令和2年度 食文化栄養学実習

守屋亜記子ゼミ■食生活文化研究室


日韓の食文化比較
〜おにぎりを例に〜


【実習背景・目的】お弁当などの日常食として、日本人に馴染みのあるおにぎり。韓国に旅行した際、コンビニで全州ビビンバ味や牛肉コチュジャン味などの日本ではあまり売られていない辛そうなおにぎりに衝撃を受けた。この経験から、日本と韓国のおにぎりの違いは食文化の違いによるものなのかと考え、このテーマを選んだ。文献調査やフィールドワークを通して、日韓それぞれのおにぎりの歴史や特徴を比較する。そこから、おにぎりに反映されている両国の食文化の共通性・独自性を明らかにする。
【実習内容】中間報告では、文献調査やフィールドワークから、日本と韓国のおにぎりの定義や歴史、特徴についてまとめた。文献調査から、日本ではおにぎりは弥生時代から携帯食として存在し、現在でも手軽な大衆食として親しまれていると分かった。一方韓国では2001年にセブンイレブンの低価格かつ大々的なCM を使用した販売戦略により身近なものになった。フィールドワークから、日本では三角形、韓国では丸形のものが多く、具材においては、日本では魚介類が多く、韓国では肉類が多いという特徴がみられた。また、韓国では飯・ 具材ともに辛い味が多いという特徴もみられた。
 中間報告後は、日本人と韓国人を対象におにぎりに対する認識や嗜好についてアンケートを行い、両国におけるおにぎりの在りようや食の嗜好性を考察した。また、それぞれの特徴の違いを明らかにするため、文献調査を行った。その結果、日本の魚食文化と韓国の肉食文化の歴史がそれぞれの具材に影響しており、韓国人が辛い味を好むのはトウガラシ文化の歴史やその生理作用に関係があると分かった。今回の発表では、アンケートと文献調査で得られた結果をもとに、おにぎりに対する認識や嗜好について分析・考察する。そして、両国のおにぎりの比較を通して、日韓の食文化の共通点と違いについて明らかにする。