令和5年度 食文化栄養学実習

宮内正ゼミ■文化学研究室


新・パンの街?宇都宮におけるパン屋の役割

みなさんは「宇都宮」と聞いて何を思い浮かべますか。おそらく大抵の人が「餃子」を想像するのではないでしょうか。「餃子の街」として名の知れた宇都宮ですが、近年パン屋が急増し、「パン屋の激戦区」としても注目を集めています。本研究では、宇都宮市に住む人たちにとってパン屋はどのような役割を担っているのかについて、とくに、それぞれの店舗によって利用するお客さんや商品や店舗空間にどのような違いがあるのかなどをフィールドワークを通して追求します。そこから、宇都宮におけるパン屋のあり方や、宇都宮のパン屋ならではの魅力を考察していきます。

現代人の食品の選び方

農業をやっている親戚が地方に住んでいることから、私の家では昔から野菜やお米を送ってもらっており、それらを使用した手づくり料理を食べるのが珍しくなかった。そのため、食品を購入する際も有機食品や食品添加物が少ない食品など、「シンプルな食品を選ぶこと」が多く、そのことが食品を購入する上での判断基準になっていた。しかし、友人は「国が定めた基準に従ったものであれば、食品添加物が含まれていても安全だ」という考えを持っていた。そこで、現代人はどのような判断基準で食品を購入しているのかを、アンケートを用いてタイプ別に分け、現代の食選択における価値観を考察することにした。

食品×カプセルトイの魅力

最近、「カプセルトイ」ブームが再燃しています。私自身もカプセルトイを「引いて」「集めて」います。そのときにふと思うことがあります。それは、食品サンプルのミニチュアサイズのカプセルトイをよく見かけるようになったことです。食べ物がミニチュアのおもちゃになっていることが最近の「カプセルトイ」人気のひとつだとしたら、その人気の理由はいったい何でしょうか。かつて子供向けのおもちゃとしての役割をしていた物とは違い、近年になって出てきた食べ物のカプセルトイには、食べ物への視覚的な興味が飛躍的に増大していることが背景にあるのではないかと考えます。

味わいの構成要素

食べものを味わうときには、そのものの直接的な味だけが重要なのではない。私たちは、食べものそのものの味を味わうだけでなく、におい、見た目、食感、音など、五感の影響も受けている。また、食事環境、食べものそれ自体の情報、記憶、心理状態などの要因も複雑に絡み合う。いわば、人は「脳で味わっている」のだ。食べものそのものに含まれる「味」だけでなく、その他の要因が「味わい」にどのように影響しているのかを研究する。とくに、「食の思い出や記憶」と「味わい」の関係に着目する。思い出や記憶に残る食には、どのような要素が関わっているのか考察していく。

人やお菓子、見た目が大事と言われるのはなぜか

第一印象というものは「見た目」が8割、9割だといわれています。では、お菓子の場合はどうでしょうか。お菓子は何かしらの手が加わらないと作り上げられません。したがって、形が崩れているお菓子よりも綺麗な形のものを選びたいと思うのは必然のことかもしれません。最近はさらに、第三者の目線、つまり他者の視線に価値を置いているように感じます。では、私たちはなぜ、これほどまでに見た目にこだわるのでしょうか。もちろん人もお菓子も中身が大事であると理解していると思います。中身より見た目、自分の意見よりも第三者の意見を重視する、こうした人々の意識について研究していきます。

あなたにとって納豆とは?

冷蔵庫に納豆はあるだろうか。私の家では納豆が無くなるとすぐに買い足してストックする。毎日の食事に欠かせない存在だ。他の家でも同じだと思っていたが、調べてみるとそうではない事が分かった。一般的には、エリア(地域)の偏りがあるといわれている。北関東から南東北のエリア(茨城県の水戸納豆、福島県の納豆が有名)の出身者が家族にいる事が考えられる。或いは出身地とは別の要因として、健康食や栄養食としてテレビ等のメディア、友人・知人・親戚の薦めで食べるようになる事も考えられる。いずれの場合も、実際には家族が推進役になっているのか、誰が消極的であるのかについても考察する。

カフェと「推し活」

皆さん、カフェの利用目的は何ですか? 最近、カフェを「推し活」の一環として利用する人を多く見かけます。人物やキャラクターなど好きな物、応援している対象のことを「推し」といい、「推し活」とはカフェに「推し」のグッズを持参し撮影するなどの行動のことを言います。推し活の場としての利用を促している店も少なくありません。推し活という行動が人をカフェに来店させ、店のPRとしての役割も果たしているといっても過言ではありません。どのような店が推し活に利用しやすく魅力的に感じるのか、そのために店側はどのような工夫をしているか、などを追求していきたいと思っています。 

なぜ人はコラボカフェに行くのか

みなさんはコラボカフェに行ったことがありますか? 私はよく行きます。そもそもコラボカフェとは様々なコンテンツと飲食店がコラボし、作品やキャラクターをイメージしたメニューを提供しているカフェのことです。私は一般的なカフェとコラボカフェとの違いは、店内で流れているBGM、提供されているメニューすべてが作品関連であるかないかが違いだと仮説を立てています。私はグッズのために利用することが多いのですが、提供されているメニューを目的として利用する人もいます。人によってコラボカフェに行く目的が違うことを知りました。本研究では、なぜ人はコラボカフェに行くのかを追究します。

アパレル業界はなぜカフェ事業に進出するのか

アパレル事業はどのような理由でカフェ事業に進出しているのか、そのメリット、デメ リットについて考える。近年、カフェ兼アパレルが増えている。その現状を把握し、そ の理由について考える。一般的には、ネットでの売り上げが増加傾向にある反面、リアル店舗への来店者数が減少し、店舗での売り上げが減少している。こうした現状を打開する方策のひとつがカフェ兼アパレルではないだろうか。その中で都内にある、いくつかの店舗を訪ねて、それぞれの認知度やイメージや空間づくりなどについて調査し、その実態を明らかにし、カフェ兼アパレルの可能性について考えていきます。

購買心理とSNSを使用した広告の相互作用

私はクリームシチューのプロデュースに取り組んでいます。魅力的なクリームシチューやそのイメージの市場調査を行い、試作を繰り返し商品開発を行います。次に、消費者の購買行動と購買時に左右する要素に関する研究を文献調査します。そして、そこでの学びを生かして、SNSを使用した話題性のある広告活動を行います。成功した広告やその他マーケティングの事例を分析し、その要素や手法を抽出します。その上で、クリームシチューに関連するユニークなコンセプトやストーリーを作り出し、新たな広告戦略を展開します。最終的に実際に出店して販売を行うことが目標です。

アフタヌーンティーを楽しみたい!

皆さんは、アフタヌーンティーは好きですか? 私は、アフタヌーンティーは見た目が華やかで上品であるだけでなく、ふだんとは異なるわくわく感や非日常空間を感じたことから興味を持ちました。アフタヌーンティーとは、飲食そのものを楽しむだけでなく食事空間を楽しむものである。このことを前提に、多様化するアフタヌーンティーについて考えます。具体的には、文献調査、カフェ空間とアフタヌーンティー空間の違いについてのアンケートやフィールドワークを実施します。アフタヌーンティーにおける人々の関わりを明らかにするとともに、アフタヌーンティーの魅力を伝えていきたい。

食行動に潜むバイアス

"大盛りが売りのラーメン屋さんでひとり麺をすする女子大生" "パンケーキ屋さんでSNS映えする写真を何枚も撮る中年男性"。この2つのシーンからなにか違和感を感じませんか。もし違和感を覚えるとしたら、その要因は何でしょうか。例えば、ひとりでは外食できない、この飲食店は入りにくい、という違和感。外食する際のお店選びをするとき、選択肢を狭めている要因が無意識に存在しているのではないでしょうか。こうした要因を追求し、潜在意識に囚われず、もっと選択肢を広げて外食を楽しめる人が増えるように、飲食店のあり方や私たちの潜在意識を払拭するための方法を検討していきたい。

恋愛における食の役割

いま、あなたは恋をしていますか。「恋愛」によって促される一連の行動場面(出会い、自己紹介、付き合い、デートなど)において設定されるイベントは、ほぼ必ず食事を伴う。「デートで食事に誘う」ことはお互いの親密度を深めること(少なくともその可能性に両者が同意していること)を意味する。そもそも「誰かといっしょに食事をする(共食する)」のは人間だけである。人間だけが食事という行為によって社会的なつながりを確認し、互いの関係をより強固なものにする。本研究では、この共食に着目し、食事がもたらす恋愛への効果について心理学や恋愛社会学の観点から考察していく。

理想のカフェと出会うために。

私はカフェのイメージを聞かれると、オシャレでインスタ映えのするお店と、コーヒーを飲みながらゆったりとくつろげる空間を想像します。実際に私がカフェを利用する理由は、出掛けた先で疲れて休憩をする時、映える写真を撮る時です。しかし、カフェチェーン店それぞれの違い、喫茶店とカフェの違い、初めて入るお店が居心地のよい場所なのかどうかなどの疑問から、お店選びに迷うことが多くあります。この経験から、自分にとって居心地のよい理想のカフェとはどのようなところかについて研究することとしました。カフェについての文献調査、地元のカフェでの市場調査から考察していきます。

カフェに行く理由

私はコーヒーが苦手な人がなぜカフェに行くのか、ということを中心にし、カフェのあり方や最近の楽しめるコンセプトカフェを調べてテーマにしようと思います。私はコーヒーが苦手で飲めません。しかし、カフェや喫茶店の空間が好きでよく利用します。私のようなコーヒー嫌いもカフェを利用する理由を調査することにしました。

テーマの目的は、カフェはコーヒーが苦手な人も通っていることからどういう理由で通うのかを調べ、カフェに求めるもの、楽しみ方、新しいカフェの形など、どのような要因でカフェという空間が構成されているのか、カフェのあり方について考えます。