令和4年度 食文化栄養学実習

高橋勝美ゼミ■地域食産業学研究室


ゴミチップスで取り組む食品ロス問題

10年以上前に見たテレビ番組で、バナナの皮など普段捨てる部分をゴミチップスとして食べていた光景に衝撃を受けた。さらに、抜群にうまいと評価されていたことも覚えている。当時は、この人たちは何をしているのかと疑問を抱いていたが、今では皆が関心のあるSDGsの食品ロス減少に取り組む一例だと思い至った。本研究では、この番組のゴミチップスから手掛かりを得て食品ロス問題に取り組む。食品ロスは大きく分けて2つあり、小売店や飲食店からの事業系食品ロスと、一般家庭からの家庭系食品ロスだ。発表では、家庭系食品ロスに注目し自宅で取り組むことができる提案をする。

駄菓子でときめきを

「駄菓子」と聞いて何を思い出しますか。私は、子どもの頃よく行った駄菓子屋を思い出します。店いっぱいにカラフルな商品が並び、夢のような空間でした。駄菓子を見かけると、懐かしさを感じる人が多いのではないでしょうか。しかし大人になった現在、駄菓子屋に足を踏み入れても当時ほどのときめきを感じませんでした。そこで、駄菓子の魅力や変化、他の要素との組み合わせを調べることにしました。またこの研究により、駄菓子の可能性が広がり、新たな視点でときめきを感じることが出来るのではないかと考えています。今回の発表では、駄菓子とお酒や当てものの関係性などについてお話します。

自分で組み立てるスパイスカレー
オリジナルスパイスカレー作成ツール

皆さんは、スパイスカレーを作った事がありますか。「手間がかかりそう」、「揃える材料が多そう」というイメージから、自分で作ろうとする方は少ないのではないでしょうか。しかし、実際、スパイスカレーは、「肉じゃが」と同程度の手間で作ることができ、最低4種類のスパイスと、家庭料理でも使うような食材をいくつか揃えれば、他は何を入れても良い自由な料理なのです。この研究は、多くの人にスパイスカレーを身近に感じてもらい、「作ってみたい」と思ってもらえるように、誰でも簡単にオリジナルスパイスカレーを作れるツールを作成することを目標に進めていきます。

糖質オフビールについて

「糖質オフ」、皆さんも1度は目にしたことがある言葉ではないでしょうか。コロナ禍の現在、社会には健康志向が流行っています。そうした中で、様々な食品について、糖質オフ化が進みました。食をより健康的に楽しむ方法の一つとして、糖質オフという選択肢を選んでみても良いのではないでしょうか。しかし、糖質オフというと「物足りない」「美味しくない」と言った声を聞くことも多いと感じます。そういった声を多く聞く食品の一つに「ビール」があります。近年は、飲みやすいもの、美味しいものが多く販売されるようになりました。そんなビールの糖質オフ化の歴史、進化を調べ、魅力を伝えます。

お菓子の歴史と今後の姿

人間や生き物などに歴史があるように、お菓子にも歴史があります。私は、洋菓子の歴史について調べ、今後、どのようなお菓子が重宝されるのかということを考察します。 お菓子が生まれた当初、古代エジプトでは、果実などを使って甘味を表現していました。ローマ時代に砂糖が普及し、お菓子づくりが盛んになり、私たちが普段親しんでいるようなお菓子が世界に広がったと言われています。この歴史を踏まえ、現代の健康志向と合わせて、私は、ローマ時代より前の、砂糖を使わないお菓子を理想とし、砂糖に代わる甘味源を使ったお菓子を提案し、現代の健康志向に貢献します。

麹/糀をたのしもう!

「麹」と聞くと何を思い浮かべますか。日常でも多く使用する醤油・味噌・酒・みりん・酢などの発酵食品は麹が原料となっています。他にも様々な食材に使用されており、麹を使用した商品や料理が増えていると感じます。麹にはたくさんの種類があり、健康志向や美容の面でも注目されていることが分かりました。そこで今回麹や麹菌の歴史・種類・特性・効能について発表します。また、実際に色々な麹を購入し、それぞれの麹について食感や味など、どのような違いがあるのかを伝えていきます。今後は麹・麴菌を日常生活の場に応用したレシピや食卓での活用法を提案していきます。

~黄なる粉、きなこの魅力~

私は、きなこが食べ物の中で1番好きなので、毎日食べています。最近では、きなこを使った商品が多く登場しており、皆さんがきなこを目にする機会も多いかもしれません。しかし、私の友達は、商品ではなく、きなこだけを買っても使わず、家に余りがちであると言っていました。その話からきなこを毎日食べたり、料理したりする人は多くないと考えました。私は、今回きなこの歴史を調べたり、自分で作ったりして理解を深めた上できなこを使った応用料理を模索していきます。そして、私の大好きなきなこを皆さんに知ってもらい、きなこの使い道を広げたいと思います。

日本で親しまれている香辛料について
〜柚子・山椒・生姜の魅力〜

私は汁物の吸い口が好きです。なぜなら、吸い口1つでその料理の印象が大きく変化するからです。学園内留学で日本料理について学びましたが、その中で食材の個性が強く表れていた柚子、山椒、生姜の吸い口に魅力を感じました。そのためこの3つの成分や種類、効能などについて研究を始めました。研究を進める中で、各食材の魅力となる成分を知ることができました。柚子にはリモネンという成分が、山椒にはサンショオール、生姜にはジンゲロールという成分が含まれています。今後はこの成分について深く研究すると共に、各食材を活かした新しい調理法を提案していきたいと思います。

あなたの知らないサメ肉の世界

皆さんは「サメ」と聞いてどんな姿を想像しますか?水族館で泳ぐ姿でしょうか、それとも映画に出てくる恐ろしい姿でしょうか。日本ではフカヒレが高値で取引されるためサメ漁が行われていますが、サメの漁獲量日本一である気仙沼ではヒレのみの取引が禁止されており身体が付いた状態でしか売れません。しかしサメの肉は需要が低くほとんど値段がつかないのが現状で、長期的な価格の低迷によってサメ市場が縮小傾向にあり厳しい状態が続いています。実際に食べてみると美味しいサメの魅力を広めるため、多くの人が気軽にサメを食べられる方法について探ります。

「パフェ」ってなにパフェ?
〜パフェの定義とその魅力〜

皆さんは「パフェ」と聞くとどんなものを思い浮かべますか?煌びやかなフルーツパフェ、とっても甘いチョコレートパフェ、日本らしい抹茶パフェなど、世の中には沢山の種類のパフェがあります。さらに、喫茶店やレストラン、コンビニなど様々な店で販売されており、大きさも形も値段も店によって大きく異なります。では、そもそも「パフェ」とは何なのでしょうか?なぜこんなにも様々な場所で食べることが出来るようになったのでしょうか?人はパフェのどこに魅力を感じるのでしょうか?日本のパフェの変遷を追いながら、その定義と魅力を探っていきたいと思います。

吉兆を運ぶ「雁喰豆」
─黒豆食べてまめに暮らす─

地元・岩手県は農畜水産物に恵まれ、中でも私の生まれ育った盛岡市には「盛岡三大麺」の他、「もりおか短角牛」等の特産品があります。しかし特産品の一つである黒豆の「雁喰豆(がんくいまめ)」は県内外共に認知度が低い状況にあります。黒豆はおせち料理でしか食べないという人が多いことから、黒豆の魅力があまり知られていないことが原因だと考えられます。そこで、黒豆好きな私が盛岡在来種の「雁喰豆」と他品種を比較し、特長を活かしたレシピ提案を行い、「雁喰豆」の魅力を発信します。そして「雁喰豆」と盛岡市に興味をもってもらい、地域活性化に貢献したいと考えます。