令和3年度 食文化栄養学実習

竹内由紀子ゼミ■食文化研究室


現代日本におけるヴィーガン

私はヴィーガンをテーマに研究しています。SNSや授業などで「ヴィーガン」という言葉を目にする機会が増え、興味を持ったからです。ヴィーガンという言葉はイギリスで生まれ、動物性食品を厳格に避ける人々をさします。動物愛護や環境保護など様々な思想の下、活動している人々がいます。 ヴィーガンの情報を集めると、ヴィーガンに関する検定試験・惣菜の宅配サービス・専門のレシピサイトと、新たな局面が発展していることが分かりました。今後はヴィーガン料理を提供している飲食店について調べ、現代日本においてヴィーガンがどのよう生活に馴染みつつあるのか追究したいと思っています。

私たちのテーブルマナー

私はテーブルマナーに関する研究をしています。目的は現代のテーブルマナーを若者視点で解釈することです。若い世代が思うリアルな意見とすり合わせることで、テーブルマナーに対する価値観を共有し、今後の食事シーンでの活用を期待しています。今回は若者を対象としたインタビューを行いました。男女、年齢によってさまざまな考えがあり、なかにはジェンダーの問題につながる現代ならではの相違も見られました。このインタビューによって自分と同世代の人が普段どのように食事をしているのか、食事相手に対して何を思っているのか、知るきっかけになれば良いなと思います。

エディブルフラワーの魅力
食と花言葉

私はエディブルフラワーをテーマにしています。Edible(食べられる)Flower(花)は、文字通り「食用花」です。農林水産省のガイドラインがあり、無農薬または低農薬で栽培されています。今回は、実際にエディブルフラワーを購入し、クッキーやハンバーグなどの料理を作って試食しました。結果として、エディブルフラワーの味や食感、香りはあまり感じられず、近年「エディブルフラワー」として売られているものの多くは、見た目に華やかさを与えるだけの機能しかないように感じました。そこで、私は、花言葉に注目しエディブルフラワーを使用して、それを料理に活かすことを考えています。

外来料理の受容と定着ー冷麺の種類ー

「盛岡冷麺」は岩手県盛岡市の特産・名産麵である。冷麺は朝鮮半島から伝来した料理であるが、盛岡冷麺は朝鮮半島の冷麺の原型を踏襲してはいない。実際、朝鮮半島の冷麺は4種類あり、麺の製法、スープの味、トッピングが異なっている。しかし盛岡冷麺はこれらとも違い、小麦粉・でん粉のみ使用と基準が定められている。現在広く知られている盛岡冷麺は朝鮮半島から日本へ移住した青木さんが開発したものである。今回日本に広まった盛岡冷麺について食べログを利用し、全国のコリアタウンなどで提供されている冷麺の調査を行った。麺、スープ、具材にバリエーションをクチコミ等を参考に調査した。

日常の中の幸せなおにぎり

私は手作りのおにぎりが好きで、食べると幸せになり元気が出ます。図書館で見かけたおにぎりの食文化に関する本を読んで興味を持ち、これがきっかけでおにぎりを追求したいと思いました。おにぎりの歴史は、稲作開始とほぼ同時に、弥生時代に始まると考えられています。近年はおにぎらずやスティックおにぎりといったおにぎりの進化系といえるものが登場するなど、多種多様なおにぎりが存在しますが、どの時代にあってもおにぎりはお弁当にするなど、食べる機会はあまり変わっていないのではないかと思います。また、おにぎりの精神性などについても追及を進めていきます。

絵本の中のおいしさ
魅力と食育の可能性

私は、絵本と食の関係について研究している。絵本に描かれた食には大人になっても記憶に残るような魅力があり、その魅力を明らかにしたいと思い、このテーマにした。また、絵本の魅力を活かした食育の可能性を検討したい。現在は、実際に子どもの頃に魅力を感じた、14ひきのシリーズという物語の絵本を通して、絵本の中の食の魅力を考察している。時代背景や作者の意図を踏まえて考察し、食育の視点で見ると、どのような要素があるのかについても考える。また、今後は絵本と食育の現状や取り組みなども調べ、絵本の魅力を活かした食育を考え、実践できることを検討する。

岩国寿司の魅力

私は山口県岩国市の郷土料理である岩国寿司について研究しています。きっかけは授業で出された課題で岩国寿司に触れ興味を持ったからです。岩国寿司は岩国市民にとって、冠婚葬祭時などみんなが集まる場では欠かせない料理であり、専用の木枠を持っている家があるほど馴染み深い郷土料理と言えます。しかし現在は、核家族化の進展や冠婚葬祭の様態の変化から岩国寿司を知らない世代が出てきており、岩国寿司の位置付けの変化を感じました。今後は実際に岩国寿司を作っているお店の方や郷土料理を次世代に伝えている方にお話を聞き、岩国寿司の位置付けの変化や歴史について研究したいと考えています。

昆虫食の可能性

私は「昆虫食」を研究テーマにしています。理由は、YouTube で昆虫食の動画を見て興味を引かれ、実際にコオロギを食べたところ、食感や見た目のインパクトに新たな食材としての可能性を感じたからです。2013 年に国際連合食糧農業機関(FAO)が今後の食糧問題の解決策の一つとして昆虫食や、昆虫を飼料として活用することを推奨し注目されました。現在、日本国内でも昆虫を使った食品を販売する動きが出始めています。私は昆虫を食べることは食の選択肢が増えることだと評価したいと思っています。今後は、昆虫食のレシピを作成し昆虫食の秘められた魅力や可能性について追究します。