令和4年度 食文化栄養学実習

高島美和ゼミ■英語圏文化研究室


継ぎ、繋ぐ菓子
ベトナムに伝わるフランス文化

香川調理製菓専門学校では、製菓技術の基礎、理論など多くの学びを得た。様々な菓子を作る中で、ある国で生まれた菓子が他の国に伝わり、それが現在まで継がれる素晴らしさを感じ、またその背景に興味を持った。あるとき知り合いから、「ベトナムで食べたカヌレが美味しかった。」という話を聞いた。ベトナムはかつてフランスの植民地。劣悪な支配を受けた過去がありながら、その街並みや食文化のあちこちには今もフランスの面影が残る。本研究では、ベトナムがフランスから影響を受ける文化をイメージした菓子の製造・販売を通し、文化のルーツと、人々を繋ぐ菓子の素晴らしさを伝える。

映像で伝える「自分と周りに優しく食べること」
より心を動かす映像づくり

捨てられがちなあの野菜の「葉っぱ」や「皮」。それらは実は栄養価が高く、本来ちゃんと食べられる食材なのだ。もちろん捨てずに当然のように食べる人もいる。そして環境の改善を特別意識していなくても、野菜を摂食可能なところまで食べることが自分の健康や周囲の環境のために役立っていることもある。本研究ではそういった“誰かにとっての食のあたりまえ”を通して、“また違う誰かにとっての当たり前”に影響を与えるという視点をもとに映像作品を制作し、1人暮らしをする同世代に向けて「自分と環境に優しい食生活」を提案する。今回は調査の概要と製作している映像作品について発表をする。

花のある食卓で癒し空間をつくる 

私は花を飾ると幸せな気持ちになり、心が休まる。実際に、花を観賞することで心身のストレスを低減させて、気分を落ち着かせる効果があると証明されている。種類や色によっても異なるイメージを演出してくれる花を食空間に取り入れることで、食卓がよりくつろげる癒しの空間になるのではないかと考えた。今回の研究では、食卓に花を取り入れる際のポイントや、気軽に花を飾れるような提案、市場調査の結果報告を行う。花屋とカフェが併設されている店に行って感じたことや、花の取り入れ方、落ち着く空間づくりを参考にして、最終的に食空間に癒しやくつろぎを与える花の提案をする。

眠れない夜にハーブティー

高校生の時3時間睡眠は当たり前。寝ることができない日々にやっと眠れるようにしてくれたのがハーブティーである。私と同じ悩みがある人のために睡眠促進効果のあるハーブティーを提案する。ハーブティーを作る条件はハーブティーが苦手な人でも無理せず飲めるもの、初心者の人でも挑戦しやすいものである。自分でブレンド・アレンジしたハーブティーを飲むことによって心身の状態はどう変わるのかを実際に自分自身を被検体とし変化を調べていく。また、実習の最終目標として、リラックス効果のあるナッツやチョコレートやハーブを用いたお菓子を製作し、お茶を楽しめる日常を作る提案をする。

パークのエリアを召し上がれ!
〜限界オタクの挑戦〜

皆さんはディズニーリゾートにある各エリアのバックグラウンドストーリー(BGS)つまり、そのエリアの裏設定について興味を持ったことはありますか。アトラクションやショーなどがメインでエリア自体はあまり興味がない人が多いかもしれません。しかし、バックグラウンドストーリーを知ることでアトラクションに乗るために並ぶあの退屈な時間がほんの少しだけ楽しくなるかもしれません。なぜならその待っている列(Qライン)にもたくさんの伏線がちりばめられているからなのです!そんな新しい発見のきっかけ作りのため、ディズニーリゾートのエリアをイメージしたものを食で表現します。

西洋の郷土菓子を味わいきる
文化を楽しむお料理絵本の作成を目指して

料理には文化や歴史が詰まっている。知らずにただ食べるだけなんてもったいない!私は、料理にあるその豊かさを知り、背景を想像しながら楽しむことで「食」の時間の充実感をより高めることができるのではないかと考えた。そこで西洋の郷土菓子を取り上げ、その国の風習や文化を伝える役割を持たせたお料理絵本という形式のレシピ本作成を最終目標として実習を進めている。現在は題材となる西洋各国の文化や郷土菓子、また年中行事や風習などについて文献調査を行っている。今回はこれまで調べた内容から郷土菓子や風習について整理し、お料理絵本の構想とともに発表する。

食生活の変化と冷蔵庫

私たちは冷蔵庫に多くの食材を保存している。しかし、多くの食材を保存することで冷蔵庫の奥に埋もれてしまい、腐敗や食べ忘れが起きていることを新聞記事で知った。このことから食料廃棄の問題、特に冷蔵庫での食材保存に着目した。実習では家庭用冷蔵庫の機能の変化や普及の歴史、高度経済成長期から現在までの日本の食生活の変化について文献調査している。食生活の変化を踏まえた冷蔵庫の効果的な活用方法を提案することで、食品の過剰保存による食材廃棄の削減につなげたいと考えている。今回は、普及初期の家庭用冷蔵庫の機能と高度経済成長期から1980年代までの食生活について発表する。