女子栄養大

栄養イノベーション専攻で学ぶとどうなる?

栄養と食を通じて 人々の健やかな生活と持続可能な社会を創るための アイデア・食品・生活スタイルを生み出す人材

AIやインターネットの進化によって、生活や社会が大きく変わっています。

食や健康を取り巻く分野でも栄養や運動のバランスをチェックするアプリ、 食材や料理を手軽に買えるオンラインサービス、食物アレルギー対応商品やメニュー開発・情報発信など 次々と新しい価値が生み出されています。

一方で、この分野の社会課題は複雑化し、解決に役立つ専門知識・スキルを持った人材が必要です。 本専攻では、栄養士としての知識や技術に加え、膨大なデータを解析し、 科学的に答えを導き出す方法などを学びます。 健やかな生活につながる栄養イノベーションを生み出し、 社会に普及させる力を身につけます。

栄養と食を通じて人々のWell-beingと
持続可能な社会を創るための3領域

フード・ウェルネス領域

フード・ウェルネス領域

食べ物の生産・加工・流通・消費までを総合的に理解し、人々の生き生きとした暮らし(ウェルネス)のために、食品、美容、製薬などさまざまなフード・ウェルネスビジネスで新たな価値やモノを創出できる力を備えます。 活躍できるフィールド食品製造業/食品流通業/外食産業の安全管理・食品開発/
家庭科教諭/
大学院進学など

栄養データサイエンス領域

栄養データサイエンス領域

栄養素・食品・食事の多様かつ大量のデータを分析・活用する力を修得し、ビジネス、行政、さらに大学等の研究機関で、AIやICTを活用した新たなアイデアやサービスを創出できる力を備えます。 活躍できるフィールド食品企業/フードマーケティング/システム開発業/
行政/家庭科教諭/
大学院進学など

臨床検査学領域

臨床検査学領域

生体の検査データへの食事の影響を理解し、適切な検査技術と判断力を身につけ、病気の予防、早期発見、治療に貢献できる人材として医療現場で活躍する臨床検査技師を目指します。 活躍できるフィールド病院の検査部門/衛生検査所/健診・検診施設/
大学院進学など

フード・ウェルネス領域と栄養データサイエンス領域では、領域の学びに加え家庭科教諭一種免許状の取得も可能。また、家庭科教育でのデータサイエンスの活用、フードシステムやフードセキュリティなどの社会課題の解決に強い家庭科教諭を目指します。

専門性を磨く4年間の学修スタイル

1~2年次で栄養士資格取得に必要な知識・技術を修得し、2年次から専門性を高める領域の学びが始まります。領域の科目を横断的に学ぶことで、新たなアイデアや食品、生活スタイルを生み出すイノベーションを創出する力を養います。

1~2 年次栄養士教育

  • 基礎・教養科目

    人間の営みや多様性を幅広く、柔軟に理解する視野と教養を身につける

  • 専門基礎・専門科目

    栄養学を人々の暮らしに活かすために、主体的、自律的に実践できる基礎を身につける

2~4 年次3領域の学び

専門科目

フード・ウェルネス領域
  • 食品の機能とウェルネスとの関わり
    自ら考え探究する

    科目例

    食品開発論/食品機能研究論など

  • 実践的な食品衛生管理技術
    修得を目指す

    科目例

    食品保存技術論/食品微生物検査学など

  • 食から持続可能な社会を考え
    実践活動をする

    科目例

    フードシステム学/
    食品開発・マーケティング論など

  • 課題解決に向けた思考力と
    分析技術
    を身につける

    科目例

    フードサイエンス実習Ⅰ・Ⅱ/
    フードPBL演習など


フードサイエンス実習Ⅰ・Ⅱ

PICKUP授業

フードサイエンス実習Ⅰ・Ⅱ

食品(商品)の企画、製造、品質管理、研究などに関与する食品開発者が必要とする知識や創造力を養うことができます。一年間の実習を通じて、課題に関連する調査や研究を行い、多角的な視点からアイデアを創出します。さらに、グループディスカッションやプレゼンテーションを通じて、自ら探究する能力を強化します。

栄養データサイエンス領域
  • 数理・データサイエンス・AI活用
    基礎を学ぶ

    科目例

    情報リテラシー論/情報処理統計学など

  • 多様なデータの意味を抽出し、
    社会に活用する方法を学ぶ

    科目例

    栄養データサイエンス入門/
    保健・栄養ビックデータ活用など

  • AIの概念や手法、応用例を学び、
    課題解決につなげる

    科目例

    AI入門/機械学習の基礎実習など

  • 栄養調査や料理レシピのデータを用いて
    実践的なスキルを身につける

    科目例

    栄養・料理データ分析/
    栄養のための人工知能など


プログラミング入門実習

PICKUP授業

プログラミング入門実習

簡単なコンピュータゲームやアプリを作りながら、プログラミングとはどのようなものなのかを体験的に学び、その後の基礎実習、応用実習でデータサイエンスに必要なプログラミングスキルを段階的に身につけることができます。

食育ゲーム

20枚のカードを神経衰弱ゲームのルールで開き、
同じ「原材料」の食品の絵を揃える

トライしてみよう!!

臨床検査学領域
  • 各疾病の病態、疾患と臨床検査の
    関わりと意義
    を学ぶ

    科目例

    臨床病態解析学/臨床検査医学総論など

  • 検体の搾取方法、検査方法、
    検査意義
    について学ぶ

    科目例

    微生物検査学/血液検査学など

  • 被検者に直接触れる検査方法や意義を
    学ぶ。被検者に対する接遇のスキルを
    身につける

    科目例

    医療コミュニケーション実習/
    生理機能検査学など

  • 病院での実習で実務を学び、専門職と
    しての知識と技術を身につける

    科目例

    医療安全管理学/臨地実習など


医療安全管理学実習

PICKUP授業

医療安全管理学実習

安全・安心な医療提供のために、患者の状態や状況に応じた感染および医療安全対策を正しく身につけます。わかりやすい検査説明や採取時の配慮など、患者との信頼関係を構築できるような接遇を心がけながら、適切かつ精度の高い採取技術を身につけることができます。

社会で活躍する卒業生

3領域における専門的な学びやスキルを得た卒業生たちは、食品関連、データや情報、AIの活用、疾患の臨床検査や疾病予防といった医療関連など、幅広い分野で栄養士+αの力を持った存在として活躍しています。

木下 結惟さん

株式会社サーフビバレッジ 勤務

木下 結惟さん

保健栄養学科 栄養科学専攻 2022年3月卒業
東京都立豊多摩高等学校出身

特徴的な商品の企画立案や開発を通じて、
長く愛されるロングセラー商品をつくりたいです

大学で食品の専門知識や実践的スキルを身につけていたので、即戦力として商品開発に携わることができました。現在は、清涼飲料水の商品開発や広報を行っています。商品開発で難しいのは、想像する味になかなかたどり着かないこと。何度もラボで試作を繰り返してもらい、打ち合わせや調査を重ね、ようやく商品化されます。食品業界に関心がある方は、身近なスーパーやコンビニで売られている食品を知り、特徴を考えてみてください。業界研究につながる大切な学びになります。昨今では、健康志向の高まりを受け、数多くの健康食品が登場しており、栄養士としての知識を活かして、そのような特徴的な商品の企画立案も積極的に行えるのが私の強みです。

道江 美貴子さん

株式会社asken 勤務

道江 美貴子さん

栄養学科 栄養科学専攻 1996年3月卒業
埼玉県立所沢高等学校出身

アプリ開発や運営を通じて得た経験をもとに、
多くの人の健康をサポートしていきます

大学卒業後、社員食堂等の受託運営大手の株式会社グリーンハウスにおいて、100社以上の企業で健康アドバイザーを務めた後、新規事業の立ち上げメンバーとして現在の会社に参画しました。取締役兼管理栄養士として、AI食事管理アプリ「あすけん」の企画・コンテンツ制作・開発や組織運営に携わっています。「あすけん」の特徴は、アプリ上に食事を記録すると栄養価が可視化され、栄養士が改善アドバイスをする点。ユーザーの食行動が少しでも変わるよう、細部までこだわってつくっており、2024年3月にダウンロード累計数が1000万人を突破しました。大学で学んだことは、アプリ内コンテンツの企画立案や制作をはじめ、書籍の執筆、セミナー講師などさまざまなシーンで活き、栄養学の専門知識を持ちながらプロダクト開発に携わるという、私だけの価値につながっています。今後は、アプリ開発だけでなく、リアルな食の提供にも関わり、「気づいたら健康になっていた」というような社会環境づくりに貢献したいです。

桑林 茉利奈さん

地方独立行政法人 東京都立病院機構
東京都立多摩南部地域病院 勤務

桑林 茉利奈さん

保健栄養学科 栄養科学専攻 2010年3月卒業
東京都 淑徳高等学校出身

臨床検査と栄養学の知識やスキルの
どちらも、治療に役立てています

救急・がん医療に重点を置いた医療機関で、採血や心電図・超音波検査などの生理検査と、NST(栄養サポートチーム)での栄養管理支援や糖尿病教室を担当しています。臨床検査技師と栄養士の両資格を活かして治療に貢献でき、やりがいがあります。実は大学時代は、検査技師項目の授業が苦手でした。ただ、コツコツと取り組んだ粘り強さが社会に出て活きていると感じます。今後、生理検査に関する認定資格を取得し、知識や技術を磨くとともに、検査値と栄養状態に関する知識を深め、栄養学の知識を持った臨床検査技師として存在感を高めていきたいです。

Q&A

栄養イノベーション専攻について、
高校生からの質問にお答えします。

Q1どんな資格が取得できるの?

A1全員栄養士を目指します。
3つの領域の学びを通じて、臨床検査技師(国家資格)、ITパスポート(国家資格)、食品微生物検査技士、バイオ技術者の取得が可能です。いずれも試験に合格しないとなりませんが、合格できるよう学習支援を行います。
また、中学校・高等学校教諭一種免許状「家庭」が取得できます。
他学科の科目履修によって、栄養教諭二種の免許状の取得も可能です。

Q2フード・ウェルネス領域の学びは
どんな仕事、活躍につながるの?

A2食産業での食品製造や衛生管理、品質管理などの仕事、食品企業や商社、給食受託会社や流通関連企業などでのマネジメントの仕事、食品・美容・製薬企業などの研究・開発などでの活躍が期待されます。安全安心な食品の提供や健康に役立つ食品の開発、人や環境にやさしい食の提供など新しい食品や価値の提供ができるようになります。

Q3栄養データサイエンス領域の学びは
どんな仕事、活躍につながるの?

A3マーケティング業界、IT企業でのシステム開発研究、食育ゲームや料理レシピサイト・アプリの作成などにより子どもからお年寄りまで楽しく健康的になる企画など新しい価値や物づくりができます。また、自治体や企業で健康づくりのためにデータ解析や評価をしたり、多くの人の健康に役立つ事業の実施などでも活躍を期待されます。

Q4栄養士と臨床検査技師、2つの資格が
とれるメリットはどんなところ?

A4患者様の栄養状態と検査値の関係に関する高い知識と技術によって、治療におけるさまざまな医療チームで活躍できます。また、健診センターなどで病気を早く発見し、予防においても活躍できます。栄養イノベーション専攻ではさらに新しい検査法などを考える力もつくことが期待されます。

Q5家庭科教諭になるためには?

A5フード・ウェルネス領域、栄養データサイエンス領域の学びと並行して家庭科教諭のための科目を履修します。栄養学に強いことはもちろん、データサイエンスの活用、フードシステムやフードセキュリティなど社会課題の解決に強い家庭科教諭としての力がつきます。

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