令和3年度 食文化栄養学実習

宮澤紀子ゼミ■食品化学研究室


大分県産乾シイタケを使用した焼き菓子の開発

  みなさんは煮物に入っているシイタケを食べたことありますか?あの噛んだ時のジュワッと溢れ出す煮汁の味が、私はたまらなく大好きです。そこで、新たな視点でシイタケの魅力を伝えたいと思い、シイタケの甘煮×お菓子という今までに無い組み合わせの焼き菓子を開発することにしました。まず、食品としてのシイタケの位置づけを整理するために、栽培の歴史や国内で生産されている品種、生産量の推移、栄養成分の特徴などについて文献検索を行いました。その結果、生シイタケは消費量が増加傾向にあるのに対して、乾シイタケの消費量は減少傾向にあるのを知りました。そこで、国産乾シイタケの消費拡大に繋がるよう、国内生産量第1位の大分県産の乾シイタケを使用し、開発しました。本実習では、シイタケを使用した焼き菓子の既製品や、レシピサイトでのレシピ検索などの市場調査を基に、使用するシイタケの形状と、食材同士の食感の組み合わせに注意して試作を行いました。シイタケ特有の風味を活かしたシイタケパウンドケーキ、シイタケクッキー、シイタケフロランタンの3品の焼き菓子のレシピ考案をしました。そして、より多くの人にシイタケの魅力を伝えたいと思ったため、食感や食材の組み合わせ、シイタケの形状などを工夫し、シイタケが好きな人と苦手な人それぞれの嗜好に合わせたレシピを考案しました。その後、試食会を実施し、シイタケの食べる頻度や好き嫌いに関するアンケートや試作品の味や見た目、シイタケ感などについて意見を聞き、3品の評価を行いました。レシピはSNSやレシピサイト上で発信し、魅力発信とともに、シイタケの消費拡大活動に繋げました。 すべての人にシイタケの魅力が伝わり、本研究がシイタケを食べるきっかけ、好きになるきっかけになればと思います。

日常にスパイスを
香辛料を活かしたレシピ提案

  香辛料、いわゆるスパイス・ハーブについて皆さんはどのような印象を持っているでしょうか。実習を進める中で寄せられた意見には、主にカレーに使われるイメージがある、他の料理への使い道が分からない、あまり馴染みがない、などといった印象を持つ声が見受けられました。黒胡椒や生姜、唐辛子など馴染み深い香辛料もいくつかありますが、香辛料は使い方が限られている印象が強いのではないかと私も常々感じていました。家に並ぶ沢山の香辛料をみて、カレーやエスニック料理ばかりで使うのは勿体無い、もっと他にも香辛料を主役に活用できる方法があれば食の可能性が広がるのではないかと考え、本実習では、香辛料への理解、機能性などの科学的根拠を通して香辛料の可能性を広げると共に香辛料について深く知ってもらうことを目的とし、香辛料の機能性に関する文献調査、食品売り場に並ぶ香辛料の市場調査、レシピの考案を行ってきました。特にレシピ考案では、シンプルで作りやすく馴染み深い、香りや味が顕著に出やすくレパートリーを広げやすいといった点から、香辛料を使用したおにぎりのレシピを考案しました。試作を進める中で、香辛料と白米、具材との意外な親和性に気付かされ、料理としての可能性の広がりを感じました。また、おにぎり以外にも、香辛料を入れるだけで簡単にアレンジができるちょい足しレシピの考案も行いました。これらのレシピは内容をまとめ、文献調査で得た香辛料に関する成分や機能性についての内容と合わせて冊子にまとめました。
  今回の実習を通して、改めて香辛料のもつ魅力、可能性を感じ、もっと多くの人にその魅力を知ってもらいたいと感じました。馴染みがないからと身構えず、まずは普段の料理にひとふり加えてみませんか?

紅茶の魅力を伝えたい!
紅茶とコーヒーどちらが人気なのか

  私がアルバイトをしている紅茶をメインとするカフェでは、コーヒーを注文するお客さんが多い。大手コミュニケーションアプリのユーザー(15歳~59歳男女)を対象にしたWeb調査によると、紅茶派3割、コーヒー派7割で、男女ともにコーヒー派が多いことが分かった。同調査では、紅茶派が若い年代ほど増加し、特に女性の10代と20代の紅茶派はコーヒー派を上回ることや、紅茶とコーヒーでは楽しみ方や飲用目的が異なることが示されていた。「紅茶よりコーヒーの方が人気があるのだろうか?」という疑問をきっかけに、私が好きな紅茶の魅力を広め、気軽に紅茶を楽しむ人を増やすことを目的とした。
  まず、紅茶の茶葉の銘柄や生産地を調査し、ダージリン(インド)、アッサム(インド)、ウバ(スリランカ)、ディンブラ(スリランカ)、キーマン(中国)の5種類の茶葉を紹介し、紹介した5種類の茶葉で家族を対象に官能評価を行った。評価結果を項目別にレーダーチャートで表すことで比較をしながら、それぞれの茶葉の特徴や性質を精査し、考察とまとめとともにおすすめの飲み方を提案した。また、5種類のなかで「美味しいと感じたもの」「甘さを加えたとき」「ミルクティーにしたとき」「冷たいとき」「香りが良いと感じたもの」を1~5位にランク付け評価をし、集計した。
  そして、栄大生を対象に紅茶とコーヒーについて飲用方法や目的、嗜好に関するアンケート調査を実施し、結果を分析・考察した。アンケート結果から、紅茶とコーヒーの食品機能を比較することで、シチュエーションや用途に沿ってどちらを選択するかの情報の一部になると考え、両方の魅力発信に繋げた。最終的に、誰もが好みに合わせた紅茶選びができるよう、茶葉の種類でマッピング図を作成した。

Let’s腸活!体の中からきれいになろう

  皆さんは便秘に悩んだことはありますか?便秘は女性に多いからだの悩みのひとつです。私自身も便秘に悩むことがあります。この悩みを解消することで、腸内環境が整い、お腹のハリや肌のトラブルの改善のほか、ダイエットの効果がより期待できることを知りました。
  便秘解消に効果のある食品や栄養素について調べたところ、様々な名称を目にしましたが、その中でも食物繊維に着目することとしました。食物繊維には腸内フローラと呼ばれる腸内細菌のバランスを整える効果があります。最近は、コンビニなどでもパッケージに食物繊維の量が記載されていることもよく見られ、注目されている栄養素ではないでしょうか。厚生労働省によると、食物繊維の平均摂取量は14gであるのに対し、女性の目標量は18gです。この差である4gの不足を補うメニューの開発を行いました。また、自身の実際の食事に取り入れた1週間を過ごすことで便秘に効果があるかを検証しました。
  1番初めに考案したメニューはキウイアイスヨーグルトでした。食物繊維を4g含んでおり、改善傾向は見られたものの「1日1回、朝食後にいきまずに排便」という理想は叶いませんでした。このメニューを検証する以前は、便秘に良いとされるものが1つ満たされれば良いのでは?と思っていましたが、そうではなかったと気付くことができました。理想が叶わなかった原因の一つとして考えられたのは、レシピに生クリームや砂糖を多く使ったことで、糖質・脂質が過剰になってしまっていたということです。2品目以降は、食物繊維量のみではなく、腸活に当たってマイナス要素は無いか意識しました。
  今回の発表を通して、便秘の解消とともにからだの内側からきれいになりたい!と腸活に興味をもつ人が少しでもいてくれたら嬉しいです。

アガベシロップ×スイーツ

  メキシコ原産のアガベシロップは、単子葉植物のアガベ(Agave tequilana)の根茎から製造される天然甘味料です。アガベシロップは上白糖の1.3~1.5倍の甘さがあり、GI値が上白糖やグラニュー糖の1/5程度と非常に低いため、血糖値の急激な上昇を抑えることが報告されています。
  近年、スーパーやコンビニで糖質を抑えたアイスやお菓子を見かけますが、アガベシロップを使用している商品はごくわずかしかありません。そこで私は、市販の商品にはあまり使用されていないアガベシロップを使用し、食べても罪悪感の少ないスイーツを作りたいと思いました。
  上白糖やグラニュー糖の代わりにアガベシロップを使用したジェノワーズとパンナコッタの試作を行いました。パンナコッタの試作は味、見た目ともに成功しました。ジェノワーズの試作では上白糖を使用しないことにより、「気泡が安定しない、粉の固まりができる、生地がパサつきボロボロ」などさまざまな問題が発生したため、アガベシロップの量や焼成時間を変更し何度も試作を行いましたがなかなかうまくいきませんでした。このことからアガベシロップはジェノワーズやメレンゲ、ビスキュイなどの気泡を生かさなければいけない生地作成には向いていないことがわかりました。このような特性を踏まえ、さまざまなスイーツを考案しました。
  評点法による官能評価を用いて、色やキメ、甘さ、香り、食感などの項目について嗜好性の評価を行いました。嗜好性を明確にし、学園内留学で学んだ技術をもとにアガベシロップを使用したスイーツの特性をhow-to本にまとめました。
  これをきっかけにぜひアガベシロップの可能性や魅力を多くの人に知ってもらいたいと思います。

乾シイタケのうま味を活かしたメニュー開発

  乾シイタケは、日本で古くから栽培され食べられている食品である。しかし、林野庁の特用林産物統計によると、日本の乾シイタケの生産量は、昭和59年をピークに減少傾向である。そこで、簡単に使用することのできる「だしパック」に着目し、乾シイタケの消費拡大に貢献することを目的に研究を行った。
  初めに、市場調査により、だしパックの既存商品と乾シイタケを使用した料理を調査した。既存商品の調査結果から、乾シイタケのみを使用しただしパックにすることにした。また、料理は和食以外の料理も提案することにした。そして、だしの官能評価により、最適なだしの取り方を決定した。次に、これまでの結果を活かして、乾シイタケのだしパックを使用した料理の試作を行った。試作では、厚焼き卵やスコーンなどを作り、官能評価も繰り返し行った。試作を行ったことで、乾シイタケのだしは、そのままだと乾シイタケを強く感じるが、他の食材に混ぜて調理を行うと感じにくくなってしまうことがわかった。
  そのため、厚焼き卵では、食材に対するだしの割合を多くすることで、だしを感じるようにした。そして、スコーンは、だしと材料の割合を変えることができないため、だしを取るときに水とだしパックの量を変えることで、だしを濃く取った。また、加熱時間を長くしてだしを取る方法も行ったが、あまり乾シイタケを感じなかった。他に、だしパックの中に入っている乾シイタケも加えることで、乾シイタケの風味を感じるように工夫をしながら、試作を繰り返し行った。最後に、完成したレシピを冊子にまとめた。
  私はこの研究を通して、乾シイタケのだしは、和食だけでなく様々な料理に使用することができると理解した。また、今までは乾シイタケの水戻しに時間をかけて行っていたが、研究により10分で簡単にだしを取ることが可能になったため、今後も乾シイタケを使用した料理を考えていきたい。

埼玉県産食品で作るノングルテン焼き菓子

  近年話題になったグルテフリーの背景には、欧米諸国で増加しているグルテンによる健康被害がある。なかでもセリアック病は欧米諸国に患者が多く、グルテンによる免疫反応によって引き起こされる遺伝性の病気で、グルテンを摂取しないことが治療とさている。そのため欧米諸国ではグルテンフリー表示の規格基準が設けられ、グルテン含有量が20ppm以下とされた。小麦を主食としない日本でもグルテンフリーは知られつつあるが、日本にはグルテンフリー表示の規格基準が無く、米粉製品であってもグルテンが添加されているものも多い。日本ではグルテンフリーに代わる日本独自の基準として2017年にノングルテン米粉認証制度が設けられた。欧米諸国のグルテンフリー表示規格基準がグルテン含有量20ppm以下であるのに対しノングルテンはグルテン含有量が1ppm以下とされより厳しい基準となっている。ノングルテン認証第一号の商品が埼玉県産の米を使用していることを知り、この米粉と埼玉県産の食材を使用し、埼玉県産食品とノングルテンの魅力発信を目的としたオール埼玉県産のノングルテン焼き菓子を作ることにした。米粉製品の市場調査を行い、試作をした。牧場へのフィールドワーク、埼玉県食材のオンラインサイト、アンテナショップ、地元スーパーの地産地消コーナーなどで埼玉県産の食材を集め、主材料を米粉・卵・はちみつ・牛乳とし複数試作した。取り組みの一つとして、試作品の中で3大アレルゲンを含まないものを「ニッポンハム食の未来財団」が運営する“第7回食物アレルギー対応食料理コンテスト学生の部”に応募した。完成した試作品は使用した埼玉県産食材の紹介と共にレシピにし、米粉ならではの特徴や作業性まとめた。

冷え症改善にむけたレシピ提案

  皆さんの中で「自分は冷え症である」と自覚している人は何人いるだろうか。現在、日本人全体の約4割が冷え症を抱えており、女性の場合6割以上を占めている。特に10代〜30代の女性に多く見られる傾向がある。実際、私自身も冷え症で長年悩んでおり、メディアで特集されるものに何度挑戦しても効果が見られず大変悩んでいる。そこで本実習では、冷え症改善に向けて冷え症に効果のある食材を調べ、その食材の持ち味を生かした料理を提案しクックパッドに掲載し、気軽に挑戦してもらうことを目的とした。
  まず、そもそも、冷え症とは一体何だろうか。漢方医学では、冷え症は肩こりやニキビ、便秘など同じ”未病”に含まれている。一方西洋医学では、冷え症は疾病として扱われないため治療の対象とならないのが現状である。従って、冷え症の定義や客観的な指標、原因はあいまいであり、研究者によって見解が異なるものであった。そこで、本実習ではいくつかの論文を精査し、冷え症の定義を「身体の一部、特に末梢部位である四肢や腰部などが他の体部に比べて、異常に冷たく感じる症状」として進めることとした (田中宏美,2005,p507)。
  さらに文献調査を進めた結果、ヒハツと生姜が冷え症の改善に効果があると報告されていることがわかった。そこで夏休みの間の夕食時にヒハツ、生姜をそれぞれ用いた料理を摂取し、食べる前と食べた後での体温変化を調べる実験を各1ヶ月間行った。生姜とヒハツはそれぞれ一時的ではあるが体温の上昇を確認することができた。さらに継続的に摂取することができれば、冷え症の改善に寄与する結果が期待できた。効果を実証したヒハツと生姜を用いた料理をクックパッドに掲載することで、成果の情報発信をおこなった。考案したレシピが少しでも冷え症の改善に役立てられたら幸いである。

甘味料との付き合い方
手軽でおいしい!低糖質レシピの開発

  普段スイーツやお菓子を食べる際にエネルギーや糖質が気になってしまい罪悪感を感じることや、お菓子作りの際に使用する砂糖の量が多いなと感じることが多々あります。近年、健康志向の方が増えている中で、若い女性を中心にこのような経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。  健康志向の方や、エネルギーや糖質を制限されている方をターゲットとして、市場にも砂糖の代用となる甘味料、代用甘味料や、それらを使用した低糖質商品や低糖質スイーツなどが販売されています。しかし、消費者は低糖質商品に対しての安全性への不安や美味しいのかといった疑問があるのではないかと思います。
  現代においてメディアの発展は目覚しく、特にインターネットは世界を繋ぐメディアとしても進化しています。代用甘味料の安全性について検索した場合でも、サイトによって様々な異なった情報が羅列しており、情報の取捨選択が難しい状況となっています。
  そこで、本実習では代用甘味料における特徴や特性について明らかにし、正しい情報の発信を行いました。まとめた情報は「甘味料丸わかりBOOK」とタイトルの冊子を作製し、発表会時に配布し、認知向上に努めます。 また、代用甘味料を使用した誰でも手軽に作れて美味しいレシピの開発・提案を行いました。完成したレシピはクックパッドに掲載し、甘味料の魅力をより多くの人に発信しました。一概にただの砂糖の代用品といった訳ではなく、整腸作用や虫歯を防ぐ効果がある代用甘味料もあります。スイーツやお菓子は勿論のこと、食卓に並ぶメイン料理やおかず等のレシピも提案し、今よりもより甘味料を身近に、手軽に使う第一歩としたいです。調味料の選択肢に「甘味料」を。

若者に向けたきのこのおやつ提案

  近年では、コロナ禍の影響もあり健康志向が高まっており、野菜を意識的に摂る人が増え、テレビで野菜の特集が組まれていたり、店頭にヘルシー、ヴィーガン志向の商品が並んでいるのを目にする機会も増えたように思います。そこで私は、緑黄色野菜や淡色野菜は多く取り入れられているが、きのこや海藻はそれほど浸透していないのではないか、私と同じようにきのこに対して関心が薄くなじみがない人がいるのではないかと思い、きのこを身近に感じてもらうことで興味や関心を高め、日常の食事に積極的にきのこを利用してもらえるきっかけを作りたいと思いました。現状を知るために令和元年国民健康・栄養調査を調べたところ、20~29 歳女性の1日当たりのきのこの摂取量は他の年代に比べ低い傾向にあることが分かりました。そこで若い世代を対象にきのこの料理の用途として野菜ほどおやつとしての利用は少ない傾向にある為、新たな用途としておやつを提案したいと考えました。料理検索サイトを用いてよく作られているきのこ料理、よく用いられるきのこの種類を調べたところ、よく作られているきのこ料理は、即席ではカレーやラーメンなど汁物が多く作られていることやきのこを用いたおつまみ料理では市販の商品のような水分量の少ない料理は作られていませんでした。よく用いられるきのこの種類は、ブナシメジ、エノキタケ、エリンギなど広く流通しているものが多くみられました。次に既存の商品を店舗とインターネットショップで調査、入手し、官能評価を行ったところ、国産商品がないことや塩味、ペッパー味など決まった商品が多いことが分かりました。これらの結果をもとにお茶やお酒に合うインパクトのある味付けのもの、減塩に考慮したレシピ考案を行いました。この研究を通してきのこ料理の楽しみ方が広がり、よりきのこが身近で取り入れやすいものになればと思います。

失敗から学ぶ!おいしい手作りクッキー

  クッキーは、材料や工程がシンプルで手作りお菓子の定番といえる。お菓子作りの入門として家で子供と一緒に作るという人もいる。しかし、材料の配合割合や状態、混ぜ方の違いで仕上がりが大きく左右される奥深い一面もある。家庭でお菓子作りに挑戦した際に、レシピ通りに作っても理想の仕上がりにならずもどかしさを感じた人もいるかもしれない。そこで、失敗の原因を分析し、手作りする際のコツを掴むことで、成功につなげられると思い実習のテーマにした。
  まずはクッキーの製法をレシピ本などの文献を参考に、工程やポイントを整理した。手作りクッキーに関する実際の失敗例を調査し原因の分析を行った。改善点を考察し、実際に試作と検証を行って失敗クッキーの改善に取り組んだ。この取り組みでより詳しくクッキー製法のポイントを知ることができた。この、失敗例から学んだポイントを組み込み、より再現性の高いクッキーレシピの作成を試みた。
  手作りクッキーには「おいしさ」「作りやすさ」「手間の少なさ」「手に入れやすい材料」が求められることがWebの調査により分かった。また、調査の中でクッキーという菓子の多様さに驚いた。そこで、加える材料や仕上げを自分好みのアレンジ、改良を施しオリジナルの特別なレシピにできるよう、シンプルなレシピを提案することにした。
  クッキーについて調査を進めていく中で、自分の思い出とともにレシピを綴る人が多く見受けられ、家庭菓子として歴史や国を問わず多くの人に愛されていることがわかった。本実習を通じてお菓子作りの楽しさや、手作りクッキーのおいしさを知っていただきたい。そして、皆さんのお気に入りのクッキーレシピ発見の手助けになると喜ばしい。

ゲーム飯を再現してみた
ゲーム×健康

  皆さんゲームは好きですか??私は、幼少期から兄の影響でゲームが身近な存在でした。また、コロナ禍で自宅に居る時間が増えた中でおうち時間にゲームをして過ごしていた人も少なくないと思います。ゲームは年齢性別関係なく楽しむことが出来るツールです。ところで皆さん、ゲームをプレイする中で食べ物が出てきたことは無いですか?「スーパーマリオブラザーズのきのこ」や「ポケモンのきのみ」など食べ物がメインのゲームでなくても食べ物が登場しているはずです。ゲーム内で登場する食べ物はほとんどが体力回復や、体の強化の効果があるものです。それは私たちが暮らしている世界と同じなのです。ゲームの世界でも食べ物は必要不可欠なのです。私はそこに凄く興味をもち、ゲームに登場する料理を再現してみたいと思いゲーム飯の再現レシピを作成することにしました!皆さんゲームに健康的というイメージをもっていますか?正直そのようなイメージは無い人がほとんどだと思います。ゲームは夢中になるあまり他のことが疎かになりがちなため、ゲームに熱中してしまうと不規則な生活になってしまいます。そんな中でゲームが好きな人に少しでも健康に興味を持って欲しいという思いがあります。健康への興味の入口として特定保健用食品(トクホ)を使用したレシピを作成し、トクホは商品に特定の保健の目的が期待できる関与成分を含んでいるため、効果的な利用ができるのだということを知ってもらいたいです。そのトクホをゲーム飯再現レシピに使用することで「ゲーム好きで今まで健康を意識したことがない人にも興味を持って貰えますように」そんな思いを込めて再現レシピを作成しました!自分が好きなゲームに登場する料理を食べながらそのゲームをプレイするという夢を叶えてみました!
  ゲームの世界へレッツゴー!!

えのき氷の機能性を活かしたレシピ提案

  エノキタケは、国内で最も生産量の多いきのこである。しかし、エノキタケの消費は通年で一定ではなく冬の鍋物需要が中心で、通年での消費拡大が課題である。エノキタケの主な生産地である長野県中野市では、夏場に生産したエノキタケの新たな利用方法として「えのき氷」を開発し、商品化している。えのき氷は、料理や飲み物に混ぜるだけで簡単に利用することができ、料理に加えるだけで、手軽にコクやとろみをプラスできるのが特徴である。また、エノキタケ由来のキノコキトサンやエノキタケリノール酸は、脂質吸収抑制作用が報告されており、えのき氷は脂質の代謝改善やダイエットに期待できる食品として注目されている。そこで、このえのき氷の機能性を活かし、時短でヘルシーなメニューをコンセプトとしてレシピを考案し、クックパッドへの投稿と紙媒体の冊子を作成して発信した。
  長野県では、食育の一環として信州ACEプロジェクトという取り組みを行っている。その中で用いられている健康づくりメニューの一つにACEメニューがある。今回の実習では、そのメニューの基準に準じて7つの項目について設定し、すべて満たすものをヘルシーメニューとし、レシピを考案した。その際、多くの人に真似してもらえるように、手順は簡単なものにし、ワンプレートで、調理時間は30分以内に収まるようにという条件も追加した。また、えのき氷は1日3個食べることが推奨されていることから、1食で1個以上のえのき氷が摂取できるように料理に加えた。
  考案したレシピは、麺類や丼であることから栄養バランスを補うために、サラダまたは果物とヨーグルトをセットにして1食分の献立とした。このレシピがえのき氷を知るきっかけとなり、えのき氷が普及するとともに、エノキタケの消費拡大に貢献できることを期待している。