令和2年度 食文化栄養学実習

奥嶋佐知子ゼミ■調理学研究室


なんで失敗したの?
~科学で解決しよう~


 私は幼い頃、家族の誕生日やイベントのたびに叔母とお菓子作りをしていました。しかし、成長して一人で作るようになってからは、失敗の連続でした。スポンジケーキが膨らまなかったり、クッキーが焦げてしまったり、チョコレートが固まらなかったり、みなさんもそのような経験はありませんか?失敗をすると、材料がもったいないし、落ち込みますよね。また、お菓子を誰かにプレゼントをするなら、キレイで美味しいものをあげたいですよね。そこで、3年次の学園内留学で学んだことを生かし、次にお菓子を作るときに失敗しないための方法を科学的に説明し、料理教室で伝えようと思いました。
 初めに、お菓子作りの経験やどんな時に作るのか、失敗例、今後作ってみたいお菓子などをゼミ生に聞いてみました。その結果、スポンジケーキが膨らまなかったという失敗例が一番多くあがったので、これを料理教室で取り上げて、失敗しない方法を伝えることにしました。書籍でレシピを調査し材料や器具・作り方・混ぜ方・焼成温度・焼成時間などを比較し、専門学校で学んだことを活かしつつ、家庭でも作りやすく、失敗しないことを重点に置いたレシピを作成していきます。卵といっても、サイズ・卵黄卵白の比率・鮮度によって違いがあります。砂糖は上白糖やグラニュー糖により、膨らみやすさや味、しっとり感に違いがでます。混ぜ方や材料を加える順番などにも理由があります。例えば、全卵を高速で立て、低速でキメを整えることです。気泡は大きいほど壊れやすく、仕上がりもキメが粗くボソボソとした食感になります。また、小さい気泡は壊れにくく焼成後の膨らみにも安定感があります。それらをふまえて、なぜこの材料で、この配合で、この器具で、この順に加え作るのかを、科学的に説明します。