令和3年度 食文化栄養学実習

宮澤紀子ゼミ■食品化学研究室


アガベシロップ×スイーツ

メキシコ原産のアガベシロップは、単子葉植物のアガベ(Agave tequilana)の根茎から製造される甘味料です。上白糖の1.3倍の甘さがあり、血糖値の急激な上昇を抑えることが報告されています。近年、糖質を抑えたアイスやお菓子をよく見かけますが、アガベシロップを使用している商品はごくわずかしかありません。そこで私は、市販の商品ではあまり使われていないアガベシロップを使って、食べても罪悪感の少ないスイーツを作りたいと思いました。官能評価を用いた嗜好性の評価と、学園内留学で学んだ技術をもとにアガベシロップを使ったスイーツの特性をhow-to本にまとめます。

若者に向けたきのこのおやつ提案

令和元年国民健康・栄養調査から、20~29歳女性の1日当たりのきのこの摂取量は他の年代に比べ低い傾向にあることが分かりました。そこで若い世代を対象に、きのこを身近に感じてもらうことで興味や関心を高め、日常の食事に積極的にきのこを利用してもらえるきっかけを作りたいと思いました。また、きのこの料理の用途として野菜ほどおやつとしての利用は少ない傾向にある為、新たな用途としておやつを提案したいと考えました。発表では、既存のきのこ商品を中心に紹介します。今後はしいたけを使用したおやつ考案をし、既存の商品と共にリーフレットに収載し配布する予定です。

ゲーム飯を再現してみた。
ゲーム×健康

今、新型コロナウイルス感染症による外出自粛の影響からゲームで遊ぶ時間が増えてきています。この状況を私は食への関心を持ってもらう絶好のチャンスだ!と考えました。ゲーム好きの人に食への関心を持ってもらう手段としてゲーム飯のレシピを再現し、発信していくことにしました。人気ゲームに登場する何の料理かわからないけど美味しそうな料理を再現します☆それに加えて、栄大生だからこそ考えられるゲーム飯するために再現するレシピの中に特定保健用食品(トクホ)の商品を使用します!食の楽しさを伝えると同時に、トクホについての情報発信をしてゲーム×健康を提案していきます。

甘味料との付き合い方
手軽でおいしい!低糖質レシピの開発

スイーツを食べる際にエネルギーや糖質が気になって罪悪感を感じることや、お菓子を作る際に使用する砂糖が多いなと感じることが多々あります。近年、健康志向の方が増えている中で、若い女性を中心にこのような経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか?市場にも砂糖の代用となる甘味料や、甘味料を使用した低糖質スイーツなどが販売されていますが、安全性への不安や美味しさに対する疑問があるのではないかと思います。そこで、本実習では甘味料の安全性や特性などの情報発信と、甘味料を使用した手軽に作れて美味しい低糖質スイーツ、料理のレシピの提案を行います。

Let‘s腸活!体の中からきれいになろう

皆さんは便秘に悩んだことはありますか?便秘の原因には、不規則な生活習慣やストレスなどが挙げられます。本実習では、食事からのアプローチをすることで便秘の改善を目指します。便秘を解消することで、腸内環境が整い、お腹のハリや肌のトラブルの改善のほか、ダイエットの効果がより期待できるとも言われています。まずは、普段の食生活の問題点を把握し、四群点数法を活用したバランスの良い食生活に改善を図りました。これからは腸内環境を整える働きのある食物繊維や乳酸菌含む食品を使用した便秘改善メニューの考案と、そのメニューを取り入れた食生活を自ら実践して評価する予定です。

失敗から学ぶ!おいしい手作りクッキー

クッキーは、材料や工程がシンプルで手作りお菓子の定番といえる。しかし材料の配合割合や状態、混ぜ方の僅かな違いで仕上がりが大きく左右される。レシピ通りに作っても理想の仕上がりにならず、もどかしさを感じた人もいるかも知れない。失敗の原因を分析し、手作りクッキーのコツを掴むことで、成功につなげられると思いテーマに設定した。まずはクッキーの製法を工程のポイントごとに整理、Webあるいはアンケート等で理想の手作りクッキーとはどういうものか、またクッキーが理想通りに完成しない事例を検出する。その原因を解明し、最終的には理想の手作りクッキーレシピを作成する。

シイタケのうま味を利用した焼き菓子の開発

みなさんは煮物に入っているシイタケを食べたことありますか?あの噛んだ時のジュワッと溢れ出す煮汁の味が、私はたまらなく大好きです。そこで、新たな視点でシイタケの魅力を伝えたいと思い、シイタケの甘煮×お菓子という今までに無い組み合わせの焼き菓子を開発することにしました。具体的には、官能評価を用いてシイタケ特有の風味を活かしたレシピの開発を行います。レシピはSNS上で発信し、シイタケの消費拡大活動に繋げます。 本発表では、シイタケの品種や国内生産量、栄養素などの特徴と、市場調査を行った商品紹介、シイタケパウンドケーキの試作経過を報告します。

乾しいたけのうま味を活かしたメニュー開発

日本の乾しいたけの生産量は、昭和59年をピークに減少傾向にある。そこで、乾しいたけの消費拡大を目的にだしパックに着目した。これまで官能評価により乾しいたけのだしパックの加熱条件や粒径による嗜好性の違いをまとめた。また、市場調査により料理や既存商品を調べた結果、乾しいたけのだしパックは、かつお節や昆布などと組み合わせて相乗効果を活かした商品がほとんどであった。そこで、乾しいたけのみを使用しただしパックにすることで、既存商品との差別化をはかる。今後は、官能評価と市場調査の結果を活かして実際に料理を試作し、レシピを冊子にまとめることで消費拡大の貢献に取り組む。

えのき氷の機能性を活かしたレシピ提案

エノキタケは、国内で最も生産量の多いきのこである。その主な生産地である長野県中野市では、夏場に生産したエノキタケの新たな利用方法として「えのき氷」を開発し、商品化している。料理に加えることで料理にコクやとろみをプラスできる。また、エノキタケ由来のキノコキトサンは、脂質吸収抑制作用が報告されており、えのき氷は脂質の代謝改善やダイエットに期待できる食品として注目されている。そこで、えのき氷の機能性を活かして、時短でヘルシーなレシピを考案することにした。その際、真似しやすいよう手順を簡単にし、完成したレシピはSNSやレシピ集として発表会で配布する予定である。

紅茶の魅力を伝えたい!
─紅茶よりコーヒーが人気?─

「紅茶よりコーヒーの方が人気があるのだろうか?」という疑問をきっかけに、紅茶の魅力を広め、気軽に紅茶を楽しむ人を増やすことを目的にした。中間発表会では紅茶の茶葉の銘柄や食品としての機能、比較としてコーヒー豆の特徴を調査した結果を報告する。また、5種類の紅茶についての官能評価を行い、その結果をレーダーチャートで表し、それぞれの茶葉の特徴や性質をまとめた。今後、若年層を対象に紅茶の楽しみ方や嗜好姓に関するアンケート調査を実施し、今回の官能評価と合わせて誰もが好みに合わせた紅茶選びを行えるマッピング図を作成する予定である。

冷え性改善にむけたレシピ提案

皆さんの中で「自分は冷え性である」と自覚している人は何人いるだろうか。現在、日本人全体の約4割が冷え性を抱えており、女性はその多くを占めている。このことから冷え性に効果のある食材をピックアップし、食材の特徴を生かしたレシピ提案を行いクックパッドで掲載することで多くの人に試してもらいたいと考えた。文献調査から、冷え性にはヒハツとショウガが科学的に効果があることが検証されていることがわかった。今後はこれらの食材の特徴について深く調べ、長期的な摂取からの冷え性改善に向けたレシピ提案をし、クックパッドに掲載していく予定である。

日常にスパイスを
香辛料を使ったレシピ提案

カレー作りが好きな家族の影響で私の家のキッチンには様々な香辛料が並んでいる。主にカレーなどで積極的に使う印象が強い香辛料だが、使い道が限られてしまうものが多いと感じる。もっと様々な料理に積極的に使うこともできるのではないか。また文献から、整腸作用などの香辛料がもつ様々な機能性について興味を持った。そんな香辛料の可能性を広げたいと思い、市場に出回っている香辛料の調査、香辛料の機能性についての文献調査、レシピの開発などを進めてきた。本発表では、市場調査で得られた結果と、考案した香辛料を使ったレシピについて、使用した香辛料の効能と共に発表する。

埼玉県産食品で作るノングルテン焼き菓子

セリアック病患者のグルテンによる健康被害が増加している欧米諸国にはグルテンフリー表示の基準があるが、日本には基準が無く、日本独自のノングルテン米粉認証制度があることを知った。認証取得第一号の商品が埼玉県産米粉であることを活かし、埼玉県産食品の魅力発信に寄与するオール埼玉県産のノングルテン焼き菓子レシピの開発を行う。市場調査で購入した市販品の材料を参考に試作を行なっている。今後は、試作したレシピの材料を埼玉県産のものに置き換え、オール埼玉県産焼き菓子として完成させ、SNSで発信する。加えて米粉と小麦粉を使った焼き菓子を比較し、粉による違いを明らかにしたい。