に応用できることが特に求められるため、スパイスを使うからといって特別な料理にするのではなく、普段食卓に並ぶようなメニューに自然に取り入れる工夫を心がけました。これまでの活動を通して、子供たちは基本的に食べ慣れた味を好む傾向があることが分かりました。そのため、刺激的なスパイスではなく、香りや風味で料理をやさしく引き立てる種類を選び、馴染みのある料理に組み合わせる形で提案を進めました。
実際の例としては、ミルクゼリーにシナモンを加えて香りを楽しむ工夫や、卵焼きに少量のクミン、ナツメグを混ぜてスパイスの組み合わせを楽しむ提案をしました。また、家庭で人気のあるカレーライスを、スパイスを使いルウから作る体験を行い、単体では苦手なスパイスでもカレーにすることで食べられるという声もありました。こうした取り組みによって、子供たちは「知っている料理の中で少し違う風味を味わう」という形で新しい味覚体験をすることができ、スパイスへの抵抗感も少なく楽しんで食べられる様子が見られました。
レシピ提案に加えて、スパイスをより身近に感じてもらえる工夫も取り入れています。その一つが「スパイスのキャラクターカード」です。子供たちが楽しみながらスパイスの名前や特徴を覚えられるように、親しみやすいイラストや簡単な説明を書いたカードに、料理教室で使用したスパイスを小袋に分けて一緒に渡すことで、自宅でも同じ料理を再現できるようにしました。料理教室での体験が一度きりで終わらず、家庭でもスパイスを使うきっかけとなり、子供たち自身が新しい味に挑戦できるような働きかけをしました。
提案するレシピを考える上で大切にしているのは、「素材の味を生かした味付け」であること、そして「家庭で実践できること」です。子供料理教室では、家庭で日常的に作る料理に応用できることが特に求められるため、スパイスを使うからといって特別な料理にするのではなく、普段食卓に並ぶようなメニューに自然に取り入れる工夫を心がけました。これまでの活動を通して、子供たちは基本的に食べ慣れた味を好む傾向があることが分かりました。そのため、刺激的なスパイスではなく、香りや風味で料理をやさしく引き立てる種類を選び、馴染みのある料理に組み合わせる形で提案を進めました。
実際の例としては、ミルクゼリーにシナモンを加えて香りを楽しむ工夫や、卵焼きに少量のクミン、ナツメグを混ぜてスパイスの組み合わせを楽しむ提案をしました。また、家庭で人気のあるカレーライスを、スパイスを使いルウから作る体験を行い、単体では苦手なスパイスでもカレーにすることで食べられるという声もありました。こうした取り組みによって、子供たちは「知っている料理の中で少し違う風味を味わう」という形で新しい味覚体験をすることができ、スパイスへの抵抗感も少なく楽しんで食べられる様子が見られました。
レシピ提案に加えて、スパイスをより身近に感じてもらえる工夫も取り入れています。その一つが「スパイスのキャラクターカード」です。子供たちが楽しみながらスパイスの名前や特徴を覚えられるように、親しみやすいイラストや簡単な説明を書いたカードに、料理教室で使用したスパイスを小袋に分けて一緒に渡すことで、自宅でも同じ料理を再現できるようにしました。料理教室での体験が一度きりで終わらず、家庭でもスパイスを使うきっかけとなり、子供たち自身が新しい味に挑戦できるような働きかけをしました。
さあにぎやかなロコモ予防
年を重ねるにつれ徐々に低下する骨密度を緩やかな低下にしたいと思い、ロコモティブシンドロームを予防するためのレシピ提案を、ゼミで運営する中高年男性を対象とした料理教室で毎月行いました。ロコモの予防には、10の食品群をバランスよく食べてもらうために、その頭文字をとった「さあにぎやかにいただく」という合言葉があります。油(あ)や野菜(や)、肉(に)といった食品は日々の食事で意識をしなくても食べていますが、牛乳(ぎ)、海藻(か)、イモ(い)、大豆(だ)は意識をしないとあまり食べる頻度が少ないのではないかと考えました。また、受講生からは最近は魚よりも肉の方が食べているという声も聞きました。そこで、料理教室では日々の食事で摂ることが少ない食品を、積極的に取り入れたレシピ提案にしています。例えば、大豆たんぱく質を多く摂取したいと考え、大豆の水煮缶を攪拌、加熱後に濾し、おから状態の大豆と豆乳を抽出したものを使った、卯の花と豆乳スープを提案しました。他には、ガパオライスを提案した際、イモを食べやすくするためにじゃがいもを加えたレシピを考えました。骨密度は食生活の偏りや運動不足の生活を送っていると、減少していく一方です。そこで料理教室では手軽にできるスクワットやヒールレイズなどの、運動での予防の提案も行い、その方法をレシピブックに載せるだけではなく、教室で調理を始める前に全員で1セット(10回)実践しています。
また、毎月教室で実習するレシピの他に、献立の中であと1品なにか欲しいと思ったときに参考になる、カルシウムを多く含む食材や、不足しがちな食材を使用した副菜も提案し、最終的にレシピ集にして配布したので、より予防に繋げられたらと思います。そして、受講生だけでなく、私自身のロコモ予防としても意識をし、少しでも骨密度を上げることができたらいいと考えています。
また、毎月教室で実習するレシピの他に、献立の中であと1品なにか欲しいと思ったときに参考になる、カルシウムを多く含む食材や、不足しがちな食材を使用した副菜も提案し、最終的にレシピ集にして配布したので、より予防に繋げられたらと思います。そして、受講生だけでなく、私自身のロコモ予防としても意識をし、少しでも骨密度を上げることができたらいいと考えています。
毎日の食事で強い骨づくりをしよう
成長期にカルシウムついて学ぶ機会が多くある中で、私はどの年代においても摂取量を超えることができていないことや、学校給食がなくなることで摂取量が低下していることに興味を持ち、テーマに決定しました。実際に私も小学校までは学校給食で提供されていた牛乳をほとんど毎日飲んでいましたが、中学生以降、意識して飲むことが減ってしまったことから、ゼミで運営している小学生を対象とした料理教室では、子どもたちに改めてカルシウムの大切さを知ってもらい、少しでも意識してもらうことを目標に取り組んでいます。これまで、カルシウムを多く含む(乳・乳製品、緑黄色野菜、大豆)の3つの食材を使用したレシピを考案し、子どもたちに配布してきました。初回の料理教室で子ども1人1人に目標を書いてもらったところ、「1人で最後まで料理できるようになる」という目標を掲げている子どもが多かったため、料理経験が少ない子どもでも挑戦しやすいような調理工程を考え、作成しました。料理教室で作ったものや配布したレシピを実際に家でも作ったという声があり、家族も一緒にカルシウムについて意識するきっかけづくりができたのではないかと思います。私自身もレシピを考える中で、食材の組み合わせ方や、新しい学びを得ることができました。最後の料理教室ではカルシウムを多く含む食品やその働きについて、より理解を深められるように「食品カード」と「役割のカード」を用意して正しい組み合わせを考える内容の簡単なカードゲームを行う予定です。正しく組み合わせることができた子に「プチカルシウム博士」の称号をあげたいと考えています。この料理教室を通してカルシウムを含む食品を意識して食べるようになったかも確認する予定です。
野菜と果物に「+ひとてま」
ひとてまをプラスに捉えて料理教室に取り入れてみた
みなさんは家庭料理の中で、どれほどの野菜や果物を食べているでしょうか。ゼミで運営する男性料理教室の参加者の現状を知るために、野菜と果物の食べる頻度についてのアンケートをとったところ、半数以上が厚生労働省が提唱する野菜350g以上、果物摂取量200g以上に満たしていないことがわかりました。そこで、野菜と果物の食べる機会を増やすために「野菜と果物に+ひとてま」というテーマを掲げ、野菜や果物を使用した料理に1つ以上の「+ひとてま」の工程を加えたレシピを提案することにしました。
これは、野菜と果物の食べる機会を増やすために、簡単なレシピ提案をするのではなく、あえて「+ひとてま」の工程を行うことで味や栄養面でワンランク上の料理になるというメリットを伝え、家庭にも取り入れてもらいたいという狙いがあります。
手間と感じる料理に関するアンケート結果をもとに、「+ひとてま」ポイントを4項目に決定しました。それは、「調理工程の揚げる、蒸す、煮る」「電動調理器を使用する」「料理の素などの既製品を使用しない」「果物の摂取頻度が低い現状から、果物を料理に組み合わせる」の4項目です。これらの「+ひとてま」ポイントに沿ってレシピを受講者に提案しました。
例えば9月では、電動調理器の使用として、ブレンダーを使用したポタージュ、果物と組み合わせた料理として、いちじくを生ハムの冷製パスタのソースに使用したり、ポークソテーの付け合わせとして使用したレシピを提案しました。最終回では、提案したレシピで実際に家で作ったもの、作ってみたいと思ったもの、特に記憶に残ったもの、などの項目でアンケートを実施し、本研究のまとめとしました。
これは、野菜と果物の食べる機会を増やすために、簡単なレシピ提案をするのではなく、あえて「+ひとてま」の工程を行うことで味や栄養面でワンランク上の料理になるというメリットを伝え、家庭にも取り入れてもらいたいという狙いがあります。
手間と感じる料理に関するアンケート結果をもとに、「+ひとてま」ポイントを4項目に決定しました。それは、「調理工程の揚げる、蒸す、煮る」「電動調理器を使用する」「料理の素などの既製品を使用しない」「果物の摂取頻度が低い現状から、果物を料理に組み合わせる」の4項目です。これらの「+ひとてま」ポイントに沿ってレシピを受講者に提案しました。
例えば9月では、電動調理器の使用として、ブレンダーを使用したポタージュ、果物と組み合わせた料理として、いちじくを生ハムの冷製パスタのソースに使用したり、ポークソテーの付け合わせとして使用したレシピを提案しました。最終回では、提案したレシピで実際に家で作ったもの、作ってみたいと思ったもの、特に記憶に残ったもの、などの項目でアンケートを実施し、本研究のまとめとしました。
学校給食って何がすごいの?
学校給食は「生きた教材」と言われている。地場産物や旬の食材を使い、栄養バランスを考えて作られており、私が短期大学生時代に栄養教諭の教育実習へ行った際にも、食に関して興味を持ってくれる子どもはとても多かった。しかし、実際には給食時間の指導や、食育の授業を積極的には行なっていない学校もあり、私の教育実習校では年間計画の都合上で食育の授業までは実施することができないというのが現状であった。
そこで私は、奥嶋ゼミが運営する小学4〜6年生を対象とした子ども料理教室にて、子どもたちに身近な学校給食に、なぜその食材や栄養素が含まれているのか、食文化等を、料理教室の視点で伝えたいと考えた。本料理教室では子どもたちに坂戸市の学校給食で提供されている料理を作ってもらい、その料理の特徴や作り方、含まれている栄養素、食文化、作る人への感謝を知ることで、学校で食べる際にも「生きた教材」として意識して食べてもらえるような教室運営を行っている。料理を作るだけでなく、その日に作る料理に関するミニ授業を行っている。さらにその内容を分かりやすく一枚にまとめた資料を配布し、自宅に帰った後もその日作った料理に関する知識を振り返れるようにした。また、子ども達が話を聞いて盛り上がれるように、ミニ授業の内容からクイズを出題して楽しい授業になるようにしている。子ども達に再現しやすくアレンジした給食レシピを提案し、自宅でも料理を作ってもらうことで、「生きた教材」から、毎日の食事にももっと興味を持ってもらえるようにしたいと考えている。
本料理教室を通して、子どもたちが普段食べている給食を自分の手で作るという実践的な経験から、さらに食に関心を持ち、学校給食から普段の食事に対しても広い視野で見られるようになって欲しい。
そこで私は、奥嶋ゼミが運営する小学4〜6年生を対象とした子ども料理教室にて、子どもたちに身近な学校給食に、なぜその食材や栄養素が含まれているのか、食文化等を、料理教室の視点で伝えたいと考えた。本料理教室では子どもたちに坂戸市の学校給食で提供されている料理を作ってもらい、その料理の特徴や作り方、含まれている栄養素、食文化、作る人への感謝を知ることで、学校で食べる際にも「生きた教材」として意識して食べてもらえるような教室運営を行っている。料理を作るだけでなく、その日に作る料理に関するミニ授業を行っている。さらにその内容を分かりやすく一枚にまとめた資料を配布し、自宅に帰った後もその日作った料理に関する知識を振り返れるようにした。また、子ども達が話を聞いて盛り上がれるように、ミニ授業の内容からクイズを出題して楽しい授業になるようにしている。子ども達に再現しやすくアレンジした給食レシピを提案し、自宅でも料理を作ってもらうことで、「生きた教材」から、毎日の食事にももっと興味を持ってもらえるようにしたいと考えている。
本料理教室を通して、子どもたちが普段食べている給食を自分の手で作るという実践的な経験から、さらに食に関心を持ち、学校給食から普段の食事に対しても広い視野で見られるようになって欲しい。