令和3年度 食文化栄養学実習

守屋亜記子ゼミ■食生活文化研究室


おいしさを連想させる食品広告の魅せかた
~かつお節を例に~

本研究の目的は、五感を刺激し食欲をそそる効果があるシズル表現を用いて、かつお節を題材に動画で広告を作成することである。文献調査やフィールドワークから、シズル表現は時代と共に変化してきたこと、従来のかつお節の広告にはシズル表現が含まれるものは少ないこと、かつて家でかつお節を削っていた人が、だしパックの発売やライフスタイルの変化などの理由から現在では削らなくなった事が分かった。そこで、かつお節を削った経験のある人に向けて、もう一度削ってみたいと思える広告を作ろうと考えた。今回はシズル表現とその歴史的変遷、かつお節に関するインタビュー結果などについて発表する。

椿油と美
〜“食”と“ケア”から見る椿油の魅力〜

本研究の目的は、内面的に摂り入れるものを“食”、外面的に摂り入れるものを“ケア”として捉え、フィールドワークを通して“食”と“ケア”の両面から椿油について調査し、その魅力について明らかにすることである。椿油は主に髪のケア用オイルとして古くから日本人に親しまれてきた。しかし、文献調査から椿油は全身のケアや食用としても利用されていること、他のオイルにはない、椿油独特のよさがあることが分かった。また、椿油は世代によって受け止め方が異なることも明らかになった。今回は、椿油の歴史、インタビューを通して明らかになった椿油のイメージや特徴、活用方法について発表する。

食と美肌の関係性
~韓国食で美肌を目指そう~

本研究では、肌に良い影響をもたらす韓国の食事とは何かを明らかにし、自身の食事に取り入れることで美肌を目指すことを目的とする。韓国には、食べることで体の内側から健康になるという考えがある。私は、これまで化粧品や美容器具などを使用し体の外側から美肌を目指してきたが、韓国の食事を取り入れ体の内側からも美肌を追求しようと考えた。文献調査を通し、「美肌」とは時代や国によって認識が異なっていること、求める肌によってケアの方法が変化することがわかった。今回の発表では、「美肌」の定義や美肌の歴史的変遷、自身が目指す肌などについて発表する。

日本の食文化から考えるサスティナブルな食
~精進料理を食卓に~

本研究の目的は、精進料理という日本版レスミートの実践により、食を通して持続可能な社会実現を追求することである。国連でSDGsが採択されて以降、気候変動対策や環境保全活動の拡大といった様々な取り組みが各国でなされてきた。肉の消費と生産は、温室効果ガスの排出や森林破壊という意味で地球環境に大きな影響を与えており、レスミートはSDGs達成に資するとの考え方もある。精進料理は日本の伝統的食文化の一つであり、動物性食材を用いないという点で環境に優しい。今回の発表では、SDGsの歴史や策定背景、肉の消費と生産による環境負荷等について発表する。

日本におけるキッチンカーという食空間の可能性
~韓国の屋台との比較から~

旅行でソウルを訪れた際、様々な屋台が並び活気ある様子に惹かれた。一方、日本では韓国のような活気ある屋台文化はほとんど見られない。文献調査を通じて日本の屋台文化は江戸時代には全国的に見られたが、現代においては景観を損ねるとして年々減少している事が分かった。近年ビジネス街のみならず、住宅街でもキッチンカーの出店が増えている。本研究では、韓国の屋台の魅力や在り方を分析した上で、日本の都心部で存続できる新しい食空間の可能性を追求することを目的とする。今回の発表では日本の屋台の変遷、日本で屋台が減少した理由や現在日本にあるキッチンカーの実態ついて発表する。

発酵食品の力
~食事改善と発酵食品を取り入れて冷え性緩和~

私は冷え性で手や足先が冷たくなってしまうことが長年悩みであった。これまで厚着をするなど様々な方法を試してきたが改善されなかった。そこで食事で改善できる方法はないかと考えた結果、日本の伝統食である発酵食品に着目することにした。本研究では発酵食品を自分自身の食生活に取り入れることで冷え性緩和を目指すことを目的とする。これまでの実習では、文献調査を行うとともに自分の食事記録を分析した。その結果、体を温めるのに必要な熱を生み出し、筋肉や血液を作る栄養素であるたんぱく質が足りないことが分かった。今回の発表では文献調査の結果、食事記録の分析について発表する。