令和5年度 食文化栄養学実習

衛藤久美ゼミ■国際協力学研究室


災害時、あなたは何食べる?

以前、ガスや水が限られた状態で調理を行い、災害時はさらに調理が困難だと考えた。防災意識を高めるため、災害時の食について身近に学べ、実践しやすいゲームと料理冊子を作成することを実習の目的とした。中間発表までに次の3つに取り組んだ。1つ目は、文献を基にガスコンロを使用し米を炊いた。2つ目は、ゼミ生協力の下、既存の災害ゲームを2種類体験した。ゲームを通し、楽しみながら災害について考えるきっかけになることが分かった。3つ目は、災害時の食事に関するゲームの作成に取り掛かった。今後は、ゲームを完成させ、料理提案を行い冊子にまとめる予定である。

タイ米の魅力を伝えたい!

短期留学でフィリピンに行った際、初めてタイ米を食べ思ったより美味しかった。しかし友人は美味しくないと食べなかったことに驚き、日本人でも美味しいと感じるタイ米料理を提案することを目的に実習している。これまで文献調査により、フィリピン料理はスパイスをあまり使わない傾向にあり日本人に馴染みやすいということが分かった。さらに日本人が好むタイ米の炊き方を検討するために、ゼミ内でタイ米の官能評価を行った。今後は試作を重ね、フィリピン料理をベースに日本人好みにアレンジしたタイ米料理を考案し、リーフレット等で情報発信をする予定である。

プラントベースフードを日常に

私は、身体にも地球環境にも優しいプラントベースフードに興味を持った。本実習の目的は、身近なスーパーで購入可能なプラントベースフードを用いて、「健康」と「美味しい」の両立につながる食生活を提案することである。今回の文献調査より、プラントベースフードを活用した食生活では、バランスよく栄養素を摂取する必要があると分かった。また、プラントベースフードの地球環境への影響が、必ずしもメリットだけではないことも分かった。更に精進料理を調べ、素材を生かす調理法があることを知った。今後は、不足しがちな栄養素を補いながら、手軽に調理できるレシピを考案する予定である。

Farm to Fork and Future
食から未来を変える

本実習の目的は、地球環境に好影響を及ぼす農法である自然栽培や有機栽培された食材を使った料理を通じて「一人一人の食の選択肢一つでこれから先の地球環境を豊かにすることができる」ということを発信することである。そのために経過報告会以降、世界自然遺産に登録されている沖縄の国頭地域やフィリピン・ボホール島にある様々な畑を訪問し、農業に関する知識を深めた他、実際に有機栽培された食材を使った料理提供・商品開発などを行った。そして、今後はより多くの人に持続可能な食の大切さについて発信するために、ワンデイカフェやイベントで料理提供を行っていく予定である。

食のスキルを高める食育
自信をもって楽しく食べよう

私は子どもの頃に孤食の経験があり、成長してから食のスキルが低いことを後悔した。本実習の目的は、自身の経験を踏まえ幼児期から学童期の子どもを対象に、食育を計画・実施することである。文献調査により、次の2つを検討した。1つ目は食のスキルに関して調べ、今回の食育で食事の挨拶と食事マナーを取り上げることにした。食事マナーとして食具の使い方、配膳、よい姿勢を含める。2つ目は食育教材についてである。多くの教材があり、五感を活かすことや年齢に合わせて言葉を選ぶことの大切さがわかった。今後は、食のスキルを高める食育を計画・実施し、具体的なプログラム内容を考案する。

SOGIに関わらず快適に過ごせる食事環境

LGBTQ+が食事環境に関する問題を抱えていることを知った。本実習では、彼らの食の場面での不安や不快を取り除くため、SOGI(Sexual Orientation and Gender Identity)に関わらず快適に過ごせる食事環境について考察することを目的とする。性的少数者を差別することなく友好的な関係を築こうとする態度を示す「LGBTQ+フレンドリー」な飲食店を調査し、店舗ごとの特徴がわかった。SOGIに関する意識調査アンケートを5~6月に実施予定である。今後はアンケートの結果を基に快適な食事環境の作り方について提案する予定である。