令和3年度 食文化栄養学実習

藤倉純子ゼミ■健康情報科学研究室


新装開店バーレシピ提案と店の認知拡大
〜SNSを活用した富山食発信〜

  富山県滑川市在住の知人に声をかけていただき、倉庫を改装しバーの経営企画に参加する機会を得た。そこで、バーのレシピ提案、認知拡大のためのSNSの発信、及び富山の食発信を目的とし活動をすることにした。2月から倉庫の改装を開始し、9月中旬に古着屋とアンティーク屋を開店した。その間、述べ3ヶ月間富山に滞在し、改装や開店を手伝いながら市場調査、バーメニュー考案を行った。
  バーのメニューは、市場調査や、オーナーとの打ち合わせの中で重要な点を4点設定した。滑川市、倉庫周辺には、居酒屋、Barが少ない。倉庫に飲みに来る人は、KEIZObarのためにくることが予想されるため、1軒で満足してもらえる料理があること。2点目は、倉庫のおしゃれな雰囲気とマッチし、インスタ映えすること。3点目は、料理を作るのに慣れていない人が多いため、簡単で誰が作っても同じ味を提供できること。4点目は、お酒が進む料理であること。以上の4点から、キャンプ飯や、缶詰を利用した料理、和風の味付けを意識したおつまみレシピを提案、プレオープンに向け試作を重ねた。
  古着とアンティーク屋を開店後、友人の紹介、テレビ、新聞など様々な経路でお店が認知された。その中でも特に、お店にある青色のワーゲンがシンボルとなりインスタグラムで拡散され、キャンペーンと合わせて集客に繋がった。開店後の1ヶ月でインスタグラムのフォロワーが約1600人増加し、また、テレビ、雑誌の取材、popupの依頼が来た。常に店舗に発信したくなるスポットを作ること、ターゲットを明確にすること、ターゲットが欲しい情報を取り入れることが認知拡大につながる重要ポイントであることがわかった。SNSを活用し、県内外の人に富山の食文化を知ってもらい、食を通じて人と人が繋がることができる場所を提供できることができればこの活動は成功したと考えることができる。

はじめての離乳食

  保育園で栄養士をしている際に、保護者から離乳食についての質問を多くいただいた。保護者ははじめての子育てで、離乳食についての理解をあまり深められておらず、SNSを通して離乳食の情報を得ていることを知った。実際に、間違った情報を得た家庭では、入園するまで一歳を過ぎてもミルクのみで育った子、白米しか食べた事がない子、非常に偏食が多く、保育園で提供したものをほとんど食べない子がいた。このような子は親があまり食に関心が無く、親も偏食である家庭が多かった。SNSで「離乳食」をキーワードに検索したところ、約322万件有り(2021年10月17日現在)、間違った情報が多く共有されていた。そこで子育て世代をターゲットに、離乳食への関心を高め、実践できるような離乳食の正しい情報や献立をインスタグラムで発信していくことを目的とした。
  月齢別の食材や、食材の切り方、五分粥や七分粥の作り方、便利な調理器具や食具、災害時に必要な備蓄品などの内容を、説明入りの写真や動画で2週間に1度投稿した。料理自体が苦手な方も多く、初心者にも分かり易い月齢別の食材の大きさや切り方は、男性からの反応が多くあり、共働きのため育児に参加している男性が多くいることが分かった。離乳食のアンケートでは、子供の離乳食の開始時期、苦手な食材の食べさせ方、既製品のベビーフードの利用有無など5項目について質問した。苦手な食材の食べさせ方が分からない方や、離乳食の開始時期が若干遅かった家庭が多かった。また、生後5ヶ月から1歳まで約半年間と短い期間に、与える離乳食をよく分からないまま終えてしまった家庭が多いと感じた。
  栄養士としてのSNS活用では、初心者でもわかる内容に噛み砕き、フォロワーと対話しながら、彼らが欲しい情報、知りたい情報、すぐに実践できるような正確な情報を発信し続ける事が重要である。