平野覚堂ゼミ■ビジュアル・コミュニケーション研究室
失敗しても成功するレシピ
─失敗から新しいお菓子を生み出すレシピ開発─
私は、「失敗しても成功するレシピ」をテーマに、お菓子作りで起こりやすい失敗を別のお菓子へと生まれ変わらせる研究に取り組みました。お菓子作りでは、材料の状態や混ぜ方、温度などのわずかな違いによって、分離する、膨らまない、焦げる、固まらないなど、さまざまな失敗が起こります。そこで、失敗したからといって捨ててしまうのではなく、その状態や特徴を活かすことで、新たなお菓子としておいしく食べられるのではないかと考えました。また、失敗の原因や変化を調理科学の視点から知ることで、お菓子作りへの理解を深めることも目的としています。
中間発表までの研究では、お菓子作りの頻度が異なる人を想定し、初心者からお菓子作りに慣れている人まで活用できるレシピを目指しました。実際にさまざまな失敗を再現し、その原因や状態を観察しながら、別のお菓子へのアレンジを検討しました。例えば、分離してしまったパウンドケーキの生地をクッキーに、焦がしてしまったホワイトチョコレートをチーズケーキに活用するなど、失敗の特徴に合わせたレシピを考案しました。
中間発表後は、そこで得られた意見や課題をもとに、レシピの種類を増やすとともに、より「失敗を活かしている」と感じられる方法を検討しました。泡立たなかったメレンゲをラングドシャにしたり、焦げてしまったカスタードを別のお菓子へ展開したりするなど、新たな失敗例についても試作を重ねました。また、材料の配合や加熱方法、食感、風味などを調整し、単に食べられる状態にするのではなく、「失敗したものから作ったとは思えないおいしさや発見」を目指して改良しました。
今回の研究を通して、お菓子作りの失敗は必ずしも「捨てるしかないもの」ではなく、状態を理解し、発想を変えることで新しいお菓子につなげられることが分かりました。失敗の原因を知ることは次の成功につながるだけでなく、新たなレシピを生み出すきっかけにもなります。この研究によって、失敗を恐れずにお菓子作りを楽しみ、「失敗しても大丈夫」と思えるきっかけを提案したいと考えています。
中間発表までの研究では、お菓子作りの頻度が異なる人を想定し、初心者からお菓子作りに慣れている人まで活用できるレシピを目指しました。実際にさまざまな失敗を再現し、その原因や状態を観察しながら、別のお菓子へのアレンジを検討しました。例えば、分離してしまったパウンドケーキの生地をクッキーに、焦がしてしまったホワイトチョコレートをチーズケーキに活用するなど、失敗の特徴に合わせたレシピを考案しました。
中間発表後は、そこで得られた意見や課題をもとに、レシピの種類を増やすとともに、より「失敗を活かしている」と感じられる方法を検討しました。泡立たなかったメレンゲをラングドシャにしたり、焦げてしまったカスタードを別のお菓子へ展開したりするなど、新たな失敗例についても試作を重ねました。また、材料の配合や加熱方法、食感、風味などを調整し、単に食べられる状態にするのではなく、「失敗したものから作ったとは思えないおいしさや発見」を目指して改良しました。
今回の研究を通して、お菓子作りの失敗は必ずしも「捨てるしかないもの」ではなく、状態を理解し、発想を変えることで新しいお菓子につなげられることが分かりました。失敗の原因を知ることは次の成功につながるだけでなく、新たなレシピを生み出すきっかけにもなります。この研究によって、失敗を恐れずにお菓子作りを楽しみ、「失敗しても大丈夫」と思えるきっかけを提案したいと考えています。
食感満足筋トレ飯
健康や体型維持を意識する人が増える一方、高たんぱく・低脂質を意識した食事は、味が変わらない・食べ応えが少ない・満足感が得られないなど、継続する上での難しさがある。私自身も健康のために低脂質な食事を続ける中で、揚げ物やジャンクフードを繰り返し食べたくなることがあった。最初は、それを単なる意志の弱さや甘えだと考えていたが、なぜ健康を意識しているにもかかわらず、揚げ物などを食べたくなるのかを考えた時、味だけではなくザクザク・カリカリといった食感や咀嚼時の音が、食事の満足感に関係しているのではないかと考えた。
本研究では「食感満足筋トレ飯」をテーマに、高たんぱく・低脂質でありながら、食感による満足感を得られる料理の制作を目指すこととした。中間発表ではカリカリ・ザクザクといった咀嚼音に着目し、実際の音を聞いてもらうことで食感の魅力を伝える発表を行った。
その後ジャンクフードや高たんぱく・低脂質な食事に関するアンケート調査を行ったところ、高たんぱく・低脂質な食事を続ける際の困難として同じ味が続く・食べ応えが少ない・満足感がないなどが挙げられた。またジャンクフードを食べたい理由として味やボリューム感、背徳感・濃厚さなどが多く選ばれた一方、食感を重視する回答も見られた。さらに好まれる食感ではサクサク・ザクザクが最も多かったが、もちもちも多く選ばれた。このことから食感満足とは単に音が鳴る食感だけではなく、もちもち・ふわふわ・とろとろなど、さまざまな食感から生まれるものではないかと考えた。
本発表では、ジャンクフードや背徳感のある料理から、それぞれの料理が持つ食べたくなる食感に着目し、高たんぱく・低脂質な料理へと置き換える。例えば、お麩と鶏むね肉を用いた唐揚げではカリッ・ふわっ、たこ焼きではカリッ・とろとろなど、料理ごとの特徴的な食感をオノマトペで表現する。さまざまな食材を取り入れ筋トレ飯を制作する。
食事を栄養だけで考えるのではなく、どのような食感だから食べたくなるのかという視点から筋トレ飯を見直すことで、健康を意識しながらも食べること自体を楽しみ、継続したくなる食事の提案を目指す。
本研究では「食感満足筋トレ飯」をテーマに、高たんぱく・低脂質でありながら、食感による満足感を得られる料理の制作を目指すこととした。中間発表ではカリカリ・ザクザクといった咀嚼音に着目し、実際の音を聞いてもらうことで食感の魅力を伝える発表を行った。
その後ジャンクフードや高たんぱく・低脂質な食事に関するアンケート調査を行ったところ、高たんぱく・低脂質な食事を続ける際の困難として同じ味が続く・食べ応えが少ない・満足感がないなどが挙げられた。またジャンクフードを食べたい理由として味やボリューム感、背徳感・濃厚さなどが多く選ばれた一方、食感を重視する回答も見られた。さらに好まれる食感ではサクサク・ザクザクが最も多かったが、もちもちも多く選ばれた。このことから食感満足とは単に音が鳴る食感だけではなく、もちもち・ふわふわ・とろとろなど、さまざまな食感から生まれるものではないかと考えた。
本発表では、ジャンクフードや背徳感のある料理から、それぞれの料理が持つ食べたくなる食感に着目し、高たんぱく・低脂質な料理へと置き換える。例えば、お麩と鶏むね肉を用いた唐揚げではカリッ・ふわっ、たこ焼きではカリッ・とろとろなど、料理ごとの特徴的な食感をオノマトペで表現する。さまざまな食材を取り入れ筋トレ飯を制作する。
食事を栄養だけで考えるのではなく、どのような食感だから食べたくなるのかという視点から筋トレ飯を見直すことで、健康を意識しながらも食べること自体を楽しみ、継続したくなる食事の提案を目指す。
溶け込まないで、調味料
本研究では、料理における「溶け込んでいない調味料」の利用可能性について考察する。日本の料理では、砂糖は煮物や照り焼きなど多くの料理に使用されている。しかし、砂糖は料理の過程で溶け込むことが多く、食べる際にはその存在を意識する機会が少ない。その一方で、砂糖には甘味を加えるだけでなく、味に深みやまろやかさを与えるなどの役割があり、日本の食文化を支える重要な調味料の一つである。そこで、本研究では砂糖をあえて溶かさずに使用した場合、見た目や食感、味覚にどのような影響を与えるのかを検討し、新たな調味料の活用方法を探ることを目的とする。
研究にあたっては、まず砂糖が日本の食文化に取り入れられた経緯や製造方法について文献調査を行った。また、砂糖が表面に残る和菓子や洋菓子、海外料理などの事例を収集し、溶け込んでいない砂糖がどのような効果を生み出しているのかを分析した。その結果、砂糖が目に見える状態で存在することで、甘味だけでなく食感や視覚的な印象を強め、料理や食品に対する期待感や満足感の向上につながる可能性があることが分かった。
さらに、本研究では中間発表で扱った砂糖に加え、醤油やこしょうなど他の調味料についても考察を行った。醤油は料理に染みこませるだけでなく、仕上げに持ってくることで香りや色の印象を強めることができる。また、こしょうは料理に混ぜ込む場合と表面に振りかける場合で香りや刺激の感じ方が異なる。このように、調味料の存在が認識できる状態では、味だけでなく視覚や嗅覚、食感といった複数の感覚に影響を与えていることが確認できた。
以上のことから、調味料は単に味付けのための材料ではなく、料理の印象や食体験そのものを形成する役割を担っていると考えられる。今後も実際の料理への応用方法を検討し、調味料をあえて目立たせることで生まれる新たな価値や表現の可能性について、さらに研究を進めていきたい。
研究にあたっては、まず砂糖が日本の食文化に取り入れられた経緯や製造方法について文献調査を行った。また、砂糖が表面に残る和菓子や洋菓子、海外料理などの事例を収集し、溶け込んでいない砂糖がどのような効果を生み出しているのかを分析した。その結果、砂糖が目に見える状態で存在することで、甘味だけでなく食感や視覚的な印象を強め、料理や食品に対する期待感や満足感の向上につながる可能性があることが分かった。
さらに、本研究では中間発表で扱った砂糖に加え、醤油やこしょうなど他の調味料についても考察を行った。醤油は料理に染みこませるだけでなく、仕上げに持ってくることで香りや色の印象を強めることができる。また、こしょうは料理に混ぜ込む場合と表面に振りかける場合で香りや刺激の感じ方が異なる。このように、調味料の存在が認識できる状態では、味だけでなく視覚や嗅覚、食感といった複数の感覚に影響を与えていることが確認できた。
以上のことから、調味料は単に味付けのための材料ではなく、料理の印象や食体験そのものを形成する役割を担っていると考えられる。今後も実際の料理への応用方法を検討し、調味料をあえて目立たせることで生まれる新たな価値や表現の可能性について、さらに研究を進めていきたい。
食欲減退色を食卓の彩りに
料理に視覚的な影響を与える彩り。この彩りとは、色の変化や多様性を表す言葉であり、食事の楽しみを増やす要素の一つとして、料理において重要視されることが多い。一方で、普段食卓で目を惹くのは、素材本来の色である、赤やオレンジ、黄色であることが多い。実際に先行研究により、青色や紫色は食欲を減退させる方向に影響を与えることが判明している。本発表では、これらの色を食欲減退色とする。
私はこの現状に疑問を抱いた。食欲減退色を食卓の彩りとして活用することができれば、食卓の自由もより増すのではないかと考えたのだ。
色彩背景の調査において、青色が「涼しそう」という印象を与えたことや、最近では、青色の食品パッケージも数多く見られることなどから、食欲減退色は食環境においてマイナスな影響ばかり与えているとはかぎらないと考えられる。これらのメリットに着目をし、本研究の最終的な目標を、「食欲減退色を活用することで、食卓に色彩的な彩りを加えること」とした。
中間発表では、市場調査の結果をもとに、視覚情報以外の食事において重要な要素を考察した。加えて、その条件に合う「青色の浅漬け」「青色のビシソワーズ」「青色のディップソース」の3点を試作し、発表を行なった。
しかし、3品はいずれも料理単品であり、実際に食卓というシチュエーションで彩りとして機能するのかは不完全であった。そのため、本発表では、青色を加えた料理を数点追加し、一般的な家庭のキッチンで再現性のあるレシピを構築したのと同時に、日常の献立に加えても違和感のない一食を考案した。
青色を食卓に取り入れることは、単に見た目を変えるだけでなく、料理について話すきっかけや、新しい食体験を生み出すことにつながると考える。食欲減退色とされる青色だからこそ生まれる新たな価値が、食卓に彩りを加えるのである。
私はこの現状に疑問を抱いた。食欲減退色を食卓の彩りとして活用することができれば、食卓の自由もより増すのではないかと考えたのだ。
色彩背景の調査において、青色が「涼しそう」という印象を与えたことや、最近では、青色の食品パッケージも数多く見られることなどから、食欲減退色は食環境においてマイナスな影響ばかり与えているとはかぎらないと考えられる。これらのメリットに着目をし、本研究の最終的な目標を、「食欲減退色を活用することで、食卓に色彩的な彩りを加えること」とした。
中間発表では、市場調査の結果をもとに、視覚情報以外の食事において重要な要素を考察した。加えて、その条件に合う「青色の浅漬け」「青色のビシソワーズ」「青色のディップソース」の3点を試作し、発表を行なった。
しかし、3品はいずれも料理単品であり、実際に食卓というシチュエーションで彩りとして機能するのかは不完全であった。そのため、本発表では、青色を加えた料理を数点追加し、一般的な家庭のキッチンで再現性のあるレシピを構築したのと同時に、日常の献立に加えても違和感のない一食を考案した。
青色を食卓に取り入れることは、単に見た目を変えるだけでなく、料理について話すきっかけや、新しい食体験を生み出すことにつながると考える。食欲減退色とされる青色だからこそ生まれる新たな価値が、食卓に彩りを加えるのである。
珈琲物語
本研究では、コーヒーに興味はあるものの、知識を学んだり自宅で楽しんだりすることに難しさやハードルを感じる人に向けて、コーヒーをより楽しく知るための方法を提案する。コーヒーは、産地や品種だけでなく、生豆の精製方法、焙煎、豆の挽き方、抽出方法などによって味わいが変化する。しかし、こうした違いを知識として学ぶことは難しく感じられる場合もある。そこで、コーヒーの特徴をキャラクターや物語と結びつけることで、楽しみながらコーヒーについて知ることができるのではないかと考え、本研究を設定した。
中間発表までには、コーヒー豆の産地や特徴などについて調査し、それぞれのコーヒーの違いをキャラクターとして表現する方法を検討した。当初は生成AIを活用してキャラクターを制作し、コーヒーの特徴を視覚的に表現することを考えていた。また、コーヒーを選ぶ際の楽しさにつなげるため、味や心理との関係をもとにしたマップや、ポスター・カードなどの制作についても検討した。
その後、研究を進める中で、生成AIによるキャラクター制作ではなく、自分自身でキャラクターと物語を制作する方向へ変更した。本発表では、コーヒーのキャラクター「チェリー君」と主人公の物語である『珈琲物語』を、コピックを用いて自ら描いた全10話を発表する。物語を通して、コーヒーに関する知識や特徴を楽しみながら学べる作品を目指した。また、中間発表では対象を「コーヒーが好きな人」としていたが、本発表では自分自身の感覚だけで評価するのではなく、実際に勤務しているカフェで聞き取り調査を行い、作品を第三者の視点から検証する。
以上を通して、コーヒーの知識を単に学ぶのではなく、キャラクターや物語を入り口とすることで、コーヒーに触れるきっかけをつくり、より身近で楽しい学びにつなげることを本研究の目的とする。
中間発表までには、コーヒー豆の産地や特徴などについて調査し、それぞれのコーヒーの違いをキャラクターとして表現する方法を検討した。当初は生成AIを活用してキャラクターを制作し、コーヒーの特徴を視覚的に表現することを考えていた。また、コーヒーを選ぶ際の楽しさにつなげるため、味や心理との関係をもとにしたマップや、ポスター・カードなどの制作についても検討した。
その後、研究を進める中で、生成AIによるキャラクター制作ではなく、自分自身でキャラクターと物語を制作する方向へ変更した。本発表では、コーヒーのキャラクター「チェリー君」と主人公の物語である『珈琲物語』を、コピックを用いて自ら描いた全10話を発表する。物語を通して、コーヒーに関する知識や特徴を楽しみながら学べる作品を目指した。また、中間発表では対象を「コーヒーが好きな人」としていたが、本発表では自分自身の感覚だけで評価するのではなく、実際に勤務しているカフェで聞き取り調査を行い、作品を第三者の視点から検証する。
以上を通して、コーヒーの知識を単に学ぶのではなく、キャラクターや物語を入り口とすることで、コーヒーに触れるきっかけをつくり、より身近で楽しい学びにつなげることを本研究の目的とする。
箸で食べたい洋菓子
─新たな洋菓子の創造─
一般的にフォークやスプーン、または手で食べられることが多い洋菓子。しかし、本研究では日常的に使用され、掬う・包む・裂くなどのさまざまな機能を兼ね備える箸に着目し、思わず箸で食べたくなる洋菓子を制作することを目的とした。制作に際し、箸の機能や習慣に加え、洋菓子の形状やデザインの視点から考察する。また、箸の機能と「同音異義語」との組み合わせ、すなわち「掬う」と「救う」などの言葉遊びを取り入れて作品の多面性を試みる。
「洋菓子を箸で食べるとは、なんて滑稽な行為なんだ」と思う人がいるだろう。少なくとも、私はそう思っていた。研究を進めていく中でこんなことを思い出したのである。何年も前、父が「モンブラン」を「蕎麦の様だ」と言い張り、箸で食べている姿は、私の常識を超えた食べ方だった。そんな出来事をきっかけに、ケーキをはじめとする洋菓子は、必ず、洋食器と洋食具で食べなければ気が済まないようになってしまった。
本ゼミに入り、研究テーマを決める際、「自身の当たり前を壊し、新たな価値を見出す」必要があった。これだ。モンブランは蕎麦の様な見た目をしている。だからこそ、箸で食べたくなる、つまりモンブランのアフォーダンスだ。お菓子作りを趣味としていた私。洋菓子は、必ずフォークやスプーンで食べてきた私は、思い切って箸を使おうと考えたのである。
中間発表では、「摘む」と「巻く」という箸特有の行為を元にして、箸で食べるためのお菓子を作成した。積んで摘むタルトとパウンドケーキ、撒いて巻くティラミス。発表後には、アイデアに対する高い評価をいただいた一方、「手でも食べられそう」「箸を使う意味は何か」という意見が寄せられた。本発表では、より、箸を使うことに意味のある菓子制作に取り組んだ。 本研究は、箸で食べることに適する形状や構造を検証することで、新たな洋菓子の創造を目指す。
「洋菓子を箸で食べるとは、なんて滑稽な行為なんだ」と思う人がいるだろう。少なくとも、私はそう思っていた。研究を進めていく中でこんなことを思い出したのである。何年も前、父が「モンブラン」を「蕎麦の様だ」と言い張り、箸で食べている姿は、私の常識を超えた食べ方だった。そんな出来事をきっかけに、ケーキをはじめとする洋菓子は、必ず、洋食器と洋食具で食べなければ気が済まないようになってしまった。
本ゼミに入り、研究テーマを決める際、「自身の当たり前を壊し、新たな価値を見出す」必要があった。これだ。モンブランは蕎麦の様な見た目をしている。だからこそ、箸で食べたくなる、つまりモンブランのアフォーダンスだ。お菓子作りを趣味としていた私。洋菓子は、必ずフォークやスプーンで食べてきた私は、思い切って箸を使おうと考えたのである。
中間発表では、「摘む」と「巻く」という箸特有の行為を元にして、箸で食べるためのお菓子を作成した。積んで摘むタルトとパウンドケーキ、撒いて巻くティラミス。発表後には、アイデアに対する高い評価をいただいた一方、「手でも食べられそう」「箸を使う意味は何か」という意見が寄せられた。本発表では、より、箸を使うことに意味のある菓子制作に取り組んだ。 本研究は、箸で食べることに適する形状や構造を検証することで、新たな洋菓子の創造を目指す。