令和2年度 食文化栄養学実習

宮内正ゼミ■文化学研究室

食べ歩きを考える。

 あなたは「食べ歩き」と聞いてどのような場面を想像するだろうか。
 食べ歩きとは本来、その土地の名物料理や珍しい食べ物などをあちこちの店で食べて回るという意味の言葉であり、私たちのよく知る「食べ歩き(何かを食べながら歩く事)」は、実は「歩き食べ」と言われ、行儀が悪いとして敬遠されていたことなのだ。
 昔は疎まれていた「歩き食べ」が現代では「食べ歩き」として一般的に使われるようになり、今では観光地だけでなく、学校帰りの学生や社会人などが食べ物を片手に歩いている光景は日常的に見かけるものとなった。そこで、現代の食べ歩きを「非日常の食べ歩き」と「日常の食べ歩き」の二つの分類し、どのような特徴があるのか比較し、考察していこうと思う。
 ここでは、観光地や縁日、祭りなど特別な場所や期間で行われる食べ歩きを「非日常の食べ歩き」、学校帰りなど何気ない生活のワンシーンとして行われる食べ歩きを「日常の食べ歩き」とする。また、それぞれどのような食品及び商品が適しているかを買い手の嗜好や売り手の工夫、を考察する。最後に観光地での食べ歩き問題にも触れ、現代の食べ歩きがどうあるべきか考える。

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