令和7年度 食文化栄養学実習

衞藤久美ゼミ■国際協力学研究室


野菜嫌いが考える!野菜摂取量UPへの道のり

   私は野菜が嫌いだ。しかし栄養や彩りの面からも野菜を食べないといけないと思うが、シャキシャキとした食感が嫌いで食べることが少ない。本実習の目的は野菜嫌いの人でも食べやすいレシピを考え、野菜摂取量を増やすためにできることを検討することである。
   実習1として、野菜嫌いの人でも食べられるレシピを考案した。中間発表までの取り組みとして、自身の野菜摂取量を調べ、主に昼食での摂取量が少ないことやスープ類で野菜摂取量が多いことからスープに着目し、昼食にスープを食べることにした。さらに朝食で食べやすい野菜ゼリーと野菜蒸しパンのレシピを考案した。今回は様々な文献を調べ、嫌いな人が多く日常使いされやすい野菜のうち、なすとピーマンを使ったレシピ考案を行った。レシピ考案では主菜と副菜をそれぞれ1~2種類ずつ試作した。既存のレシピを参考に、なすやピーマンはみじん切りや千切りにすることで見た目で分かりづらくした。またえのきやチンゲン菜など歯ごたえのある食材と組み合わせたりよく加熱することで、食感でも分かりづらく食べる時の抵抗感を少なくした。
   実習2として、寄居町のYORII KENKO弁当開発に参加し、スーパーや惣菜専門店での市場調査をふまえて副菜のレシピ考案を行った。寄居町や埼玉県で生産量の多い食材を取り入れながら6品を考案し、主菜との組み合わせも考えながら「味噌山椒ポテト」、「なすとごぼうのはちみつしょうが炒め」、「小松菜としめじのツナ和え」の3品に決定した。弁当は1食あたりの野菜(きのこ、芋も含む)重量が140g以上で、食塩3.0g未満になるように、何度も試作を行い量や味を調整した。そして7月に試食会を2回実施し、研究室メンバーや寄居町健康づくり課の方に食べてもらい、いただいた意見を参考にYORII KENKO弁当「野菜も主役!ゴロゴロ甘辛チキン」を完成させた。
   本発表までに、これまで考えたレシピを日常生活の中で活用することで以前よりも野菜摂取量が増えたかを検証する。
   本実習を通して、手間は増えるものの野菜の切り方や加熱方法の工夫、さらに作り置きを活用することで、嫌いな野菜でも食べられることが分かった。また野菜摂取を意識して調理することで野菜摂取量を増やすことが出来るため、今後も意識して嫌いな野菜でも作り方を工夫して食べたいと考えた。

子どもの食事に関する困りごとを減らしたい!
─日本と諸外国の離乳食・幼児食の比較─

   私は小さいころから様々な食文化に触れてきたことから、外国の食文化に興味があった。また、甥が生まれ、子どもの食事に興味を持った。本実習の目的は、日本と諸外国の離乳食や幼児食(以下、子どもの食事)について知り、比較を行い、日本で子育てをしている保護者が抱える困りごとを減らすための情報発信をすることである。中間発表では、ベトナムの市販のベビーフード調査、ベトナムでの子どもの食事に関するインタビュー、ベトナムで子育て経験のある日本人の方へのインタビュー、アメリカの子どもの食事に関する文献調査、日本で売っている諸外国の市販のベビーフード調査の結果を発表した。今回は、アメリカの市販のベビーフード調査、日本の未就学児を育てる保護者への子どもの食事に関するアンケート調査、Instagramを使用した情報発信について発表する。
   まずアメリカの市販のベビーフード調査では、オンラインショップiHerbを使い計11種類のベビーフードを購入し、家族やゼミ内で試食を行った。日本、ベトナム、アメリカの3か国のベビーフードを比較すると、同じ月齢が対象の商品でもテクスチャーが異なるという相違点や、同じ東アジア食文化圏の日本とベトナムではお粥が食べられていることなどの類似点があった。味やメニュー、使われている食材などからその国の子育ての進め方や食文化を感じられることが分かった。
   次に、最近の日本の保護者が抱える困りごとについて知ることを目的に、6か月から年長(小学校に上がる前)の子どもの食事作りを主に担当している保護者を対象に、2025年10月にMicrosoft Formsを用いたアンケート調査を行った。この結果をもとに本発表までに、日本の保護者が抱える困りごとを減らすための方法を考え、Instagramを使用して情報発信を行う予定である。
   実習を通して外国の子どもの食事について調査することの難しさを感じた。しかし、ベビーフードからもその国の子どもの食事の特徴を知ることができたと考える。また、子どもの食事も大人の食事と同じように、日本とベトナムはごはん、アメリカはパスタが食べられていることや、3か国で使われている食材や調味料による味の違いがあった。さらに、インタビューとアンケートから、子どもの食事に関する困りごとは子どもによって違うため、様々な種類の情報発信が求められているのではないかと考えた。