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栄養状態から、食事との関わりを考えてみる

栄養状態から、食事との関わりを考えてみる

日々の食事や運動が、栄養状態に影響を及ぼします。
栄養学実験実習では、自分自身を対象に、栄養状態の測定、評価を行います。評価結果とともに、現在及びこれまでの食事、運動、ダイエットの経験などを振り返ることで、栄養状態に及ぼす様々な要因を確かめていきます。

1日の消費エネルギー量、血糖値、骨密度などを、実際に測定することで、測定のねらいや測定方法も学びます。また、成長に大きな影響を及ぼすたんぱく質の質や量については、動物飼育から学びます。

骨密度測定

超音波法にて利き足の踝で骨密度を測定します。
骨密度の測定機器
全員が、自分の骨密度を測定します
各自、骨密度のデータと、現在、および中学・高校の食生活、運動歴、ダイエット歴、骨粗鬆症の家族歴など骨の形成に関わる要因の関連を考えます。

たんぱく質の栄養価に関する実験

6週齢の雄のラットに、たんぱく源の質と量が異なる4種類の飼料を約10日間与えます。 
[飼料A ]小麦粉のたんぱく質=植物性たんぱく質を含む
[飼料B]小麦粉のたんぱく質+リシン(リシン:小麦粉たんぱく質の第一制限アミノ酸)
[飼料C ]牛乳のたんぱく質(カゼイン) =動物性たんぱく質を含む
[飼料D ]牛乳のたんぱく質(カゼイン)で飼料Cに比べ量が多い
毎日、体重を測定し、記録します。 
最終日に解剖を行い、臓器の重さを測定します。
飼料の違いと、ラットの成長及び臓器への影響を観察することにより、たんぱく質の栄養価について学びます。
4種類の飼料によるラットの体重の変化を記録したグラフ(学生が作成)
結果

①体重増加量      A<B<C<D
②たんぱく質効率    A<B<D<C
③肝臓重量/最終体重  A<B<C<D
④腎臓重量/最終体重  A=B=C=D                
・動物性たんぱく質(C,D)は体たんぱく質の合成を促進するため、植物性たんぱく質(A,B)より、体重が増加します。
・たんぱく質の量が多い方が、体重増加量は多くなります(C<D)が、たんぱく質の量が多くなりすぎると、たんぱく質が余って、脂肪に変換されてしまうため、摂取したたんぱく質に無駄が生じ、効率は悪くなります(D<C)。             
・臓器の重量の変化から、たんぱく質の栄養は、肝臓の影響を与えますが、腎臓には影響を与えないことがわかります。

代謝量測定

各自、ウォーキングとダッシュを行い、ダグラスバッグ法にて呼気を採取し、呼気分析を行います。
呼気分析結果から、各動作の消費エネルギー量、糖質燃焼量、脂質燃焼量、活動強度を算出します。
ダグラスバッグ装着 
ウォーキングによる呼気の採取 
総呼気量測定
分析用の呼気を採気ボールに採取  
呼気分析