令和3年度 食文化栄養学実習

宮内正ゼミ■文化学研究室


食べ物グッズの魅力
カプセルトイから学ぶ食の新しい価値

硬貨を入れてハンドルを回すと転がり出てくる「カプセル」。開けるまで中身の分からないドキドキワクワク感、そんな魅力に虜になり街で見かけるとつい回してしまうという人も多いのではないだろうか。子供向けというイメージもあるかもしれないが、今や日本のカプセルトイは大人も巻き込み大きなマーケットとなっている。大規模なカプセルトイ専用ショップも相次いで登場し、種類はおもちゃだけでなく精密なミニチュアやポーチ、最近では高価格ガチャなど変わり種まで様々である。今回はその中でも私が多く集めている「食べ物系」に着目し、食の新たな価値について追求する。

コーヒー嫌いがカフェに行く

私は、コーヒーが苦手な人はなぜカフェに行くのか、ということを中心にし、カフェのあり方や最近の楽しめるカフェを調べることをテーマにした。私はコーヒーが苦手で飲めないがカフェや喫茶店の空間が好きでよく利用する。私のようなコーヒー嫌いもカフェを利用する理由を調査をすることにした。アンケートを取った所、利用目的は飲食物だけではないことが分かった。落ち着ける場所であれば図書館や漫画喫茶でも良いのにカフェに行く理由は喫茶店やカフェを選ぶ際、重視するものが、雰囲気、内装・デザインなど店の作りが良い、という点があると考え、どれが最重視されているのかも調べることにした。

酒場の役割と魅力

当たり前のように店内でお酒を飲み、賑わっていた酒場だが、新型コロナウイルスが流行し、その多くが休業、もしくは閉店に追い込まれ、人々の賑わう姿を見ることは少なくなった。コロナ禍といわれる世の中になり、日常から酒場が減ることで、人々がどのような影響を受けているのだろうか。なぜ酒場が存在しているのか、一括りに酒場といっても店舗によって規模や内外装、雰囲気、メニューはさまざまであるので、その違いにも注目し、魅力を明らかにする。そして、人々がどのような目的で酒場を利用しているのか、酒場の役割とお客様の求めるものとは何かを探求する。

"見方"を変える
─アニメ映画監督による描き方の違い─

アニメ映画は年々様々なジャンルが生み出され、そのほとんどに1回は描かれているであろう食事シーン。それは魅力的で食欲を掻き立てられるものばかりです。発表では3人の映画監督に着目し、それぞれの描き方の違いを見ていきたいと思います。人、表情、料理などの観点から違いを見つけ監督ごとの特徴を考察していきます。それぞれの違いを考察することで、映画を見たことある人、ない人どちらにも映画における食事シーンの魅力を知ってもらいこれから映画を見るときに、より注目して見てもらいたいです。たった数分のシーンが物語の中でどう描かれているのか私が感じたことを発表します。

エスニック料理の虜(とりこ)
〜「香りを味わう」ベトナム料理〜

ベトナム料理は、素材自体の香りを生かしつつ、五味(=塩気、酸味、辛味、甘味、コク)・五彩(=黒、赤、青(緑)、白、黄)・二香(=香りのよさ、香ばしさ)を取り入れた料理です。地域によって味付けは異なりますが、これはベトナム料理全般にいえる法則です。そのため、料理の味付けは控えめにして、調味料や添え物を卓上に用意し、食べるときに自分好みの味に調整しながら、複雑で調和のとれた料理を作り上げていくのです。まだまだ日本人にはなじみの薄いベトナムの食文化を知ってもらうきっかけになればと思い、非日常が味わえるベトナム料理の魅力を追求し、発表します。

ジャパニーズコスメの魅力を再発見!

近年人々の嗜好の多様化や購買のオンライン化に伴い、韓国や中国のコスメが注目されている。また欧米発祥のコスメは長年日本人に愛され続けてきた。そうした中、就職活動で国内の化粧品企業の調査をし、品質やコンセプト、機能等のこだわりを知り、日本発祥ブランドへの愛着が湧いた。そこでこの研究では国内と海外の化粧品ブランドの比較から、日本のコスメの独自性や魅力を探究し、今人々が求めていること、化粧品市場の今後の展望について考察していく。日本発祥ブランドコスメの魅力を自分自身が再認識し、この研究によって一人でも多くの人に化粧品の多彩な楽しみ方を共有していきたい。

現代社会を映す食品パッケージ

さっき食べたカップラーメンのカップ。電子レンジで温めたレトルトパウチ。耐熱に優れたこれらのパッケージは、昭和30年代に生まれ、爆発的人気となった。その背景には、スーパーマーケットが急増したことによる人々の大量消費と言った、社会の変化が関係している。食品パッケージは、社会環境や人々のニーズの変化と共に様々な姿に変化している。商品の梱包や情報の表示だけでなく、その時代の社会を表す重要な役割を担っている。食品パッケージは、「現代社会を映す鏡」と言えるだろう。新型コロナウイルスやSDGsと共に生きるこれからの時代を、食品パッケージはどのような姿で映すのだろうか。

コーヒーの深い世界

私は、コーヒーが飲めない。あの特有の苦みをおいしいと思うことができないのだ。私と同じようにその苦みが苦手という人は多いだろう。しかし、コーヒーをこよなく愛し毎日飲む人たちが多くいることもまた、確かである。そもそも苦味は、人体にとって毒であると判断され舌が拒否反応を示すはずである。味覚は個人それぞれといっても、あからさまな苦味を持つこの飲み物が多くの人に飲まれているのはなぜなのか、私には分からない。その知られざる魅力が分かれば、少しでも飲めるようになれるのではないかと思い、自分なりに考察することにした。コーヒーが飲めない人にこそ聞いてほしい。

美味しさを伝えるオノマトペ

みなさんはクッキーやクラッカーを言葉で表すとしたらどう表しますか?「サクサク」という言葉を使う人が多いのではないでしょうか。このような言葉を「オノマトペ」と言います。オノマトペとは擬音語や擬態語の総称であり、食シーンには欠かせない言葉ばかりです。また、せんべいと言ったらバリバリ、芋と言ったらホクホクなど、個人差はありますが特定の食べ物を連想させる言葉も多いです。このように、言葉と食べ物は密接な関係にあることが分かります。私はこのオノマトペと食の関係に注目し、食べ物への使われ方やオノマトペが持つ影響力について自分なりに考察します。

食品の最期
食品ロスについて考える

皆さんは食べ物を残したり捨てたりすることに罪悪感を覚えますか?私は、とても感じます。私自身、苦手な食べ物が多いので確実に食べられるものだけを選ぶようにしています。食卓に並べられるまでには、農家の方々が何ヶ月もかけて生産し、メーカー・卸・小売店・調理といった様々な手間と期間、お金をかけています。食べ物を残す・捨てることは、それらの行程をすべて無駄にすることでもあります。そこで、食品ロスの問題と課題について考えを深めていくことにしました。今回は食品ロスを減らすために企業が行っていること、家庭で出来ることについて発表したいと思います。

スパイスの最高峰
食品の素材の魅力を引き出すスパイス

今回は、和食における「和のスパイス」の歴史や、食文化に関わる代表的なスパイスを研究した。例えば、刺身であったらわさびや生姜、煮物は生姜やにんにくなどが挙げられる。それぞれに、臭み消しや殺菌効果などを目的として使われ、こういった効果も共に研究を行なった。そして、日本で親しまれているわさびやしょうが、辛子などの歴史や機能性をより深く探究した。また、山椒やくちなしの実、けしの実や柚子などの特殊な調味料も、どのような役割をするのか調べた。素材の味を重視する日本料理において、どのようにスパイスが引き立て役として使われているのだろうか。

「しあわせ」を創る食環境

皆さんは食事をした時、味の問題以外で「しあわせだな」と感じた経験はありますか?きっとあると思います。人は料理だけで美味しいと思うのではなく、空間や一緒に食べる相手など様々な要因が人に美味しい、幸せだなと思わせていると考えます。食環境の様々な要因が人々の「しあわせ」にどれほど影響を与えるのかを調査・分析し、人が食事をするときに「しあわせ」を得るためにはどうあるべきかを研究していきます。何気なく食べている毎日の食事の中で、時に見失いつつある「しあわせ」。こんな世の中だからこそ、食の「しあわせ」について考え直していきたいと思っています。