高島美和ゼミ■英語圏文化研究室
スコーンを通して見える砂糖の違い

砂糖には上白糖をはじめ、グラニュー糖や粉糖、黒糖など、数多くの種類がある。もちろんその数だけ違いや特徴がある。砂糖の種類の違いはお菓子の出来栄えにどのように影響するのかを検証する。昨年一年間、学園内留学で製菓・製パンについて基礎から学んできた。現在は専門学校で学んだことを活かし、基本のスコーンのレシピを自分なりにアレンジしている。これは、砂糖のみを変えて数種類作る対照実験をするために作りやすい分量、大きさにするためである。そして、完成したレシピを元に使用する砂糖の種類を変えて、それぞれの特徴がどうでるのか検証していきたい。
アフタヌーンティーと茶道における共通点と差異
ヴィクトリア朝と明治時代のお茶を楽しむ場の違い

習慣的に飲んでいた紅茶が、アフタヌーンティーの場では華やかな印象となり、空間が変わると全く異なる印象になることに衝撃を受けた。また、高校生の時に学んだ裏千家の茶道からは静寂な環境で礼儀作法やおもてなしの精神を学んだ。ここからお茶を楽しむ場でも、アフタヌーンティーは華やかで女性の会話の場といった印象で、茶道は女性が礼儀作法を学び精神統一の場としている印象をもった。茶は単なる嗜好品としてだけでなく、茶を飲む空間は女性の教育や社交場としても用いられるようになった。文献調査をもとにこの二つの異なる文化の共通点と差異を比較・研究する。
歴史が物語をもっと面白くする?
イギリス伝統料理と児童小説

幼少期に映画を観て以来、ハリー・ポッターが大好きだ。この作品は世界中で愛され続ける一方で、有名であるが故になんとなく知っていても実際に映画を観たことはない、という人も多く存在している。そんな人たちに向けて、食を学んでいる私だからこそできる新しい魅力の提案とはなんだろうか。本研究では、そんな思いから物語に登場するイギリス伝統料理に着目し、その歴史と物語の関係性を紐解くことで新たな作品の楽しみ方の提案を目指す。これまでは第一作目に登場するイギリス料理の歴史について調査した。今回は料理の背景を理解することで物語の奥深い理解を助け、作品への興味に繋げていく。
海外映画における食事シーンの映像効果

食べる行為は生きる為に必要な行為であり、対等でなければならないと考えている。映画の中の食事を見れば、日常なのか非日常なのかを読み取ることが出来る。食事シーンは主に会話の共有の場として描かれており、コミュニケーションが生まれる場所である食事風景は人間性や登場人物同士の関係性を表している。また、食事シーンは社会性と個人性が交わるシーンとして用いられている。人と行う会話と、個人でしか出来ない食事は個人と社会を繋ぐ場として描かれていると考えられる。本発表では、なにげなく見ている映画の食事シーンの役割を分析し、映画の理解を深めていく。
ウイスキー、見える化

ひと昔前の洋画を観ていると、何処か闇を抱えながらひとりしっぽりとウイスキーを飲む男性の姿がよく見られる。現代ではCM等で女性俳優を起用し、女性や若者向けに飲みやすさを重視したハイボールが売り出されているが、未だに『ウイスキー=年齢層高めの男性やハードボイルドな印象』のステレオタイプ化されたイメージが強い。そのイメージが先行し、ボトルごとの個性や健康面から見た蒸留酒としての魅力等が十分に認識されていないように感じる。本研究では、映画やアンケート調査を用いて昔と今の生活におけるウイスキーの役割・印象の違いを考え、印象改善と大衆化の可能性を探る。
リキュール×お菓子
みんながおいしく食べられるリキュールのお菓子

昨年、香川調理製菓専門学校での学園内留学をとおしてリキュール入りのお菓子の魅力にどんどん惹き込まれた。たとえば、カヌレはラム酒を使用したお菓子である。このようにリキュールを使用することでお菓子により奥深い風味を与え、保存性を高めることができる。また、その特性から豊かな風味をだしやすいため、甘さ控えめでおいしいお菓子を作ることもできる。しかし、リキュールのきいたお菓子を苦手とする人も少なくないので、リキュールの魅力と特性いかしたお菓子の発案をする。本発表では、リキュールの特徴とお菓子への活用事例とリキュール入りのお菓子に関するアンケート結果を報告する。
セブ島における庶民層と富裕層の食文化の違い

留学をきっかけに理想と現実のギャップを五感で感じたセブ島。様々な文化や歴史に興味を持ち、その中でも仲良くなった富裕層の友達と庶民層の友達の食事内容の差が歴然としていて興味が湧いた。また、現地にて庶民層より貧しい貧困層と呼ばれるスラム街の子達と交流する中で厳しい生活をしている人たちがいることも知った。これまで数回セブ島に調査に行き、メニューの内容や量だけでなく、食べる場所やシーンの違いが浮き彫りとなってきた。貧困層、庶民層と富裕層との生活のギャップに衝撃を受けると共にそれを知った上で私たちが今できることや現地で体験したフィリピン料理について報告する。
パン・ド・ロデヴの布教
美味しいロデヴを食べたい!作りたい!

南フランスの伝統的なパン「パン・ド・ロデヴ」の美味しさに感銘を受けたことをきっかけに、その歴史や製法を紐解いていくと共に美味しさを広めていきたいと考えている。ハードな見た目に反し、中生地のもちもちとした食感には誰しも驚きを覚えるだろう。材料がシンプルであるが故に長い時間をかけて生地を育てていくことが美味しさの秘訣である。既存のレシピを参考に満足のいくロデヴの作成に取り組んでいる。今後、ロデヴのアレンジレシピを考えていく予定である。本発表では、文献調査で明らかになったロデヴの歴史と、確定したロデヴのレシピを報告する。