令和6年度 食文化栄養学実習

   日本が世界に誇るべき文化である和食は、2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されたことにより、現在注目を浴びている。また日本には、和食の味の根幹であるだしを使用した味噌汁やすまし汁などの汁物の料理が多くある。さらに、だしの材料として使用されているかつおぶしや昆布には、イノシン酸やグルタミン酸などの「うまみ」の成分が豊富に含まれており、この「うまみ」を材料と掛け合わせて効果的に料理することによって、素材の味が活かすことができ、美味しく調味することができる。以上により、この調理方法を広めていくことによって、今まで以上にだしを使用する頻度を増やすことができ、だしに対する注目度が上がっていくと考えた。
   また、水に溶けだしたかつおぶしや昆布の成分によって、心を安定させる効果や脂肪を貯めにくくする効果、疲労軽減効果などの様々な健康効果をもたらす作用が期待できることがわかった。そこでこれらのだしを摂ることによってもたらすことができる効能を紹介し、だしの健康効果をより引き出すことのできる汁物のレシピを提案する予定である。
   本実習では、だしの「うまみ」を効果的に引き出すことができる簡単な調理方法を提案する。これにより、消費者の方々にだしのおいしさを楽しみながら、今まで以上に日常へ取り入れていただくことを目標とした、簡単お手軽にだしがとれる調理方法を提案する。今まで以上にだしを取り入れてもらうためには、家庭にある調理器具でどのように調理すべきか、どのくらいの時間をかける方法が良いのかなど、「だしを引く作業」を様々な視点から考えた調査結果や、だしを活用することによってもたらされる健康効果などを発表する予定である。