ごまの原産地はアフリカのサバンナ
 ごまは、ごま科ごま属の一年生草本で、食品として用いられているのは栽培種のごまの種子です。
 ごまは、古くからインドで盛んに栽培されていたことから、原産地はインドと考えられてきました。また一方 では、ジャワ島の山々に野生ごまが自生しているため、ジャワ島が原産地と主張する研究者もいました。しかし今日では、ごまの野生種が圧倒的に多く分布しているアフリカのサバンナ地帯が、原産地であると言われています。ごまの栽培の歴史は非常に古く、アフリカのナイル川の流域で、紀元前3000年以前から栽培が始まったとされています。



サバンナから中国、そして日本へ
 ごまが世界のいろいろな地域に広まっていくのに、そう時間はかからなかったと推定されています。そのルートには二つあると考えられています。  
一つは熱帯のごまがアフリカ東部から海上を経て、インド南部に伝えられ、さらにインドシナ半島を通って、東インド諸島からオーストラリアへ伝わったものと、アフリカ西部から西インド諸島を経て横滑りにアフリカ大陸に伝わったルートです。
もう一つは、アメリカからアラビアへ進みシルクロードを通って東へ進んだルートです。その最終地点が日本です。


ごまの伝来経路




ごまは各地で珍重されていた!
古代エジプト
 ごまは主要穀物の一つで、灯火用、香料、ミイラづくりなどに使われていたことが、パピルスに象形文字で刻まれています。
 ごまは他の油と比べ非常に酸化されにくいことが昔から経験的に知られていました。ミイラには、永久保存の願いをこめ、防腐剤としてごま油がぬられていました。

古代メソポタミア
 ごまは油や菓子、酒、儀式用灯明として用いられさらに物納品としても使用されていたと伝えられています。

古代ギリシャ
 ごまケーキやごまワインがあったそうです。

インド
 モヘンジョダロの遺跡から炭化したごまが出土し、紀元前3000年頃から、かなりの量のごまが生産されていたことがわかっています。
祖霊祭の供え物や体にぬる油として使われたり、灯火用などに利用されていたようです。 

中国
 紀元前3000年頃の遺跡から炭化黒ごまが出土しています。また漢の武帝の時代(紀元前129年)、外交使節の張騫(ちょうけん)がシルクロードを経て、胡国からごまを持ち帰ってきたというのが「胡麻」の字の由来のようです。しかし現在の中国ではごまのことを「芝麻」(チーマー)と書いています。

アメリカ
 アメリカ大陸にごまが上陸したのは、ずっと後のことですが、アフリカから連れてこられた奴隷によってごまが伝えられ、広く普及したと推測されています。

日本
 縄文後期と推定される遺跡からごまが出土しています。また701年に出された「大宝律令」には、誤もなど6種類の種子の献上について書かれています。

ごまあるいはごま油には、独特の香りとこくがあります。古くからごまの栽培が世界に広がったのは、ごまのうま味が多くの人に好まれてきたからでしょう。 


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