令和6年度 食文化栄養学実習

奥嶋佐知子ゼミ■調理学研究室


ベジマスターになろう!
もぐもぐ料理教室

   子どもの頃から野菜が好きな人の方が、大人になってからの野菜摂取量が多いことを知り、ゼミで運営している料理教室に参加する子どもたちにも野菜を好きになってもらい、野菜をもっと食べてもらいたいという思いを胸に料理教室を運営してきました。昨年から子どもたちの様子を見ていて、野菜を好きになってもらうために、まずは野菜に興味を持ってもらうことが必要だと考えました。そこで私は子どもたちがベジマスターになれるように野菜の魅力を伝えることを目標として活動してきました。ベジマスターとは教室での体験を通して野菜の魅力に気づき、さらに家族や友人にも野菜の魅力を伝えることが出来る子どものことを指すオリジナルの称号です。
   6月のオリエンテーションで子供や保護者に家庭でよく食べている野菜を聞き、その野菜を使用して献立を決定することとしました。料理教室では、その日に取り上げる野菜についてのミニ授業を行い、おいしい野菜の見分け方について話すときは口頭説明だけではなく、実際に子どもたちに野菜を見て触って体験してもらいます。子どもたちは、「今まで知らなかった!」「今度スーパーに行ったら見てみよう!」と興味津々で積極的に参加してくれました。次の授業開始時に回の教室で取り上げた野菜のクイズを行ったところ、多くの子どもが正解するだけではなく、学んだことを家族や友人にも話したということが分かりました。また、以前は少しでも野菜が入っている料理は一切食べない子が見受けられましたが、ミニ授業やレシピブックで野菜について伝えてから野菜に対する意識が変わったのか、徐々に一口食べる子もでてきました。中には、「今日家に帰ったら夜ご飯にまた作りたい」と言う声もあり、教室での学びを通じて子どもたちの野菜に対する関心を深めることが出来たと実感しています。これからも子どもたちを通して家族にも野菜の魅力を知ってもらい、家庭全体での野菜摂取量を増やすきっかけを提供したいと考えています。

新潟県を探検!
知って作って食べてみよう!もぐもぐ料理教室

   私は新潟県新潟市出身です。お米の印象が強い新潟県のさらなる魅力として、生まれ育った地域だからこそ分かる伝統的な食文化や地域性や観光などを、他県に住む子ども達に発信したいと考えました。子ども達が新潟県について興味を示し、料理教室に楽しく参加することが出来るための工夫として、新潟県に関するクイズや新潟シールラリー形式で進めてきました。具体的には、手書きの新潟県地図の活用や県内に関するミニ授業を行い、教室の始めに、前回の授業内容を振り返る新潟県クイズを出題、解答は選択肢の中から正解であると思う方へ体を動かしながら集まる体験型です。ミニ授業では画用紙で手作りした新潟県地図を貼り、上越、中越、下越、佐渡における地域ごとの郷土料理や地域、観光名所を取り上げ、私が撮影した写真を順番に貼り付けます。回数を重ねるごとに地図が写真で埋まり、県内を巡ったような体験が出来るように計画をして行ってきました。新潟県の郷土料理における特徴を発信し、コミュニケーションの場所として交流を深めました。毎回、教室で取り上げた地域にシールを貼っていく、新潟シールラリーを行ってきました。最終回には県内地域全てのシールが集まり、まるで新潟県内を探検したかのような食経験を得ることが出来るようになる仕組みです。そして、私が考えたオリジナル名称の新潟子ども探検隊になることを目指し、シールが集まった子どもは教室で知ったことを家族や周りの人に新潟県について話せるようになるよう、私の子どもの頃からの食経験談を含めた多くの情報を発信して活動しました。
   本教室では、子ども達が住んでいる埼玉県の食材や気候と新潟県の特徴を比較しながら、それぞれの良さを伝えます。子ども料理教室に参加してくれた子ども達が新たな発見として県内の魅力を知り、その子どもを通じ、家族の話題として1人でも多くの子どもが学んだことを広めるきっかけになれば良いと思います。また、新潟県という場所へ少しでも興味を抱いてもらえるようにという思いを込めて卒業研究を進めてきました。そして、子ども達が将来、子ども料理教室に通った経験を思い出して郷土料理の調理や新潟県内へ足を運ぶきっかけとなり、その小さな種が人口増加や食文化を広めるきっかけに繋がれば良いと考えています。