令和4年度 食文化栄養学実習

山下史郎ゼミ■フードマーケティング研究室


こだわり野菜をブランドに
マッシュルームとレタスのキャラクター設定の試み

みなさんは野菜をどこで買いますか?スーパーや八百屋が多いですか。国内だけ見ても、そこでは出会えない、希少性の高い美味しい野菜がたくさんあります。そんな野菜を調べ、生産者の想いを知るにつれ、こだわり野菜をもっと多くの人へ届けたいという思いが強くなりました。そのためにはブランド化が必要だと考えました。具体的には、ネーミング・プロモーションなどの企画のお手伝いです。今研究では、高知のマッシュルームと埼玉のレタスについて、各生産者様のご協力を得て作業を進めています。こだわり野菜の独自のおいしさやこだわりを表現して届ける方法を、実際に体験しながら考えていきます。

ドライオレンジで出汁をとる
「ドライフルーツ出汁」の可能性を探る

出汁に興味を持ち調べていく中で、素材の数だけ出汁があることや、出汁の素材として昆布や鰹節、干しシイタケなどの乾物が多く使われていることに気づいた。そこで同じ乾物であり、出汁として一般的には使われないドライフルーツに着目し「ドライフルーツ出汁」の可能性を探ろうと考えた。最終的にドライフルーツ出汁を使用した料理の提案を行うことを目的とし、まずは一般的な出汁の歴史、出汁の抽出方法、果物を乾燥させることによる栄養面の変化などについて文献調査を行った。ドライフルーツ出汁はどのような味や香りの出汁になるかの仮説を立て、ドライフルーツ出汁の利用法などを考えていく。

エンジョイ・生ごみ
廃棄食材のアップサイクルを考える

みなさんは「生ごみ」と聞くとどのようなことを思い浮かべるでしょうか?汚い、臭いなどマイナスなイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。実習当初は、フードロス対策の一環として、自分の家の食材廃棄(生ごみ)だけでも減らしたいという想いから、料理から出る廃棄食材を食べる方法を検討しました。単に廃棄食材を他の食材にするだけではつまらないと思い、もっと前向きに、生ごみを使って楽しんでしまおうと考えました。今回は生ごみの意外な活用法の先行事例を調べた結果を発表します。生活の知恵や美容効果、ファッションなど、生ごみ活用の新しい一面を知ってみませんか?

中医学×栄養学 「何」を「どれだけ」を探る

西洋医学とは異なる中医学には「未病」という概念があります。これは「病気ではないけど健康でも無い状態」のことを指し、冷え性や胃腸の不調などが例として挙げられます。それらの未病は体質により異なり、体質ごとに食べるべき食材も変わります。ところが、何をどれだけ食べればいいのかは中医学の文献にはほとんど明示されていません。そこで、体質ごとに何を食べたらいいのか、また栄養学に照らし合わせるとどのくらいの量を食べるのが適切なのかを知りたくなりました。中医学の考え方と、気虚・気滞・血虚・瘀血・陰虚・痰湿という6つの体質ごとの食材を整理して報告します。

好きな夢が見られる食べ物
明晰夢をみるための食事要因を考える

皆さんは夢を見ますか? 私は小さい頃から明晰夢(夢だと自覚している夢)かつコントロールできる夢を見ることができます。世の中には「嫌な夢を見るくらいなら寝たくない」「せっかく寝るならいい夢を見たい」などの声も多くあります。そこで、楽しい夢をみることができれば今より人生が豊かになるのではないかと考え、この研究テーマとしました。 明晰夢を見るためには質の良い睡眠が欠かせません。今回は、睡眠に影響する食べ物や香り等の影響因子や、夢を見る環境条件について調べたことを報告します。さらに、明晰夢をみるための条件を考慮し、好きな夢が見られる食べ物について検討していきます。

モネを食べる
絵画を味わい尽くす方法を考える

私は画家クロード•モネが好きだ。彼の代表作として有名な睡蓮は、250点以上もの連作であることをご存知だろうか?その中でも1917年-1919年マンハッタン美術館所蔵の睡蓮は、彼のどの作品より抽象的で力強く色鮮やかな作品で、私の特別なお気に入りである。ところで、私は絵画の鑑賞方法は視覚や聴覚に限定されているため、好きな絵画を味わい尽くすのに物足りなさを感じていた。そこでこの作品を味わい尽くすために、視覚・聴覚以外の五感で絵画を味わう方法について検討している。その中で味覚と色彩に関係があるという説の存在を知った。その説をもとに考案したモネの絵画を味覚的に味わう手法を提案する。

喫香の時間
香りを楽しむ新ティータイムの提案

「お茶の時間」って何でしょう。三時の休憩、人との談笑、歩きながら飲むコンビニのアイスコーヒーも、きっと全て「お茶の時間」。お茶の時間はどんな人でも日常に溶け込んでいます。同じ人でも時と場合により「お茶の時間」に求めていることはさまざまですが、共通しているのは意識的な水分補給・栄養補給だけではなく、リフレッシュし、前を向くためのサポートだと思います。この目的達成のためにあえて「(飲み物を)飲まないお茶の時間」を考えることにしました。日本固有の文化の一つである「香道」になぞらえて「香りを聞くお茶の時間」の空間づくりを提案します。香りにもっと耳を傾けたい。